ハトの鳴き声は2種類あります|天敵の声で追い払うのは数日で慣れられます。超音波は聞こえていません
この記事を読むと分かること
- 「デデーポッポー」ならキジバト、「ポロッポー」ならドバトであること
- ★天敵の鳴き声を流す装置は、数日から数週間で慣れられること。国の研究機関がそう書いていること
- ★鳥に超音波は聞こえていないこと
朝から鳴いている。まず、どちらのハトかを確かめてください。
鳴き声で種類が分かり、種類が分かれば巣のある場所も見当がつきます。そして「音で追い払う」の効果についても、国の研究機関がはっきり書いています。
★鳴き方が違います
| キジバト | ドバト(カワラバト) | |
|---|---|---|
| 鳴き声 | 「デデーポッポー」とくり返し鳴く(農研機構) | 「ポロッポー、ポロッポー」とテンポよく鳴く(福岡県) |
| テンポ | ゆっくりしたテンポ | テンポよく |
| いる場所 | 山地から都市部まで広く。1〜2羽でいることが多い | 山地では見られず、都市や田畑で群れる |
※ キジバトの鳴き声と行動は農研機構 鳥獣害研究室「鳥種別生態と防除の概要:ハト」、カワラバトの鳴き声と生息は福岡県の公表内容に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
ゆっくり「デデーポッポー」と繰り返しているなら、キジバトです。在来種で、山でも街でも見られます。
テンポよく「ポロッポー」と鳴き、群れているなら、ドバトです。
種類が分かると、巣を探す場所が変わります
- キジバト…樹上。庭木・街路樹・公園。枝を粗く組んだ皿状の巣
- ドバト…建造物の雨のかからない所。ベランダ・ビル・橋げた
声が木のほうから聞こえるならキジバト、ベランダや軒下からならドバトという見当がつきます。
いつ鳴くのか
農研機構は、キジバトについて「繁殖期には翼を水平に保って上空をゆっくり滑空するディスプレイがよく見られる」としています。鳴き声も、繁殖に関わる行動です。
そして繁殖期は長いとされています。
「繁殖期は北日本では4月から10月ぐらいだが、西日本や都市部では年中繁殖する」— 農研機構
※ 農研機構「鳥種別生態と防除の概要:ハト」に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
都市部では「季節が過ぎれば静かになる」とは限りません。
また、鳥の活動は朝夕に多いのが一般的で、農研機構も「ハト類の摂食活動は、他の鳥と同様に早朝と夕刻に多いのがふつう」としています。早朝に気になるのは、そのためです。
★★「天敵の鳴き声で追い払う」は、数日で慣れられます
市販の「鷹の声」「猛禽の鳴き声」を使った装置について、農研機構がはっきり書いています。
「鳥のなかには、捕食者に捕まったときにけたたましい声を出すものがいます。この声をディストレスコール(遭難声)といい、この声を聞いた他の鳥はその場の様子を見に来たり、飛び去ったりします。市販の音声防除機は、鳥の遭難声やそれに類似した音を利用していると考えられます」
「しかし、鳥はその声が本当の危険を意味していないことを簡単に見抜いてしまい、たいていは数日、長くても数週間で慣れてしまいます」— 農研機構「よくある質問」より
※ 農研機構 鳥獣害研究室の公表内容に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
さらに、広告表現についても書かれています。
「『本能的に慣れを生じない特殊音使用』といった広告も見かけますが、そのような音の存在はこれまで証明されていませんし、理論的にもあまり考えられません」
★超音波は、そもそも聞こえていません
農研機構は、防鳥手段の一覧で超音波について一行だけ書いています。
「鳥に超音波は聞こえない」
※ 農研機構 鳥獣害研究室の公表内容に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
効きにくい、ではありません。聞こえていない、です。超音波式の鳥よけを検討しているなら、ここを踏まえてください。
本物の鷹を飛ばしても、戻ってきます
「猛禽類を使えば効くのでは」という発想についても、答えが書かれています。
「空港ではハヤブサなどの猛禽類を用いた鳥の追い払いも試みられています。しかし、猛禽類を訓練して使いこなすには鷹匠の技術が必要ですし、野生の鳥は野生の猛禽類と共存しているので、猛禽類を見て逃げても、その近くに戻って来なくなるようなことはまずありません」— 農研機構
※ 農研機構 鳥獣害研究室の公表内容に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
本物でも戻ってくるのですから、音や模型ならなおさらです。
他の「鳥よけ」も、多くは一時的です
農研機構は、手段ごとに評価を書いています。
| 手段 | 農研機構の記載 |
|---|---|
| 超音波 | 「鳥に超音波は聞こえない」 |
| 磁石 | 「ムクドリの巣箱に磁石をセットしても何の影響もない」「ヒヨドリを用いた試験でも効果はなかった」 |
| 目玉模様 | 「すぐに慣れを生じる。そもそも鳥が『目玉』とだまされて驚くのかどうかにも疑問がある」 |
| マネキンやかかし | 「人に似ているほど効果が高いが、やはり慣れを生じる。動作を加えると効果が高まる」 |
| ディストレスコール | 「ねぐらからの追い払いには有効だが、農地ではすぐに慣れを生じることが多い」 |
※ 農研機構 鳥獣害研究室の公表内容に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
そして、市販品全体についての結論です。
「たいていの製品で、設置当初には効果があります。ただ、比較的効果の高いものでも、効果は一時的だと考えるべきです。『慣れを生じない』といったキャッチコピーがありますが、物理的に侵入を阻止するタイプのものを除いて、そのような製品は今のところありえないと思われます」— 農研機構
★この一文が本質です。「物理的に侵入を阻止するタイプ」だけが例外とされています。
★では、テグスは効くのか(資料が食い違って見えるところ)
ここは注意が必要です。自治体と農研機構で、書いていることが違うように見えます。
| 出所 | 記載 |
|---|---|
| 大阪市・東大阪市・日野市 | 手すりにテグスを張ることをすすめている(手すり上面から5〜6cm、幅広なら約5cm間隔で並列) |
| 農研機構 | 「ハト類やカモ類では、糸状のものの設置に対する警戒がそれほどみられず、接触してもたいていは気にせず行動を続けるため、ほとんど効果がないことがわかっています」 |
※ 各自治体および農研機構の公表内容に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
どちらかが間違っている、という話ではありません。目的と張り方が違います。
| 農地のテグス | ベランダのテグス | |
|---|---|---|
| 狙い | 近づくのを警戒させる(心理的) | ★手すりにとまれなくする(物理的) |
| ハトへの効果 | ほとんどない(気にせず行動を続ける) | 足場を奪うので成立しうる |
農研機構自身が、「物理的に侵入を阻止するタイプのものを除いて」慣れが生じると書いています。ベランダのテグスは、後者に近い使い方です。
そして大阪市が、なぜ手すりなのかを説明しています。
「ドバトはベランダなどに降りるとき、いったん手すりなどにつかまり安全を確かめる習性があります。手すりにとまれないと降りることはできません」(広いベランダなどには直接降りる場合があります)
だから「張り方」が全部です
東大阪市は「(鳥の重さでたるむようでは何の効果もありません。)」と明記しています。
たるむテグス=ただの糸=ハトは気にしない。農研機構が言っているのは、この状態のことです。
ピンと張って、手すり上面から5〜6cm。幅の広い手すりなら約5cm間隔で並列。ここまでやって初めて「とまれない」状態になります。
結局、何が効くのか
農研機構の結論に沿うと、物理的に入れなくすることです。
| 優先度 | 手段 |
|---|---|
| 1. 物理的に塞ぐ | 防鳥ネットで進入口全体を覆う。東大阪市も「上記対策をしても効果が得られない場合は…ネットで覆うと効果的」としています |
| 2. 足場を奪う | テグス・ワイヤーをピンと張る。スパイク(剣山状のもの) |
| 3. 条件を崩す | フンを掃除する・不用物を置かない。ハトは糞のある場所を安全と判断します |
| 4. 一時的な脅し | 音・光・模型。効果は一時的。設置場所や種類をこまめに変える前提で使う |
4を1の代わりにしないでください。そこが、多くの人がつまずくところです。
フンの掃除が「対策」である理由は、こちらにまとめています。
鳴き声がうるさいだけの場合
巣がなく、ベランダにも来ていない。声だけが気になる、という場合もあります。
| 状況 | やること |
|---|---|
| 近所の木から聞こえる | キジバトの可能性。街路樹なら道路管理者、公園なら公園管理者へ相談 |
| 電線から聞こえる | 電力会社へ。フン害も同じ窓口です |
| 自宅のベランダ・軒下から | 巣がある可能性が高い。確認して、作りかけなら取り除く |
| マンションの共用部から | 管理会社・管理組合へ |
野鳥なので、鳴くこと自体を止めることはできません。できるのは、自分の敷地に寄せ付けないことです。
相談先
鳩110番は、上場企業シェアリングテクノロジー株式会社(証券コード3989)が運営する、鳩に特化した紹介サービスです。日本全国・24時間365日受付です。
公式サイトの料金は個人(一軒家やマンション等)で22,000円〜(税込)、法人(工場等の大型建築物)で24,200円〜(税込)。作業内容として巣の撤去・鳥よけネット・スパイク・ワイヤー・忌避剤が挙げられています。ネット・スパイク・ワイヤーは、いずれも物理的に阻止するタイプです。
「弊社では正式なお見積りの後、追加料金は不要です」とされ、現地調査は無料。「無料現地調査だけでお断りしていただいても全く問題ございません」とも書かれています。
※ 料金・対応範囲・受付時間は鳩110番の公式サイトの記載に基づきます(2026年8月31日時点・編集部調べ)。公式サイトには「対応エリア・加盟店により記載価格や条件では対応できない場合がございます」との注記があります。
まとめ
- ★「デデーポッポー」とゆっくり繰り返すのがキジバト(在来種)
- ★「ポロッポー」とテンポよく鳴き、群れているのがドバト
- キジバトは1〜2羽で行動。ドバトは群れる
- 声のする方向で巣の場所が予測できる。木=キジバト/ベランダ・軒下=ドバト
- 西日本や都市部では年中繁殖する。季節が過ぎても静かにならないことがある
- 摂食活動は早朝と夕刻に多い
- ★★天敵の声(ディストレスコール)は「数日、長くても数週間で慣れてしまう」(農研機構)
- ★「本能的に慣れを生じない特殊音」は存在が証明されていない(同上)
- ★★鳥に超音波は聞こえない(同上)
- 本物の猛禽を飛ばしても「その近くに戻って来なくなるようなことはまずない」
- 磁石は効果なし。目玉模様・かかしはすぐ慣れる
- ★「物理的に侵入を阻止するタイプ」だけが例外
- ★テグスは「たるむと何の効果もない」。ピンと張って手すり上5〜6cm、幅広は約5cm間隔
- 優先順位は ①ネットで塞ぐ ②足場を奪う ③条件を崩す ④一時的な脅し
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※ 本記事の鳴き声・繁殖・防鳥手段の評価に関する記述は農研機構 鳥獣害研究室「鳥種別生態と防除の概要:ハト」および同研究室の公表内容、カワラバトの鳴き声は福岡県、テグスの設置方法とハトの習性は東大阪市・大阪市の公表内容に基づきます(いずれも2026年8月31日時点で確認)。テグスの評価が資料によって異なって見える点は、目的と張り方の違いとして本文中に併記しています。