ハトの巣は「枝が数本」だけのことがあります|木ならキジバト、ベランダならドバト。1回に2卵しか産みません

この記事を読むと分かること
  • ★巣の場所で種類が分かること。木ならキジバト、ベランダならドバトであること
  • キジバトは狩猟鳥だが、ドバトは狩猟鳥ではないこと。扱いが違うこと
  • 1回に2卵しか産まないこと。都市部では年中繁殖すること
巣らしきものを見つけた。これは本当にハトの巣なのか。
ハトの巣は枝を粗く組んだだけのことがあり、巣に見えないことがあります。そして種類によって、作る場所がはっきり違います。

★どこにあるかで、種類が分かります

日本で問題になるハトは主に2種類です。農研機構の資料から、巣の場所を並べます。
キジバトドバト(カワラバト)
巣の場所樹上。よく茂った林のほか、灌木林・公園・庭木・街路樹。最近は駅舎などの建造物にもビルや橋といった建造物の雨のかからない所
巣の形枝を粗く組んだ皿状
行動巣はバラバラに作り、繁殖期には2羽で行動することが多い近接して営巣することも多い。昼間もほとんど群れで生活
出自在来種。全国に広く分布ユーラシア大陸原産のカワラバトの飼育変種。野生化して周年生息
※ 農研機構 鳥獣害研究室「鳥種別生態と防除の概要:ハト」(Ver.2.1)に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
庭の木や街路樹にあるなら、キジバトです。ベランダや橋げたなら、ドバトです。
大阪市も、ドバトについて「雨の降り込まない棚状の所にねぐらや巣を作ります」としています。
「巣に見えない」のが普通です
キジバトの巣は枝を粗く組んだ皿状とされています。しっかりした鳥の巣を想像していると、見落とします。
枝が数本、平らに置かれているだけに見えることがあります。木の枝の分かれ目に、不自然に枝が集まっていたら疑ってください。

★見た目でも分かります

農研機構の記載です。
キジバトドバト
全長・体重約33cm・約220g約33.5cm・約300g
全体に灰褐色。首に鱗状の模様がある色や模様には変異が大きい
飛び方繁殖期には翼を水平に保って上空をゆっくり滑空する滑空時には翼をV字型に保つ
※ 農研機構「鳥種別生態と防除の概要:ハト」に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
首に鱗のような模様があればキジバトです。福岡県の資料も、キジバトには首に黒褐色と灰色の縞模様があり、カワラバトにはこの模様がない、としています。
滑空しているときの翼の形でも分かります。水平ならキジバト、V字ならドバトです。
鳴き声でも分かります。

★キジバトは狩猟鳥。ドバトは狩猟鳥ではありません

ここは扱いが分かれるところです。
農研機構の資料には、こうあります。
キジバトは狩猟鳥で、個体数も多いため、地域によっては相当数が捕獲されている」「1998年(平成10年)には全国で445,341羽が狩猟により捕獲されている」
「ドバトは、先述のように飼育バトが野生化したもの」「狩猟鳥ではないが、上記資料によれば、1998年(平成10年)に全国で121,648羽が駆除されている」
※ 農研機構「鳥種別生態と防除の概要:ハト」に基づく(2026年8月31日時点で確認)。捕獲数は同資料が環境省の統計から引用したものです。
ただし、どちらも「勝手に捕まえてよい」わけではありません。狩猟鳥であっても、狩猟期間・狩猟免許・場所の制限があります。住宅のベランダで捕獲する話とは別です。
卵やヒナのいる巣を撤去できないのは、どちらも同じです。

★1回に2卵しか産みません

意外に思われるかもしれませんが、農研機構の記載です。
「繁殖期は北日本では4月から10月ぐらいだが、西日本や都市部では年中繁殖する。この間に繁殖を繰り返し試みるが、1回に2卵しか産まない
項目内容
1回の産卵数2卵
抱卵期間15〜16日(キジバト。ドバトもほぼ同様)
育雛期間14〜19日(同上)
繁殖期北日本=4月〜10月頃/西日本・都市部=年中
※ 農研機構「鳥種別生態と防除の概要:ハト」に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
日数は資料によって幅があります
農研機構は抱卵15〜16日+育雛14〜19日(合計およそ29〜35日)としています。
一方、大阪市・東大阪市は卵は16〜18日でかえり、ヒナは約30日で巣立つ(合計およそ46〜48日)としています。
どちらが正しいと決めつけず、幅として見てください。キジバトとドバトの違いや、環境の違いが考えられます。
いずれにせよ「1か月前後は待つ」ことになります。
★そして「年中繁殖する」が重い事実です。
北日本なら冬に終わりますが、西日本や都市部では、繰り返されます。「巣立ちを待てば終わる」と思っていると、次が始まります。
大阪市も「繁殖期は長く、早春から初冬まで何度も子育てをします」としています。
だから、巣立った直後に巣材を撤去して、入れなくすることが要ります。

ハトの子育てには「ミルク」があります

これは対策の理屈につながります。農研機構の記載です。
「ハト類は、雛にピジョンミルク(=クロップミルク)という特別な餌を与える。これは元来食物を一時的に貯蔵する器官であるそのう(=クロップ)の内壁が剥離した乳白色のミルク状物質で、タンパクや脂肪に富む。雄も雌も分泌する
「ピジョンミルクで雛を育てられるおかげで、ハト類は消化吸収効率の悪い植物質の餌だけで繁殖できる
※ 農研機構「鳥種別生態と防除の概要:ハト」に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
虫を捕る必要がないので、餌場が近くになくても子育てができます。「エサ場がないのに、なぜうちに巣を作るのか」の答えの一つです。

なぜ、うちが選ばれたのか

東大阪市が、3つの条件を挙げています。
  • 「人気がない」
  • 「猫やカラスがこない」
  • 「雨がかからない」
「特に人の出入りが少ないベランダの隅エアコンの室外機の下や裏などは要注意です」
そして「不用物が多く見通しの悪い場所は、天敵を警戒するハトにとって安心できる場所になります」としています。
※ 東大阪市の公表内容に基づく(2026年8月31日時点で確認)。
使っていない家具やタイヤ、段ボールを置いているベランダは、条件を満たしてしまいます。
フンを放置することも、同じ意味を持ちます。

巣を見つけたときの手順

状態やること
枝が数本あるだけ(作りかけ)すぐ取り除く。許可は要りません。ここがタイムリミットです
卵がある撤去できません。巣立ちを待つ(およそ1か月前後)
ヒナがいる撤去できません。同上
空になったすぐ巣材を撤去し、清掃・消毒する。そして入れなくする
庭の木にある(キジバト)建物被害は出にくい。フン害や鳴き声が問題なら、枝の剪定を検討する
空になったら、すぐに動いてください。都市部では次の繁殖が始まります。

賃貸・マンションの場合

住まいやること
賃貸・分譲マンション管理会社・管理組合に連絡する。ベランダは共用部分の扱いのことが多く、ネットの設置は勝手にできない場合があります
戸建て(ベランダ)自分で対策するか、業者に相談する
庭木・街路樹街路樹なら道路管理者へ。自宅の庭木なら自分で剪定

相談先

鳩110番は、上場企業シェアリングテクノロジー株式会社(証券コード3989)が運営する、鳩に特化した紹介サービスです。日本全国・24時間365日受付です。
公式サイトの料金は個人(一軒家やマンション等)で22,000円〜(税込)法人(工場等の大型建築物)で24,200円〜(税込)。作業内容として巣の撤去・鳥よけネット・スパイク・ワイヤー・忌避剤が挙げられています。
「弊社では正式なお見積りの後、追加料金は不要です」とされ、現地調査は無料「無料現地調査だけでお断りしていただいても全く問題ございません」とも書かれています。
※ 料金・対応範囲・受付時間は鳩110番の公式サイトの記載に基づきます(2026年8月31日時点・編集部調べ)。公式サイトには「対応エリア・加盟店により記載価格や条件では対応できない場合がございます」との注記があります。
巣に卵やヒナがある場合は、業者でも許可の話になります。相談するときに、そこをどうするのか聞いてください。

まとめ

  • ★巣の場所で種類が分かる。木ならキジバト、建造物の雨がかからない所ならドバト
  • キジバトの巣は「枝を粗く組んだ皿状」。しっかりした巣を想像していると見落とす
  • 見た目は首に鱗状の模様があればキジバト滑空時に翼が水平ならキジバト、V字ならドバト
  • ★キジバトは狩猟鳥、ドバトは狩猟鳥ではない。ただしどちらも勝手に捕まえてよいわけではない
  • ★1回に2卵しか産まない
  • 抱卵15〜16日+育雛14〜19日(農研機構)/卵16〜18日+ヒナ約30日(大阪市)。幅として見る
  • ★西日本や都市部では年中繁殖する。「待てば終わる」とは限らない
  • ピジョンミルクで育てるので、虫を捕る必要がない。餌場が近くになくても営巣できる
  • 選ばれる条件は「人気がない」「猫やカラスがこない」「雨がかからない」
  • 不用物を置くと、見通しが悪くなって条件を満たしてしまう
  • 作りかけなら、すぐ取り除ける。空になったらすぐ撤去して入れなくする

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撤去できるかどうかの法律のルールと、費用はこちらです。
巣の周りにはフンが残ります。掃除には手順があります。
※ 本記事のキジバト・ドバトの形態・巣・繁殖・狩猟に関する記述は農研機構 鳥獣害研究室「鳥種別生態と防除の概要:ハト」(Ver.2.1)、巣を作る条件は東大阪市、ドバトの習性と日数は大阪市、首の模様は福岡県の公表内容に基づきます(いずれも2026年8月31日時点で確認)。日数は資料によって幅があるため、両方を併記しています。