引っ越しの断捨離は見積もりの前に終わらせる|捨てると決めた物を当日積むと追加料金の対象。新居で使えない家電・ガス機器から手放す

この記事を読むと分かること
  • 引っ越しの断捨離は、見積もりを取る前に「運ばない物」を決めておくのが目安です。見積もりは、運ぶ荷物の量で試算されるからです
  • 見積もりの後で荷物を減らした場合、実際の運賃が下がるなら、見積額は下げる方向で修正されます。標準引越運送約款にそう書かれています
  • 逆に、捨てるつもりで見積もりから外した物を当日に積むと、見積額を上げる修正の条件に当たります
  • 最初に手放す候補にするのは、新居で使えない物です。電源の周波数が合わない家電と、ガスの種類が合わないガス機器がこれに当たります
  • 粗大ごみは申し込みから収集まで2〜3週間かかる自治体があるので、捨てる物は退去日の4週間前までに決めます
引っ越しを機に物を減らそうとすると、「何から捨てるか」で手が止まりがちです。この記事では、好みや気持ちの整理ではなく、見積もりと料金のルール、新居で使えるかどうか、処分にかかる日数という3つの物差しで、残す・売る・捨てるを決める順番をまとめました。
根拠は、国土交通省が公開している標準引越運送約款、シャープ・東京ガス・大阪ガスの公式ページ、各自治体の粗大ごみの案内です(2026年10月16日確認。自治体の案内は2026年10月11日確認)。口コミは使っていません。

引っ越しの断捨離は、いつまでに終わらせればいいですか

運ばない物を決めるのは、引っ越しの見積もりを取る前が目安です。見積もりは、運ぶ荷物の量や作業の内容をもとに試算されるからです。
標準引越運送約款の第3条は、見積書に運賃と料金の合計額と内訳を書き、積込み・取卸し・搬出・搬入・荷造りなどの作業ごとに分けて記載すると定めています。サカイ引越センターも公式のよくある質問で、見積もりのときに不用品の種類と数量を伝えるよう案内しています(2026年10月11日確認)。
捨てるか迷っている物を残したまま見積もりを取ると、運ばない家具の分まで荷物の量に入ります。処分の締切と見積もりの時期を並べると、次の順番になります。
時期やること
退去日の4週間前まで残す・売る・捨てるを分ける。粗大ごみを申し込み、収集日を確かめる
4週間前から3週間前運ばない物を除いた荷物で、引っ越しの見積もりを取る。家電4品目の引き取り先を決める
3週間前から前日袋に入るごみを、収集日ごとに少しずつ出す
受取日の3日前まで引越し会社から見積書の内容に変更がないかの確認がある。減らした物・増えた物はここで伝える
※ 3日前の確認は、標準引越運送約款の第3条第7項に定めがあります。粗大ごみの日数は自治体によって違います。
粗大ごみの収集日数と、1回に出せる量の上限は、自治体ごとにこちらで整理しています。

見積もりの後で荷物を減らしたら、料金は下がりますか

実際にかかる運賃が見積額より少なくなるなら、見積額は実際の額に修正されます。標準引越運送約款の第19条第4項第1号に、条件を付けずにそう書かれています。
ただし、修正されるのは「実際に要する運賃等」が下がった場合です。段ボール数箱を減らしても、トラックの大きさや作業員の人数が変わらなければ、実際の運賃は変わらないことがあります。大きな家具や家電を手放すと決めたら、受取日の3日前の確認を待たずに、決めた時点で引越し会社に伝えて、見積もりを出し直してもらうほうが確実です。

捨てるつもりの物を当日に積むと、どうなりますか

見積もりから外した物を当日に積むと、見積額を上げる修正の条件に当たります。
同じ第19条第4項の第2号は、実際の運賃が見積額を超える場合について、荷送人(引っ越しを頼んだ人)の責任による事由で見積もりの前提が変わったときに限り、実際の額に修正すると定めています。「捨てる予定で見積もりから外したけれど、間に合わなかったので積んでほしい」は、頼んだ側の事情で荷物が増えた例です。
見積もりの後に起きたこと約款の扱い
荷物を減らし、実際の運賃が見積額より少なくなった実際の額に修正する(条件なし。第19条第4項第1号)
頼んだ側の事情で荷物が増え、実際の運賃が見積額を超えた実際の額に修正する(第19条第4項第2号)
頼んだ側の事情ではないのに、実際の運賃が見積額を超えた上げる方向の修正の条件に当たらない
※ 標準引越運送約款(平成二年運輸省告示第五百七十七号、最終改正 令和七年国土交通省告示第百九十三号)。国土交通省が公開しているPDFを2026年10月16日に確認しました。
粗大ごみの収集日が退去日に間に合わないと分かった時点で、積むか、別の方法で処分するかを決めます。上がるときだけ条件が付く仕組みは、こちらで詳しく説明しています。

何から手放せばいいですか:新居で使えない物が先です

最初に手放す候補にするのは、新居でそのまま使えない物です。電源の周波数が合わない家電と、ガスの種類が合わないガス機器がこれに当たります。運んでから使えないと分かると、運ぶ費用と処分の費用の両方がかかります。

電源の周波数が違う地域へ引っ越すとき

電源周波数が50ヘルツの地域と60ヘルツの地域をまたぐ引っ越しでは、家電の周波数の表示を確かめます。シャープは公式のサポートページで、日本の電源周波数はおよそ富士川(静岡県)と糸魚川(新潟県)を境に東側が50ヘルツ、西側が60ヘルツで、境界付近には混在地区があると説明しています。引っ越し先の周波数が分からないときは、引っ越し先の電力会社に確かめます。同じシャープの別のページでは、家電の周波数への対応を次の3つに分けています(2026年10月16日確認)。
対応シャープが挙げている代表例
50ヘルツ・60ヘルツのどちらの地域でもそのまま使えるテレビ、パソコン、トースター、エアコン、掃除機、電気ストーブ、電気こたつ、電気毛布、LED電球など
そのまま使えるが、モーターの回転数などが変わり、性能が変わるものがある冷蔵庫、扇風機、洗濯機、空気清浄機、加湿器
周波数の違う地域ではそのまま使えないものがある電子レンジ、蛍光灯器具、洗濯機
同じページでシャープは、インバーターを内蔵した機器は周波数による性能の変化がないこと、最近は50ヘルツ・60ヘルツ共用(ヘルツフリー)の機器が多くなっていることも書いています。判断の決め手は、取扱説明書の仕様欄か、本体に貼られたシールの表示です。「50Hz」か「60Hz」と単独で書かれている物は、周波数の違う地域では部品の交換や機器の調整が必要になります。
交換や調整にかかる費用と、買い替える費用を比べてから、運ぶか手放すかを決めます。費用は機種によるので、購入した販売店かメーカーに確かめてください。

ガスの種類が違う地域へ引っ越すとき

ガス機器は、使えるガスの種類があらかじめ決まっています。新居のガスの種類と、機器に貼られたステッカーの表示が合うかを確かめます。
東京ガスは公式のよくある質問で、自社が供給するガスは都市ガス13Aで、引っ越し先のガスが12A・13Aならほぼそのまま使え、それ以外なら機器本体の熱量調整作業が必要になると案内しています。大阪ガスも13Aに適合していることが必要とし、機種によっては部品がなく調整できない場合があること、50ヘルツ専用の仕様の機器は部品の取り替えが必要なことを挙げています(いずれも2026年10月16日確認)。
機器の種類引っ越しで運ぶときの扱い(東京ガスの案内)
ガスファンヒーター、ガステーブルコンロ、ガス炊飯器などの移動型引っ越し先のガスの種類が同じなら、自分で取り外して取り付けられる
湯沸器、風呂がま、給湯器などの設置型ガス機器とガス栓の接続は、有資格事業者が工事する
新居のガスが都市ガスかプロパンガスか、都市ガスなら何という種類かは、物件の管理会社か新居のガス会社に聞くと分かります。ガスの種類が合わない移動型の機器は、運ぶ前に手放す候補になります。
新居のガスの開栓や電気の申し込みの順番は、こちらにまとめました。

残す・売る・捨てるは、この順番で決めます

新居で使えるかを確かめた後は、処分に時間がかかる物から順に決めます。迷う物を後回しにしても、粗大ごみの予約と家電の引き取りの手配が先に締切を迎えます。
順番確かめること手放すなら
1新居で使えるか(電源の周波数、ガスの種類)運ぶ前に手放す候補にする
2新居の設備と重ならないか(備え付けのエアコンや照明など)物件の設備の一覧で確かめてから決める
3家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)とパソコン粗大ごみには出せない。買い替える店か購入した店、自治体が案内する回収先に頼む
4大型の家具や寝具粗大ごみを申し込む。1回に出せる点数に上限がある自治体がある
5まだ使える物買取に出す。売れなかったときの処分日程も先に押さえておく
6袋に入る物(衣類、雑貨、本など)収集日ごとに少しずつ出す
買取は「ごみの処分」ではなく「中古品の売買」です。売れなかった物は、結局ほかの方法で処分することになります。売る物は、売れなかった場合に粗大ごみで出せる日まで含めて予定を組みます。
引っ越し業者のオプションにある「不用品」の中身は、会社によって違います。
冷蔵庫や洗濯機を手放さずに運ぶなら、前日からの準備が要ります。

運ばない物が決まったら、見積もりを取ります

運ぶ物が決まった時点で、その荷物で見積もりを取ります。業者の比べ方は、何を優先するかで分かれます。
優先したいこと向いている方法受け入れること
とにかく多くの社を並べて安い1社を探したい引越し侍のような一括見積もり電話とメールの本数が多くなる
手間を減らして、厳選された数社で比べたいHALESEE(ハレシー)比較できる社数は少なめ
HALESEE(ハレシー)は、最大10社に一括で見積もりを依頼したうえで、大手から安い順に2社と、地域密着から最安1社の計3社に絞って提案すると公表しています(2026年8月時点・公式サイトの記載)。粗大ごみの予約や家電の引き取りの手配と並行して進めるなら、やり取りする社数が少ないほうが日程を組みやすくなります。
多く並べる側を選ぶなら、引越し侍も候補です。連絡の本数と、その仕組みはこちらで整理しています。

新居の電気を、引越しの日から使えるようにしておく

引越しの日に新居で電気が使えないと、冷蔵庫も照明も動きません。新しい部屋の電気は新規の申し込みになるため、電力会社を選び直せる機会でもあります。選択肢の一つがリミックスでんきです。公式のよくある質問(2026年10月9日確認)では、次のように説明されています。
  • 2023年4月からのプランは「Styleプラス」「Styleプラスeco」のみ
  • 日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格に連動した単価で、30分ごとに価格が変動する
  • 市場が高騰した際(主に夏冬)は、従来のプランよりも料金が高くなるケースもある
  • 引っ越しに伴う新規の申込みは、供給開始希望日の5営業日前まで
  • 沖縄・島しょ部を除くエリアで利用できる
単価が固定のプランではありません
市場価格に連動するため、使う時間帯と季節によって高くも安くもなります。
「いつでも安い」とは言えないので、夏と冬の使用量が多い家は、今の契約と比べてから選んでください。

よくある質問

Q. 引っ越しの断捨離は、いつから始めればいいですか?
A. 粗大ごみは申し込みから収集まで2〜3週間かかる自治体があり、見積もりは運ぶ荷物の量で試算されます。この2つから逆算して、退去日の4週間前までに残す・売る・捨てるを分けておくのが目安です。
Q. 見積もりの後に荷物を減らしたら、料金は下がりますか?
A. 実際にかかる運賃が見積額より少なくなるなら、見積額は実際の額に修正されると標準引越運送約款の第19条第4項に書かれています。ただし、トラックの大きさや作業員の人数が変わらなければ、実際の運賃も変わらないことがあります。大きな物を減らすと決めたら、すぐに引越し会社に伝えてください。
Q. 捨てるつもりだった物を、当日に積んでもらえますか?
A. 頼んだ側の事情で荷物が増えて実際の運賃が見積額を超える場合、見積額を上げる修正の条件に当たります。粗大ごみの収集日が間に合わないと分かった時点で、積むか別の方法で処分するかを決め、引越し会社に伝えてください。
Q. 関東から関西に引っ越します。家電はそのまま使えますか?
A. 関東は50ヘルツの地域、関西は60ヘルツの地域です(シャープの案内では、およそ富士川と糸魚川を境に東側が50ヘルツ、西側が60ヘルツ)。シャープは、電子レンジ・蛍光灯器具・洗濯機に周波数の違う地域でそのまま使えないものがあると案内しています。取扱説明書の仕様欄か本体のシールで「50/60Hz」(共用)か、単独の表示かを確かめてください。
Q. ガスコンロは新居でも使えますか?
A. 機器に貼られたステッカーのガスの種類と、新居のガスの種類が合えば使えます。東京ガスは、引っ越し先のガスが12A・13A以外なら機器本体の熱量調整作業が必要と案内しています。大阪ガスは、機種によっては部品がなく調整できない場合があるとしています。

まとめ

  • 運ばない物は、見積もりを取る前に決める。見積もりは運ぶ荷物の量で試算される
  • 見積もりの後に減らして実際の運賃が下がれば、見積額は下げる方向に修正される(標準引越運送約款 第19条第4項第1号)
  • 捨てるつもりで外した物を当日積むと、上げる方向の修正の条件に当たる(同第2号)
  • 最初に手放す候補は、新居で使えない物。電源の周波数とガスの種類を、取扱説明書や本体の表示で確かめる
  • 家電4品目とパソコンは粗大ごみに出せない。粗大ごみは退去日の4週間前に申し込む
  • 見積もりは、多く比べるなら引越し侍、手間を減らすならHALESEE

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