ハクビシンの鳴き声は高く短い「キーキー」|音だけでは確定できません。足音・糞・足跡で見分ける手順

この記事を読むと分かること
  • ハクビシンの鳴き声は高く短い「キーキー」だが、公的機関の資料には鳴き声の記述が無いこと
  • だから音ではなく、東京都が公開している「侵入チェックシート」で確かめること
  • 決め手は。「犬の糞のようなものが大量に」あれば、ほぼ確定すること
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夜中に天井裏で音がする。何かがいるのは分かるけれど、それが何なのかが分からない。その状態で検索すると、まず「鳴き声」を調べることになります。
先に結論を書きます。鳴き声は手がかりにはなりますが、証拠にはなりません。この記事では、音のことを説明したうえで、東京都が公開している見分け方の資料を使って正体を確かめる順番をまとめます。

鳴き声は高く短い「キーキー」「キューキュー」

害獣駆除の各社が挙げているハクビシンの鳴き声は、「キーキー」「キューキュー」といった、高くて短い声です。猫の鳴き声よりも甲高く、金属的に聞こえると表現されます。威嚇や縄張り争い、繁殖期には特に頻繁になる、という説明もおおむね共通しています。
ただし、ここははっきり書いておきます。
公的な資料に、鳴き声の記述はありません
東京都環境局のアライグマ・ハクビシン解説にも、農研機構の研究資料にも、鳴き声についての記載は見当たりません。上に書いた「キーキー」は、駆除業者各社のサイトで記述が一致しているというだけのものです。
音は入口であって、決め手ではないと考えてください。次の章から、裏の取れる方法に切り替えます。

音だけで確定できない理由

天井裏に入る動物は1種類ではありません。ネズミ・ハクビシン・イタチ・アライグマ・コウモリが候補になり、鳴き声はどれも「キーキー」と表現されます。
ただし足音の重さは、体重の差でかなり絞り込めます。
種類体長体重
ハクビシン40〜60cm2.0〜5.5kg
アライグマ40〜65cm3.5〜11.0kg
※ 東京都環境局「アライグマ・ハクビシンについて」の記載に基づく(2026年8月31日時点・編集部調べ)。
猫と同じかそれ以上の重さです。「ドスドス」「ゴトゴト」と重い音がするなら、ネズミではありません。ネズミはカサカサと軽く、素早く走る音になります。ここが最初の分かれ目です。

東京都の「侵入チェックシート」で確かめる

東京都環境局は、アライグマ・ハクビシン対策マニュアルの参考資料として侵入チェックシートを公開しています。建物についての項目は次の8つです。
チェック項目(建物)
建物に5本指の足跡があった
柱を登る5本の爪あとがあった
天井や壁の一部が壊された
天井にシミができたり、雨もりのように水滴が落ちてきた
天井裏から聞いたことのない大きな足音や物音がした
天井裏に犬の糞のようなものが大量にあった
飼い犬や猫の餌が何者かに食べられてしまった
お供え物が食べられたり、荒らされたりした
※ 東京都環境局「アライグマ・ハクビシン対策マニュアル」参考資料④「アライグマ・ハクビシン侵入チェックシート」より(関西野生生物研究所 原案・大阪府 作成を参考。2026年8月31日時点で確認)。
資料には「あてはまる項目があったら、アライグマやハクビシンが来ていたり、住み着いている可能性があります」と書かれています。そして「天井裏から大きな足音が聞こえたら、区市町村の担当課や地域の担当者と相談してなるべく早く対策をとりましょう」と続きます。
音が聞こえた時点で、行政は「相談してよい段階」だと言っているということです。

決め手は糞。「犬の糞のようなものが大量に」

上のチェックシートで、いちばん強い証拠がこれです。
ハクビシンには同じ場所で繰り返し排泄する習性があります。そのため天井裏の一か所に糞がたまり、量が増えていきます。チェックシートの「犬の糞のようなものが大量に」という表現は、この習性を指しています。
ネズミの糞は米粒から1cm程度で、通り道に点々と散らばります。一か所に山になっているなら、ネズミではありません。
素手で触らないでください
東京都環境局は、対策マニュアルの資料編に「人獣共通感染症について」という項目を独立して設けています。糞や巣材には感染症のリスクがあるという前提で扱われている、ということです。
確認するときはマスクと手袋を着け、掃除機で吸わないでください。乾いた糞を吸い込むと、粉じんが排気から部屋に戻ります。

足跡と尻尾で、種類まで分かる

東京都環境局は、アライグマ・ハクビシン・タヌキ・アナグマの見分け方も資料として公開しています。
種類胴長尻尾足跡
ハクビシン50〜60cm尾が長い指5本・爪跡は不明瞭
アライグマ60cm位黒い縞が5〜7本指5本・爪が長く爪跡は明瞭
タヌキ45〜55cm太くふさふさ指が4本・全体に丸くネコに似る
アナグマ50〜60cm尾が短い指5本・爪が長い
※ 東京都環境局「アライグマ・ハクビシン対策マニュアル」参考資料⑧「アライグマ・ハクビシン・タヌキ・アナグマの見分け方」より(2026年8月31日時点で確認)。
足跡の指の数が4本ならタヌキです。5本ならその他の3種で、そこから爪跡がはっきり残っているかで分かれます。はっきり残るのがアライグマ、残りにくいのがハクビシンです。
尻尾が見えたなら、そちらのほうが早く分かります。縞があればアライグマ、長ければハクビシン、短ければアナグマです。

侵入口は8cm。ただし塞ぐ順番を間違えないこと

農研機構が、成熟したハクビシン4頭を使ってどのくらいの隙間を通れるかを実測しています。
隙間の形通り抜けられたサイズ
正方形一辺8cm
円形直径9cm
横長の長方形6cm × 12cm
縦長の長方形11cm × 7cm
※ 農研機構「ハクビシンは狭い隙間から侵入できる」(西日本農業研究センター)の記載に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
短い辺が6cmあれば通れるという結果です。8cm四方は、握りこぶしがぎりぎり入るかどうかの大きさです。屋根と壁の取り合い、換気口、軒下、配管まわりなど、普段は隙間と認識していない場所が該当します。
そして東京都環境局は、木登りが得意で電線を伝い歩きするとも書いています。地上からの侵入だけを塞いでも足りない、ということです。
中にいるまま塞がない
侵入口を塞ぐのは有効な対策ですが、順番が逆になると閉じ込めてしまいます。中で死なれると、腐敗臭とウジの発生という別の問題になり、天井を開けての清掃が必要になります。
「出ていったことを確認してから塞ぐ」が原則です。ここは自己判断が難しいところで、業者が現地調査で最初に見るのもここです。

忌避剤は「解決策にはならない」と行政が明言している

市販の忌避剤やくん煙剤を先に試したくなりますが、東京都環境局はこう書いています。
「個体を別の家に追いやるだけで根本的な解決策には繋がりません」— 東京都環境局「被害を防ぐために」より
追い出しても、侵入口が空いていれば戻ってきます。同じ資料は、対策として次の3つを挙げています。
  • 家屋への侵入経路となるような木の枝等は切る
  • 家屋への入り口となるような破損箇所等は塞いでおく
  • 空き家を点検・撤去を行う
餌になるものを減らし、繁殖場所をなくすという考え方です。忌避剤は、この工事までの時間稼ぎと考えてください。

自分で捕まえていいのか(法律の話)

ここは間違えると罰則があります。ハクビシンは鳥獣保護管理法の対象で、狩猟による場合を除いて捕獲・殺傷・採取が原則として禁止されています。違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
許可を出すのは都道府県知事で、一部は市町村長に権限が移されています。ただし、環境省の資料を読むと、一般の住民にとって重要な例外が2つあります。
① 被害が出ていなくても、申請できます
環境省の資料には「原則として在来の野生鳥獣の保護と被害防止の両立が必要となる(ただし、外来鳥獣については、被害未発生時においても捕獲許可の申請が可能)」と書かれています。
ハクビシンは外来鳥獣です。「まだ実害は無いが音がする」段階でも、申請の対象から外れません。
② 狩猟免許がなくても、条件を満たせば申請できます
同じ資料に「捕獲個体を適切に処分でき、かつ住宅等の建物内や農地等での被害を防止する目的で、土地所有者自らが小型の箱わなで捕獲する場合は、免許非所持者であっても捕獲許可の申請が可能」とあります。
条件は3つです。土地所有者本人であること/小型の箱わなであること/捕獲した個体を適切に処分できること。
※ 環境省「捕獲許可制度の概要」「野生鳥獣の違法捕獲の防止」および「アライグマ防除の手引き(令和7年3月改訂版)」表2-1の記載に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
つまり「絶対に自分では無理」ではありません。ただし3つ目の「適切に処分できること」が実際には重い条件です。捕獲した個体をどうするかまで自分で引き受けられるかどうか、を先に考えてください。
なお、捕獲した個体を生きたまま運べるかは、根拠となる法律によって扱いが変わります。自治体の担当課に必ず確認してください。この記事では断定を避けます。

賃貸か持ち家かで、やることが変わります

上の「土地所有者自ら」という条件からも分かるとおり、賃貸と持ち家では最初の一手が違います。
住まい最初にやること
賃貸管理会社・大家に連絡する。建物の維持管理の問題であり、自分で業者を手配して費用を負担する話ではありません
持ち家区市町村の担当課に相談し、あわせて業者の現地調査を受ける
賃貸で勝手に工事を頼まないでください。侵入口を塞ぐのは建物への施工です。原状回復や費用負担でもめる原因になります。

相談先

東京都環境局の資料は「まずは各区市町の環境部署や清掃部署等にお問い合わせ下さい」と案内しています。自治体によっては罠の貸し出しや、防除計画に基づく捕獲を行っています。まずここに聞くのが無料で、確実です。
一方で、自治体が対応するのは主に捕獲までです。侵入口の封鎖・糞の清掃・消毒・断熱材の交換といった建物側の工事は、民間の業者に頼むことになります。ここは見積もりを取って比べてください。
状況向いている相談先
対応エリア内で、再発防止の工事まで含めて相談したい害獣プロテック
エリア外、または深夜に音がして今すぐ相談したい駆除ザウルス
害獣プロテックは、48年以上にわたり家の構造を扱ってきた建築の会社が対応する点を掲げています。再発を防ぐ「害獣対策工事」まで一貫して行うという立て方で、この記事で書いてきた「侵入口を塞ぐまでが対策」という考え方と合います。対応エリアは福島/東京・神奈川・埼玉・群馬・千葉・栃木・茨城/山梨・長野・富山・石川・福井/愛知・静岡・三重/大阪・京都・兵庫・奈良。見積もりは無料で、Webからでも電話からでも受け付けています。
駆除ザウルスは累積相談実績40,000件以上、24時間365日受付で、日本各地の営業所から対応します。現地調査・見積もりが無料で、被害と施工の画像データを渡してもらえるのが特徴です。天井裏は自分で見に行きにくい場所なので、写真が残るのは確認のうえで意味があります。北海道・沖縄・離島は対象外です。
※ 各社の対応エリア・受付時間・料金は変わることがあります。最新の内容は各公式サイトでご確認ください(2026年8月31日時点・編集部調べ)。

まとめ

  • ハクビシンの鳴き声は高く短い「キーキー」「キューキュー」。ただし公的資料に記述は無く、証拠にはならない
  • 体重は2.0〜5.5kg重い足音ならネズミではない
  • 東京都の侵入チェックシートで確かめる。天井のシミ/大きな足音/糞が大量が代表的な項目
  • 決め手は。同じ場所にためる習性があるため「犬の糞のようなものが大量に」なる。素手で触らない・掃除機で吸わない
  • 足跡は指4本ならタヌキ。5本なら爪跡が明瞭=アライグマ/不明瞭=ハクビシン
  • 侵入口は8cm四方。短い辺が6cmあれば通れる。電線も伝う
  • 忌避剤は「別の家に追いやるだけ」と東京都が明言。侵入口を塞ぐまでが対策
  • 捕獲は許可制。違反は1年以下の懲役または100万円以下の罰金
  • ただし外来鳥獣は被害が出ていなくても申請でき土地所有者本人が小型の箱わなで行う場合は狩猟免許が無くても申請できる
  • 賃貸はまず管理会社・大家へ。持ち家は区市町村へ相談したうえで業者の現地調査を受ける

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天井裏の音がネズミだった場合、住宅設備の配線がかじられていることがあります。
※ 本記事の体長・体重、見分け方、侵入チェックシート、対策の記述は東京都環境局「アライグマ・ハクビシン対策について」および同「対策マニュアル」参考資料に基づきます。隙間のサイズは農研機構の研究成果、法律の記述は環境省の資料に基づきます(いずれも2026年8月31日時点で確認)。鳴き声については公的資料に記載が無いため、駆除業者各社の記述を要約しています。