17坪・延床80㎡弱の3階建ての間取り|3LDKにするために1つずつにした設備と、2階に足した洗面台
この記事を読むと分かること
- 17坪前後の旗竿地に建てた延床80㎡弱・木造3階建ての間取りを、確認申請図面の数字で各階ごとに
- 3LDKにするために「1つずつ」にした設備と、例外として2か所にした洗面台。トイレは家に1か所で困っていない理由
- 天井高2,100/2,400/2,250のメリハリ、幅750mmで12段+14段の階段、引き違い窓ゼロで10か所+天窓。狭小3階建てで数字をどう決めたか
2020年に、17坪前後の旗竿地に延床80㎡弱の木造3階建てを建てました。準防火地域・第2種高度地区で、高さ制限があります。
狭小住宅の間取りは「狭いなりに工夫する」話になりがちですが、実際に決めるのは寸法と個数です。この記事では、確認申請の図面と見積明細の数字をそのまま使って、各階の構成と、なぜそうしたかを書きます。
前提:共働き、2階リビング、1階は寝るだけ
家族構成と暮らし方が違えば、同じ土地でも答えは変わります。数字は私の家の確認申請図面(2020年)に基づきます。
各階の構成(確認申請図面より)
| 階 | 床面積 | 天井高 | 部屋と設備 |
|---|---|---|---|
| 1階 | 約27㎡ | 2,100mm | 寝室6.5帖(南に高所窓)、浴室1坪、脱衣室2帖(洗面台900mm・洗濯機)、収納3か所、玄関は北の路地側。トイレなし |
| 2階 | 約30㎡ | 2,400mm | LDK 14.5帖(西壁にI型キッチン2,550mm)、北側の張り出しにトイレ(家で唯一)+洗面台750mm。北側の帯は勾配天井+天窓 |
| 3階 | 約22㎡ | 2,250mm | 洋室4帖、洋室5.8帖、収納約1.5㎡、北側バルコニー約2.5㎡(室外機置き場と避難口)。ロフトなし |
※ 確認申請図面(2020年)および確認済証の記載に基づきます。帖数は図面の表記です。
延床80㎡弱で3LDKです。寝室が1階、LDKが2階、子ども部屋2室が3階。各階に「その階でしかやらないこと」を割り当てて、階をまたぐ動線を減らしました。
設備は「1つずつ」。例外が洗面台
狭小住宅で3LDKを取るには、設備の数を減らすしかありません。我が家は次のとおりです。
| 設備 | 数 | 場所 | 判断 |
|---|---|---|---|
| トイレ | 1 | 2階(LDKの北側の張り出し) | 1階は寝るだけ、3階は子ども部屋。いちばん長くいる2階に1か所で足りている |
| 浴室 | 1 | 1階 | 1坪。窓なし(気密と視線のため) |
| 洗面台 | 2 | 1階脱衣室900mm/2階トイレ脇750mm | 唯一の例外。朝の動線を2か所に分ける。2階はトイレの手洗いも兼ねる |
| キッチン | 1 | 2階LDKの西壁 | I型2,550mm。食洗機は深型 |
| 洗濯機 | 1 | 1階脱衣室 | 浴室・脱衣室・洗濯機・乾太くんを1階にまとめて洗濯を完結 |
| エアコン | 1(+3階に後から1) | 2階LDK | 引き渡し時は2階の1台だけ。夏の3階用に後から追加 |
トイレが1か所で困らない理由
「3階建てでトイレ1か所は不便では」とよく聞かれます。我が家は困っていません。理由は、1階が寝室と水回りだけで、3階が子ども部屋だからです。家族が起きて過ごす時間のほとんどは2階で、トイレもそこにあります。
もう1つの理由は位置です。トイレは旗竿地の路地側に張り出した部分に置き、LDKからは小さな洗面室を挟んで扉2枚。高気密の家は中の音が響きますが、この配置でリビングまで音が届きません。
張り出しを「縦に積む」のが旗竿地の使い方
路地側の張り出し部分は、2階がトイレと洗面、3階がバルコニー(室外機と避難口)です。使い道が限られる張り出しに、面積を取らない機能を縦に積むと、本体の床が居室に使えます。
天井高はメリハリ:2,100/2,400/2,250
| 階 | 天井高 | なぜ |
|---|---|---|
| 1階 | 2,100mm | 寝るか着替えるかの階。低くても過ごす時間が短い。家族で最も背が高い173cmで頭をぶつけない |
| 2階 | 2,400mm | いちばん長くいる階。標準高さの壁面収納が置ける。北側の帯は勾配天井にして天窓で採光 |
| 3階 | 2,250mm | 高さ制限の中で、子ども部屋2室の床を確保。1階を下げた分、下り天井が小さい |
全部を標準の2,400mmにすると、高さ制限で3階の床が削られます。1階を300mm下げて、その分を3階に回しました。
階段:幅750mm、12段と14段
| 区間 | 段数 | 蹴上/踏面 |
|---|---|---|
| 1階→2階 | 12段 | 200mm/227mm |
| 2階→3階 | 14段 | 200mm/227mm |
1階の天井が低い分、1階から2階は12段で済んでいます。狭小住宅の階段は急になりがちで、蹴上200mmは一般的な住宅より少し高めですが、5年住んでいて高いと気になったことはありません。段数が減るのは、毎日の上り下りでは効きます。階段は南東の角に置き、各階の居室をまとめて取れるようにしました。
窓:引き違いゼロ、10か所+天窓
窓は10か所と天窓1つ。引き違い窓は1か所もありません。すべて、すべり出し系かはめ殺しです。気密のためです。
- 樹脂窓(ガス入り複層)。準防火地域なので全て網入り
- 浴室・脱衣室・トイレに窓なし。気密と、隣地が近い狭小地での視線のため
- 寝室は南に高所窓。隣家が近くても光が入り、視線は入らない
- 2階LDKの北側は勾配天井に天窓。旗竿地で北側が路地なので、上から光を取った
狭小地は隣家が近く、窓を増やしても光は入らず、視線と熱は入ります。数を絞って、高所窓と天窓で採光する方が効きました。
断熱・気密・換気
- 吹付ウレタン断熱(屋根175mm/外壁86mm/外気に接する床126mm)、1階床に別の断熱材45mm
- 第1種熱交換換気(ダクトレス)。壁付けの熱交換ユニットで、狭小住宅でダクトのスペースを取らない
- 気密測定を実施(見積に測定費を計上)
この仕様で、2階LDKのエアコン1台で春秋は3階まで快適です。空調の実感は別の記事に書きました。
見積の中で、間取りに効いた項目
見積明細(44ページ)から、間取りの判断に関わった項目だけ挙げます。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 施主支給 | 給湯器・トイレ・コンロ・テレビ棚は自分で買って支給。工務店の見積から外れる分、仕様を自分で選べた |
| 設計・調査 | 構造計算と耐震等級の証明を取得。木造3階建ては構造計算が必須(建築基準法第20条) |
| 地盤改良 | 旗竿地で重機の搬入経路が限られる。工事車両の乗り入れは土地契約前に確認しておく項目 |
| 外構 | 路地状部分の舗装と門まわり。旗竿地は外構の面積が小さい分、ここは抑えられる |
※ 金額の目安:本体工事で坪70万円台、設計・外構・地盤改良を含めると坪90万円台(税込・2020年4月の見積・延床約24坪で割った概算)。会社・時期・仕様で変わります。
乾太くんと浴室の電気式乾燥機は、工務店の見積とは別に設置しました。洗濯を1階で完結させる判断は、見積の段階から決めていたものです。
狭小3階建ての間取りで、先に決めておく順番
- 各階の役割を1つに決める(寝る階・過ごす階・子どもの階)
- トイレの階と位置(音が居室に届かない配置。張り出しがあればそこ)
- 洗濯の動線を1つの階で完結させる(干す・乾かすを含めて)
- 天井高のメリハリ(低くする階は、寝るか着替えるかの階だけ)
- 窓は数を絞り、高所窓と天窓で採光(引き違いは気密のため避ける)
- 設備は1つずつ。例外を決めるなら洗面台
この順番で決めると、延床80㎡弱でも3LDKが成立します。間取りの自由度が低い狭小地ほど、先に「何を1つにするか」を決めるのが近道です。
狭小地で建てる会社を選ぶなら
この間取りは、敷地に合わせて設計する工務店だから成立しました。規格のある会社では、17坪前後の旗竿地は最初から対象外でした。
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※ 掲載社数・届く書類の内容は公式サイトの公表内容に基づきます(2026年10月12日時点・編集部調べ)。会社ごとに提案内容・方法が異なります。
よくある質問
3階建てでトイレが1か所だと不便ではありませんか
我が家は困っていません。1階は寝るだけ、3階は子ども部屋で、家族が過ごす2階にトイレがあります。位置を路地側の張り出しにして、扉2枚で音も届きません。
延床80㎡弱で3LDKは取れますか
取れました。1階に寝室6.5帖、2階にLDK14.5帖、3階に4帖と5.8帖。設備を1つずつにして、各階の役割を分けたからです。
天井高2,100mmの階はどこですか
1階だけです。寝室と浴室・脱衣室の階で、過ごす時間が短い。2階は2,400mm、3階は2,250mmです。
窓が少なくて暗くありませんか
暗くありません。寝室は南の高所窓、2階LDKは勾配天井の天窓から光が入ります。狭小地は隣家が近いので、窓を増やしても視線が入るだけでした。
階段は急ですか
数字の上では一般的な住宅より少し急ですが(蹴上200mm・踏面227mm)、住んでいて高いと気になったことはありません。1階の天井を低くした分、1階から2階は12段で済んでいます。
まとめ
- 延床80㎡弱で3LDK。1階に寝室と水回り、2階にLDK、3階に子ども部屋2室
- 設備は1つずつ。例外は洗面台2か所(900mmと750mm)
- トイレは家に1か所。2階の路地側の張り出しに置き、扉2枚で音が届かない
- 天井高は2,100/2,400/2,250。低くするのは寝る階だけ
- 階段は幅750mm、12段+14段。1階を低くした分、段数が減った
- 窓は10か所+天窓、引き違いゼロ。高所窓と天窓で採光
- 吹付断熱+第1種熱交換換気+気密測定。エアコン1台で春秋は3階まで
- 施主支給(給湯器・トイレ・コンロ)で仕様を自分で選んだ
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一括依頼で紹介された工務店と、土地探しから引き渡しまでの1年半の記録。
1階に乾太くんを置くために必要なものは3つだけです。
※ 本記事の面積・帖数・天井高・階段・窓の数は、筆者の家の確認申請図面と確認済証(2020年4月)に基づきます。金額の目安は工務店の見積明細(2020年4月)を延床面積で割った概算で、会社・時期・仕様で変わります。会社名・所在地は記載していません(東京23区内)。