同時給排気型レンジフードは高気密住宅に必要?一条工務店とハウスメーカー事情を解説
この記事を読むと分かること
- 高気密住宅で同時給排気型レンジフードが必要になる理由
- 一条工務店など高気密ハウスメーカーでの採用状況とその理由
- 同時給排気と差圧給気口の違い、コストとデメリット
同時給排気型レンジフードとは?仕組みと一般型との違い
高気密・高断熱住宅を検討していると、ハウスメーカーの担当者から「レンジフードは同時給排気型にしますか?」と聞かれて「えっ、それって何?」と思われた経験はありませんか。一条工務店や住宅コミュニティでもよく話題に上がるこのレンジフード、実は高気密住宅と一般住宅での推薦度が大きく違う設備です。
同時給排気型レンジフードとは、コンロの調理時に出る煙や臭いを外へ排出するのと同時に、外から外気を取り込んでキッチンに供給する仕組みの換気扇です。一般的なレンジフードが「排気だけ」を行うのに対して、同時給排気型は「排気と給気をセットで行う」という違いがあります。本体には排気ダクトと給気ダクトの両方が接続されている形式になります。
「レンジフードは煙を排気するもの」というイメージが強いと、同時給排気という仕組みは違和感があるかもしれません。しかし、高気密・高断熱住宅のように「家全体の隅間が小さい」住宅では、この「セットで空気を出し入れする」仕組みが必要になる話が出てくるのです。
高気密住宅で「負圧問題」が起きる理由
高気密住宅で同時給排気型が検討される背景には「負圧問題」があります。言葉だけ見ると難しそうですが、仕組みはとてもシンプルです。
レンジフードは部屋の中の空気をぐんぐん吸い込んで外へ排出する機械です。一般的な住宅では、こうして吸い出された空気の分、窓枠やドア隅間などの「ただの隅間」から自然に外気が入ってきて、量が釣り合います。しかし高気密住宅ではこの「ただの隅間」がものすごく少ないため、レンジフードや他の換気扇を回しても、部屋の中が「負圧」、つまり外より気圧が低い状態になってしまうのです。
こうして負圧になると、以下のような現象が起きてきます。レンジフードの吸い込みが悪くなり、煙や臭いがリビングに漂うようになります。ドアを開けると「キュッ」と違和感がある音がし、重くて開けづらくなります。さらに、脱衣所やトイレの換気扇が「逆流」して、本来は外へ排出するはずの臭いが逆に部屋に入ってくるケースもあります。
同時給排気型レンジフードは、この負圧問題を「レンジフード自身がセットで給気も行う」ことで解決します。排気した分をそのレンジフード自身がその場で補う仕組みなので、他の部屋のドアや換気系統に影響を与えづらいのですね。
一条工務店など高気密ハウスメーカーでの採用状況
一条工務店のように高気密・高断熱仕様を標準とするハウスメーカーで、同時給排気型レンジフードはどう扱われているのでしょうか。
複数のオーナーブログや記事を見ると、意外なことに「標準仕様として同時給排気型を採用しているケースはあまり多くない」という状況が見えてきます。これにはいくつかの理由があります。
一つ目は、ハウスメーカーが独自の「差圧給気口」や「連動型シャッター」を採用しているケースです。これは、レンジフードを使うと自動的にキッチン付近の外壁にある給気口のシャッターが開いて、そこから給気される仕組みです。レンジフード本体は排気だけ、給気は別途「負圧を検知して開く口」を付けて対処する考え方です。
二つ目は、同時給排気型特有のデメリット(後述)をハウスメーカーが評価しているケースです。給気口に細かいフィルターが付いていない、ダクト長さによる結露リスク、冬場に冷たい外気が足元に入る他、住宅品質の面で不都合が指摘されることがあります。
ただし、一条工務店でもオプションとして同時給排気型を選べるケースもあります。これは「他の換気系統との干渉をより少なくしたい」「キッチンの換気をさらに強化したい」というニーズの世帯向けです。
しなちくの見解としては、「高気密住宅にした」という事実だけで、「同時給排気型一担」と考えるのは早計です。ハウスメーカーの換気設計全体と、キッチンの位置・使い方を含めて検討するのが正解だと考えています。
同時給排気型のメリットを整理する
同時給排気型を選んだときのメリットは以下のとおりです。
第一に、負圧リスクを根本的に解消できることです。レンジフードを回しても「ドアが重くなる」「トイレ換気扇が逆流する」といったトラブルが起きにくく、住宅全体の換気計画を設計どおりに保てる点が大きなメリットです。
第二に、コンロ付近で足元の冷えが軽いという点です。これは上記の負圧が解消されることの副産物です。負圧があると、重くて冷たい外気が床面に近い隅間からズルズルと入ってくる「隅間風」が生じるため、冬場のキッチンは足元が審いとされます。同時給排気型にすれば、この隅間風が減ります。
第三に、排出効率の向上です。給気をセットで行うため、表示通りの排気量が安定して出て、煙や臭いをしっかり取り去ることができます。
同時給排気型のデメリットを公平に評価する
一方で、デメリットもしっかりと見ておくべきです。
第一に、「ショートサーキット」現象のリスクです。給気口と排気口が外壁上で近接していると、排気した汚れた空気をそのまま再給気してしまうリスクがあります。これを防ぐためには、設置時に「給気口と排気口の距離を必要限離す」設計が重要になります。
第二に、ダクトの結露リスクです。冬場、冷たい外気がダクトを通る際、ダクトの外面と周囲の暖かい空気との温度差で結露が起きることがあります。長いダクトを引く設計の場合は、ダクト表面に断熱・防露処理をしっかり行う必要があります。
第三に、給気口からの「生の外気」の侵入です。給気口にフィルターが付いていない場合、花粉、埃、小さな虫などがそのままキッチンに入り込んでくることがあります。また冬場は冷たい外気がそのままコンロ付近に出るため、調理中には寒さを感じることもあります。
第四に、本体価格と設置コストの上乗せです。同時給排気型の本体価格は一般型よりよりおおよそ3万円から6万円高く、さらに給気ダクト設置と断熱処理で追加工事費がかかるため、トータルでは一般型より朂5万円から10万円高くなるケースが多いです。
実際に設置している人の口コミ
リサーチで集めた口コミの中から、同時給排気型レンジフードを設置している方の声を紹介します。
「高気密住宅に同時給排気型レンジフード、入れて本当によかった。レンジフード回しても、家中のドアが重くならないし、隅間風も軽減された。一条じゃないけど、他の高気密メーカーで採用したケース。」
— Xより
「同時給排気型にしたんだけど、冬にコンロ使うと足元に冷たい風が溜まってくるのが気になる。望んだ負圧解消はしてるんだけど、『暖かい給気』にはならないところは事前に知っておけばよかった。」
— Xより
「一条工務店だけど同時給排気オプションを選ばなかった。一条独自の差圧給気シャッターだけで十分だと記事で見て、実際住んでみて負圧も隅間風も感じていない。コストパフォーマンスとしてはこれで良かったかも。」
— ブログ記事より
「キッチンの足元の【ダクト】が、冬になると表面にちょっと結露してて気になる。業者さんに言ったら『ダクトの断熱処理が不十分』とのことで、追加工事した。設置時にもうちょっとちゃんとしておいてほしいと思う。」
— Yahoo!知恵袋より
口コミから見えるのは、同時給排気型を選んだ人、選ばずに差圧給気口で対応した人、それぞれに「住んでみたらこうだった」という体験があるということです。住宅の仕様、キッチンの使い方、予算と、複数の要素がもつれて最適解が変わる領域だと言えるでしょう。
既存住宅で同時給排気型に交換する際の考え方
ここまでは主に「新築時」の話でしたが、現在高気密住宅に住んでいて「レンジフード交換にあたって同時給排気型にするべきか」と迷っている方もいらっしゃると思います。
結論から言うと、既存の住宅で同時給排気型に交換するのは難しいケースが多いです。理由は三つあります。
一つ目は、給気ダクトを新設する工事が必要な点です。原則として、一般型レンジフードを同時給排気型に取り替えるには、外壁を穴あけして給気ダクトを新たに設ける必要があります。これはリフォームとしては大がかりな工事で、費用は30万円から50万円を超えるケースもあります。
二つ目は、マンションだとそもそも交換できないケースがある点です。外壁貫通部は「共用部」にあたるため、勝手にダクトを追加できない制約があります。
三つ目は、「差圧給気口」で代替できるケースもあることです。差圧給気口とは、部屋が負圧になったときに自動で開くシャッター付きの給気口で、一般的な高気密住宅でも負圧問題の解消手段として採用されています。こちらは5万円から10万円程度で設置できることが多いため、同時給排気型との見積り比較をしてから判断するのが賢明です。
「一般型レンジフード+差圧給気口」と「同時給排気型レンジフード」で、負圧解消の効果はよく似ています。コストと設置のしやすさでは差圧給気口が有利、見た目と仕様一体型の安心感では同時給排気型が有利と考えるとわかりやすいでしょう。
失敗しない業者選びと「10年保証」の見方
同時給排気型にしても差圧給気口にしても、設置を依頼する業者選びは重要です。
レンジフードの取り付けには電気工事を伴うため、電気工事士の資格保有者による施工が不可欠です。同時給排気型の場合、さらにダクト設置と断熱処理のノウハウも必要となり、「高気密住宅の換気設計を理解している業者」であることが必要です。
さらに、読者の方に必ず知っておいてほしいのが「10年保証」の実態です。レンジフードの耐用年数はおおよそ10~15年で、実際に壊れるのは使用開始からその末期です。つまり10年保証は、実際にトラブルが起きる頃に切れてしまうタイミングに設定されているケースが多いのです。またメーカーの部品供給も製造終了からおおよそ10年で終わるため、保証期間内でも部品がなくて修理できない、という事態も起こり得ます。
さらに保証には「業者が10年後も存続している」ことが必要です。住宅設備業界では業者の入れ替わりが激しく、創業数年の業者だと会社が消えるリスクがあります。会社が消えれば、保証書は実質紙切れです。
つまり「10年保証」は実質的にマーケティング装飾の側面が強いというのがしなちくの見解です。本当に重要なのは、長期にわたり存続できる、そして資格保有者を組織的に抱えている企業を選ぶことです。
関東圏なら「東京ガスの機器交換」を考える価値がある
こうした業者選びの観点から、関東圏(東京ガスのガス供給エリア内)にお住まいの方には「東京ガスの機器交換」を選択肢に加えておく価値があります。レンジフード交換にも対応しており、同時給排気型を含めた見積もりもレンジフードとコンロの同時交換見積もりも、ワンストップで依頼できます。
推薦したい理由は三つあります。第一に、東京ガス株式会社は東証プライム上場の大手インフラ企業です。会社の存続性が高く、長期アフターで安心できます。第二に、認定施工会社制度を採用しており、資格保有者による工事が組織的に担保されています。第三に、上場企業基準の個人情報管理が徹底されており、一括見積もりサイトと違って、複数業者に個人情報がバラまかれる心配がありません。
Web専用サービスとして展開されているため、店舗運営コストを抑えた価格設定になっており、「インフラ最大手だから高そう」という先入観は、見積もりを取ってみると見方が変わる可能性があります。
まとめ—高気密住宅とレンジフード選びのポイント
同時給排気型レンジフードと高気密住宅の関係について、一条工務店などハウスメーカーの事情を含めて解説してきました。最後にポイントを整理します。
まず、高気密住宅ではレンジフードを回したときに「負圧」が起きやすく、ドアが重くなる、換気扇が逆流するなどの不具合につながるため、何らかの負圧対策が必要です。同時給排気型は、その代表的な解答の一つですが、差圧給気口という他の選択肢もあります。
次に、一条工務店を含む高気密ハウスメーカーの多くは、同時給排気型を「標準採用」とはせず、独自の差圧給気システムやオプション提供というスタンスをとっています。それは「どちらが上」という話ではなく、住宅設計全体とキッチンの使い方を含めて最適解を選んだ結果と考えてください。
そして、交換を検討する際は、「高気密住宅の換気を理解している業者」を選ぶことが何より重要です。「10年保証」の謳い文句に惑わされず、会社の存続性と資格保有を重視してください。関東圏の方は、東京ガスの機器交換を見積り候補の一つに加えてみると選択肢が広がります。
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