同じ市内・同じ区内の引っ越しは転居届だけ|東京23区の区またぎは転出届が要り、政令市の区またぎは新しい区役所1か所で済みます

この記事を読むと分かること
  • 同じ市の中の引っ越しは、原則として転居届1枚で済むこと(住民基本台帳法第23条・14日以内)
  • 東京23区で別の区へ移るときは、同じ東京都内でも転出届と転入届の2つが要ること
  • 政令指定都市で別の区へ移るときは、新しい区の区役所1か所で済み、旧の区に転出届を出さなくてよいこと(横浜市・大阪市)
  • 区またぎと区内の引っ越しは、引っ越す前には届け出られないこと
  • 23区の区またぎでは、印鑑登録・国民健康保険・児童手当が「いったん切れて、新しい区で入り直し」になること
「同じ市内の引っ越し」と一口に言っても、住んでいる場所が東京23区か、政令指定都市か、区の無い市町村かで、出す届出の数が変わります。
この記事は、住民基本台帳法と地方自治法の条文、横浜市・大阪市・東京23区の区役所の公式ページだけを根拠に、どこからが「転出」になるのかの境界を並べたものです。

同じ市内の引っ越しで、出す届出はどれですか

区の無い市町村の中、または同じ区の中なら、新しい住所に住み始めてから14日以内に転居届を1枚出すだけです。区をまたぐ場合は、東京23区か政令指定都市かで扱いが分かれます。
引っ越しの範囲出す届出出す窓口引っ越し前に出せるか
区の無い市町村の中転居届その市町村の役所出せない(住み始めてから14日以内)
政令指定都市の同じ区の中転居届住んでいる区の区役所出せない
政令指定都市の別の区へ新しい区での届出1回(横浜市・大阪市はこれを「転入届」と呼ぶ)新しい区の区役所だけ出せない
東京23区の同じ区の中転居届住んでいる区の窓口出せない
東京23区の別の区へ旧の区に転出届+新しい区に転入届2か所転出届だけは出せる(転入届は住み始めてから)
※ 横浜市・大阪市・世田谷区・大田区・江東区の公式ページを2026年10月9日に取得して整理。他の政令指定都市・特別区でも窓口名や様式名は異なるため、届出の前にお住まいの市区の案内を確認してください。
同じ「区をまたぐ引っ越し」でも、東京23区は役所を2か所回り、政令指定都市は1か所で済みます。検索で「同じ区内」「同じ市内」の手続きを調べるときは、まず自分の住所がどちらに当たるかを確かめてください。

なぜ東京23区だけ、同じ東京都内でも転出届が要るのですか

東京23区の区(特別区)は、法律上「市」と同じ扱いを受ける独立した自治体だからです。区が変われば、市が変わったのと同じことになります。
地方自治法の条文はこうなっています。
  • 第281条第1項「都の区は、これを特別区という。」
  • 第283条第2項は、他の法令の市に関する規定のうち、特別区が処理することとされている事務に関するものは「特別区にこれを適用する」と定めています
住民基本台帳法第23条は、転居を「一の市町村の区域内において住所を変更すること」と定義しています。特別区は1つずつが市と同じ扱いなので、区をまたげば「一の市町村の区域内」から外れ、転出と転入になります。
各区の案内もこの前提で書かれています。江東区の転出届のページの見出しは「転出届(江東区以外の区市町村へのお引越し)」で、「区市町村」と区が先頭に来ています。
※ 地方自治法・住民基本台帳法の条文は2026年10月9日にe-Gov法令検索から取得。江東区の公式ページも同日取得。

政令指定都市の区は、なぜ1か所で済むのですか

政令指定都市の区は、市の中の行政区です。自治体としては1つの市なので、旧の区と新しい区のあいだで書類をやり取りする仕組みが市の中で完結しています。
各市の案内はこうです(2026年10月9日取得)。
  • 横浜市:「市内の他の区に引越しをした場合、新しい区の区役所で転出届・転入届を同時に提出できます。引越し前の区で転出届を提出する必要はありません。」
  • 大阪市:「大阪市内の他の区への引越しの場合、転出の届出は不要です。新しくお住まいになる区の区役所で転入の届出を行ってください。」
名前は「転入届」でも、旧の区役所へ行く必要はありません。大阪市の転入届の案内でも、前の住所地で交付される転出証明書について「大阪市内での引越しの場合は不要です」と書かれています。
※ 住民基本台帳法第38条は、指定都市について、政令で定める規定の適用では区を市とみなすと定めています。横浜市・大阪市が区またぎを「転入届」と呼ぶのはこのためと考えられますが、手続きの進め方は各市の案内に従ってください。

政令指定都市の区またぎは、引っ越し前に届け出られますか

届け出られません。新しい住所に住み始めてから14日以内に、新しい区の区役所で出します。
横浜市の案内には、次の注意がそのまま書かれています(2026年10月9日取得)。
  • 「引越し前に届出をすることはできません。」
  • 「14日目が区役所の閉庁日に当たるときは、翌開庁日が届出期間の末日となります。」
  • 「市役所や行政サービスコーナー、新しい住所区の区役所以外では届出はできません。」
大阪市も同じで、転入届・転居届とも「引越し前の届出は受付できません」、窓口は区役所(または区役所出張所)で「サービスカウンターではお取扱いできません」としています。
住民票の写しを取れる窓口と、引っ越しの届出を受ける窓口は別です
駅前などの行政サービスコーナー(横浜市)・サービスカウンター(大阪市)では、引っ越しの届出は受け付けていません。
届出は新しい区の区役所の窓口へ。平日の日中に行けない人は、横浜市の第2・第4土曜日(午前9時から正午まで)のような土曜開庁があるかを先に確認してください。

東京23区の区またぎは、どの順番で出しますか

旧の区に転出届を出して、新しい区に転入届を出します。転出届だけは引っ越し前に出せます。
届出いつ出せるかどう出せるか
転出届(旧の区)大田区は引っ越し予定日の概ね14日前から、世田谷区は国内の引っ越しなら引越しの前後14日以内窓口・郵送・マイナポータル(マイナンバーカードを持っている人)
転入届(新しい区)住み始めた日から14日以内窓口のみ(世田谷区は「郵送等でのお届けはできません」と明記)
※ 大田区・世田谷区・江東区の転出届・転入届のページを2026年10月9日に取得。届出期間の書き方は区によって異なります。
転入届には、旧の区が出す転出証明書を持っていきます。マイナンバーカードを持っている人がマイナポータルや窓口で特例の転出届をした場合は、転出証明書は要りません(世田谷区)。

マイナンバーカードを持っている人は、期限が2つあります

世田谷区の転入届の案内には、次の注意があります。
  • 「マイナンバーカードをお持ちの方は、転出(予定)日から30日以内、かつ転入日から14日以内に転入届をされないと、継続利用ができずカードが失効となります。」
転出届を早めに出して、転入届を後回しにすると、この30日に引っかかります。転出届は「引っ越しの日が確定してから」出すほうが安全です。
マイナポータルでの転出届の流れと落とし穴は、こちらで整理しています。

区をまたぐと、ついてくる手続きも変わります

東京23区の区またぎは「旧の区で切れて、新しい区で入り直し」、政令指定都市の区またぎと区内の引っ越しは「住所が書き換わるだけ」になるものが多いです。
手続き東京23区で別の区へ政令指定都市で別の区へ/同じ区の中
印鑑登録転出で登録がなくなる。新しい区で登録し直す(練馬区・世田谷区)手続き不要。届出で印鑑登録の住所も変わる(横浜市)
国民健康保険旧の区で資格喪失(転出届に連動。江東区)→ 新しい区で加入別の区へ移った場合は住所変更の届出を14日以内に新しい区の区役所へ(横浜市)
児童手当転出予定日の翌日から15日以内に、転出先の区で新たに申請(練馬区)区役所の窓口で確認(今回、扱いを公式の記載で確認できませんでした)
マイナンバーカード転入届のときに住所変更(暗証番号の入力が要る)届出のときに住所変更(横浜市・大阪市とも暗証番号の入力が要る)
※ 練馬区(印鑑登録・児童手当)、世田谷区(印鑑登録)、江東区(国民健康保険)、横浜市(印鑑登録・国民健康保険)の公式ページを2026年10月9日に取得。
児童手当は、15日を過ぎると申請した月の翌月分からの支給になります。練馬区の案内は「出生日や転入日(前住所地の転出予定日)の翌日から15日以内に申請した場合は、出生日や転入日(前住所地の転出予定日)の翌月分から手当を支給します」としています。23区の区またぎで子どもがいる世帯は、住民票と同じ日に子育ての窓口へ寄るのが確実です。
小・中学生がいる場合は、横浜市の案内に「同じ学区内でのお引っ越しを除き、学校に関するお手続きも必要です」とあります。同じ区の中でも、学区が変われば転校の手続きが要ります。

同じ市内でも、省けない手続きはどれですか

住民票の届出の種類が変わるだけで、郵便・電気・ガス・水道・運転免許は、遠くへ引っ越すときと同じだけ発生します。
やること同じ市内でも必要か根拠
郵便の転居届(転送)必要日本郵便 転居・転送サービス
電気・ガス・水道の停止と開始必要契約は住所(供給地点)ごと
運転免許証の住所変更必要(速やかに)道路交通法第94条第1項
旧の部屋の原状回復・敷金精算必要(賃貸の場合)民法第621条・第622条の2
郵便の転送は「届出日から1年間」で、登録までに3〜7営業日かかります。区役所の届出とは別に出す必要があります。

近い引っ越しなら、料金は安くなりますか

荷物を運ぶ距離が100km以内の引っ越しは、距離ではなく作業時間で運賃が決まります。同じ市内の引っ越しのほとんどがこれに当たります。
近畿運輸局の説明では、時間制(4時間と8時間)は荷物を運ぶ距離が100km以内の場合、距離制は100kmを超える場合です。時間には、トラックが車庫を出て現場に着き、作業を終えて車庫に帰るまでが入ります。
距離が短いことが効くのは、8時間制で収まっていた作業が4時間制に収まるようになったときだけです。距離に比例して下がる仕組みではありません。仕組みの詳細は同じ建物の中の引っ越しの記事で条文ごとに説明しています。
金額を動かすのは距離より荷物の量と作業人数なので、見積もりを取って確かめるほうが確実です。標準引越運送約款第3条第4項は「見積料は請求しません」と定めています(下見をした場合の下見費用を除く)。
優先したいこと向いている方法受け入れること
手間を減らして、厳選された数社で比べたいHALESEE(ハレシー)比較できる社数は少なめ
とにかく多くの社を並べて相場を掴みたい引越し侍連絡が来る社数は多くなる

電気は、同じ市内でも契約し直しになります

電気の契約は住所(供給地点)ごとなので、近くへ移っても旧の部屋の停止と新しい部屋の開始が要ります。新しい部屋の分は新規の申込みになるため、電力会社を選び直せる機会でもあります。
選択肢の一つがリミックスでんきです。公式のよくある質問(2026年10月9日取得)では、次のように説明されています。
  • 2023年4月からのプランは「Styleプラス」「Styleプラスeco」のみ
  • 日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格に連動した単価で、30分ごとに価格が変動する
  • 市場が高騰した際(主に夏冬)は、従来のプランよりも料金が高くなるケースもある
  • 引っ越しに伴う新規の申込みは、供給開始希望日の5営業日前まで
  • 沖縄・島しょ部を除くエリアで利用できる
単価が固定のプランではありません
市場価格に連動するため、使う時間帯と季節によって高くも安くもなります。
「いつでも安い」とは言えないので、夏と冬の使用量が多い家は、今の契約と比べてから選んでください。

よくある質問

Q. 同じ市内の引っ越しで、転出届は要りますか。
区の無い市町村の中や、同じ区の中なら要りません。転居届だけです(住民基本台帳法第23条)。東京23区で別の区へ移るときだけは、同じ東京都内でも転出届が要ります。
Q. 横浜市や大阪市で別の区へ移るとき、旧の区役所に行く必要はありますか。
ありません。新しい区の区役所で1回届け出れば済みます。横浜市は「引越し前の区で転出届を提出する必要はありません」、大阪市は「転出の届出は不要です」と案内しています。
Q. 転居届は引っ越す前に出せますか。
出せません。大阪市は転居届・転入届とも「引越し前の届出は受付できません」としています。住み始めた日から14日以内に出します。
Q. 東京23区で隣の区に移ると、印鑑登録はどうなりますか。
転出で登録がなくなります。新しい区で登録し直してください(練馬区・世田谷区の案内)。同じ区の中の転居なら、届出で自動的に住所が変わります。
Q. 同じ市内なら、引っ越し料金は安くなりますか。
距離に比例しては下がりません。100km以内は時間制運賃で、区分は4時間制と8時間制の2つです。荷物の量と作業時間で決まるので、見積もりで確かめてください。

まとめ

  • 区の無い市町村の中・同じ区の中は、転居届1枚(住民基本台帳法第23条・住み始めてから14日以内)
  • 東京23区の区(特別区)は市と同じ扱い。別の区へ移ると転出届と転入届の2つが要る(地方自治法第281条・第283条)
  • 政令指定都市の別の区へは、新しい区の区役所1か所で済む。旧の区に転出届は出さない(横浜市・大阪市)
  • 区またぎ・区内の届出は、引っ越し前には出せない。行政サービスコーナー等では受け付けない
  • 23区の区またぎは、印鑑登録が消え、国民健康保険は旧の区で資格喪失、児童手当は15日以内に新しい区で申請
  • マイナンバーカードがある人は、転出(予定)日から30日以内かつ転入日から14日以内に転入届をしないとカードが失効する(世田谷区)
  • 郵便・電気・ガス・水道・運転免許は、同じ市内でも省けない
  • 100km以内の引っ越しは時間制運賃。近いから安くなるとは限らない

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