引っ越しの電気・ガス・水道の手続き|いつまでに何をするか、順番と連絡先を整理
引っ越しの電気・ガス・水道の手続きを、やる順番で並べ直しました。どれから手を付けるべきか、立ち会いが要るのはどれか、会社を選べるのはどれか。プロパンガスや光回線の注意点も含めています。
引っ越しの手続きで一番困るのは、項目が多いことよりも、どれから手を付ければいいか分からないことです。
先に結論を書くと、全体の日程を縛るのは光回線とガスの2つだけです。この2つは工事や訪問が伴うため、相手の都合で日が決まります。残りはあとからでも間に合います。
結論:この順番で進める
| 順 | やること | 目安の時期 | なぜこの順番か |
|---|---|---|---|
| 1 | 光回線の移転手続き | 1〜2か月前 | 工事が必要で、繁忙期は1か月以上待つ |
| 2 | ガスの開栓予約 | 2〜3週間前 | 立ち会い必須。希望日が埋まる |
| 3 | 電気の停止・開始 | 1週間前まで | 立ち会い不要。ガスの日に合わせればよい |
| 4 | 水道の停止・開始 | 3〜4営業日前まで | 立ち会い不要。最後でよい |
| 5 | NHK・郵便物転送などの住所変更 | 引っ越し前後 | Webで完結する |
逆にやってはいけないのが、水道や電気を先に確定させることです。あとからガスの予約が取れないと分かり、全部組み直すことになります。
立ち会いと「選べるか」の一覧
この表が頭に入っていると、段取りが楽になります。
| 開始時の立ち会い | 会社を選べるか | 連絡先 | |
|---|---|---|---|
| 電気 | 原則不要 | 選べる(2016年自由化) | 契約したい電力会社 |
| 都市ガス | 必ず必要 | 選べる(2017年自由化) | 契約したいガス会社 |
| プロパンガス | 必ず必要 | 賃貸は選べないことが多い | 物件で決まっている販売店 |
| 水道 | 原則不要 | 選べない(自治体が運営) | 自治体の水道局 |
| 光回線 | 工事なら必要 | 選べる | 回線事業者・プロバイダー |
光回線から先に動く
意外と見落とされやすいのがここです。光回線の移転は、ライフラインの中で最もリードタイムが長い手続きです。
新居に回線が引かれていなければ室内工事が必要になり、工事の予約は3〜4月の繁忙期に1か月以上待つことがあります。入居後に申し込むと、しばらくネットなしの生活になります。
確認すべきはこの順です。
- 新居に光回線が導入済みか(管理会社か不動産会社に聞く)
- 導入済みなら、建物一括型か各戸契約型か
- 今使っている回線がその建物で使えるか
建物一括型の場合、入居者が回線を選ぶ余地はありません。今の契約は解約することになりますので、違約金が発生しないかを先に確かめてください。
ガス:立ち会いが必ず必要
ガスの開栓は、保安上の理由から必ず作業員が訪問して行います。ガス漏れの検査と、コンロ・給湯器などの接続確認が入るためです。所要は30分程度です。
立ち会えるのは契約者本人でなくても構いませんが、成人が在宅している必要があります。
都市ガスとプロパンガスで手続きが違う
ここを混同している方が多いので、分けて書きます。
都市ガスは2017年に小売が自由化されているので、会社を選べます。電気とセットにすると割引がつくプランもあります。
プロパンガス(LPガス)は事情が違います。制度上は元々自由なのですが、賃貸物件では大家や管理会社が販売店を決めていることがほとんどです。入居者が安い店に乗り換えることはできません。
さらに、プロパンの料金は販売店ごとに決まり、店頭やWebで公表されていないことが多いです。目安になるのは石油情報センターの一般小売価格で、関東は10㎥で9,238円、20㎥で16,286円(2026年8月31日調査の速報・基本料金と消費税を含む)です。ただしプロパンは1㎥あたりの発熱量が都市ガス(13A)の約2.2倍あるので、使用量の数字だけを並べて比べると差を読み違えます。物件選びの段階で都市ガスかプロパンかを確認しておくと、入居後の光熱費を見誤らずに済みます。
内見のときに見ておくと良いこと
建物の外にボンベ(ガスボンベ)が置いてあればプロパンガスです。見当たらなければ都市ガスの可能性が高いです。
家賃が安くても、プロパンだと毎月のガス代で差が埋まることがあります。
持ち家でプロパンなら、会社は変えられる
ここまで「賃貸ではプロパンの販売店を選べない」と書きましたが、持ち家(戸建て)なら話が別です。プロパンガスは制度上自由化されているので、契約するガス会社を自分で変えられます。
料金が公表されていない分、同じ地域でも会社によって単価に差がつきます。戸建てを買って引っ越す場合や、今の家がプロパンで高いと感じている場合は、比較する価値があります。
先に確かめてください
・賃貸(借家)は原則対象外です。大家の了承がある場合を除き、入居者単独では切り替えられません
・集合住宅は一棟全体でガス会社と契約しているため、一部屋だけの変更はできません
・都市ガスを使っている場合は対象外です
※ 一部の地域(九州地方の福岡県を除くエリア・沖縄県)は対象外です。
値下げの仕組みと、2024年から2025年にかけて施行された法改正(三部料金制の徹底)は別記事にまとめています。検針票の「設備料金」を見れば、給湯器代を今も払っているかが分かります。
電気:乗り換えるならこのタイミング
電気は2016年に小売が自由化され、引っ越しを機に会社を変えるのが一番手間がかかりません。どうせ新規の申し込みが必要なので、そのときに別の会社を選べばいいだけです。
手順はこうなります。
- 今の家の停止… 現在契約している電力会社に連絡
- 新居の開始… 新しく契約する電力会社に申し込み
別の会社にする場合、この2つは別々の手続きです。新規の申し込みだけして旧居の停止を忘れると、住んでいない家の基本料金を払い続けることになります。
新居ではブレーカーを上げれば電気は点きますが、これも水道と同じで、使用開始の申し込みは別途必要です。スマートメーターが入っていれば遠隔で開通されるため、立ち会いは不要です。
なお、この申し込みのときに契約アンペアを決めることになります(関東などの地域の場合)。契約後は季節ごとの変更ができないため、引っ越しのときが見直せる数少ないタイミングです。
会社を変えるなら、向き不向きを先に見る
新電力の中には、基本料金が0円で使った分だけを払うタイプがあります。リミックスでんきの「Styleプラス」はその一例で、30分ごとに電力量料金の単価が変わる仕組みです。専用のアラートで単価を確認し、安い時間帯に洗濯や食洗機を回すという使い方になります。送配電は地域の電力会社が行うので、電気の品質は変わりません。
ただし単価が変動する以上、誰でも安くなるわけではありません。日中に家にいて家事の時間をずらせる人や、使用量の多い世帯ほど効きます。逆に、生活時間が固定されていて動かせない場合は恩恵が小さくなります。自分の生活時間を思い浮かべてから判断してください。
※ 沖縄県・島しょ部は対象外です。料金プランの詳細と適用条件は公式サイトでご確認ください。
水道:連絡先が2つある
水道は自由化されておらず、自治体が運営しています。したがって今住んでいる自治体と、引っ越し先の自治体、別々の窓口に連絡する必要があります。電気やガスのような全国共通の窓口はありません。
立ち会いは原則不要で、受付期限は3〜4営業日前が目安です。順番としては最後で問題ありません。
お客様番号の探し方、停止日の決め方、当日に水が出ないときの対処は別記事にまとめました。
あわせて済ませる住所変更
ライフラインと同じタイミングで出してしまうと楽なものです。いずれもWebで完結します。
- NHKの住所変更(契約を継続する場合)
- 郵便物の転送届(1年間、旧住所宛てが新住所に届きます)
- クレジットカード・銀行の住所変更
- 運転免許証・マイナンバーカード
転出届・転入届は役所での手続きになります。転入届は引っ越しから14日以内が期限です。
テレビがあるならNHKの手続きも残っています
住所変更の中で後回しにされやすいのがNHKです。世帯が分かれるのか、同居になるのかで手続きが変わります。テレビを持たない場合の扱いも別です。
固定電話があるなら、番号が変わるかを先に確認する
固定電話を使っている場合、引っ越し先が同じ市区町村でも番号が変わることがあります。分かれ目は市区町村ではなく、NTTが定める収容局です。変わるかどうかを申し込みの前に自分で調べる手段は用意されていません。番号を変えたくない事情があるなら、部屋を決めた直後に窓口へ確認してください。
工事の希望日は「取り外し」と「取り付け」の2つを聞かれます。光回線と同じで、引っ越し業者の日程が固まらないうちは電話の工事日も出せません。
ライフラインの料金はどこまで削れるか
引っ越しを機に光熱費を見直したい方は多いのですが、削れるものと削れないものがはっきり分かれています。
| 自分の判断で安くできるか | |
|---|---|
| 電気 | できる(会社を選べる) |
| 都市ガス | できる(会社を選べる) |
| プロパンガス | 賃貸は難しい(物件で決まる) |
| 水道 | できない(自治体が条例で定める) |
| 引っ越し費用 | 大きくできる(業者で差が出る) |
月々の光熱費は、会社を変えても変わるのは単価の数パーセント分で、契約プランと使い方で金額は変わります。一方で引っ越し費用は、同じ荷物・同じ日程でも業者によって数万円の差が出ます。とくに3〜4月の繁忙期は価格差が広がります。
さらに、ここまでの手続きはすべて引っ越し日が決まっていないと進められません。業者が未定の段階なら、見積もりを先に片付けてしまうのが結局早いです。
電力会社を比べるときの注意
単価表を並べただけの比較は成立しません。燃料費調整を入れると、順位が入れ替わることがあります。
よくある失敗
- 光回線を後回しにした。繁忙期は工事が1か月以上待ち。入居後に申し込むとネットなしの期間ができます
- ガスの予約を後回しにした。立ち会い必須なのに希望日が埋まり、全体の日程を組み直すことになります
- 新規申込だけして旧居の停止を忘れた。電気は会社を変えると手続きが2つに分かれます
- プロパンを都市ガスと同じつもりで見積もった。家賃の安さがガス代で埋まることがあります
- ガスの立ち会いを未成年の家族に任せた。成人の在宅が必要です
まとめ
- 日程を縛るのは光回線(1〜2か月前)とガス(2〜3週間前)の2つだけ
- 電気と水道は立ち会い不要。ガスの日に合わせて後から決めてよい
- 選べるのは電気・都市ガス・光回線。水道は選べない
- プロパンは賃貸だと選べないことが多く、料金も販売店ごとで公表されていない。内見でボンベの有無を見ておく
- 電気で会社を変えるなら停止と開始の手続きが別々になる
- 転入届は引っ越しから14日以内
- 光熱費で削れるのは単価の数パーセント分。数万円単位で差が出るのは業者費用
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