猫を飼っても、猫の声を流しても、ネズミはいなくなりません|猫5匹の施設で79日間、仕留めたのは2回。東京都の指針は「ふさぐ」が基本

猫を飼えばネズミは出なくなるのか。猫の鳴き声を流せば追い払えるのか。この記事は、その2つを東京都の「ねずみ防除指針」と江東区の防除案内、それに猫とネズミを同じ建物で79日間撮影した2018年の研究論文で確かめました。結論を先に書くと、どちらも「ネズミを家から消す方法」にはなりません。

猫を飼えば、ネズミはいなくなりますか

いなくなるとは言えません。ニューヨークの施設で猫5匹とネズミの群れを79日間撮影した研究では、猫がネズミを襲ったのは3回、仕留めたのは2回でした。ネズミは姿を見せる回数を減らしただけで、施設から出ていきませんでした。
この研究は、米フォーダム大学などのチームが2018年に学術誌「Frontiers in Ecology and Evolution」に発表したものです。ブルックリンにある、屋根のある半屋内の廃棄物リサイクル施設で、マイクロチップを入れたネズミと、そこに住みついた猫をカメラで追いました。
項目論文に書かれた数字
撮影期間2017年12月27日〜2018年5月28日(記録を採点したのは79日分)
撮影した動画306本
確認された猫5匹
猫がネズミを狙ってにじり寄った回数20回
猫がネズミを襲った回数3回(うち仕留めたのは2回)
※ Parsons ほか「Temporal and Space-Use Changes by Rats in Response to Predation by Feral Cats in an Urban Ecosystem」(Frontiers in Ecology and Evolution 第6巻・2018年)の要旨と本文より。2026年10月22日に本文を確認しました。
論文の要旨は、猫が多く見られた日(とその翌日)は、ネズミが姿を見せる見込みがはっきり下がったとしています。そのうえで、ネズミは動き方を変えただけで、その場所に居続けたと結論づけています。
「猫がいるとネズミを見なくなる」は本当で、「猫がいるとネズミがいなくなる」は本当ではない。この差が、猫で対策できたと感じる人がいる理由だと論文自身が書いています。
論文はもう1つ、前提として、猫は抵抗できない小さな獲物を好み、300グラムを超える大きな都市のネズミに猫が影響するという裏付けは無い、とも書いています。

家の中の猫が届かない場所に、ネズミはいます

研究の施設は床の上でネズミと猫が出会う場所でした。日本の住宅で多いのは、それとは違う状況です。
東京都のねずみ防除指針(平成17年2月発行)は、以前は繁華街やビル街を主な生息場所にしていたクマネズミが住宅地にも広がり、優占していると書いています。そして、クマネズミはかつて住宅地に多かったドブネズミとは生態や性質が違うので、相談・指導もクマネズミ対策に合わせる必要がある、としています。
クマネズミは高いところに登るのが得意で、天井裏や壁の中を住みかにします。飼い猫が入れない天井裏や壁の中で音がしているなら、猫がいることはネズミにとってほとんど関係がありません。
クマネズミとドブネズミの見分け方と、好む食べ物はネズミが好む食べ物は植物質|東京都の相談はほとんどクマネズミ。毒えさが効かない理由と1.2cmの隙間にまとめています。

猫を飼うと、キャットフードがネズミのえさになります

ここは見落とされやすい点です。江東区のねずみ防除の案内は、ネズミは雑食性でペットフードや石けん、化学肥料なども食べると書いています。
東京都の指針は、クマネズミの環境整備の基本を3つに絞っています。
  1. 餌を与えない
  1. 巣材を与えない
  1. 住宅内への侵入口を塞ぐ
そのうえで、環境整備を適切に行えばネズミの侵入や被害が止まることが多い、としています。
猫を飼っている家でやることは、この1番目と同じです。
  • 夜のあいだキャットフードを皿に出しっぱなしにしない
  • フードの袋は口を閉じ、ふたのできる容器に入れる
  • こぼれたフードを床や棚の裏に残さない
ネズミ対策のつもりで飼った猫のえさが、ネズミを呼ぶ材料になる。これは猫そのものの問題ではなく、えさの置き方の問題です。

猫の鳴き声を流す方法は、効くのですか

猫の鳴き声でネズミを追い払えるかを確かめた公的な資料は、2026年10月22日に探した範囲では見つかりませんでした。ここは断定しません。
音やにおいを使う道具一般について、公的な資料の書き方は次のとおりです。
資料書かれていること
東京都ねずみ防除指針(防除の基本)超音波防そ機は、捕獲器と並ぶ「物理的防除」の1つとして挙げられている。においでネズミを追い出す嗅覚忌避剤は、現場によって状況が違うので、どの現場でも効果的に使うのは難しい
江東区「ねずみの防除について」隙間をふさいだうえで、においや超音波などの忌避剤を併用すると効果がある場合がある
※ 東京都ねずみ防除指針の「防除の基本」の章(東京都保健医療局が公開しているPDF)と、江東区「ねずみの防除について」(ページ番号3985・更新日2025年6月26日)より。いずれも2026年10月22日に本文を確認しました。
2つの資料に共通しているのは、音やにおいは「ふさぐ」の代わりではなく、ふさいだうえでの補助という位置づけです。東京都の指針は、環境的防除(餌・巣材の管理と侵入口ふさぎ)は日常的に続けることで永続的な効果が得られる一方、薬剤や器具による対策は、ネズミがいる場合の「いわば緊急時に行う対策」だと書いています。
ハトについては、天敵の声で追い払う方法に鳥が数日で慣れることを国の研究機関が書いています(ハトの鳴き声は2種類あります|天敵の声で追い払うのは数日で慣れられます。超音波は聞こえていません)。ただしこれは鳥の話で、ネズミに同じことが言えるかは確かめられていません。

ネズミが出たら、まず何をしますか

入り口を見つけてふさぐことです。江東区は、人の親指が入るほど(約1.5センチメートル)の隙間があれば屋内に侵入できるとし、主な侵入路として排水管まわり・通風口・換気扇の隙間を挙げています。ふさぐ材料は金タワシ、目の細かい金網、パテです。
順番は次のとおりです。
  1. フン・黒い汚れ(こすりあと)・かじりあとを探す。江東区はこれを「ラットサイン」と呼び、粘着シートはラットサインのある通り道に置くよう案内しています
  1. その近くの隙間を探す
  1. 中にいないかを確かめてから、ふさぐ
3番目を飛ばすと、壁の中に閉じ込めることになります。塞ぐ順番は屋根裏の動物の正体を音で絞る|バルサンでは解決しない理由と、塞ぐ順番を間違えると閉じ込める話で詳しく書きました。
江東区は、わなや薬剤を使う方法について「いずれの方法も一時的な解決に過ぎない」と明記しています。猫も、鳴き声も、この「一時的」の側に入ると考えてください。

賃貸なら、先に管理会社へ連絡します

侵入口は建物の側にあります。壁や配管まわりの隙間をふさぐのは建物の工事なので、借りている側が先に手を入れる話ではありません。連絡の手順は賃貸で虫やネズミが出たら、業者を呼ぶ前に管理会社へ|国民生活センターの相談は2,000件超。20代が約2.6倍に増えていますで説明しました。

業者に頼むとき、何を見ればいいですか

天井裏や壁の中にいる場合、手の届く範囲をふさいでも終わりません。東京都の指針も、一般家屋で防そ施工まで行う場合は通常は複数回の施工が必要で、費用は安くないので、納得のいくまで業者と話し合うよう説明すべきだとしています。
業者を比べるときは、駆除の値段ではなく「侵入経路をふさぐ工事が見積もりに入っているか」を見てください。費用は現地を見ないと決まらないので、まず無料の現地調査と見積もりを取るのが近道です。
\相談・現地調査・お見積りはすべて無料/
ペスコンpro(株式会社MUSO・埼玉県戸田市)は、埼玉・東京を中心に首都圏で地域密着の害獣駆除を行う会社です。公式サイトでは現地調査・お見積りは無料、受付は9:00〜18:00の年中無休とされています。施工の流れに駆除・再発予防・除菌消臭が入っていて、侵入口を封鎖して再侵入を防ぐところまで行います。保証期間中に破損が見つかったときの保証もあります。料金は現場ごとに必要な施工が変わるため最低料金を掲げず、無料調査のあとに案内する方針で、見積もりを依頼したあとに断ってもかまわないとしています。ネズミ・ハクビシン・アライグマの駆除に対応します(対象の害獣は提携先の掲載条件に基づきます)。
害獣プロテック(株式会社花光)は、関東・関西・東海・九州・北陸・中部・東北に対応しています(公式サイトの県別一覧では、東北は福島県のみ、九州は福岡・佐賀・長崎・熊本・大分と山口県。2026年9月11日確認)。相談・現地調査・見積り・出張費用がすべて無料です。24時間365日コールセンターで受付。最長10年の破損保証(※条件あり・期間は施工内容によります)。母体は20年以上続くリフォーム会社で、施工技術としては工務店歴50年以上を掲げており、駆除実績は3,000件以上です。公式サイトは「害獣は帰巣本能が強く、捕まえたり追い出したりするだけではすぐに被害が再発してしまいます。そこで重要になるのが侵入経路封鎖による再発防止施工です」と説明しています。
※ ペスコンproの内容は2026年10月7日、害獣プロテックの対応エリア・費用・保証の内容は2026年9月10日に、それぞれ公式サイトで確認したものです。ペスコンproの対応エリアは東京・埼玉・千葉・神奈川です。最新の条件は公式サイトでご確認ください。

よくある質問

猫がネズミを捕ってくるなら、効いているのではありませんか。
捕った1匹のほかに、まだいるかどうかは分かりません。研究では、猫がいる日はネズミが姿を見せにくくなりましたが、ネズミは動き方を変えて施設に居続けました。フンやかじりあとが新しく出続けるなら、入り口が残っています。
猫の鳴き声のアプリや音源を流しても害はありませんか。
ネズミに効くかどうかを確かめた公的な資料は見つかりませんでした。流すこと自体を止める理由はありませんが、江東区も東京都も、音やにおいは隙間をふさいだうえでの補助という扱いです。流しているあいだに入り口探しを後回しにしないでください。
猫のにおいや猫砂を置くのはどうですか。
東京都の指針は、においでネズミを追い出す嗅覚忌避剤について、現場によって状況が違うので、どの現場でも効果的に使うのは難しいとしています。猫のにおいに限った公的な評価は見つかりませんでした。
猫を飼っていて、天井裏から音がします。猫に任せてよいですか。
飼い猫は天井裏や壁の中に入れません。東京都の指針によれば、住宅地で優占しているのは天井裏や壁の中に住むクマネズミです。音の正体がネズミ以外のこともあるので、まず音で絞ってから入り口を探してください。
保健所に相談すると、駆除してもらえますか。
駆除はしてもらえません。江東区は専門業者の業界団体を紹介し、依頼する場合は自分の費用負担になるとしています。相談窓口の仕組みは保健所は害虫も害獣も駆除してくれません|してもらえることと、虫か獣かで担当が分かれる理由にまとめました。

まとめ

  • 猫5匹がいた施設で79日間撮影した研究では、猫がネズミを襲ったのは3回、仕留めたのは2回。ネズミは姿を隠しただけで居続けた
  • 「猫がいるとネズミを見なくなる」と「ネズミがいなくなる」は別のこと
  • 住宅地で優占しているのはクマネズミ(東京都ねずみ防除指針)。飼い猫が入れない天井裏や壁の中に住む
  • ネズミはペットフードも食べる(江東区)。猫を飼うなら、えさの出しっぱなしをやめる
  • 猫の鳴き声の効果を確かめた公的な資料は見つからなかった。音やにおいはふさいだうえでの補助
  • 対策の基本は①餌を与えない ②巣材を与えない ③侵入口を塞ぐ。隙間は約1.5センチで入られる(江東区)
※ 本記事は情報提供を目的としたもので、特定の工事や商品を推奨するものではありません。研究論文・自治体資料の内容は、いずれも2026年10月22日に本文を確認したものです。