電気代が高い原因は、単価か使用量のどちらかです|検針票のキロワット時を前年同月と比べれば、どちらなのかが分かります
この記事を読むと分かること
- 電気代が高い原因は、1キロワット時あたりの単価が上がったか、使った量が増えたかの2つに分かれること
- 分け方は、検針票のご使用量(キロワット時)を前年同月と比べるだけであること
- 単価側の原因は1か月から3か月遅れて効いてくるので、先月と比べると取り違えること
- 誰も使っていないのに増えるときの、分電盤での切り分け手順
電気代が高いと感じたとき、最初にやることは節約ではありません。何が上がったのかを分けることです。単価が上がっているのに家電の使い方を変えても、請求は下がりません。逆に使用量が増えているのに料金プランを比べても、原因はそのまま残ります。
この記事では、検針票1枚でできる切り分けの手順と、2026年時点で単価を動かしている4つの項目を、東京電力エナジーパートナーの特定小売供給約款、経済産業省の公表資料、日本配線システム工業会の資料から整理します。節約術の一覧ではありません。
電気代が高い原因は、最初に2つに分けます
電気代が上がる理由は、1キロワット時あたりの単価が上がったか、使った量が増えたかの2つしかありません。検針票(電気ご使用量のお知らせ)またはWeb明細の「ご使用量」の欄にあるキロワット時を、前年の同じ月と比べると、どちらなのかが分かります。
| 使用量(キロワット時)の変化 | 読み方 | 次に見るところ |
|---|---|---|
| ほとんど変わっていない | 単価が上がっている | 再エネ賦課金・燃料費調整・値引きの終了・託送料金 |
| 増えている | 使う量が増えている | 季節・在宅時間・機器の増減・機器の劣化 |
| 誰も使っていないのに増えている | 設備側の可能性がある | 分電盤での切り分け |
比べる相手を前月ではなく前年同月にするのには理由があります。冷暖房は季節で大きく動くので、前月と比べると季節の影響と単価の影響が混ざります。前年同月なら、少なくとも季節はそろいます。
使用量が変わらないのに高いときは、単価側を疑います
電気の請求額は、1つの単価から出てくるわけではありません。基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金の足し算です。このうち後半の2つは、電力会社が決めているものではありません。
料金の組み立て方そのものは、こちらに整理しています。
2026年に単価を動かしている4つ
| 項目 | 2026年の状況 | いつ請求に出るか |
|---|---|---|
| 再エネ賦課金 | 1キロワット時あたり4.18円 | 2026年5月検針分から2027年4月検針分まで |
| 燃料費調整額 | 基準の平均燃料価格は86,100円。下回れば差し引き、上回れば加算 | およそ3か月遅れ |
| 電気・ガス料金支援の値引き | 2026年9月使用分(10月検針分)まで3.5円/キロワット時 | 11月の検針分からゼロ |
| 託送料金 | 2026年11月に改定 | 2026年11月から |
※ 再エネ賦課金は経済産業省「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」(2026年3月19日発表)、燃料費調整は東京電力エナジーパートナー「特定小売供給約款」(令和8年4月1日実施)別表2、値引き単価は資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」による。いずれも2026年9月11日確認。
再エネ賦課金について、経済産業省は目安として1か月の電力使用量が400キロワット時の需要家モデルで、月額1,672円・年額20,064円になるとしています。この単価は全国一律になるよう国が調整するので、電力会社を乗り換えても変わりません。
先月と比べると、単価側の原因は見つかりません
燃料費調整はおよそ3か月遅れで反映されます。約款には、平均燃料価格を測る期間と、それが適用される料金の月が表で決められています。
燃料が高くなった月に、その月の請求が上がるわけではありません。ニュースを見た月に請求書を確かめても、まだ何も起きていないのが普通です。
値引きの終わり方は、とくに誤解されやすいところです。対象期間が終わる月と、値引きが最後に乗る月がずれています。
託送料金は、送配電網を使うために小売電気事業者が支払う料金です。小売の各社が等しく負担するものなので、乗り換えで避けられる種類の値上げではありません。
使用量が少し増えただけでも、請求はそれ以上に増えます
ここを知らないと、「使用量は1割しか増えていないのに、請求は2割増えた。計算が間違っているのではないか」と読み違えます。
従量電灯Bの電力量料金は3段階で、使用量が多い月ほど、増えた分に高い単価が当たります。
| 段階 | 1キロワット時あたり |
|---|---|
| 最初の120キロワット時まで | 29円80銭 |
| 120キロワット時をこえ300キロワット時まで | 36円40銭 |
| 300キロワット時をこえる分 | 40円49銭 |
※ 東京電力エナジーパートナー「特定小売供給約款」(令和8年4月1日実施)16(2)ニ(ロ)の記載による(2026年9月11日確認)。地域と契約によって単価は異なります。
第1段階と第3段階の差は、1キロワット時あたり10円69銭です。すでに月300キロワット時を超えている家では、そこから増えた分はいちばん高い単価で計算されます。使用量の増え方と請求の増え方が一致しないのは、多くの場合これが理由で、誤請求ではありません。
誰も使っていないのに増えるときは、分電盤で切り分けます
留守にしていた月に請求が増えた、家族構成も機器も変わっていないのに増え続けている、という場合だけ、設備側を疑う意味があります。
主幹ブレーカーが「切」になるときの手順
日本配線システム工業会 住宅盤専門委員会は、主幹ブレーカーが切れる場合の原因として漏電の可能性を挙げ、次の手順を示しています。
- すべての分岐ブレーカを「切」にする
- 主幹ブレーカを「入」にする
- 分岐ブレーカを1つずつ順に「入」にして、主幹ブレーカが「切」になった場合、その分岐ブレーカは「切」のままにしておく
すべての分岐ブレーカを「入」にしても主幹ブレーカが切れなければ様子を見て、頻繁に切れる場合は漏電している可能性が高いので電気工事店に相談することが勧められています。
※ 日本配線システム工業会 住宅盤専門委員会「安全にお使いいただくために」の記載による(2026年9月11日確認)。分電盤の内部に手を入れる作業は電気工事士の資格が必要です。ここで行うのはブレーカーの入切だけです。
漏電で請求が倍になることは、考えにくいです
漏電を心配する相談は多いのですが、漏電ブレーカーが落ちずに続いている漏れ電流は、そのブレーカーが動作する値より小さいはずです。
関東電気保安協会の資料によれば、漏電遮断器の高感度形の定格感度電流は5・6・10・15・30ミリアンペアです。仮に上限の30ミリアンペアだとしても、100ボルト換算で3ワット相当にしかなりません。24時間流れ続けても、月あたりの電力量は数キロワット時の規模です。
※ 感度電流の区分は関東電気保安協会「[分電盤編] 漏電遮断器」の掲載値による(2026年9月11日確認)。ワット換算は電圧100ボルトを掛けた概算で、漏電ブレーカーが正常に動作していることを前提としています。漏電は電気代の問題ではなく感電・火災の問題なので、疑わしいときは金額に関係なく相談してください。
つまり「請求が倍になった原因は漏電だ」という説明は、この経路では成り立ちません。倍になったのなら、使用量側か単価側に必ず理由があります。
主幹が「入」のままなのに電気が止まるのは、分電盤の話ではありません
同工業会は、スマートメーターの動作についてこう書いています。契約しているアンペア容量を超えるとメーター内部のリミッターが作動して電気を止め、約10秒後に自動で再開します。再開したときにまだ超えていれば再び止まり、この動作を複数回繰り返すと異常と判断して、停電したまま自動で復旧しなくなります。
この状態は分電盤の劣化ではありません。契約アンペアに対して同時に使いすぎているだけです。
「電気代が高いのは分電盤のせい」と言って訪ねてくる業者がいます
電話で日時を知らせない点検、その場での即決、不安をあおる説明は、点検商法で共通して見られる形です。
分電盤を替えても、単価は1円も下がりません。交換が要るかどうかは、電気代とは別の基準で判断します。
使用量が増えていて、心当たりもあるとき
季節、在宅時間、家族の増減、機器の買い足しで説明がつくなら、それが原因です。そのうえで減らせるかどうかは、使用量の大きい用途から順に見ます。家庭で電力量を多く使うのは、冷暖房・給湯・冷蔵といった、長い時間動き続ける用途です。
機器の買い替えで変わるのは効率です。エアコンなら通年エネルギー消費効率(APF)が目安になり、APFが6.0の機種から8.0の機種に替えると、同じ冷暖房をするのに必要な電力量はおよそ25パーセント少なくなります(6.0を8.0で割った値)。
※ APFは日本産業規格にもとづく通年の効率値で、カタログに記載されています。実際の使用環境では前提が異なるため、この比率がそのまま請求額の差になるわけではありません。年間で何円下がるという金額は、契約プランと使用時間で動くため、この記事では出していません。
給湯は、電気でお湯をつくっているかどうかで事情が変わります。電気温水器のように電気ヒーターでお湯をわかす機器は、電力量の使い方が大きい部類です。ガスの給湯器に替えれば、その分は電気の請求から外れます。
乗り換えで下がる部分と、下がらない部分があります
料金の4つの要素のうち、会社を替えて差がつくのは基本料金と電力量料金だけです。再エネ賦課金は全国一律で、燃料費調整の仕組みも多くのプランに入っています。
単価表の数字だけを並べると、順位が入れ替わることがあります。
自分の使用量が多いのか少ないのかが分からないときは、平均と比べるのが早道です。
よくある質問
検針票のどこを見れば、使用量が分かりますか。
「ご使用量」または「使用電力量」と書かれた欄で、単位はキロワット時(kWh)です。同じ紙に前年同月の使用量が併記されていることが多く、Web明細なら過去12か月ぶんを並べて見られます。金額ではなくこの数字を比べてください。
先月と比べたら、使用量は同じなのに請求が増えていました。故障ですか。
故障とは限りません。燃料費調整はおよそ3か月遅れで反映され、国の値引きは月ごとに単価が変わり、再エネ賦課金は毎年5月の検針分から新しい単価に切り替わります。単価側の変化は、心当たりのある月とずれて請求に出ます。
漏電していたら、電気代はどれくらい増えますか。
漏電ブレーカーが動作せずに続いている漏れ電流は、その定格感度電流より小さい範囲です。住宅用の高感度形は5から30ミリアンペアなので、100ボルト換算でも数ワットの規模にとどまります。電気代の異常を漏電で説明するのは難しく、漏電は感電と火災の問題として別に扱ってください。
契約アンペアを下げれば、電気代は必ず安くなりますか。
なりません。下がるのは基本料金だけで、電力量料金は使い方によって変わりません。東京電力エナジーパートナー自身が、合計額が必ずしも下がるとは限らないと案内しています。下げすぎればブレーカーが落ちます。
電力会社を乗り換えれば、11月の値上げは避けられますか。
託送料金の改定は、送配電網の利用料の話です。小売電気事業者はどこもこれを負担するので、乗り換えで避けられる性質のものではありません。
まとめ
- 電気代が高い原因は、単価が上がったか、使った量が増えたかの2つに分かれる
- 分け方は、検針票のご使用量(キロワット時)を前年同月と比べるだけ
- 単価側は2026年に4つ動いている。再エネ賦課金4.18円/燃料費調整はおよそ3か月遅れ/値引きは11月検針分からゼロ/託送料金は11月改定
- 単価側の原因は、心当たりのある月とずれて請求に出る。先月と比べると見つからない
- 使用量が1割増えると、請求は1割より大きく増える。300キロワット時をこえる分は40円49銭で、第1段階との差は10円69銭
- 誰も使っていないのに増えるときだけ、分電盤で切り分ける。手順は分岐をすべて切ってから1つずつ入れる
- 漏電で請求が倍になることは考えにくい。高感度形の定格感度電流は5から30ミリアンペア
- 乗り換えで差がつくのは基本料金と電力量料金だけ。再エネ賦課金と託送料金は避けられない
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料金の組み立て方そのものを確かめるなら、こちらです。
分電盤そのものを替えるべきかは、費用と交換の目安から判断します。
※ 本記事の単価と制度は2026年9月11日に確認した公表値です。燃料費調整単価は毎月、再エネ賦課金は毎年度改定されます。単価は地域と契約によって異なります。最新の値は各社および経済産業省の公表資料でご確認ください。