アライグマの足跡は「子どもの手形」|特定外来生物なので、自治体が動く仕組みがあります

この記事を読むと分かること
  • 足跡が「子どもの手形」のようという、いちばん分かりやすい見分け方
  • アライグマだけ外来生物法の対象で、自治体が動く仕組みがあること
  • 沖縄県を除くすべての都道府県で生息が確認されていること
「うちにいるのはアライグマかもしれない」と思ったとき、まず知っておいてほしいことがあります。
アライグマは、ハクビシンやイタチとは法律上の扱いが違います。特定外来生物に指定されていて、自治体が捕獲に動く仕組みがあります。この記事では、環境省の資料をもとに、見分け方と、扱いがどう違うのかをまとめます。

足跡は「人の子供の手形」のよう

環境省の資料に、こう書かれています。
「前肢、後肢共に指は5本で長く、足跡は人の子供の手形のようです」— 環境省「アライグマ防除の手引き(令和7年3月改訂版)」より
これがいちばん分かりやすい見分け方です。指が長く、人の手のように見えます。
見た目の特徴も整理します。
部位アライグマの特徴
目のまわりマスク状の黒い模様
鼻から額黒い筋がある
白と黒の縞模様
体色灰褐色
頭胴長42〜60cm
尾長20〜41cm
体重4〜10kg
※ 環境省「アライグマ防除の手引き(令和7年3月改訂版)」の記載に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
タヌキよりも一回り大きく、より長い尾を持ちます。体重4〜10kgは、中型犬に近い重さです。屋根裏で聞こえる足音は、はっきり「重い」と感じるはずです。

ハクビシン・タヌキとの見分け方

似た動物と並べます。
種類足跡体重
アライグマ白と黒の縞模様指5本。子どもの手形のよう。爪跡は明瞭4〜10kg
ハクビシン長い(縞なし)指5本・爪跡は不明瞭2.0〜5.5kg
タヌキ太くふさふさ指が4本・全体に丸くネコに似る
アナグマ短い指5本・爪が長い
※ アライグマの数値は環境省「アライグマ防除の手引き」、その他は東京都環境局「アライグマ・ハクビシン対策マニュアル」参考資料⑧および同「アライグマ・ハクビシンについて」に基づく(いずれも2026年8月31日時点で確認)。
尾に縞があればアライグマ、指が4本ならタヌキ。この2つを覚えておけば、たいてい区別がつきます。
顔だけを見ると、ハクビシンとアライグマは似ています。額から鼻先まで白い線が1本通っているのがハクビシン、目のまわりが黒いマスクになっているのがアライグマです。

沖縄県を除く、すべての都道府県にいます

「うちの地域にはいないだろう」と思っている人が多い動物です。
環境省の資料には、2024(令和6)年に取りまとめられた市町村へのアンケート調査で、沖縄県を除くすべての都道府県において生息が確認されたと書かれています。
もともと日本にいた動物ではありません。
できごと(資料の記載)
1962(昭和37)年愛知県の動物園から逃亡したと考えられる個体が野外で確認。日本における最初の野生化事例
2005(平成17)年外来生物法の施行時に、いち早く特定外来生物に指定
2022(令和4)年度農作物被害金額が全国で4億5千万円を超える
2024(令和6)年沖縄県を除くすべての都道府県で生息を確認
※ 環境省「アライグマ防除の手引き(令和7年3月改訂版)」の記載に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
資料は「2005(平成17)年以降には、特定外来生物として各地で防除が実施されてきましたが、分布拡大を抑えることはできず」としています。増えている動物だということです。

家に出る被害

環境省の資料が挙げている、生活環境への被害です。
  • 家屋に侵入し、糞尿による汚損を引き起こす
  • 社寺等の文化財についても、柱に爪を立てて登り、隙間から屋根裏に進入する
  • 人獣共通感染症の媒介者となるおそれがある
「柱に爪を立てて登る」という記述のとおり、木登りが得意です。地上の経路だけを塞いでも足りません。
農作物では、甘味のある作物を好み、トウモロコシ・スイカ・メロン・ブドウに大きな被害を出すとされています。庭に果樹や家庭菜園があるなら、そこが引き寄せる要因になります。
繁殖は通常は年に1回、春に3〜6頭を出産します。春に住み着かれると、頭数が増えた状態で夏を迎えることになります。
糞は素手で触らないでください
東京都環境局は、アライグマ・ハクビシンに関する人獣共通感染症を17項目挙げています。そのうちアライグマ回虫幼虫移行症は、資料に「中枢神経系に移行した場合は髄膜脳炎を発症し、眼球に移行した場合は網膜炎を発症し、視力障害や失明を引き起こす」と書かれています。
掃除機で吸わないでください。乾いた糞を吸うと、粉じんが排気から部屋に戻ります。

★アライグマだけ、自治体が動く仕組みがあります

ここが他の動物といちばん違うところです。
ハクビシンやイタチは鳥獣保護管理法だけが根拠ですが、アライグマは外来生物法にもとづく「防除」の対象です。そのため、都道府県や市町村が計画を作って捕獲を進める枠組みがあります。
実施主体手続き(資料の記載)
都道府県防除の内容を公示することで実施が可能
市町村防除の内容を防除実施計画に示し、環境省の確認を受けることで防除が可能
民間事業者や個人等防除の内容を防除実施計画に示し、環境省の認定を受けることで防除が可能
※ 環境省「アライグマ防除の手引き(令和7年3月改訂版)」表2-1の記載に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
つまり、まず市区町村に相談する意味が、他の動物より大きいということです。自治体によっては、計画にもとづいて捕獲器を設置してくれます。
ただし、屋内は対象外のことがあります。たとえば埼玉県草加市は、捕獲器について「屋内(屋根裏等)での罠設置は行っておりません」と明記しています。屋根裏に住み着いている場合は、自治体では解決しません。

自分で捕まえていいのか

許可が要ります。ただし、環境省の資料には一般の住民に関わる例外が書かれています。
① 被害が出ていなくても申請できます
「原則として在来の野生鳥獣の保護と被害防止の両立が必要となる(ただし、外来鳥獣については、被害未発生時においても捕獲許可の申請が可能)」と書かれています。アライグマは外来鳥獣です。
② 狩猟免許がなくても申請できる場合があります
捕獲個体を適切に処分でき、かつ住宅等の建物内や農地等での被害を防止する目的で、土地所有者自らが小型の箱わなで捕獲する場合は、免許非所持者であっても捕獲許可の申請が可能」とあります。
条件は3つ。土地所有者本人/小型の箱わな/捕獲した個体を適切に処分できること。
また外来生物法にもとづく防除では、「自身の所有する土地以外でも、適切な捕獲と安全に関する知識及び技術を有していると認められる者は、わなや餌の設置から捕獲、運搬までの一連の作業が可能」とされています。
捕獲した個体を運べるかどうかについても、資料に明記があります。
「鳥獣保護管理法による捕獲、外来生物法による防除、いずれの場合にも、捕獲されたアライグマの一時的な保管および殺処分のための運搬は可能です」— 環境省「アライグマ防除の手引き(令和7年3月改訂版)」より
※ 環境省「アライグマ防除の手引き(令和7年3月改訂版)」および同表2-1の記載に基づく(2026年8月31日時点で確認)。

★捕まえたあとが、いちばん危険です

資料には、取り扱い上の注意がはっきり書かれています。
「アライグマは、箱わなから前肢を出して人をひっかいたり、咬まれたりすることがあるため、取扱う際には革の手袋を使用する等、作業者の安全を確保するよう配慮が必要です」— 環境省「アライグマ防除の手引き(令和7年3月改訂版)」より
手先が器用で、指が長い動物です。檀に入れたから安全、ではありません。資料は運搬時についても「手先の器用なアライグマの逸出を防ぐため、わなの構造等に応じた対応が望まれる」としています。
そして捕獲した個体は、「動物の愛護及び管理に関する法律」の考え方に沿った方法で扱い、個人的な持ち帰りや野外への放置がないようにする必要があるとされています。
「捕まえたあとどうするか」まで引き受けられるかどうかが、自分でやるかどうかの分かれ目です。

賃貸か持ち家かで、やることが変わります

住まい最初にやること
賃貸管理会社・大家に連絡する。建物の維持管理の問題です
持ち家市区町村の担当課に相談し、あわせて業者の現地調査を受ける

相談先

まず市区町村です。アライグマは自治体が動く仕組みがあるので、他の動物より相談する意味があります。無料ですし、捕獲器を出してもらえる可能性があります。
ただし捕獲と、建物の工事は別です。侵入口の封鎖、糞尿で汚れた断熱材の交換、清掃、消毒。これは民間の業者に頼むことになります。
状況向いている相談先
対応エリア内で、再発防止の工事まで含めて相談したい害獣プロテック
種類が分からないまま、まず見てもらいたい/深夜に相談したい駆除ザウルス
害獣プロテックは、48年以上にわたり家の構造を扱ってきた建築の会社が対応します。再発を防ぐ「害獣対策工事」まで一貫して行う立て方です。対応エリアは福島/東京・神奈川・埼玉・群馬・千葉・栃木・茨城/山梨・長野・富山・石川・福井/愛知・静岡・三重/大阪・京都・兵庫・奈良。見積もりは無料で、Webからでも電話からでも受け付けています。
駆除ザウルス24時間365日受付で、下請けを使わない完全自社施工を掲げています。現地調査は原則無料(生息確認のみの依頼は別途有料)。最長10年の保証があり、保証期間内に再発した場合は無償で対応するとしています。ハクビシン・イタチ・アライグマ・テン・ネズミ・コウモリ・アナグマに対応しており、種類が特定できていない段階でも相談できます。対応は全国ですが、北海道・沖縄と一部地域は対象外です。
※ 各社の対応エリア・受付時間・保証内容は変わることがあります。最新の内容は各公式サイトでご確認ください(2026年8月31日時点・編集部調べ)。

まとめ

  • 足跡は「人の子供の手形」のよう。指5本で長い
  • 尾に白と黒の縞、目のまわりにマスク状の黒い模様。額から鼻先が白い線ならハクビシン
  • 体重4〜10kg。タヌキより一回り大きい
  • 2024年時点で、沖縄県を除くすべての都道府県で生息が確認されている
  • 1962年に愛知県の動物園から逃げた個体が最初の野生化事例。2005年に特定外来生物に指定
  • 家屋に侵入して糞尿で汚損する。柱に爪を立てて登る
  • 甘味のある作物を好む(トウモロコシ・スイカ・メロン・ブドウ)。春に3〜6頭を出産
  • ★アライグマだけ外来生物法の防除の対象。都道府県は公示、市町村は環境省の確認で防除できる
  • ただし屋内の罠設置を行わない自治体がある。屋根裏は自治体では解決しない
  • 外来鳥獣なので、被害が出ていなくても捕獲許可を申請できる
  • 土地所有者本人が小型の箱わなで行うなら、狩猟免許がなくても申請できる
  • ★箱わなから前肢を出してひっかく・咬む。革の手袋が必要と資料に明記
  • 捕獲個体は個人的な持ち帰りや野外への放置をしない

あわせて読みたい

まだ姿を見ておらず、音だけの段階ならこちらです。
鳴き声から絞りたいならこちらです。
※ 本記事のアライグマの形態・生態・分布・被害・防除の手続き・取り扱い上の注意は、環境省「アライグマ防除の手引き(令和7年3月改訂版)」の記載に基づきます。ハクビシン・タヌキ・アナグマとの比較と人獣共通感染症は東京都環境局の資料、自治体の対応例は草加市の記載に基づきます(いずれも2026年8月31日時点で確認)。