ビルトインガスコンロの故障症状の見分け方と修理費用の徹底解説

この記事を読むと分かること
  • ビルトインガスコンロの不具合を「エラー表示・ブザーだけ・症状だけ」の3つに分けて見分ける方法
  • ブザーの鳴り方(ピー5回・3回・1回・ピピッ5回)ごとの意味
  • メーカーが「故障ではない」と説明している症状と、使うのをやめて相談すべき症状
  • 修理と交換を、年数ではなく部品の保有期間(リンナイ・ノーリツとも5年)で判断する理由

ビルトインガスコンロが故障したかどうかは、どう見分けますか

ビルトインガスコンロの不具合は、「エラー番号が表示されているか」「ブザーだけが鳴っているか」「表示もブザーもなく症状だけがあるか」の3つに分けると、故障かどうかの見当がつきます(リンナイ公式の故障診断ナビの最初の質問・2026年9月28日確認)。
リンナイは、ビルトインガスコンロの故障診断ナビをこの3つの入口から始めています。エラー番号が出ていれば番号で原因が絞れます。ブザーだけなら鳴り方で意味が決まっています。どちらも無いときは、症状から一つずつ確かめていきます。
この記事では、この3つの入口の順に、メーカー公式が「故障ではない」と説明している症状と、「故障の可能性がある」と説明している症状を分けて並べます。修理代の金額は別の記事で詳しくまとめているので、ここでは見分け方に絞ります。

いちばん先に確かめること:ガス臭くないか

ガス臭いときは、故障の見分けより先に、すぐにガス栓を閉めて換気し、使っているガス会社に連絡してください(リンナイQ&A No.2696)。
リンナイは、換気のときの注意として次の3つを挙げています。
  • 窓や扉を開けて換気する。都市ガスは空気より軽いので天井近くに、LPガスは空気より重いので床の方にたまる
  • 火気は厳禁。タバコの火や室内の火は全部消す
  • 換気扇や照明のスイッチを入れたり切ったりしない。スイッチの火花で引火するおそれがある
この場合は、この記事の続きを読んで自分で確かめるのではなく、ガス会社の判断を待ってください。

エラー番号が表示されているとき

操作パネルに数字が表示されているときは、その番号がそのまま原因の手がかりです。リンナイの故障診断ナビは、表示されている2桁の番号を入力して調べる仕組みになっています。
リンナイは、番号のあとに付く「-1」「-2」「-3」「-5」はコンロの不具合の箇所を表すもので、調べるときに入力は要らないと説明しています。つまり「11-2」なら、エラー11が2番の箇所で起きている、という読み方です。
エラー番号の意味と対処はメーカーごとに違います。お使いのメーカーの一覧で番号を引いてください。

ブザーだけが鳴るとき:鳴り方で意味が違います

表示が出ずにブザーだけが鳴るとき、リンナイのビルトインガスコンロでは、鳴り方ごとに意味が決まっています(リンナイ公式の故障診断ナビ・2026年9月28日確認)。
鳴り方リンナイの説明まずやること
ピー5回安全装置(調理油過熱防止装置・焦げつき消火機能)が働いた再点火する。症状が続けば修理
ピー3回立ち消え安全装置が働いた。炎のふき消え・煮こぼれで消火したか、点火できなかった立ち消え安全装置を歯ブラシなどで掃除して再点火する。直らなければ修理
ピー1回(約8秒)温度センサーや電子部品などの故障の可能性点火操作を繰り返しても直らなければ修理
ピピッ5回点火ボタンが押されたまま、または点火つまみが戻りきっていないボタンやつまみが戻っているか確かめる。直らなければ電池を抜いて修理を申し込む
※ リンナイ「故障診断ナビ ビルトインガスコンロ」の「ブザー音のみ」の分岐を2026年9月28日に確認。ノーリツ・パロマの鳴り方は、この記事では確かめていません。

いちばん多いのは「ボタンの戻し忘れ」です

ピピッと5回鳴るブザーは、故障ではなく操作ボタンの戻し忘れを知らせるものです。リンナイは、タイマーや揚げ物モード・湯沸しモードなどの便利機能で自動で火が消えたときや、安全装置で火が消えたときは、操作ボタンを消火の位置に戻す必要があると説明しています(Q&A No.517)。
どのボタンが戻っていないか分からないときは、すべての操作ボタンを押して消火の位置にしてください、というのがリンナイの案内です。リンナイは別のQ&A(No.458)で、1分ごとにピピッと5回鳴るときや、電池交換サインが4回の点滅を繰り返すときも、点火ボタンの戻し忘れのことがあるとしています。

電池を抜いても鳴るなら、コンロではありません

乾電池やコンセントを抜いてもピーピー、ピッピッと音が鳴り続けるときは、コンロではなく、台所に付いているガス漏れ警報器や火災報知器、ほかの家電製品の音の可能性があります(リンナイQ&A No.4352)。
ガス漏れ警報器が鳴っている場合は、上の「ガス臭くないか」と同じ対応をしてください。

故障ではないとメーカーが説明している症状

表示もブザーもなく「おかしい」と感じる症状のうち、リンナイが公式Q&Aの「これって故障?」の分類で故障ではないと説明しているものを並べます(2026年9月28日確認)。
症状リンナイの説明Q&A
調理の途中で火が勝手に弱くなる、消えるバーナー中央の温度センサーが鍋底の温度を見て火力を自動で調節している。通常は約250℃、揚げ物温度調節中はその設定温度、高温モードでは約290℃。弱火にしても温度が上がると自動で消火するNo.519
焼き網を使うと火が消えるSiセンサーコンロでは焼き網を使うとセンサーが正しく働かず、途中で消火する。焼き網は使えないNo.514
しばらく放っておいたら火が消えた消し忘れ消火機能。約2時間で自動消火する(機種により時間を変えられるものや、Siセンサーコンロ発売前の一部機種で1時間のものがある)No.321
煮物の途中で火が消えた焦げつき消火機能。水分がなくなり焦げつくと自動消火するNo.318
点火ボタンを1つ押すと、すべてのバーナーで火花が飛ぶ正常。火花はすべてのバーナーに飛ぶ仕組みで、ボタンを押していないバーナーからはガスは出ないNo.516
炎が赤い(鍋にススが付かない)空気中のチリやホコリ、グリルで焼いた物の塩分、加湿器の水分に含まれるカルシウムが燃えて赤くなる。異常ではないNo.502
グリルを使うと天板がかなり熱くなるグリルからの熱が伝わるもので、異常ではないNo.515
点火ボタンが押せない押しボタン式には誤作動を防ぐロックがある。点火ボタンの近くの「ロック」つまみを確かめて解除するNo.503
デリシアの電源ランプがオレンジ色スマートフォンとBluetoothでつながっている状態を示す。故障ではないNo.2114
※ いずれもリンナイ公式Q&Aの記載を2026年9月28日に確認。説明に「改善しなければ故障の可能性がある」と添えられているもの(ロックなど)は、確かめても直らなければ修理の対象です。

火花がすべてのバーナーに飛ぶのは、ノーリツも同じです

点火ボタンを1つ押すと、すべてのバーナーに火花が飛ぶのは、リンナイだけでなくノーリツも「故障ではありません」と説明しています。ノーリツも、ガスが出るのは点火・消火ボタンを押したバーナーだけとしています(ノーリツ よくあるご質問・2026年9月28日確認)。

「勝手に弱火になる」はSiセンサーの働きです

調理中に火が弱くなったり消えたりするのは、多くの場合、故障ではなく温度センサーが働いた結果です。リンナイは、油の異常加熱による発火や、うっかり過熱で鍋を傷めるのを防ぐための安全装置だと説明しています(Q&A No.519)。
ただし、同じ症状が特定のバーナーだけで、センサーを掃除しても直らない場合は、温度センサーの交換などの修理が必要になることがあります(次の章の表)。センサーの仕組みと、使える鍋・使えない鍋は別の記事にまとめています。

故障の可能性がある症状と、修理を呼ぶ前に確かめること

リンナイの故障診断ナビは、表示もブザーもない症状を6つに分け、それぞれ自分で確かめることと、それでも直らないときに考えられる故障箇所を示しています(2026年9月28日確認)。
症状まず確かめることそれでも直らないとき(リンナイの説明)
操作ボタンが押せない点火ロックがかかっていないか機器の故障の可能性
特定のボタンだけ火花が飛ばない電極(点火プラグ)の汚れを歯ブラシなどで落とす高圧コードの断線やスイッチ関係の部品の故障の可能性
すべてのボタンで火花が飛ばない電極の掃除と、アルカリ乾電池の交換イグナイタ、電装基盤などの内部部品の故障の可能性
炎が青くない、揺らぐ(特定のバーナー)エアコンや扇風機の風が当たっていないか。バーナーキャップ・炎口・温度センサー・ごとくの汚れバーナー交換などの修理
炎が青くない、揺らぐ(すべてのバーナー)近くで加湿器を使っていないか。バーナーキャップと炎口の汚れ機器の故障の可能性
火力が強火・弱火にならない(特定のバーナー)温度センサーの汚れと、鍋底に密着しているか温度センサー交換などの修理
火力が強火・弱火にならない(すべてのバーナー)ガス栓が全開になっているか本体の不具合の可能性
点火ボタンから手を離すと消えるアルカリ乾電池の交換。特定のバーナーなら炎検知部とバーナーキャップの汚れ機器の故障の可能性
点火して、しばらくしてから消えるすべてのバーナーなら乾電池の交換。特定のバーナーなら温度センサーの汚れ機器の故障の可能性
グリルの火がつかない連続使用で庫内が高温なら、5分ほど冷ましてから使う本体の不具合の可能性(訪問修理)
※ リンナイ「故障診断ナビ ビルトインガスコンロ」の「エラーは表示されていない」の分岐を2026年9月28日に確認。

温度センサーは、強くこすらないでください

温度センサーの掃除は、片手を添えて、水を含ませて固くしぼった布で頭部と側面の汚れをふき取る、というのがリンナイの案内です。リンナイは、強い力を加えるとセンサーが傾いて鍋底に密着しなくなることがあり、無理に回転させると故障の原因になると注意しています。
鍋底に温度センサーが密着していないと、センサーが鍋底の温度を正しく検知できず、途中で消火する原因になるとも書いています。

電池は「買い置き」ではなく新品に替えます

ノーリツは、乾電池を交換する目安を約1年としたうえで、家で保管している電池は放電していて電圧が足りない可能性が高いので、新しく買った日本製の充電式ではないアルカリ単一乾電池に替えるよう案内しています(ノーリツ よくあるご質問・2026年9月28日確認)。
リンナイは、前面パネルに電池マークのある機種では、ランプの点滅が電池の電圧が減ってきたお知らせで、さらに減ると点灯に変わると説明しています(Q&A No.458)。点灯していたら、新しいアルカリ電池に交換してください。

症状ごとの詳しい記事

表の症状のうち、次の4つはそれぞれ詳しく扱った記事があります。

使うのをやめて相談すべき症状

次の症状は、自分で直そうとせず、使うのをやめて販売店やメーカー、ガス会社に相談してください。いずれもメーカーが「使用しないで」「修理が必要」と明記しているものです。
症状メーカーの説明相談先
ガス臭いすぐにガス栓を閉めて換気する。火気厳禁、換気扇や照明のスイッチも使わない(リンナイQ&A No.2696)使っているガス会社
設置して初めて点火したら、ススが出る・炎が上がる・すべてのバーナーでオレンジや赤っぽい炎が出るコンロのガス種(都市ガス/LPガス)が家のガスと合っていない可能性。誤っていた場合は危険なので使用しない(リンナイQ&A No.2283)購入した販売店、またはメーカーのガス種改造の修理(有償)
鍋にススが付くバーナーキャップの目詰まりか変形。掃除やキャップの交換で直らなければ修理(リンナイQ&A No.502)メーカーの修理窓口
天板(トッププレート)が割れた型式を確かめたうえで、取付業者かメーカーに交換を依頼する(リンナイQ&A No.2514)取付業者、またはメーカー
リンナイは、ビルトインコンロのガス種のシールは前面パネルを外したところに貼ってあり、機種によっては右側にある場合があると説明しています。

バーナーキャップの付け方がずれていると、不完全燃焼のおそれがあります

掃除のあとに炎が不ぞろいになったときは、バーナーキャップが正しく付いていない可能性があります。リンナイは、正しく付けないと点火しないことがあるほか、炎の不ぞろいや、炎がもぐり込んで不完全燃焼を起こし、一酸化炭素中毒のおそれや、バーナーキャップの変形、機器の焼損の原因になると説明しています(Q&A No.512)。
付け直しても直らない場合は修理が必要、というのがリンナイの案内です。

修理と交換は、どちらにしますか

修理か交換かの線引きは、使った年数ではなく、補修用の部品がまだメーカーにあるかどうかで決まります。
部品の保有期間は、リンナイがビルトインガスコンロ・ガステーブルの補修性能用部品で5年、ノーリツがコンロの補修用性能部品で生産打ち切り後5年です(各社公式の修理案内・2026年9月28日確認)。リンナイは、保有期間内でも、経年劣化による事故を防ぐため修理できない場合があるとしています。
メーカー区分保有期間
リンナイ補修性能用部品(ビルトインガスコンロ、ガステーブル)5年
ノーリツ補修用性能部品(コンロ)生産打ち切り後5年
※ リンナイ「修理のお申し込み」、ノーリツ「修理のご依頼」の記載を2026年9月28日に確認。
※ この記事は以前、リンナイの保有期間を「整備用部品は製造打ち切り後10年」と書いていました。修理に使う部品の区分としては補修性能用部品の5年が正しいため、2026年9月28日に訂正しました。
ノーリツは、保有期間を「生産打ち切り後5年」と明記しています。買った日から数えるのではないので、買って数年でも、発売から時間がたっていた機種なら、部品がもう無いことがあります(リンナイの表には起算点の記載がありません)。修理を申し込むときに型式を伝え、部品があるかを先に確かめてください。

修理を呼ぶと、直さなくても費用がかかります

メーカーの修理は、訪問すると修理をしなくても出張費や故障診断料がかかります。リンナイの故障診断ナビは、上の症状ごとの修理料金の目安を11,500円〜28,700円(税込)の範囲で示しています(2026年9月28日確認)。
リンナイ・ノーリツ・パロマの出張料と技術料、症状ごとの目安は、次の記事にまとめています。電池切れのように自分で確かめられることは、先に確かめてから呼ぶと無駄な出費を減らせます。

賃貸なら、先に管理会社か貸主へ

賃貸住宅の備え付けのコンロは、自分でメーカーに修理を頼む前に、持ち主に連絡します。ノーリツは持ち主(貸主)か管理会社へ、パロマは所有者(管理会社・オーナー)を通じて依頼するよう案内しています(各社公式の修理案内・2026年9月28日確認)。

よくある質問

電池を替えたのに火がつきません。故障ですか

新品のアルカリ乾電池に替えても直らない場合は、電極(点火プラグ)の汚れ、バーナーキャップのずれや濡れも確かめてください。リンナイの故障診断ナビは、すべてのボタンで火花が飛ばず、電池を替えても直らない場合は、イグナイタや電装基盤などの内部部品の故障の可能性があるとしています。

炎がオレンジ色になるのは危なくないですか

鍋にススが付かなければ、リンナイは異常ではないと説明しています。空気中のホコリや、グリルで焼いた物の塩分、加湿器の水分が燃えて色が付くためです。鍋にススが付く場合は、バーナーキャップの目詰まりや変形を確かめ、直らなければ修理を依頼してください。

揚げ物をしていたら勝手に火が消えました

温度センサーが油の温度を見て自動で消火した可能性があります。リンナイは、揚げ物温度調節中は設定温度で火力を調節し、弱火にしても温度が上がる場合は自動で消火すると説明しています。油の異常加熱による発火を防ぐための安全装置です。

コンロを使っていないのにピーッと鳴ります

点火ボタンが押されたままになっていないか確かめてください。リンナイは、ボタンの戻し忘れでピピッと5回鳴ると説明しています。乾電池を抜いても鳴り続ける場合は、コンロではなく、ガス漏れ警報器や火災報知器、ほかの家電製品の音の可能性があります。

何年使ったら交換したほうがいいですか

年数よりも、部品の保有期間で判断するのが確実です。保有期間はリンナイ・ノーリツともコンロで5年です。修理を申し込むときに型式を伝えて部品があるかを確かめ、部品が無いと言われたら交換を検討してください。

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