電気のアンペア変更|ブレーカーの色で今の契約が分かる。費用と、引っ越しが変えどきな理由
この記事を読むと分かること
- 分電盤のブレーカーの色を見れば、いまの契約アンペアがその場で分かること
- 変更は原則無料だが、季節ごとの変更はできないこと。だから引っ越しが数少ない変えどきになること
- 関西・中国・四国・沖縄にはそもそもアンペア制がないこと
電気の基本料金は、契約アンペアの大きさだけで決まります。東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bなら、60Aと30Aで月935円、年間にすると11,000円以上の差になります(10月31日までの単価)。2026年11月1日からは基本料金そのものが上がり、差は月1,176円・年間14,000円以上に広がります。使った電気の量とは関係なく、毎月固定でかかる差です。
それなのに見直されないのは、普段は変えるきっかけがないからです。しかも電気の契約は年間契約が基本で、季節ごとの変更は受け付けてもらえません。
引っ越しは、この設定を素直に決め直せる数少ないタイミングです。
まず、いまの契約アンペアを確認する
分電盤に付いているアンペアブレーカーの色で分かります。数字を読まなくても、色だけで判別できます。
| ブレーカーの色 | 赤 | 桃 | 黄 | 緑 | 灰 | 茶 | 紫 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 契約アンペア | 10A | 15A | 20A | 30A | 40A | 50A | 60A |
※ 東京電力エナジーパートナー公式「ご契約アンペアの選び方」の記載に基づく(2026年8月時点・編集部調べ)。
アンペアブレーカーが付いていない家もあります。スマートメーターで契約アンペアを設定している場合は、分電盤に色付きのブレーカーがありません。その場合は検針票(電気ご使用量のお知らせ)またはWeb検針票で確認してください。
分電盤を開けるついでに、もうひとつ。「分電盤の点検に伺います」という電話から始まる訪問販売の相談が、2023年度の39件から2024年度は11月30日までで461件に増えています(国民生活センター・2025年1月15日公表)。本物の点検は、日時を事前に書面で案内します。電話では知らせません(経済産業省)。自分の分電盤の中身を一度見ておくだけで、電話口の話に付き合う理由がひとつ減ります。
基本料金はアンペアで決まる
| 契約アンペア | 基本料金(月・税込) | 30Aとの年間差額 |
|---|---|---|
| 10A | 311.75円 | −7,482円 |
| 15A | 467.63円 | −5,611円 |
| 20A | 623.50円 | −3,741円 |
| 30A | 935.25円 | — |
| 40A | 1,247.00円 | +3,741円 |
| 50A | 1,558.75円 | +7,482円 |
| 60A | 1,870.50円 | +11,223円 |
※ 東京電力エナジーパートナー 従量電灯Bの基本料金(2026年8月時点・編集部調べ)。年間差額は編集部が月額差から算出したものです。契約を変更した月の基本料金は日割りで精算されます。2026年11月1日からは、託送料金の見直しを反映して10A 392.06円/15A 588.10円/20A 784.12円/30A 1,176.18円/40A 1,568.24円/50A 1,960.30円/60A 2,352.36円に変わります(東京電力エナジーパートナー「電気料金単価表(低圧)」2026年9月29日発表)。11月以降は1段階(10A)で年間約4,700円の差です。
1段階(10A)動かすと、年間で3,741円(11月1日からは約4,700円)変わります。小さくない金額ですが、下げれば得とは限りません。次の章で説明します。
変更は原則無料。ただし例外がある
変更前後がどちらも10〜60Aの範囲であれば、無料でアンペアを変更できます。
| いまの状態 | 変更のときに起きること |
|---|---|
| アンペアブレーカーが付いている | 取り外し工事を行い、以後はスマートメーターで設定。工事中に10〜15分程度の停電があります |
| すでにスマートメーターで設定している | アンペアブレーカーの取り付けはありません |
| 契約内容や電気設備の状況によっては | 電気工事店による工事が必要になる場合があり、この費用は自己負担です |
※ 東京電力エナジーパートナー公式「ご契約アンペアの選び方」の記載に基づく(2026年8月時点・編集部調べ)。
60Aより大きい契約にしたい場合は、カスタマーセンターへの相談が必要になります。オンラインでは完結しません。
手続き自体はインターネットからでき、電話でも受け付けています。
「下げれば安くなる」とは限らない
ここは正直に書いておきます。公式もはっきり注意しています。
契約アンペアを下げると基本料金は下がりますが、電力量料金の単価は変わりません。そして使用状況によっては、電気料金の合計額が必ずしも下がるとは限らないとされています。
それ以上に効いてくるのが、生活が回るかどうかです。契約アンペアは「同時にどれだけ使えるか」の上限なので、下げすぎるとブレーカーが落ちます。
合わせるべきは「1年で最も電気を使うとき」です
冬の夕食時にキッチンと居間を同時に使っているとき、夏に冷房を回しているとき、冬に暖房を複数使っているとき。その山に合わせて決めます。平均で決めると、ピークで落ちます。
そして一度契約すると、季節ごとに上げ下げすることはできません。
季節の変更ができないから、引っ越しが変えどきになる
公式の記載はこうです。電気の契約は年間契約が基本で、アンペアの大きさは1年で最も多く使うときに合わせて契約するため、季節的な変更は受け付けていません。
さらに、アパートやマンションなどの集合住宅では、所有者や管理人の承諾が必要な場合があります。住み始めてから「やっぱり上げたい」となると、この確認から始めることになります。
引っ越しなら、新居で電気を申し込むときに最初から決められます。承諾が必要かどうかも、契約前後のやり取りの流れで確認しやすいタイミングです。
新居で上がる要素・下がる要素
住宅設備が変わると、必要なアンペアも変わります。間取りだけでなく、設備を見てください。
| 上がりやすい | 下がりやすい |
|---|---|
| ガスコンロからIHクッキングヒーターになる | 逆にIHからガスコンロになる |
| 部屋数が増えてエアコンが増える | 部屋数が減る |
| 浴室暖房乾燥機が付いている | その設備がない |
| 食洗機・電気温水器などが増える | — |
| 在宅勤務で日中の同時使用が増える | — |
とくに見落とされるのがIHです。内見のときにキッチンを見て、ガスコンロではなくIHが入っていたら、いまと同じアンペアでは足りない可能性があります。同じ広さの部屋でも、設備で必要量は変わります。
東京電力エナジーパートナーは「わが家のアンペアチェック」という、同時に使う機器を選ぶと必要なアンペアが分かるページを公開しています。新居の設備を思い浮かべながら試すのが一番早いです。
関西・中国・四国・沖縄には、そもそもアンペア制がない
ここは意外と知られていません。アンペアで基本料金が決まるのは、すべての地域ではありません。
関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力のエリアでは、アンペア別の基本料金がなく、「最低料金制」が採られています。契約用のアンペアブレーカーの支給もありません。
| 引っ越しの方向 | 起きること |
|---|---|
| 関東など → 関西・中国・四国・沖縄 | アンペアを選ぶ手続き自体がなくなります |
| 関西・中国・四国・沖縄 → 関東など | 初めてアンペアを決めることになります。慣れていないぶん、決め方を知らないまま契約しがちです |
遠方への引っ越しでは、そもそも料金の決まり方が変わることがあるということです。「前と同じくらいで」が通用しません。
会社によって、申込先も締切も基本料金も違います
契約アンペアの刻み(10A・15A・20A・30A・40A・50A・60A)は大手電力で共通ですが、同じ30Aでも基本料金は会社ごとに違い、申し込みの締切や立ち会いの要否も揃っていません(2026年9月16日に各社公式で確認)。
同じ30Aでも、基本料金は会社で違う
| 電力会社(プラン) | 30Aの基本料金(月・税込) | 60Aの基本料金(月・税込) |
|---|---|---|
| 東京電力エナジーパートナー 従量電灯B | 935.25円 | 1,870.50円 |
| 九州電力 従量電灯B | 948.72円 | 1,897.44円 |
| 中部電力ミライズ 従量電灯B | 963.42円 | 1,926.84円 |
| 東北電力 従量電灯B | 1,108.80円 | 2,217.60円 |
※ 各社公式サイトの料金単価表に基づく(2026年9月16日時点・編集部調べ)。九州電力の単価は2024年4月1日からのものです。東京電力エナジーパートナーは2026年11月1日から30A 1,176.18円・60A 2,352.36円に変わります(上の注記)。他社の11月以降の単価は、この記事では確かめていません。
東北電力と東京電力エナジーパートナーでは、同じ30Aで月173.55円の差があります。年に直すと2,082.60円(編集部が月額差から算出)。引っ越しでエリアをまたぐ場合、アンペアを据え置いても基本料金は変わるということです。
5A刻みでは変えられません
従量電灯Bで選べるのは10A・15A・20A・30A・40A・50A・60Aの7段階だけです。東北電力の公式は「アンペア数を5A刻みで変更できますか?」という問いに、この7つを挙げて答えています。
なお東北電力と中部電力ミライズには5A固定の従量電灯Aがあり、こちらはアンペアを選ぶ余地がありません。中部電力ミライズの従量電灯Aは最低料金制(最初の8kWhまで277.09円)で、同じ会社の中にアンペア制と最低料金制が同居しています。「この会社はアンペア制」と一言では言えません。
締切と立ち会いは、会社ごとに違う
| 電力会社 | 申込先と締切 | 工事と立ち会い |
|---|---|---|
| 東京電力エナジーパートナー | インターネット・電話 | アンペアブレーカーを取り外す場合は10〜15分程度の停電 |
| 東北電力 | インターネットで24時間。希望日の3日前まで | 所要30分〜1時間程度。分電盤が屋内にあると立ち会いが必要。配線設備の工事が要る場合は自己負担 |
| 九州電力 | インターネット・電話 | アンペアリミッターの取替は無料。屋内配線工事が必要な場合は工事費がかかる |
※ 各社公式サイトの記載に基づく(2026年9月16日時点・編集部調べ)。
引っ越しの直前に思い立っても、間に合わないことがあります。東北電力は希望日の3日前が締切で、分電盤が屋内にあれば在宅していなければ作業できません。荷解きの日に合わせるつもりなら、引っ越し日が決まった時点で申し込んでおくほうが確実です。
「夏のあいだだけ上げる」ができないのも各社に共通しています。東北電力は「一時的なアンペア変更は基本的に承っておりません」「電気の契約期間は、1年が基本となります」と明記しています。
新電力と契約している人は、申込先が地域の電力会社ではありません
スマートメーターの設定を実際に変えるのは送配電会社ですが、申し込みの窓口は契約している小売電気事業者です。地域の電力会社に電話しても、手続きは進みません。
たとえばauでんきの窓口は、My auアプリのチャットサポートかKDDIお客さまセンター(auでんき)0120-925-881(9時〜20時・年中無休)です。契約者本人以外からの申し込みは、チャットサポートでは受け付けられません。
窓口は会社ごとに違うので、まず検針票かマイページで契約先を確かめてから連絡してください。「電力会社といえば地域の電力会社」と思い込んでいると、最初の1本を掛け違えます。
基本料金という考え方から外れる選択肢もある
アンペアを下げて基本料金を削るのとは別に、基本料金そのものが0円のプランを選ぶという方向もあります。
リミックスでんきの「Styleプラス」は、基本料金が0円で、使った分だけを支払う仕組みです。送配電を担うのは地域の電力会社なので、電気の品質や停電時の対応が変わることはありません。
ただし、誰にでも向くプランではありません。
向き不向きがはっきり分かれます
Styleプラスは30分ごとに電力量料金の単価が変動する仕組みです。
向いている人:日中に在宅していて、洗濯や食洗機を回す時間をずらせる人/使用量が多い世帯
恩恵が小さい人:生活時間が固定で、電気を使う時間帯を動かせない人
単価が動く以上、安くなる月もあれば、そうでない月もあります。「必ず安くなる」プランではないと理解したうえで選んでください。
なお沖縄と島しょ部は対象外です。申し込みの際は、引っ越し・新規入居の方向けの申込フォームを選んでください。他社からの切り替え用とは別になっています。
会社を変えるなら、単価表では決められません
アンペアを見直したら、次は契約先です。ただし各社の単価表を並べた比較は当てになりません。単価表の外に燃料費調整があり、会社によって符号まで逆になります。
引っ越し全体の中では、電気は後ろでいい
アンペアの話は大事ですが、手続きの順番としては電気は後ろで構いません。電気と水道は原則として立ち会いが不要だからです。
日程を縛るのは光回線とガスの2つです。光回線は工事が1か月以上待つことがあり、ガスは開栓の立ち会いが必須で3〜4月は枠が埋まります。この2つから先に日程を決めて、電気と水道は後から合わせるのが正しい順番です。
そしてどの手続きも、引っ越し日が決まっていないと動き出せません。開栓の予約にも工事日の確保にも日付が要ります。
引っ越し料金には定価がなく、時期・荷物量・距離・作業条件で倍以上変わります。同じ条件でも業者の空き状況で金額が動くため、相場を調べる時間より、自分の条件で実額を取るほうが早いです。
まとめ
- いまの契約は分電盤のブレーカーの色で分かる(赤10/桃15/黄20/緑30/灰40/茶50/紫60)
- ブレーカーが無い家はスマートメーター設定。検針票で確認する
- 基本料金は10A 311.75円〜60A 1,870.50円(税込・10月31日まで)。1段階で年間3,741円の差。11月1日からは10A 392.06円〜60A 2,352.36円に上がる
- 変更は10〜60Aの範囲なら無料。ブレーカー取り外し時は10〜15分の停電あり
- 電気工事店の工事が必要な場合は自己負担。60A超は要相談
- 下げれば必ず安くなるわけではない。合わせるのは「1年で最も使うとき」
- 季節ごとの変更はできない。集合住宅は所有者・管理人の承諾が必要な場合がある
- だから引っ越しの新規申し込みが、決め直せる数少ない機会
- 新居にIH・浴室暖房乾燥機・エアコン増設があるなら上がる方向で考える
- 関西・中国・四国・沖縄はアンペア制がない(最低料金制)
- 同じ30Aでも基本料金は会社で違う。東北電力1,108.80円と東京電力エナジーパートナー935.25円で月173.55円(2026年9月16日時点)
- 東北電力は希望日の3日前までに申し込む。分電盤が屋内なら立ち会いが要る
- 新電力と契約しているなら、申込先はその小売電気事業者。地域の電力会社ではない
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※ 本記事の料金・条件は2026年8月時点の各社公式サイトの記載に基づきます。内容は変更されることがあるため、お申し込み前に必ず公式サイトでご確認ください。