スズメバチの巣の駆除費用は自治体の補助金で戻ることがあります|ただし駆除前に写真を撮らないと申請できません

この記事を読むと分かること
  • 多くの自治体に補助金があり、上限1万円が目安。ただし制度の中身は市ごとに違うこと
  • ★駆除前に巣の写真を撮っておかないと申請できないこと(撮り直しがきかない)
  • アシナガバチとミツバチは、ほとんどの自治体で補助の対象外であること
ハチの巣ができてしまった。業者に頼むといくらか。その前に確認してほしいことがあります。
多くの市区町村が、スズメバチの巣の駆除費用に補助金を出しています。ただし条件があり、知らずに駆除すると受け取れなくなります。

★先に読んでください。駆除前の写真が要ります

補助金の申請には、駆除する前の巣の写真が必要です。
埼玉県熊谷市は、こう書いています。
「補助金の申請には巣の写真の添付が必要であるため、駆除前後の巣の撮影を忘れずに行ってください」— 熊谷市の公表内容より
求められるのは写真3枚です。
1枚目駆除する前の巣
2枚目駆除した後の様子
3枚目巣があった場所
※ 熊谷市の公表内容に基づく(2026年8月31日時点で確認)。水戸市も写真3枚を求めています。
駆除が終わってからでは、1枚目が撮れません。業者を呼ぶ前に、離れた場所からスマホで撮っておいてください。近づく必要はありません。

補助の金額は、市によって出し方が違います

実際に3つの市を見ると、同じ「上限1万円」でも中身が違います。
補助額特徴
埼玉県熊谷市駆除に要した費用(上限10,000円)半額ではなくかかった費用。申請は駆除日から60日以内
茨城県水戸市費用の2分の1(上限10,000円)申請は同一年度に1回限り。郵送不可。窓口は消防局
東京都西東京市費用の半額(1巣あたり上限10,000円)実際にハチが出入りしている巣が対象(空の巣は不可)
※ 各市の公表内容に基づく(2026年8月31日時点で確認)。制度は変わるため、必ずお住まいの自治体の最新の案内をご確認ください。
熊谷市は「かかった費用(上限1万円)」なので、1万円の駆除なら1万円出ます。水戸市と西東京市は半額なので、1万円の駆除なら5,000円です。同じ「上限1万円」でも、実際に戻る額は倍違います。
共通しているのは「市は駆除してくれない」ことです
熊谷市は「市では巣の駆除を行っておりません。業者へ駆除を依頼してください」、水戸市は「市役所や消防署では、ハチの駆除は行っておりません」と明記しています。
自分で業者に頼み、自分で払い、あとから申請して一部が戻るという流れです。先に立て替えます。
そして予算に限りがあり、達したら受付終了とする自治体があります(熊谷市・西東京市)。年度後半は無くなっている可能性があります。

★アシナガバチは、ほとんど対象外です

ここが分かれ目です。補助はスズメバチだけというのが共通しています。
対象対象外
熊谷市ハチ目スズメバチ亜科のスズメバチ類(オオスズメバチ、キイロスズメバチなど)アシナガバチ、ミツバチ/事業用の建物/活動が見られない古い巣
水戸市スズメバチスズメバチ以外のハチ
西東京市スズメバチ空の巣
つまり、種類が分からないと、補助が使えるかどうかも分かりません。
林野庁は「刺す蜂の中で怖いのは、スズメバチとアシナガバチです。特にスズメバチは攻撃性も強く、刺された場合、危険な状態に陥ることもあり、注意が必要です」としています。危険なのは両方です。補助が出るかどうかが違うだけです。
巣の形で、ある程度は分かります
  • アシナガバチお椪を伏せたような形で、六角形の部屋がむき出し。下から巣穴が見える
  • スズメバチマーブル模様の外壁に覆われた球形やとっくり形。中は見えない
外側の殻に覆われていて中が見えないなら、スズメバチの可能性が高いと考えてください。
ただし確認のために近づかないでください。判断は業者に任せて構いません。

★林野庁が「攻撃には4段階ある」と説明しています

ハチが飛んできた時点で、もう刺されると思っていませんか。林野庁は、そうではないと書いています。
「蜂は、いきなり無差別に人を攻撃するわけではありませんが、スズメバチを例にとれば、次の4段階があります」
段階ハチの様子
(ア)警戒巣にいるハチが近づいた人を注視し、一部が巣を離れて周囲を飛び回る
(イ)威嚇高い羽音を発して、上下・左右をまとわりつくように飛び回る
(ウ)攻撃(間接的刺激)威嚇を無視したり、巣に振動を与えると巣内から多くの蜂が飛び出し、まっすぐ飛びかかって刺す
(エ)攻撃(直接的刺激)巣を直接刺激・破損すると威嚇なしに、いきなり飛びかかってすぐ刺す
※ 林野庁「蜂刺され災害を防ごう」の記載に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
(イ)の「高い羽音でまとわりつくように飛び回る」は、まだ刺されていない段階です。これは警告であって攻撃ではありません。
このとき、手で払わないでください。払う動作は(ウ)の「振動を与える」に当たります。静かに、姿勢を低くして、その場から離れてください。
(エ)だけは段階がありません
巣を直接つついたり壊したりすると、威嚇なしにいきなり刺されます。
だから自分で駆除してはいけません。引き返す猚予が無いのは、この段階だけです。
殺虫剤を吹きかける、棒で落とす、水をかける。すべて(エ)です。

刺されたときに、救急を呼ぶ目安

林野庁は、症状を局所症状(刺された周りに出る)と全身症状(体中に出る)に分けています。
そのうえで、全身症状のうち次のような場合は「一刻を争って緊急措置をとらなければならない」としています。
  • 息をするのも苦しくなる
  • 物を飲み込めなくなる
  • 声がしわがれる
  • 全身の力が抜ける
  • 意識が遠のく
※ 林野庁「蜂刺され災害を防ごう」の記載に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
刺された場所以外に症状が出ているなら、それは全身症状です。迷わず119番してください。
我が国における蜂さされの死亡者数は、令和6年では18名と林野庁は記しています。毎年、亡くなっている方がいます。

費用の目安と、頼むときに聞くこと

金額は巣の場所・大きさ・高さで変わります。同じ「スズメバチの巣1個」でも、軒下と屋根裏と床下では作業が違います。
聞くことなぜ
高所作業の追加費用が出るか2階の軒下や屋根では、はしごや足場の分が乗ります
巣の撤去まで含むか殺虫だけで巣を残す場合があります
再発したときの対応同じ場所に作り直されることがあります
領収書を出してもらえるか補助金の申請に領収書が要ります(3市とも)
西東京市は「駆除作業箇所によって駆除作業費用に差がありますので、業者に見積書をお願いして金額を確認してから作業を依頼してください」と書き、さらに「複数の業者から見積書を取ることをお勧めします」としています。市が言っていることです。

相談先

害虫駆除110番は、上場企業シェアリングテクノロジー株式会社(証券コード3989)が運営する紹介サービスです。公式サイトにハチ駆除のサービスがあり、日本全国・24時間365日受付とされています。
現地で無料の見積もりを作成し、作業日が確定するまではいつでもキャンセルできるとされています。ただし公式サイトには、対応エリア・加盟店・現場状況によっては、事前に確認したうえで調査・見積りに費用がかかる場合があるとも書かれています。「必ず無料」ではありません。保証は加盟店によるものです。
※ 対応範囲・受付時間・見積もりの条件は害虫駆除110番の公式サイトの公表内容に基づきます(2026年8月31日時点・編集部調べ)。
依頼する前に、お住まいの市区町村のサイトで「スズメバチ 補助」を検索してください。窓口は市によって違い、環境課のこともあれば、消防局のこともあります(水戸市は消防局です)。

まとめ

  • ★駆除前の巣の写真を撮っておく。申請には写真3枚(駆除前・駆除後・場所)が要る
  • 多くの自治体に補助金がある。上限1万円が目安
  • ただし出し方が違う。熊谷市はかかった費用、水戸市・西東京市は半額。戻る額が倍違う
  • 市は駆除してくれない。自分で頼んで払い、あとから申請する
  • 予算に限りがあり、無くなり次第終了の自治体がある
  • ★アシナガバチ・ミツバチは、ほとんどの自治体で対象外。補助はスズメバチだけ
  • 巣が外壁に覆われて中が見えないならスズメバチの可能性。確認のために近づかない
  • ★林野庁いわく、攻撃には4段階ある。(イ)高い羽音でまとわりつく=威嚇。まだ引き返せる
  • 手で払わない。静かに姿勢を低くして離れる
  • 巣を直接刺激すると、威嚇なしにいきなり刺される。だから自分で駆除しない
  • 息苦しい・飲み込めない・声がしわがれる・力が抜ける・意識が遠のく → 119番
  • 令和6年の蜂さされ死亡者は18名(林野庁)
  • 業者には高所の追加費用・巣の撤去まで含むか・領収書を確認する

あわせて読みたい

埼玉での害獣・害虫の窓口は、市によって対応が分かれます。
同じ害虫でも、ゴキブリは料金の見方がまったく違います。
※ 本記事の補助制度の記述は熊谷市・水戸市・西東京市の公表内容、攻撃の4段階・症状・死亡者数の記述は林野庁「蜂刺され災害を防ごう」に基づきます(いずれも2026年8月31日時点で確認)。補助制度は自治体ごとに異なり、また年度により変更・終了することがあります。必ずお住まいの自治体の最新の案内をご確認ください。巣の形状に関する記述は一般的に知られている内容をまとめたものです。