耐震等級3の証明は別料金で10万円でした|木造3階建ての構造計算は最初から入っているのに設計住宅性能評価書が別になる仕組みと、壁を1枚抜いたときの増額3万円(2020年・狭小3階建て)

この記事を読むと分かること
  • 木造3階建ての狭小住宅で、耐震等級3の「設計」と「証明」は別物で、証明(設計住宅性能評価書)に10万円(税別)が別にかかった経緯
  • 構造計算が最初から見積に入っている木造3階建てで、壁を1枚抜く変更が「可否→増額→了承」の3往復・6日で決まり、増額は3万円程度だったこと
  • 証明の費用が見積のどの欄に載るか、いつ依頼するか、契約前に工務店へ聞いておく4つ
2020年に、東京23区内の17坪前後の旗竿地に、延床80㎡弱の木造3階建てを工務店と建てました。準防火地域で、45分準耐火構造です。
耐震等級3は「相当」と「証明あり」で意味が違う、という話はよく聞きます。私の家では、等級3で設計されていることは契約前のメールで確認できましたが、第三者の証明書を取るには別に10万円(税別)がかかりました。この記事では、その費用がなぜ別になるのか、見積のどこに載っていたか、壁を1枚抜く変更で等級がどうなったかを、当時のメールと見積明細を読み返して書きます。
前提:木造3階建て・準防火地域・2020年契約の工務店の見積
金額は私が契約した1社の2020年の見積と、メールで提示された値です。会社・時期・地域で変わります。木造2階建ては構造計算の扱いが違うので、この記事の「最初から入っている」は当てはまりません。

先に結論:等級3の設計は見積の中、証明は別に10万円

私の家で、耐震等級3に関わる費用は次のように載っていました。「耐震等級3の設計費」という行はなく、構造計算の費用の中で等級3の設計になっていて、証明書だけが別の欄に立っています。
項目私の家で費用(2020年4月の見積)
構造計算木造3階建てなので確認申請に必要。設計・調査費の欄に最初から入っていた約23万円
構造審査の手数料確認申請の手数料とは別の行。審査機関に払う分約3.5万円(確認申請の手数料も別に約3.5万円)
耐震等級3の設計独立した行はない。2020年3月のメールで「等級3のまま」と工務店の設計担当が明言見積上は構造計算の中
耐震等級3の証明(設計住宅性能評価書)工務店から提案され、契約前に依頼。見積では「別途工事」の欄10万円(税別)。審査手数料と申請図書の作成費を合わせた額
壁を1枚抜く変更3階の洋室の収納をやめて壁を撤去。柱と筋かいを減らし、梁の寸法と材種を変更。等級3は維持3万円程度
※ 筆者のメール記録(2020年3月)と、契約した工務店の見積明細(2020年4月)に基づきます。金額は税抜の見積上の値を万円単位に丸めました。会社名は記載していません。
つまり、「耐震等級3相当です」と言われた家で、証明書を取るか取らないかは、10万円の別注文です。取らなくても建物の強さは変わりませんが、あとで使える書類が1枚減ります。

木造3階建ては、構造計算が最初から入っている

木造3階建ては、建築基準法第20条により確認申請で構造計算が必要です。私の見積でも、構造計算費と構造審査の手数料は設計・調査費の欄に最初から立っていました。これは等級3のために追加したものではなく、3階建てなら等級1でも必要な費用です。
木造2階建ては事情が違います。私が建てた2020年当時、2階建ては確認申請で構造計算書の提出が省略できる仕組み(いわゆる4号特例)があり、2025年4月の法改正でその範囲が縮小されました。2階建てで「耐震等級3相当」と聞いたときは、構造計算をしているのか、壁の量を数える簡易な方法なのかを聞く必要があります。3階建てはその心配が最初からありません。
狭小地の3階建てで構造計算が効いた場面
隣地と5辺で接する17坪前後の土地で、窓の幅は耐力壁の配置で決まりました。「耐力壁の最小長さが910mmなので、910ピッチの柱配置が望ましい」と工務店の説明を受け、壁面を耐力壁と開口に割って窓を決めています(2019年9月)。

壁を1枚抜く変更は、可否→増額→了承の3往復・6日で決まった

契約2か月前の2020年3月、3階の洋室の収納をやめて壁を取る変更を頼みました。狭小住宅では収納1つ分の床が効くので、壁を取って部屋を広くしたかったからです。構造に関わる変更なので、工務店の設計担当が構造担当に確認し、メールで返事が来ました。
日付誰が内容
2020年3月2日工務店(設計)変更は可能。柱と筋かいの中止に対応できる。柱を抜くと梁のスパンが大きくなるので梁の寸法と材種を変える。耐震等級は変更前と変わらず3のまま。以前提案した耐震等級の証明書を取るかどうかも再度確認
3月7日私変更したい。増額分と、証明書の申請費用を質問
3月8日工務店(設計)増額は3万円程度。証明は設計住宅性能評価書の取得を目指す。審査手数料と申請図書の作成費で10万円(税別)
3月8日(同日)私2件とも進めてほしい
3月8日(同日)工務店(設計)承知。提案内容で進める
※ 筆者のメール記録(2020年3月2日〜8日)に基づきます。
ここで分かったことが2つあります。
  • 柱を1本減らしても、梁を太くすれば等級3は維持できる。増額は3万円程度と小さく、「柱が減る分で相殺され、大きく変わらない可能性もある」という説明でした。狭小住宅で壁を1枚動かす変更は、構造計算をしている会社なら数字で答えが返ってきます
  • 証明書を取るかは、工務店から先に提案された。私から言い出したのではなく、「以前提案していた証明書の取得はどうするか」と再確認の形で聞かれました。提案がない会社なら、自分から聞く項目です
各階の部屋と収納がどう配置されているかは、間取りの記事に数字で書いています。

証明書は何のために取るか:保険とローンの「書類」になる

設計住宅性能評価書は、国に登録された第三者機関が、設計図書の段階で住宅性能を評価した書面です。耐震等級はその項目の1つで、ここに「等級3」と書かれて初めて、他人に示せる等級になります。工務店が「等級3で設計しています」と言うだけでは、書類としては使えません。
使い道として一般に挙がるのは次の2つです。
  • 地震保険の耐震等級割引。損害保険料率算出機構の制度で、耐震等級3は50%、等級2は30%、等級1は10%の割引です。適用には住宅性能評価書などの確認資料が要ります
  • 住宅ローンの優遇。フラット35Sなどで耐震等級が要件に使われることがあります。条件は年度で変わるので、申し込む前に最新の案内で確かめてください
「相当」と「証明あり」の違いは、建物ではなく書類です
同じ図面で建てれば強さは同じです。違うのは、第三者が確認した書面があるかどうか。割引やローンの窓口で求められるのはその書面なので、使う予定があるなら契約前に依頼します。
私の家では、2020年4月24日に確認済証が出たあと、工務店から「この後の申請業務は、耐震等級の証明のための設計性能評価書の取得へ進める」と連絡がありました(4月28日)。確認申請が通ってから、評価書の申請に進む順番です。なお、評価書そのものの写しは今回読み返した資料に含まれておらず、取得完了の日付と、その後に割引やローンで使ったかは、この記事では確認できていません。分かり次第、追記します。

費用は見積のどの欄に載るか:設計費と「別途工事」に分かれていた

私の見積では、構造計算は設計・調査費の欄、耐震等級の証明書は「別途工事」の欄に載っていました。同じ構造の話でも、欄が違います。
見積の欄載っていた項目
設計・調査費用設計・確認申請、構造計算(約23万円)、確認申請の手数料、構造審査の手数料(約3.5万円)、中間検査・完了検査の手数料、地盤調査、瑕疵保険、工事管理費、コーディネーター費など
別途工事地盤改良(表面波探査と転圧)、現況測量・真北測量、耐震等級の証明書取得(10万円)
見積外建築確認・耐震等級証明を除く各種認定申請、登記、火災保険など
※ 契約した工務店の見積明細(2020年4月25日版・44ページ)に基づきます。見積全体の金額は本体工事で坪70万円台、設計・外構・地盤改良を含めて坪90万円台(税込・延床約24坪で割った概算)です。
見積を複数の会社で並べるときは、「構造計算」「構造審査」「性能評価」「耐震等級」の語がどの欄にあるか、そもそも行があるかを見てください。私が比較した別の会社の資金計画表では、設計料は1行でまとまっていて、構造計算や証明の行はありませんでした(2019年12月)。行が無いことは、やらないという意味ではありません。聞かないと分からない項目だということです。
地盤調査と地盤改良も同じ「別途」の欄で、旗竿地では工法が重機の搬入経路で変わりました。土地の条件が工事費にどう効いたかは、こちらに分けています。

契約前に工務店へ聞いておく4つ

私のやり取りを振り返って、契約前に聞いておけば迷わなかったと思う項目です。
  1. 何等級で設計しているか。「等級3相当」なら、構造計算によるものか、簡易な方法によるものかまで聞く。3階建ては構造計算が前提
  1. 証明書を取るか、費用はいくらか、見積のどの欄に載せるか。私の家は10万円(税別)で「別途工事」の欄。提案がなければ自分から聞く
  1. 壁や柱を動かす変更の締切と、変更したときの増額の出し方。私の家は契約2か月前の変更で3万円程度、6日で確定
  1. 評価書の申請はいつ出すか。確認済証のあとに進むのが私の家の順番でした。入居後に「やっぱり欲しい」は手戻りが大きい
これらは、土地の条件や断り方と同じく、契約前の実務です。1年半の全体の流れの中で、どの時期に何が起きたかはハブの記事にまとめています。

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耐震等級の設計と証明は、会社によって見積の載せ方が違います。狭小地に対応できる会社を複数まとめて探す入口として使い、依頼のときに「木造3階建て・耐震等級3・設計住宅性能評価書の取得まで」と条件を具体的に書くと、各社の見積で構造計算と証明の行がどこに出るかを並べて比べられます。2社以上に依頼して、同じ希望仕様で見積を取るところまでやってください。1社だけでは、証明の10万円が高いのか標準なのかが分かりません。
※ 掲載社数・届く書類の内容は公式サイトの公表内容に基づきます(2026年10月18日時点・編集部調べ)。会社ごとに提案内容・方法が異なります。

よくある質問

耐震等級3の証明にかかる費用はいくらですか

私の家では10万円(税別)でした。設計住宅性能評価書の審査手数料と、申請図書の作成費を合わせた額で、工務店の見積では「別途工事」の欄に載っていました(2020年)。会社と評価機関で変わります。

耐震等級3「相当」と「証明あり」は何が違いますか

建物の強さではなく、第三者が確認した書面があるかどうかです。地震保険の耐震等級割引や住宅ローンの優遇では、その書面が求められます。

木造3階建てでも構造計算は別料金ですか

別料金ではなく、最初から必要な費用です。木造3階建ては建築基準法第20条で構造計算が必要で、私の見積では構造計算費と構造審査の手数料が設計・調査費の欄に入っていました。等級3の証明書だけが別でした。

証明書はいつ依頼すればいいですか

契約前に決めて、確認申請が通ったあとに申請が進みました。私の家は2020年3月に依頼し、4月24日の確認済のあと「評価書の取得へ進める」と連絡がありました。

壁を抜くと耐震等級は下がりますか

私の家では下がりませんでした。3階の収納の壁を取り、柱と筋かいを減らした代わりに梁の寸法と材種を変え、等級3のまま。増額は3万円程度でした(2020年3月)。

まとめ

  • 木造3階建ては構造計算が最初から見積に入る(建築基準法第20条)。構造計算約23万円と構造審査の手数料約3.5万円は、設計・調査費の欄
  • 耐震等級3の設計に独立した費用の行はなく、証明(設計住宅性能評価書)だけが別に10万円(税別)。「別途工事」の欄に載っていた
  • 壁を1枚抜く変更は3往復・6日で確定、増額3万円程度、等級3は維持。構造計算をしている会社なら数字で答えが返る
  • 証明書は地震保険の割引(等級3で50%)やローンの優遇に使う書類。使う予定があるなら契約前に依頼し、確認済証のあとに申請が進む
  • 見積を比べるときは、構造計算・構造審査・性能評価の行がどの欄にあるか、行があるかを見る。無いなら聞く

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※ 本記事の経緯・日付・金額は、筆者が2019年9月〜2020年4月に送受信したメール、契約した工務店の見積明細(2020年4月25日版)、確認済証(2020年4月24日)に基づきます(いずれも2026年10月18日に読み返して確認)。金額は1社の当時の見積上の値で、会社・時期・地域で変わります。地震保険の割引率は損害保険料率算出機構の公表内容によります。会社名・所在地は記載していません(東京23区内)。