注文住宅で給湯器・トイレ・コンロを施主支給にした結果|浮いたのは30万円程度、先に決めておく責任の線引き(2020年・狭小3階建て)
この記事を読むと分かること
- 注文住宅で給湯器・トイレ・コンロ・テレビ台の4つを施主支給にして、浮いたのは感覚で30万円程度だったこと
- 施主支給でいちばん気をつけるのは値段ではなく、不具合が出たときの責任の線引きがあいまいになること
- 支給品は見積の坪単価に入らないこと、補助金の対象外になることがあること、契約前に工務店へ聞いておく4つ
2020年に、東京23区内の17坪前後の旗竿地に、延床80㎡弱の木造3階建てを工務店と建てました。住宅設備・リフォームを専門にしている立場から、設備の一部は自分で買って工務店に渡す「施主支給」にしています。
施主支給は「安くなる」という話が先に出がちですが、5年住んでみて伝えたいのは別のことです。安くなった分と引き換えに、何かあったときに誰が責任を持つのかがあいまいになります。この記事では、私が何を支給にしたか、いくら浮いたか、そして支給にする前に決めておくべき線引きを、当時の見積明細とメールを読み返して書きます。
前提:新築・2020年・工務店が支給を受けてくれた場合
私の場合は、知人の伝手で設備を買えたことと、工務店が支給を受けてくれたことの2つがそろって成り立ちました。段取りの細部はこの記事では書きません。一般の施主が同じやり方をすると責任の範囲があいまいになりやすく、トラブルの元になるからです。勧めるものではなく、選ぶ前に知っておくことの記録として読んでください。
先に結論:施主支給にしたのは4つ、浮いたのは30万円程度
私の家で施主支給にしたのは、給湯器・トイレ・コンロ・テレビ台を兼ねた壁面収納の4つで、浮いた額は感覚で30万円程度です。どれも工務店の最終見積(2020年4月)では本体が見積の外にあり、支給品として扱われていました。
| 品目 | 支給したもの | 工務店の見積での扱い |
|---|---|---|
| 給湯器 | ノーリツのエコジョーズ24号フルオート(GT-C2426AWX)と、リモコン・配管カバー | 本体・リモコン・配管カバーとも見積の外。設置は1階浴室の西側の外壁 |
| トイレ | TOTOのウォシュレット一体型(GG1)。家でトイレはこの1台だけ | 本体は見積の外。紙巻器は見積に入っていた |
| コンロ | リンナイのデリシア(100V電源のタイプ) | 本体は見積の外。キッチンの見積に、コンロまわりのキャビネットと引出しの面材をコンロの枠に合わせる指定が入っていた |
| テレビ台を兼ねた壁面収納 | 既製品の収納 | 本体は見積の外。取付の費用だけが家具工事の欄に約10万円で載っていた |
※ 契約した工務店の見積明細(2020年4月25日版)と本人の記録に基づきます。浮いた額は施主の感覚で、工務店に頼んだ場合の見積と並べて計算したものではありません。
給湯器・トイレ・コンロは、知人の伝手で買えたので支給にしました。乾太くん(ガス衣類乾燥機)も同じ伝手で買い、工務店の見積とは別に設置しています。家具・家電・照明は、家具量販店・家電量販店・通販でそれぞれ買いました。これは建物の工事に組み込まないものなので、施主支給とは分けて考えています。
支給にしても取付の費用はかかります。テレビ台の取付が家具工事の欄に約10万円で載っていたように、「本体を自分で買えば、その分そっくり安くなる」わけではありません。
施主支給でいちばん気をつけるのは、責任の線引き
施主支給にすると、機器を選んで買ったのは施主、取り付けたのは工務店、という形に分かれます。工務店が機器ごと用意する場合は窓口が工務店1つで済みますが、支給にすると窓口が2つになります。不具合が出たとき、それが機器の問題か取付の問題かを、誰が切り分けるのかがあいまいになりやすいのです。
支給にする前に、次の場面で誰が何をするのかを決めておく必要があります。
- 届いた機器の確認:箱を開けて傷や欠品がないかを、誰がいつ確かめるか
- 取付後に動かないとき:機器の故障か取付の不備かを、誰が切り分けるか
- 保証の窓口:メーカー保証に連絡するのは施主か工務店か。取付に起因する不具合は工務店が見てくれるのか
- 工程の遅れ:支給品が取付日に届いていなかったとき、工程の遅れは誰の責任になるか
私の家では、工務店が支給品を受け、契約後の質疑で支給品の扱いを確認しています(2020年5月)。5年住んだあいだに、支給したトイレの排水と除菌の機能が効かなくなったことがありましたが、修理はメーカーの修理窓口に頼んで直しました。工務店は通していません。機器そのものの不具合ならメーカーに直接頼めば済みますが、取付が原因かもしれないときは話が変わります。どちらとも言えない不具合ほど、線引きを決めていないと困ります。
リフォームの施主支給は、さらに断られやすい
新築では工務店が支給を受けてくれましたが、交換工事の業者は施主支給を受けないことがあります。トイレの交換で施主支給を断られたときの考え方は、こちらに分けています。
支給品は坪単価に入らない:見積を比べるときの注意
施主支給の機器は見積の外にあるので、坪単価にも入りません。私の家の見積は、本体工事で坪70万円台、設計・外構・地盤改良まで含めて坪90万円台(税込・延床約24坪で割った概算)でしたが、この数字には給湯器・トイレ・コンロ・テレビ台の本体が入っていません。
会社を比べる段階では、私は給湯器やトイレも希望の仕様として各社の見積に入れてもらっていました。比較した別の会社の見積(2019年12月)には、給湯器とトイレが私の希望どおりの型で載っています。同じ仕様で並べたうえで、契約した工務店の最終見積で支給に切り替えた形です。
見積を並べるときは、次の2点を確かめてください。
- 支給品の分が坪単価から抜けていないか。支給が多い見積ほど坪単価は安く見えます
- 取付の費用がどの欄に載っているか。本体が見積の外でも、取付は工務店の工事として残ります
間取りと設備をどう決めたかは、こちらに数字で書いています。
テレビ台の壁面収納は、支給より造作がよかった
4つの支給品のうち、住んでから「別のやり方がよかった」と思っているのはテレビ台を兼ねた壁面収納だけです。選んだ既製品は階段から2階へ入らず、分解された状態で届く収納に変えて設置しました。建てるときに工務店に造作で作ってもらえば、壁にぴったり収まって格好もよかったと思っています。
狭小の3階建ては階段の幅が限られます。私の家の階段は幅75cmのL字で、冷蔵庫は階段から運べましたが、大きな家具は入らないことがあります。大きな収納を支給にするなら、階段を通るかを先に確かめるか、最初から造作で頼むほうが確実です。
住んでから気になっている点は、ほかにもまとめています。
補助金を使うなら、施主支給にする前に確かめる
国の給湯省エネ2026事業は、リフォームで発注者が機器を買って取付だけを事業者に頼む工事(いわゆる施主支給や材工分離)を、補助の対象外としています。公式サイトの事業概要に、対象にならない工事として明記されています(2026年11月3日確認)。
この欄はリフォーム工事についての書き方で、新築の扱いはここには書かれていません。新築でも高効率給湯器の補助や住宅の省エネ補助を使う予定があるなら、支給にする前に、その補助の条件を工務店と一緒に確かめてください。
私の家では、工務店の提案で都の補助(東京ゼロエミ住宅)に応募しましたが、落選しました。もともと当てにしていなかったので資金計画は変えていません。
施主支給にする前に、工務店に聞いておく4つ
私のやり取りを振り返って、支給にするなら契約前に聞いておくべきだと思う項目です。
- 支給を受けてくれるか、どの品目なら受けるか。私の工務店は給湯器・トイレ・コンロ・テレビ台の4品目を受けてくれた
- 取付の費用はいくらで、見積のどの欄に載るか。私の家ではテレビ台の取付が家具工事の欄に約10万円
- 不具合が出たときの窓口と、責任の線をどこで引くか。機器はメーカー、取付は工務店、で済まない不具合をどうするか
- 機器に合わせて変わるまわりの仕様と、補助金の条件。コンロならキッチンのキャビネット、給湯器ならリモコンと配管カバー。補助を使うなら支給で対象外にならないか
契約前に決めておくことは、土地の条件や耐震等級の証明と同じく、ハブの記事に時系列でまとめています。
【PR】タウンライフ
施主支給を受けてくれるか、取付の費用をどの欄に載せるかは、会社によって違います。狭小地に対応できる会社を複数まとめて探す入口として使い、依頼のときに「給湯器・トイレ・コンロを施主支給にした場合の扱いも知りたい」と条件を書くと、各社の考え方を並べて比べられます。2社以上に依頼して、同じ希望仕様で見積を取るところまでやってください。1社だけでは、支給で本当に安くなるのかが分かりません。
※ 会社ごとに提案内容・方法が異なります。
よくある質問
施主支給でどのくらい安くなりましたか
私の家では、感覚で30万円程度でした。給湯器・トイレ・コンロ・テレビ台の4品目を支給にした結果です。取付の費用は工務店の見積に残るので、本体の差額がそのまま浮くわけではありません(2020年)。
施主支給は工務店に断られますか
私の工務店は4品目とも受けてくれました。ただ、受けるかどうか、どの品目なら受けるかは会社で違います。支給を考えているなら、見積を頼む段階で最初に聞いてください。
施主支給の機器が壊れたら、誰に修理を頼みますか
私の家では、支給したトイレの不具合をメーカーの修理窓口に頼んで直しました。機器そのものの故障ならメーカーで済みますが、取付が原因かもしれない不具合をどうするかは、契約前に工務店と決めておく項目です。
施主支給にした給湯器のリモコンは何を選びましたか
無線LAN対応のマルチリモコンを支給しましたが、スマホとつなぐ機能はほとんど使っていません。リモコンの役割と選び方は、こちらに書いています。
施主支給にすると補助金は使えますか
国の給湯省エネ2026事業は、リフォームの施主支給・材工分離を対象外としています(2026年11月3日確認)。新築の扱いは事業概要の対象外の欄に書かれていないので、補助を使う予定なら支給にする前に工務店と条件を確かめてください。
まとめ
- 施主支給にしたのは給湯器・トイレ・コンロ・テレビ台の4つ、浮いたのは感覚で30万円程度。取付の費用は工務店の見積に残る
- いちばん気をつけるのは責任の線引き。機器はメーカー、取付は工務店で窓口が2つになり、どちらとも言えない不具合で困る
- 支給品は坪単価に入らない。見積を比べるときは、支給品の分と取付の費用の欄を確かめる
- 大きな収納は階段を通るかを先に確かめる。私の家のテレビ台は、造作にすればよかった
- 補助金を使う予定なら、支給で対象外にならないかを先に確かめる
あわせて読みたい
※ 本記事の品目・費用・経緯は、契約した工務店の見積明細(2020年4月25日版)、比較した別の会社の見積(2019年12月)、筆者のメール記録(2020年5月)、本人の記録(2026年11月の振り返り)に基づきます。浮いた額は施主の感覚で、会社・時期・地域で変わります。給湯省エネ2026事業の対象外の工事は、公式サイトの事業概要を2026年11月3日に確認しました。会社名・所在地は記載していません(東京23区内)。