新築の窓で後悔しないために決めたこと|17坪の狭小3階建てで引き違いをゼロにし、浴室とトイレに窓を付けず、高所窓と天窓で採光した結果
この記事を読むと分かること
- 17坪前後の狭小3階建てで、窓を10か所+天窓1に絞り、引き違い窓をゼロにした理由と、5年住んだ結果
- 浴室・脱衣室・トイレに窓を付けなかった判断が、設計のどの段階で決まったか
- 隣家が近い土地で、高所窓・小さい窓・天窓でどう採光したか。構造・準防火・換気口の制約で、窓の自由度がどこまで下がるか
2020年12月から、17坪前後の旗竿地に建てた延床80㎡弱の木造3階建てに住んでいます。隣地とは5辺で接していて、1階の窓の目の前は塀です。
新築の窓は「大きくすればよかった」「少なくて暗い」と後悔の話が多い部分ですが、狭小地では隣家との距離・準防火地域・高さ制限で、そもそも選べる窓が限られます。この記事では、私の家の窓を1か所ずつ並べて、なぜその数と種類にしたか、住んでみてどうだったかを書きます。
前提:東京23区内・準防火地域・第2種高度地区、隣地との離隔は最小で265mm
窓の話は土地条件で答えが変わります。私の土地は隣家が近く、北側斜線をぎりぎりまで使った3階建てです。日当たりのよい整形地なら、同じ判断にはなりません。
先に結論:窓は10か所+天窓1、引き違いはゼロ
私の家の窓は10か所と天窓1つ。引き違い窓は1か所もありません。浴室・脱衣室・トイレ・洗面室には窓を付けていません。
| 階・向き | 部屋 | 窓の種類 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 1階 南 | 寝室 | 高所用すべり出し窓(幅約1.2m×高さ約0.4m) | 目の前が塀なので高い位置に。採光と換気だけ |
| 2階 北 | LDK | 縦スリットのすべり出し窓(幅0.3m×高さ約2m) | 路地側。細長くして視線を切る |
| 2階 南 | LDK | 縦すべり出し窓+FIXの連窓(幅約1.7m×高さ約1.4m) | 家で一番大きい窓。敷地の南西角が抜けているので、ここに採光を集めた |
| 2階 南 | 階段 | すべり出し窓 | 階段の明かり取り |
| 2階 北(屋根) | キッチン上 | 天窓(幅約1.3m×高さ約0.5m) | 3階が無い北側の帯の屋根に。キッチンに上から光を落とす |
| 3階 北 | 子ども部屋 | 開き窓テラス | バルコニーへの出入り。避難口を兼ねる |
| 3階 東・西 | 子ども部屋2室 | 縦すべり出し窓+FIXの連窓(各1) | 部屋ごとの主採光 |
| 3階 南 | 子ども部屋・ホール | 高所用すべり出し窓×2 | 隣家側。高い位置から採光 |
| 3階 南 | 階段 | すべり出し窓 | 階段の明かり取り |
※ 確認申請図面(2020年4月)と工務店の見積明細の建具一覧に基づきます。寸法は丸めています。
種類で数えると、高所用すべり出し3、すべり出し2、縦すべり出し+FIXの連窓3、縦スリット1、開き窓テラス1、天窓1です。サッシは樹脂窓(ガス入り複層ガラス)、ガラスは準防火地域なので全て網入りです。
引き違い窓をゼロにした理由:気密
引き違い窓を外した理由は、気密です。引き違いは2枚の戸が重なる構造なので、すき間ができやすい。断熱と気密を優先した家にするなら、開く窓はすべり出し(開き)か、はめ殺し(FIX)に揃えたほうが素直です。
設計中のやり取りで、工務店からは防火仕様のアルミ樹脂複合サッシを提案されることが多いと説明を受け、樹脂窓は高性能だが予算が上がるとも言われました(2019年9月)。それでも樹脂窓を選びました。狭小住宅は空間が小さいので、断熱と気密の効果が出やすく、窓の性能差が空調にそのまま効くからです。
結果:春秋と冬は2階のエアコン1台、夏だけ3階に1台足す。ガス床暖房は入れていません
春秋は2階リビングの14畳用1台、夏だけ3階の6畳用を足します。冬は2階の1台で、1階はやや寒いが寝るだけなので許容。引き違いゼロ+樹脂窓+吹付断熱の組み合わせの結果です。詳しくは後悔・正解の記事に書きました。
引き違いを外すと失うものもあります。大きな開口を1か所で取りにくく、網戸は窓ごとにロール式や収納式になります。掃き出し窓で庭やバルコニーに出る生活なら、引き違いを1か所だけ残す判断もあります。私はバルコニーが3階の最小限だけなので、出入りは開き窓テラス1か所で足りました。
浴室・脱衣室・トイレに窓を付けなかった
浴室・脱衣室・トイレ・洗面室は全て窓なしです。最初から無かったわけではなく、設計の途中で消しました。
| 時期 | 起きたこと |
|---|---|
| 2019年8月 | 初回プラン。浴室・脱衣室に窓あり |
| 2019年9月 | 基本設計の改訂で浴室・脱衣室の窓を中止。同時に2階LDKの西側の窓も中止し、1階寝室・3階の窓の位置と大きさを調整 |
| 2020年4月 | 確認申請。浴室・脱衣室・トイレ・洗面室は窓なしで確定 |
※ 筆者のメール記録(2019年8〜10月)と確認申請図面(2020年4月)に基づきます。
理由は3つです。
- 位置。1階の浴室は旗竿地の奥の角にあり、窓を付けても目の前は隣地の塀です。採光も景色も期待できません
- 気密と断熱。水回りの窓は小さくても熱の出入り口になります。窓を減らした分、壁の断熱が連続します
- 換気の方式。家全体は第1種の熱交換換気で、脱衣室と2階トイレには天井埋め込みの換気扇を別に付けました。窓を開けて換気する前提を最初から捨てたので、窓が要らなくなりました
5年住んで、浴室の窓なしは後悔に入っていません
住んでから後悔した点は、浴室の掃除のしやすさと、使っていない給湯器のIoTリモコンの2つでした。「お風呂に窓が無くて困った」は、その2つに入っていません。浴室には電気式の浴室乾燥機を付けてありますが、洗濯物は乾太くんで乾かすので、浴室乾燥機はほぼ予備です。
浴室乾燥機をガスにするか電気にするかは、別の記事で比べています。
小さい窓・高所窓で採光した理由:隣家と塀
「窓が小さくて後悔」は、整形地で隣家が離れているなら当てはまります。隣家が数十cmの距離にある狭小地では、大きい窓を付けても見えるのは隣の壁です。
私の家の南面は、1階が高所窓1、3階が高所窓2と階段窓1。高所用すべり出し窓は幅約1.2m×高さ約0.4mの横長の窓を、天井近くに付けたものです。壁の高い位置から光が入り、隣家からも室内が見えません。カーテンも要りません。
1階の窓は、契約後に「もっと高く」と頼みました。外壁の目の前が塀に囲まれているためで、該当箇所の高さを変えるだけなら契約後でも次の打合せで決めればよい、という扱いでした(2020年5月)。狭小地の1階は、窓の高さを塀の高さと照らして決める必要があります。
大きい窓は1か所に集める
全部を小さくすると暗い家になります。敷地の南西角が隣家から抜けていたので、2階LDKの南側に幅約1.7mの連窓を1か所だけ置き、採光をそこに集めました。天井高2,400mmのLDKに、家で一番大きい窓を1つ。他の窓は補助です。
天窓はキッチンの上
3階建てですが、北側斜線の都合で2階の北側1.4m幅の帯には3階が乗っていません。その屋根に天窓を1つ付け、北側のキッチンに上から光を落としています。北側の窓は路地と隣家に面するので、壁の窓を大きくする代わりに屋根から取る形です。
※ 高度地区の斜線と天窓の位置は確認申請図面(2020年4月)に基づきます。
窓の数と幅は、構造とモジュールで先に決まる
窓を決めるとき、構造の制約を先に知っておくと、無理な要望を出さずに済みます。設計中に工務店へ聞いた内容です(2019年9月)。
| 聞いたこと | 工務店の答え(要旨) |
|---|---|
| 910mmモジュールの柱の間に窓を収めたほうがよいか | 柱は必ずしも910ピッチに要らないが、耐力壁の最小長さが910mmなので910ピッチの柱配置が望ましい。大きな開口は規格寸法に合わせる |
| 窓の高さは構造に影響するか | 横方向の構造材は土台と胴差の位置だけなので、開口の高さ方向は構造上の問題にならない |
| 柱を切る必要が出る幅は | 柱を切ることはない。壁面を「耐力壁910/開口1,820/耐力壁910」のように割れば無理がない |
※ 筆者のメール記録(2019年9月30日)に基づきます。構造の考え方は工法と会社で変わります。
つまり、窓の幅は耐力壁の配置で決まり、高さは自由度が高い。狭小住宅で「高所窓を天井近くに」「縦長のスリット窓に」という調整が通りやすいのはこのためです。幅を広げたいときは、耐力壁をどこに残すかとセットで相談することになります。
準防火地域の3階建てでは、窓の選択肢が最初から狭い
東京23区内の住宅地は準防火地域が多く、3階建てにすると準耐火建築物になります。窓への影響は次のとおりです。
- 延焼のおそれのある部分(隣地境界から1階3m・2階以上5m)の窓は防火設備になる。隣地が近い狭小地では、ほぼ全ての窓が該当します。私の家は10か所全てが網入りガラスです
- 玄関ドアも防火仕様。選べるデザインと電気錠の組み合わせが限られます
- サッシの選択肢が防火認定のある製品に絞られる。工務店が最初に提案するのは防火仕様のアルミ樹脂複合サッシで、樹脂窓にするなら防火認定のある型を選ぶことになります
網入りガラスは、透明でも細い線が入ります。慣れますが、「網なしの大きな窓」を期待しているなら、土地を買う前に防火地域の指定を確かめてください。これは会社ではなく土地で決まります。
※ 準耐火の仕様と延焼ラインは確認申請図面(2020年4月)の記載に基づきます。
換気の給排気口と窓の位置はぶつかる
見落としやすいのが、第1種換気の給排気口(ベントキャップ)と窓の位置の取り合いです。契約後の質疑で、給排気口を窓の上に付けたいと頼んだところ、窓の真上は天井との間に機器のスペースが足りず、カーテンレールも付けられなくなるため難しい、という回答でした(2020年5月)。
結果はこうなりました。
- 3階の高所窓は、もともと窓が天井近くにあるので問題なく設置できた
- 1階は、窓の高さを変えることで給排気口の位置を逃がした
- 給排気口の色は黒に変更できた
窓の高さを変えられる段階で、換気口・エアコンの配管・カーテンレールの位置を同じ図に落としておくと、こうした手戻りが減ります。キッチンのレンジフードを同時給排気型にしたので、キッチンの給気口は削除しています。
窓で後悔しないために、図面の段階で決めること
私の家で起きたことを順番に並べると、窓の判断はこの7つに集約されます。
- 土地の防火指定を先に見る(準防火なら窓は防火設備・網入りが前提)
- 隣家との距離と塀の高さを測り、窓の高さを決める(目の前が壁なら高所窓)
- 大きな窓を1か所に集め、他は補助にする(全部小さくすると暗い)
- 水回りの窓は、換気の方式を決めてから要否を判断する(第1種換気+局所換気なら窓は要らなかった)
- 引き違いを残すか決める(気密を取るなら開き窓とFIXに揃える。バルコニーの出入りは開き窓テラスで足りる)
- 窓の幅は耐力壁の配置とセットで相談する(高さは自由度が高い)
- 換気口・配管・カーテンレールを同じ図に落とす(窓の真上に給排気口は付かない)
間取り全体と各階の寸法は、別の記事にまとめてあります。
既に引き違い窓の家に住んでいるなら
これから建てる人向けの記事ですが、今の家の引き違い窓が寒い・結露するなら、内窓を足す方法があります。窓の交換ではなく内側にもう1枚付ける工事で、性能などの条件を満たせば補助金の対象になります。
【PR】タウンライフ
窓の制約は、土地と会社の両方で決まります。狭小地に対応できる会社を、複数まとめて探す入口として使えます。依頼のときに土地の広さ・形・接道・防火地域の指定を具体的に書くと、建てられる会社だけが返事をくれます。2社以上に依頼して、同じ希望仕様(樹脂窓・引き違いなし・高所窓など)で見積を取るところまでやってください。1社だけでは窓の提案の差が見えません。
※ 掲載社数・届く書類の内容は公式サイトの公表内容に基づきます(2026年10月13日時点・編集部調べ)。会社ごとに提案内容・方法が異なります。
よくある質問
新築で窓を少なくすると暗くなりませんか
大きな窓を1か所に集めれば、他が小さくても暗くなりませんでした。私の家は2階LDKの南側に幅約1.7mの連窓を置き、キッチン上に天窓、残りは高所窓と小さい窓です。
お風呂に窓が無いと後悔しますか
私は後悔していません。5年住んで後悔した点は浴室の掃除のしやすさとIoTリモコンの2つで、窓なしは入っていません。換気は天井の換気扇と第1種換気で足りています。
引き違い窓を1つも付けないのは不便ですか
バルコニーの出入りが開き窓テラス1か所で足りるなら不便はありません。庭やバルコニーに頻繁に出る生活なら、掃き出しの引き違いを1か所だけ残す判断もあります。
高所窓は開けられますか
すべり出し式で開きます。折れハンドルで開閉し、固定網戸が付いています。天井近くにあるので、日常はほぼ採光用です。
準防火地域だと窓はどうなりますか
隣地が近い狭小地では、ほぼ全ての窓が網入りの防火設備になります。私の家は10か所全てが網入りで、玄関ドアも防火仕様です。土地の防火指定は会社ではなく土地で決まるので、買う前に確かめてください。
窓を大きくしたいときは何を相談すればいいですか
耐力壁の配置です。窓の幅は耐力壁をどこに残すかで決まり、高さは構造上の自由度が高いと工務店から説明を受けました。「幅を広げたい」は耐力壁とセットで相談します。
まとめ
- 窓は10か所+天窓1、引き違いはゼロ。高所窓3、すべり出し2、連窓3、スリット1、開き窓テラス1
- 引き違いを外した理由は気密。樹脂窓と吹付断熱の組み合わせで、春秋と冬は2階のエアコン1台(夏だけ3階の1台を足す)
- 浴室・脱衣室・トイレは窓なし。設計の途中(2019年9月)で消した。第1種換気+局所換気で足り、5年住んで後悔に入っていない
- 隣家が近い面は高所窓、大きな窓は南西の1か所に集める。北側は天窓で上から採光
- 窓の幅は耐力壁で決まり、高さは自由度が高い。1階の窓は塀を見て契約後に高くした
- 準防火地域の3階建ては窓が全部網入り。土地の防火指定を買う前に見る
- 換気の給排気口は窓の真上に付かない。換気口・配管・カーテンレールを同じ図で決める
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※ 本記事は筆者が2020年12月から住んでいる家(17坪前後の旗竿地・延床80㎡弱・木造3階建て・東京23区内)の確認申請図面(2020年4月)、工務店の見積明細、筆者のメール記録(2019年8月〜2020年6月)に基づきます(2026年10月13日に読み返して確認)。寸法は丸めています。会社名は記載していません。空調の体感は断熱仕様・地域・間取りで変わります。