狭小住宅を建てる前に知っておくこと|一括依頼から引き渡しまで1年半の記録(旗竿地・準防火・3階建て・コロナ下の契約)

この記事を読むと分かること
  • 17坪前後の旗竿地に延床80㎡弱の3階建てを建てた、一括依頼から引き渡しまで1年半の全記録(土地→会社選び→設計→確認申請→契約→工事→引き渡し)
  • 狭小住宅で先に決めておくことと、途中で止まった原因(共有私道の工事車両、感染症対策、補助金の落選)
  • 会社選び・間取り・断り方・住んでからの後悔は、それぞれ別の記事に分けてあります。この記事はその入口です
2019年6月に家づくりの一括依頼を出し、2020年12月に引き渡しを受けました。土地は17坪前後の旗竿地、建物は延床80㎡弱の木造3階建て、準防火地域で高さ制限があります。
狭小住宅は「狭いから大変」という話で終わりがちですが、実際に時間を取られたのは土地の条件の確認と、会社選びでした。この記事では、当時のメールと図面を読み返して、何がいつ起きたかを順番に書きます。詳しい話は各記事に分け、ここでは全体の流れを追えるようにしました。
狭小住宅とは
明確な定義はありませんが、一般に15〜20坪程度以下の土地に建てる家を指します。私の土地は17坪前後。延床80㎡弱で3LDKにしています。

1年半の全記録(2019年6月〜2020年12月)

時期できごと詳しい記事
2019年1〜3月展示場から大手1社と接触。宿泊体験。月内の仮契約を勧められるが、土地が無いので見送り会社選び
2019年6月9日一括依頼で資料請求。当日に工務店2社から返信(資料は郵送、間取りと見積は面談後)一括依頼の体験
2019年7月末土地を購入(旗竿地・路地状部分 幅2.0m×約8m・準防火・第2種高度)この記事
2019年8月工務店に相談。銀行の事前審査用の仮見積とプランを依頼から約1日半で受け取る一括依頼の体験
2019年8〜10月初回プラン→打合せ2回→基本設計を2回改訂。断熱・窓・収納の仕様相談。65通間取り
2019年10月〜2020年1月個別に接触した2社からも提案と見積。共有私道の工事車両の問題で1社の打合せが延期。1月末に他社を断り、工務店に決定会社選び・断り方
2020年3〜4月仕様の詰め。感染症対策で対面打合せを電話に変更。内外装仕様を4月15日に確定→見積この記事
2020年4月6日→24日確認申請の本申請→確認済(18日。見込みは10日〜2週間)この記事
2020年5月10日工事請負契約。書類は3日前にダウンロードで事前送付、当日の持ち物は印鑑だけこの記事
2020年5月末〜7月近隣挨拶(5月30日)→着工(基礎)→7月上旬に上棟の工程。地鎮祭は実施せずこの記事
2020年12月引き渡し住んでからの後悔
※ 日付は筆者が送受信したメールと確認済証の記載に基づきます(2026年10月12日に読み返して確認)。引き渡し月は筆者の記録によります。
一括依頼から引き渡しまで約1年半。土地購入から契約まで約9か月、契約から引き渡しまで約7か月でした。

土地:旗竿地で先に確認しておくこと

私の土地は路地状部分の幅2.0m、長さ約8mの旗竿地で、前面は42条2項道路、隣地とは5辺で接しています。狭小地の中でも条件が多い形です。
確認すること私の土地で起きたこと
工事車両の乗り入れ共有私道への乗り入れを近隣に確認するよう、会社から先に指摘された。「一切できないなら工事費が数百万円単位で変わる」と明言。土地契約前に、重要事項説明書と近隣の承諾の有無を確認しておく項目
路地状部分の幅2.0m。地盤改良の重機の搬入経路が限られる。規格のある会社では最初から対象外になった
隣地との離隔最小265mm。外壁の厚みで離隔が変わるため、断熱の工法(外張りか吹付けか)が離隔に影響した
高さ制限・斜線第2種高度地区。バルコニーに屋根を付けられず、3階は天井高2,250mmで下り天井あり
準防火地域45分準耐火構造、窓は全て網入り。構造計算は準防火ではなく木造3階建てであることから必須(建築基準法第20条)
上下水道私道に本管があり、20mmの引込が可能だった(既存は13mm)。引込が無いと数十万円単位の費用
※ 2019年8〜12月の筆者のメール記録と、確認申請図面の配置図に基づきます。
土地は17坪前後ですが、建物に使えるのは12坪前後です。路地状部分(約15㎡)には建物を置けません。ただし建ぺい率・容積率の計算には敷地全体が使えるので、路地の分の容積を3階に積んだ形になっています。旗竿地で3階建てが多いのは、このためです。
狭小地で一番時間を取られたのは、土地の条件を会社と一緒に確定する作業でした。土地を買う前に分かっていれば、会社選びはもっと早く進みました。

会社選び:7社と接触して1社に

展示場から入った大手1社、一括依頼で紹介された工務店2社、個別に接触した4社。大手1社は17坪前後の旗竿地では規格の都合で建てられず、残りを同じ希望設備で見積を取って比べました。決め手は、返信の速さ、設計者が社内にいること、急かさないことです。

間取り:設備は1つずつ、天井高はメリハリ

延床80㎡弱で3LDK。1階に寝室と水回り、2階にLDKとトイレ、3階に子ども部屋2室。天井高は1階2,100mm、2階2,400mm、3階2,250mm。引き違い窓はゼロ、トイレは家に1か所。

契約前に起きたこと(2020年3〜5月)

ここは他の記事に書いていない、契約前の実務です。
項目起きたこと
仕様の変更と費用洋室の収納を中止して梁を変更。増額3万円程度で耐震等級3は維持。耐震等級3の証明(設計住宅性能評価書)は10万円(税別)
補助金東京都の省エネ住宅の補助制度に応募したが落選。補助金は「取れたら」で資金計画を組む
感染症対策2020年3月下旬から対面打合せを電話に変更。緊急事態宣言で協力業者の見積返信が遅れ、工務店の見積も遅延。地鎮祭は実施せず
確認申請4月6日に本申請、4月24日に確認済。見込みは「10日〜2週間」で、実際は18日(感染症下で審査に時間が掛かったと説明を受けた)
ローン請負契約→本申請→約1か月後に実行。見積額が変わると事前審査のやり直し。第1回の支払いは6月初旬
契約5月10日。契約資料は3日前にダウンロードで事前送付。持ち物は印鑑(実印推奨)だけ
契約後の質疑7項目をメールで。ベントキャップの位置、高所用サッシ、クローゼットのパイプ位置は現場で決定、物干し金物の下地位置、外構は上棟後、1階の窓は塀が目の前なので高く
近隣挨拶5月30日に工務店と回る。粗品は工務店も用意。不在宅は工務店が平日に再訪
※ 2020年3月2日〜6月4日の筆者のメール記録(46通)に基づきます。金額は当時の工務店の見積によります。
契約前に決めなかったことは、現場で決めるか、上棟後に回ることになります。クローゼットのパイプ位置や外構がそうでした。狭小住宅は現場で決められる余地が小さいので、図面の段階で寸法まで詰めておくほうが安全です。

住んでから:後悔は2つ、正解は6つ

2020年12月から住んで、後悔したのは浴室の掃除のしやすさと、使っていないIoTリモコンの2つ。天井高のメリハリ、引き違い窓なし、ベランダ最小、洗面台2か所、水回りの1階集約、トイレの位置は正解でした。

狭小住宅で、先に決めておくこと

1年半を振り返って、順番を入れ替えれば早く進んだと思うことを挙げます。
  1. 土地の条件を先に確定する(路地状部分の幅、工事車両の乗り入れ、私道の承諾、上下水の引込、斜線制限)
  1. 土地が決まる前に会社を決めない(仮契約を急かされても、土地が無いならしない)
  1. 土地条件を書いて2社以上に依頼し、最初の返信で土地に触れた会社を残す
  1. 同じ希望設備で見積を取る(値引き率と工事費の差が見える)
  1. 各階の役割・トイレの位置・洗濯の動線・天井高のメリハリを先に決める
  1. 外れた会社から順に断る
  1. 補助金は「取れたら」で組む。契約前に寸法まで詰める

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狭小地に対応できる会社を、複数まとめて探す入口として使えます。依頼のときに土地の広さ・形・接道を具体的に書くと、建てられる会社だけが返事をくれます。2社以上に依頼して、同じ希望仕様で見積を取るところまでやってください。1社だけでは比較になりません。
※ 掲載社数・届く書類の内容は公式サイトの公表内容に基づきます(2026年10月12日時点・編集部調べ)。会社ごとに提案内容・方法が異なります。

よくある質問

狭小住宅は何坪からですか

明確な定義はありません。一般に15〜20坪程度以下の土地に建てる家を指します。私の土地は17坪前後で、延床80㎡弱の3階建てです。

狭小住宅の工期はどれくらいですか

私の場合、契約から引き渡しまで約7か月(2020年5月契約、12月引き渡し)。一括依頼から数えると約1年半です。

旗竿地は何を確認すればいいですか

路地状部分の幅、工事車両の乗り入れの可否、私道の承諾、上下水の引込です。乗り入れができないと工事費が数百万円単位で変わると、会社から指摘を受けました。

狭小住宅の費用の目安は

本体工事で坪70万円台、設計・外構・地盤改良を含めると坪90万円台(税込・2020年4月の見積・延床約24坪で割った概算)でした。準耐火の3階建てで、会社・時期・仕様で変わります。

3階建てで気をつけることは

高さ制限と斜線です。私の土地では第2種高度地区で、バルコニーに屋根を付けられず、3階は下り天井があります。天井高を1階で下げて3階に回しました。

まとめ

  • 一括依頼から引き渡しまで約1年半。土地購入から契約まで約9か月、契約から引き渡しまで約7か月
  • 時間を取られたのは土地の条件の確定(工事車両・私道・引込・斜線)と会社選び
  • 大手1社は規格の都合で建てられず。工務店に土地条件を伝えて同じ希望設備で比べた
  • 契約前は耐震等級3の証明10万円、補助金の落選、感染症対策で電話打合せ、確認申請は本申請から18日で確認済
  • 延床80㎡弱で3LDK。設備は1つずつ、天井高はメリハリ、引き違い窓ゼロ
  • 住んで5年、後悔は2つ、正解は6つ

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※ 本記事の日付・金額・寸法は、筆者が2019年1月〜2020年6月に送受信したメール、確認申請図面、確認済証、工務店の見積明細(いずれも2026年10月12日に読み返して確認)に基づきます。会社名・所在地は記載していません(東京23区内)。