害獣駆除の補助金は「自分で捕獲する人」向けです|わなは無料で借りられますが、捕まえた後は自分の仕事です

この記事を読むと分かること
  • わなを無料で貸し出している自治体があること。捕獲個体の回収まで無料の市もあること
  • ★借りた場合、捕獲した動物は自分で「止め刺し」して処分すること
  • 1日1回以上の見回り義務があり、猫やタヌキがかかったら放獣しなければならないこと
害獣駆除に補助金はあるのか。あります。ただし、多くの人が想像しているものとは違います。
業者に払った費用を補助する制度は、あまり見当たりません。代わりにあるのは、自分で捕獲するための支援です。わなを貸してくれる、購入費を補助してくれる、捕獲したら報償金を出す。主語が「自分」なのです。

制度は3種類あります

種類内容
① わなの貸出無料で箱わなを貸す宇都宮市・栃木市・船橋市など
② わな購入費の補助自分で買う場合に費用を補助栃木市(獣害対策設備設置費補助金)
③ 捕獲報償金捕獲・処分したらお金がもらえる栃木市 1頭3,000円/さくら市 1頭1,000円
※ 各市の公表内容に基づく(2026年8月31日時点で確認)。制度は自治体ごとに異なり、年度により変更されます。
報償金が出るということは、費用がゼロどころかプラスになる場合があるということです。ただし、そこに至るまでに何をするのかを知っておく必要があります。

★これがいちばん大事です。捕獲した後は自分で殺します

栃木市は、捕獲後の処分についてこう書いています。
「ハクビシン・アライグマを捕獲した場合、できる限り動物に苦痛を与えない方法で止め刺し(動物を致死させること)し、適切に埋設するか燃やすごみとして処分してください」— 栃木市の公表内容より
※ 栃木市の公表内容に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
「止め刺し」とは、動物を致死させることです。市がそう定義しています。
わなを借りるというのは、動物が入った箱わなの前に立ち、自分で始末をつけるということです。そして遺体を埋めるか、燃やすごみに出します。
市に頼める場合もありますが、条件があります
栃木市は「市の指定する捕獲従事者等に止め刺し及び処分を依頼することができます」としています。ただし依頼書の提出が必要で、
「処分の受付は平日のみ(午前9時〜午後4時・土日祝日、年末年始は対応不可)」
「お引き取り日については、受付の時間帯や天候等により翌日以降となることもございます」
とされています。金曜の夜に捕まったら、そのまま週末を越します。
宇都宮市のように捕獲した個体の回収・処分を無料で行う市もあります。ここは市によって大きく違うので、借りる前に必ず確認してください。

借りるには「捕獲許可」が要ります

わなは、申し込めばすぐ借りられるものではありません。
栃木市は「捕獲を行う場合は、市の許可が必要です」とし、「捕獲を開始する10日前までに」申請書を提出するよう案内しています。船橋市は、野生鳥獣の捕獲について「捕獲にあたっては県知事の許可を取得する必要があります」としています。
貸出期間貸出数
宇都宮市3か月(農作物を生産・販売している人は1年)1人(1世帯)につき1基まで
栃木市最長2か月原則、申請者1人につき1個まで
船橋市設置期間は最大8週間
※ 各市の公表内容に基づく(2026年8月31日時点で確認)。宇都宮市の対象は市内に住所を有する方、貸出料金は無料とされています。
「数に限りがあります」と書いている市もあります(栃木市)。必ず借りられるとは限りません。

★借りている間、毎日やることがあります

ここも見落とされがちです。栃木市の案内から2つ挙げます。
1つ目。標識をつけなければなりません。
使用するわなごとに、住所・氏名・許可権者名・許可の有効期間・許可証の番号・捕獲しようとする鳥獣の種類を、縦1cm・横1cm以上の大きさの文字で、金属またはプラスチック製の板に記載して設置する、とされています。
2つ目。毎日見回ります。
誤って他の鳥獣(猫・タヌキ等)がかかる可能性があるため、1日1回以上の見回りを行い、ハクビシン・アライグマ以外が捕まっていた場合はただちに放獣してください」— 栃木市の公表内容より
猫がかかることがあります
市が名指しで「猫・タヌキ等」と書いているのは、実際に起きるからです。近所の飼い猫が入っていたら、その場で放してください。
そして放獣にも危険があります。わなの中の動物は興奮しています。旅行や出張で家を空ける予定があるなら、その期間はわなを仕掛けるべきではありません。

★屋根裏には使えません

この記事を読んでいる人の多くは、屋根裏で音がしている状況だと思います。それが、この制度がいちばん噛み合わない場面です。
栃木市は、家屋への侵入被害については「追い払い、侵入口をふさぐ、といった対策を行ってください」とし、わなによる捕獲は「住居(事業所も含む)、農林業者の事業地(農地・山林等)に限り」としています。
船橋市は、はっきり業者を案内しています。
屋根裏に侵入していたり、消毒や清掃等については有料にはなりますが、千葉県害虫防除協同組合にて業者を紹介しております。市では費用等は把握していないため、直接業者に見積をしてください」— 船橋市の公表内容より
※ 船橋市の公表内容に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
そして根本的な問題があります。捕獲しても、侵入口が空いていれば次が入ります。
屋根裏の問題は、捕獲ではなく建物の工事です。侵入口の封鎖、糞の清掃、消毒、断熱材の交換。これは自治体の業務範囲の外にあります。

制度を使うかどうかの判断

あなたの状況向いている手
庭・畑に出る。毎日見回れる。処分も引き受けられる市のわな貸出が使えます。報償金が出る市もあります
屋根裏・天井裏に住み着いている市の制度の対象外。侵入口の封鎖まで含めて業者に相談する
動物を自分で処分するのは無理わなを借りない。回収まで無料の市か、業者を選ぶ
賃貸に住んでいる管理会社・大家に連絡する。建物の維持管理の問題です
「無料だから」で借りて、捕まってから困る人がいます。捕獲は入口であって、出口ではありません。

自分の市の調べ方

制度は市ごとにまったく違います。この記事に挙げた4市も、貸出期間・報償金・処分の扱いが全部違いました。
  • 市の公式サイトで「ハクビシン 捕獲」「有害鳥獣 わな 貸出」を検索する
  • 窓口は農林・農政の課のことが多い(宇都宮市=農林生産流通課、栃木市=農林整備課獣害対策係、さくら市=農政課)。環境課とは限りません
  • アライグマとハクビシンで扱いが違うことがあるので、種類を伝える
アライグマとハクビシンの法的な違いは、こちらで詳しく書いています。

相談先

屋根裏の場合、市の制度は使えません。必要なのは、侵入口をふさぐ工事です。
状況向いている相談先
再発防止の工事まで含めて相談したい害獣プロテック
種類が分からないまま、まず見てもらいたい/深夜に相談したい駆除ザウルス
害獣プロテックは、48年以上にわたり家の構造を扱ってきた建築の会社が対応します。再発を防ぐ「害獣対策工事」まで一貫して行う立て方です。調査・見積りは完全無料で、24時間365日受付最長10年の破損保証があります(保証条件あり)。対応エリアは関東(東京・神奈川・千葉・埼玉・栃木・群馬・茨城)/関西(大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山・三重)/東海(愛知・岐阜・静岡)/九州(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・山口)/北陸・甲信越(新潟・富山・石川・福井・山梨・長野)/福島です。
駆除ザウルス24時間365日受付で、下請けを使わない完全自社施工を掲げています。現地調査は原則無料(生息確認のみの依頼は別途有料)。最長10年の保証があり、保証期間内に再発した場合は無償で対応するとしています。ハクビシン・イタチ・アライグマ・テン・ネズミ・コウモリ・アナグマに対応しています。
※ 各社の対応エリア・受付時間・保証内容は変わることがあります。最新の内容は各公式サイトでご確認ください(2026年8月31日時点・編集部調べ)。
まず市役所に電話するのが無料でいちばん確実です。そのうえで、屋根裏なら業者の現地調査を受けてください。

まとめ

  • 害獣駆除の補助制度はある。ただし「業者代の補助」ではなく「自分で捕獲するための支援」
  • 種類は①わなの無料貸出 ②わな購入費の補助 ③捕獲報償金の3つ
  • 報償金は栃木市1頭3,000円・さくら市1頭1,000円と市で違う
  • ★捕獲後は「止め刺し(動物を致死させること)」をして、埋設か燃やすごみで処分する(栃木市)
  • 市に処分を頼める場合もあるが、栃木市は平日9〜16時のみ。土日祝は対応不可
  • 宇都宮市は捕獲個体の回収・処分まで無料。ここは市で大きく違う
  • 借りるには捕獲許可が必要。栃木市は開始10日前まで、船橋市は県知事の許可
  • 貸出は1人1基までが一般的。宇都宮3か月/栃木最長2か月/船橋最大8週間
  • ★わなごとに標識の設置義務(1cm角以上の文字、金属かプラスチックの板)
  • ★1日1回以上の見回り義務。猫やタヌキがかかったら、ただちに放獣
  • ★屋根裏は制度の対象外。船橋市は業者紹介、栃木市は「侵入口をふさぐ」対策を案内
  • 捕獲しても侵入口が空いていれば次が入る。屋根裏の問題は建物の工事
  • 窓口は農林・農政の課のことが多い。環境課とは限らない

あわせて読みたい

音だけで、まだ何がいるか分からない段階ならこちらです。
ハチの巣なら、業者に払った費用を補助する制度があります(害獣とは仕組みが違います)。
※ 本記事の制度に関する記述は宇都宮市・栃木市・さくら市・船橋市の公表内容に基づきます(いずれも2026年8月31日時点で確認)。制度は自治体ごとに異なり、年度により変更・終了することがあります。必ずお住まいの自治体の最新の案内をご確認ください。捕獲には許可が必要で、無許可の捕獲は法令違反となる場合があります。