モンスズメバチの巣は屋根裏に多く、底が開いた釣り鐘の形です|世田谷区の無料除去は、ハチの種類でも巣の場所でも対象外になります

この記事を読むと分かること
  • モンスズメバチは、閉じた屋根裏に巣を作ることが多いスズメバチであること
  • 巣は底が開いた釣り鐘の形で、中の巣盤が下から見えること。巣の下にセミの羽が落ちていることがあること
  • 世田谷区の無料除去は、モンスズメバチも、屋根裏や壁の中の巣も対象外であること。自治体に頼めないことが多いので、業者の見積もりで比べること
モンスズメバチの巣は、屋根裏のような閉じた場所に多く、底が開いた釣り鐘の形をしています。堺市は「閉鎖的な屋根裏への営巣が多く」「まるで釣り鐘のような形」と案内しています。この記事では、堺市・名古屋市衛生研究所・世田谷区などの公表内容をもとに、モンスズメバチの巣の場所と形、ほかのスズメバチとの違い、屋根裏の巣を見つけたときに自治体と業者のどちらに頼むかを整理します。

モンスズメバチは、どこに巣を作りますか?

いちばん多いのは、閉じた屋根裏です。堺市は、モンスズメバチは「屋根裏や樹洞・軒下などに営巣」し、「閉鎖的な屋根裏への営巣が多く、他には木の幹の空洞や家屋の軒下などへの営巣も見られます」としています。
巣の場所堺市の案内
屋根裏営巣が多い(閉鎖的な屋根裏)
木の幹の空洞(樹洞)営巣も見られる
家屋の軒下営巣も見られる
※ 堺市「スズメバチ」(更新日2025年5月1日)の公表内容に基づく(2026年10月13日時点で確認)。
名古屋市衛生研究所は、巣の「引っ越し」についても書いています。モンスズメバチやキイロスズメバチは「はじめ狭い空間に巣をつくり、巣が狭くなるとより広い巣を作ることができる場所に引越しをする習性があります」。7月下旬に見つかったモンスズメバチの巣は、引っ越したばかりの巣だったとしています。夏に「庭先に突然巣ができて、どんどん大きくなった」ということもありうる、というのが同研究所の見立てです。

モンスズメバチの巣は、底が開いた釣り鐘の形です

ほかのスズメバチの巣との大きな違いは、底です。堺市は、モンスズメバチの巣は「巣の下方部が開放されていて巣盤が露出しており、まるで釣り鐘のような形」としています。名古屋市衛生研究所も「つり鐘のように底が開いている」と書いています。
ハチ巣の形よく作る場所
モンスズメバチ底が開いた釣り鐘の形。下から巣盤が見える屋根裏、木の幹の空洞、軒下
コガタスズメバチ初めはとっくりを逆さにした形。大きくなるとボール状で、出入口は1か所樹木、軒下
キイロスズメバチ球形軒下、屋根裏など
ヒメスズメバチ小規模な巣戸袋、壊れた壁の中、床下、換気扇の排気口
オオスズメバチ(土の中なので外からはほぼ見えない)木の根元の空洞など、土の中
※ 堺市「スズメバチ」(更新日2025年5月1日)、千葉市「スズメバチの種類と生態」(更新日2022年8月3日)、名古屋市衛生研究所「季節ごとのスズメバチの巣」(更新日2025年10月17日)の公表内容に基づく(2026年10月13日時点で確認)。
巣の下にセミの羽が落ちていたら、モンスズメバチの手がかりになります。名古屋市衛生研究所は、8月初旬に見つかったモンスズメバチの巣について「底が開いているため、巣の下には幼虫のエサにしたセミの羽がたくさん落ちていました」と書いています。玉川大学の研究者の解説(1995年)も、モンスズメバチを「セミを好む」スズメバチとして挙げています。
巣はかなり大きくなります。名古屋市衛生研究所が8月初旬に見つけたモンスズメバチの巣は、高さ約40センチ、幅約30センチ、巣盤は8層でした。同研究所は「1年を通してもこんな立派な巣を見られることは滅多にありません」としていますが、8月初旬の時点でここまで大きくなっていた例です。
巣の形を確かめるために、屋根裏へ上がらないでください
屋根裏の巣は、外からは見えません。軒の隙間や通気口から、大きなハチが続けて出入りしているのが分かれば十分です。巣に近づくと、巣を守るためにハチが攻撃してきます。堺市も、スズメバチは「巣を守る本能が発達しているため、巣に近づくと相手を威嚇します」としています。

家の周りで多いのは、モンスズメバチではありません

住宅地でいちばん多いのはコガタスズメバチです。堺市は「堺市内で圧倒的に多く見られるのはコガタスズメバチ」とし、モンスズメバチはオオスズメバチ・ヒメスズメバチと並んで「他には」見られる種類に入れています。名古屋市も、市内に6種のスズメバチがいるうち「住宅地ではコガタスズメバチが多く生息しています」としています。
ただし、屋根裏の巣ならモンスズメバチかキイロスズメバチを疑います。コガタスズメバチは樹木への営巣が最も多く、屋根裏が多いのはモンスズメバチ(堺市)、屋根裏にも作るのがキイロスズメバチ(千葉市)です。スズメバチとアシナガバチの見分け方そのものは、別の記事にまとめています。

屋根裏の巣は、区や市の無料除去から外れることが多い

モンスズメバチの巣は、自治体に取ってもらえないことが多い巣です。世田谷区の無料除去を例にすると、ハチの種類と巣の場所の両方で対象外になります。
世田谷区の除去要件モンスズメバチの屋根裏の巣
ハチの種類:キイロスズメバチ、コガタスズメバチ、アシナガバチ(その他のハチの巣は対象外)モンスズメバチは対象の3種に入っていない
巣の場所:壁や塀、敷地内の樹木に露出して作られた巣。天井裏・壁・戸袋・室外機・換気扇などの中、木の洞の中は対象外天井裏の巣は「巣が露出していないもの」として対象外
巣の高さ:地面または床面から3メートル以内(目安は1階の軒下程度)2階の軒下は届かないことがある
※ 世田谷区「ハチの巣の除去について」(最終更新日2023年7月10日)の公表内容に基づく(2026年10月13日時点で確認)。
世田谷区は、対象外のハチや場所だった場合は「民間の専門業者に直接ご依頼ください」とし、専門業者の組合を紹介しています。ほかの市も、そもそも駆除をしていないところがあります。
市区町村スズメバチの巣の駆除
世田谷区条件を満たすキイロ・コガタ・アシナガバチの露出した巣だけ、区の委託業者が無料で除去。モンスズメバチと、天井裏・壁の中の巣は対象外
名古屋市市は駆除を行っていない。駆除方法などの相談には応じる。スズメバチの除去は専門業者に依頼するよう案内
堺市原則として市は駆除しない。巣がある場所の管理者が対処する。スズメバチは専門の駆除業者へ(費用は自己負担)
※ 世田谷区「ハチの巣の除去について」(最終更新日2023年7月10日)、名古屋市「スズメバチ ハチに刺されないために」(更新日2025年10月16日)、堺市「スズメバチ」(更新日2025年5月1日)の公表内容に基づく(2026年10月13日時点で確認)。
名古屋市は、生活保護を受けている世帯や、在宅で寝たきりの高齢者・身体障害者などを含む市民税非課税の世帯について、駆除費を補助できる場合があるとしています(お住まいの区の保健センター環境薬務課に相談)。スズメバチの駆除費用に補助金を出す市区町村もあるので、業者を呼ぶ前に一度確かめてください。補助金は、駆除前に写真を撮っておかないと申請できないことがあります。

自分で駆除してもいいですか?

屋根裏のモンスズメバチの巣は、自分で駆除しないでください。名古屋市はスズメバチについて「攻撃性が強く、作業中に刺される場合もあるので除去は専門業者に依頼しましょう」としています。堺市も、スズメバチは「自らの駆除は危険を伴います」として専門の駆除業者への依頼を勧めています。
  • 自分で対処できるとされているのは、主にアシナガバチの巣と、女王バチ1匹で作っている初期の巣です。スズメバチについては、世田谷区は4〜5月ごろ、堺市は5月ごろの、女王バチ1匹で作っている作り始めの巣なら除去できる場合があるとしています
  • 屋根裏の巣には、スプレーを直接かけられません。世田谷区が案内している自分で除去する方法は、市販のスプレーを巣全体にかけるものです
  • 自分で除去する方法は、ハチが活動しにくい夜間に行うものです(世田谷区は日没後2時間以降、名古屋市は夕方から夜)。それでも世田谷区は、ライトを当てるとハチが反応すると注意しています
秋の巣は、特に近づかないでください
堺市は、スズメバチは7月から10月頃が最盛期で、「9月から10月頃にかけては特にスズメバチの活動が活発になる」としています。巣は1年限りで、12月から3月頃は新しい女王バチだけが巣以外の場所で冬を越します。冬に空になった巣を、翌年また使うことはありません。

業者に頼むなら、見積もりで確かめること

屋根裏の巣は、現地で見てもらわないと金額が出ません。巣が屋根裏のどこにあるか、どこから入るか、どのくらいの大きさかで作業が変わります。電話の段階で金額を確定させようとせず、現地で見積もりを出してもらって比べてください。
聞くことなぜ
ハチの種類を見てもらえるか種類によっては、自治体の補助金の対象になることがある
屋根裏に入っての作業か、外からの作業か点検口からの作業か、屋根や壁を開けるかで作業が変わる
巣の撤去まで含むか薬をかけるだけで巣を残すと、繭から新しいハチが出てくることがある
作業後の穴や隙間をどうするか塞ぐ作業が見積もりに入っているかで、金額が変わる
害虫駆除110番は、上場企業シェアリングテクノロジー株式会社(証券コード3989)が運営する紹介サービスです。公式サイトにハチ駆除のサービスがあり、日本全国・24時間365日受付とされています。
現地で無料の見積もりを作成し、作業日が確定するまではいつでもキャンセルできるとされています。ただし公式サイトには、対応エリア・加盟店・現場状況によっては、事前に確認したうえで調査・見積りに費用がかかる場合があるとも書かれています。「必ず無料」ではありません。保証は加盟店によるものです。
※ 対応範囲・受付時間・見積もりの条件は害虫駆除110番の公式サイトの公表内容に基づきます(2026年8月31日時点・編集部調べ)。
賃貸に住んでいる人は、業者を呼ぶ前に管理会社か大家さんに連絡してください。堺市は、駆除は「巣がある場所の管理者が対処する」としています。

よくある質問

モンスズメバチは、どこに巣を作りますか?

閉じた屋根裏に作ることが多いハチです。堺市は、ほかに木の幹の空洞や家屋の軒下への営巣も見られるとしています。名古屋市衛生研究所は、はじめ狭い空間に巣を作り、狭くなるとより広い場所へ引っ越す習性があるとしています。

モンスズメバチの巣は、ほかのスズメバチの巣とどう違いますか?

底が開いていて、釣り鐘のような形をしています。下から巣盤が見えます。コガタスズメバチやキイロスズメバチの巣は、外皮に覆われたボール状(球形)です。名古屋市衛生研究所の例では、巣の下にセミの羽がたくさん落ちていました。

屋根裏から羽音がするのですが、モンスズメバチですか?

羽音だけでは種類は決められません。屋根裏にはキイロスズメバチも巣を作ります(千葉市)。軒の隙間や通気口から大きなハチが続けて出入りしていたら、種類にかかわらず近づかずに業者か自治体へ相談してください。ネズミやハクビシンなど、動物の音の可能性もあります。

区や市に駆除してもらえますか?

自治体によって違いますが、屋根裏のモンスズメバチの巣は対象外になりやすいです。世田谷区の無料除去は、ハチの種類がキイロ・コガタ・アシナガバチに限られ、天井裏や壁の中の巣は対象外です。名古屋市や堺市は、原則として市が駆除をしていません。

モンスズメバチの巣は、冬になったらどうなりますか?

冬には空になり、翌年は同じ巣を使いません。堺市は、12月から3月頃は新しい女王バチだけが巣以外の場所で越冬し、ほかのハチは死に絶えるとしています。秋(9〜10月頃)はスズメバチの活動が特に活発な時期なので、空になるのを待つ間も巣には近づかないでください。

まとめ

  • モンスズメバチは、閉じた屋根裏に巣を作ることが多い。木の幹の空洞や軒下にも作る
  • 巣は底が開いた釣り鐘の形で、下から巣盤が見える。巣の下にセミの羽が落ちていることがある
  • はじめ狭い空間に巣を作り、夏に広い場所へ引っ越すことがある
  • 住宅地で多いのはコガタスズメバチ。屋根裏の巣ならモンスズメバチかキイロスズメバチを疑う
  • 世田谷区の無料除去は、モンスズメバチも、天井裏・壁の中の巣も対象外。名古屋市・堺市は原則として市が駆除しない
  • 屋根裏の巣は自分で駆除しない。屋根裏へ上がって確かめない
  • 業者に頼むなら、種類・作業の方法・巣の撤去・作業後の穴を見積もりで確認する

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※ 本記事のハチの特徴・巣・自治体の対応の記述は、堺市「スズメバチ」(更新日2025年5月1日)、名古屋市衛生研究所「季節ごとのスズメバチの巣」(更新日2025年10月17日)、名古屋市「スズメバチ ハチに刺されないために」(更新日2025年10月16日)、千葉市「スズメバチの種類と生態」(更新日2022年8月3日)、世田谷区「ハチの種類と生態について」(最終更新日2026年8月12日)・「ハチの巣の除去について」(最終更新日2023年7月10日)、『ミツバチ科学』16巻3号(玉川大学・1995年)「都市化に対するスズメバチの適応」の公表内容に基づきます(いずれも2026年10月13日時点で確認)。自治体の対応は変わることがあるため、必ずお住まいの市区町村の最新の案内をご確認ください。