保健所は害虫も害獣も駆除してくれません|してもらえることと、虫か獣かで担当が分かれる理由
この記事を読むと分かること
- ★保健所は駆除をしてくれないこと。自治体がはっきり明記していること
- では何をしてくれるのか。相談・業者の案内・機材の貸出まで、自治体で幅があること
- ★虫か獣かで、そもそも担当課が違うこと
保健所に電話しようとしている。その前に、何をしてもらえるのかを知っておいてください。
結論から書くと、保健所は駆除をしません。ただし、何もしてくれないわけでもありません。
★「調査や駆除は行っていません」
自治体がはっきり書いています。
| 自治体 | 記載 |
|---|---|
| さいたま市 | 「保健所では調査や駆除は行っていませんので、専門業者にご相談ください」 |
| 大阪市 | 「駆除は土地の所有者又は管理者が自らの責任で行ってください。大阪市では、薬剤の配布や駆除は行っておりません」 |
| 宇都宮市 | 「ネズミやハチ、カ、ダニなどの衛生害虫の駆除は、土地または家屋の所有者が対応することになっています」 |
※ 各市の公表内容に基づく(2026年9月1日時点で確認)。
駆除の責任は、土地や建物の所有者・管理者にあります。これが原則です。
賃貸なら、まず管理会社・大家へ。持ち家なら自分で対処するか、業者に頼むことになります。
では、何をしてくれるのか
「何もしてくれない」ではありません。自治体によって幅があります。
| してもらえること | 例 |
|---|---|
| 防除方法の相談・助言 | 大阪市「防除方法などについての相談を受け付けています」。ほぼどの自治体でも共通 |
| 駆除業者の案内 | 横浜市「駆除業者の案内を行っていますのでご相談ください」 |
| ★駆除機材の貸出 | 横浜市「駆除方法の説明や駆除機材の貸出し」。やっていない自治体も多い |
| 薬剤・器具の配布 | 千代田区などは殺そ剤や粘着シートを配布。一方大阪市は「薬剤の配布は行っておりません」 |
| 虫の種類を調べる | 持ち込みや写真で同定に応じる自治体があります |
※ 横浜市・大阪市の公表内容に基づく(2026年9月1日時点で確認)。千代田区等の配布はハツカネズミの記事で扱っています。
★同じ「保健所」でも中身が違います
大阪市は薬剤を配布しないと明記し、横浜市は機材を貸し出すと書いています。
「保健所は◎◎してくれる」と一般化できません。お住まいの自治体のページを見てください。
検索するなら「(市区町村名) 衛生害虫 相談」です。
★例外:持ち主が分からない土地・建物
宇都宮市が、例外を書いています。
「所有者が不明な土地、家屋で衛生害虫が発生している場合には、保健所生活衛生課にご相談ください」
※ 宇都宮市の公表内容に基づく(2026年9月1日時点で確認)。
隣の空家が発生源、というときは相談する価値があります。原則は所有者の責任ですが、その所有者が分からない場合です。
★虫か獣かで、担当が違います
ここでつまずく人が多いところです。「保健所」で合っているとは限りません。
| 相手 | だいたいの担当 |
|---|---|
| 衛生害虫(ゴキブリ・ダニ・トコジラミ・ハチ・ムカデなど) | 保健所/生活衛生課/環境衛生係 |
| ネズミ | 同上(衛生害虫と同じ扱い) |
| 獣(ハクビシン・アライグマ・アナグマなど) | 環境課/農政課など。鳥獣保護法の担当 |
| 鳥(ハト・ムクドリ) | 同上。電線がらみは電力会社 |
| シロアリ | 衛生害虫に含めない自治体が多い。基本は自分で業者へ |
実際、木更津市は「害獣・害虫」のページで害虫等の駆除/イノシシ/サル/特定外来生物を別々に案内しています。同じ市役所でも入口が分かれています。
※ 木更津市の公表内容に基づく(2026年9月1日時点で確認)。担当課の名称と分担は自治体によって異なります。
ネズミは「害虫」の窓口です
直感に反しますが、ネズミは衛生害虫と同じ窓口で扱われるのが一般的です。
大阪市も宇都宮市も「ネズミや衛生害虫」とまとめて書いています。
「ネズミは獣だから環境課」と思って電話すると、たらい回しになります。
自治体のほうから動く場合もあります
所有者の責任が原則ですが、例外的に自治体が関わる領域があります。
| 領域 | 自治体の関わり方 |
|---|---|
| 特定外来生物(アライグマなど) | 防除の計画があり、自治体が動く仕組みがあります |
| スズメバチの巣 | 補助金や、自治体による駆除がある地域があります |
| 捕獲が要る獣 | 許可の窓口。勝手に捕獲できません |
| トコジラミ | 駆除はしませんが、保健所が専門業者を案内しています(北区) |
それぞれ、こちらで詳しく扱っています。
相手が分かっていないなら、先に絞ってください
窓口を決めるにも、業者を呼ぶにも、まず何がいるのかです。
| 手がかり | 分かること |
|---|---|
| 天井裏で音がする | 時間帯と音の種類で絞れます |
| フンが落ちている | 白い部分の有無で、鳥か哺乳類かが分かれます |
| 刺された・かゆい | 原因が3つに分かれます |
虫だった場合
| 相手 | 要点 |
|---|---|
| シロアリ | 費用は平米単価で比べます。予防は別の話です |
| ゴキブリ | 「〇〇円〜」は入口の数字です |
| ムカデ・ヤスデ | 足の数で見分けます。危険度が違います |
| トコジラミ | 燻煙剤を焚かないでください。広げます |
獣・鳥だった場合
| 相手 | 要点 |
|---|---|
| ネズミ | えさを断って侵入口をふさぐのが基本。種類で対処が変わります |
| ハクビシン | 糞を一か所にためます。掃除機で吸ってはいけません |
| コウモリ | 捕獲に許可が要ります |
| アナグマ | 許可なく捕獲できません |
| ハト | 卵を産まれたら撤去できません |
業者に頼むときは、複数から取ってください
これは自治体自身がすすめています。
東大阪市は、市では特定の業者を紹介せず、防除処理業者が登録する協会(一般社団法人大阪府ペストコントロール協会)を案内し、複数社から見積りを取ることをすすめています。
※ 東大阪市の公表内容に基づく(2026年9月1日時点で確認)。
保健所が業者を「紹介」するとは限りません
業者団体・協会を案内するにとどめる自治体があります。特定の1社を推すことは、まずありません。
「保健所が紹介してくれた業者だから安心」という理解は、正確ではありません。
相談先
自分で業者を探す場合の入口です。虫か獣かで分かれます。
虫なら害虫駆除110番。上場企業シェアリングテクノロジー株式会社(証券コード3989)が運営する紹介サービスです。公式サイトの対応害虫はゴキブリ/ハチ/クロアリ/ノミ・ダニ/トコジラミ/ムカデ/ヤスデ/その他。日本全国・24時間365日受付で、現地にて無料見積り。作業日確定まではいつでもキャンセル可能とされています。
※ 対応範囲・受付時間・見積もりの条件は害虫駆除110番の公式サイトの公表内容に基づきます(2026年9月1日時点・編集部調べ)。公式サイトには「対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積りに費用をいただく場合がございます」との注記があります。
獣・鳥なら害獣駆除110番。同じくシェアリングテクノロジー株式会社が運営し、日本全国・24時間365日受付です。公式サイトの料金は22,000円〜(税込)からで、現地調査・お見積りは無料とされています。
※ 料金・対応範囲・受付時間は害獣駆除110番の公式サイトの記載に基づきます(2026年9月1日時点・編集部調べ)。公式サイトには「対応エリア・加盟店により記載価格や条件では対応できない場合がございます」との注記があります。
自治体の助言どおり、複数社から見積りを取ってください。
まとめ
- ★保健所は調査も駆除もしない(さいたま市)。駆除は土地・建物の所有者や管理者の責任(大阪市・宇都宮市)
- ただし防除方法の相談・助言には応じる。業者の案内もある
- ★してくれることは自治体で違う。横浜市は機材を貸し出す、千代田区などは薬剤を配る、大阪市は配らない
- 調べるなら「(市区町村名) 衛生害虫 相談」
- ★所有者が分からない土地・家屋なら、保健所に相談できる(宇都宮市)
- ★虫と獣で担当が違う。虫とネズミ=保健所・生活衛生課/獣と鳥=環境課など
- ネズミは「害虫」の窓口。獣だと思って環境課に行くとたらい回しになる
- シロアリは衛生害虫に含めない自治体が多い
- 特定外来生物・スズメバチは、自治体が動く仕組みがある地域がある
- 業者は複数から見積りを取る(東大阪市の助言)。保健所が案内するのは協会であって特定の1社ではない
※ 本記事の保健所・自治体の役割に関する記述は、さいたま市・大阪市・宇都宮市・横浜市・木更津市・東大阪市の公表内容に基づきます(いずれも2026年9月1日時点で確認)。担当課の名称・分担・貸出や配布の有無は自治体によって異なります。必ずお住まいの自治体のページでご確認ください。