スズメバチとアシナガバチは、飛ぶときの後ろ脚で見分けます|大きさでは決められません。セグロアシナガバチはコガタスズメバチと同じくらいです
この記事を読むと分かること
- 長い後ろ脚をだらりと垂らして飛ぶのがアシナガバチ、ずんどうな体で巣に向かってまっすぐ飛ぶのがスズメバチであること
- 大きさだけでは見分けられないこと。セグロアシナガバチ(体長21〜26ミリ)は、コガタスズメバチの働きバチ(20〜27ミリ)と同じくらいあります
- スズメバチかどうかで、市役所が巣を取ってくれるかが変わること
家の周りを飛んでいるハチは、長い後ろ脚をだらりと垂らしてフラフラ飛んでいればアシナガバチ、ずんどうな体で巣に向かってまっすぐ飛んでいればスズメバチです。神戸市も大和市も「アシナガバチは、スリム体型です。スズメバチは、ずんどう体型です」と案内しています。この記事では、東京都・世田谷区・神戸市・大阪市淀川区・堺市などの公表内容をもとに、体と飛び方での見分け方、大きさで見分けてはいけない理由、見分けたあとに市役所の対応がどう変わるかを整理します。
スズメバチとアシナガバチは、脚と体の形で見分けます
いちばん分かりやすいのは、飛んでいるときの後ろ脚です。世田谷区はアシナガバチについて「飛ぶときに長い後ろ足をぶら下げた状態になります」、大阪市淀川区は「飛んでいるとき、足をだらりと下げているのですぐ分かります」と書いています。
| 見るところ | アシナガバチ | スズメバチ |
|---|---|---|
| 飛ぶときの脚 | 長い後ろ脚をだらりと垂らす | 脚を垂らさない |
| 体の形 | スリム。ほっそりしている | ずんどう。ふっくらしている |
| 飛び方 | フワフワ、フラフラ飛ぶ | 巣に向かって直線的に飛ぶ |
| 体長(目安) | 14〜26ミリ(フタモン・セグロ・キアシ) | 働きバチ17〜27ミリ、女王25〜28ミリ(コガタ・キイロ) |
| 巣 | お椀を伏せた形。下から六角形の穴が見える | 作り始めはとっくりを逆さにした形。大きくなるとしま模様のボール状で、出入口は1つ |
| 性質 | 比較的おとなしい。巣を刺激しなければ、ほとんど攻撃しない | 巣を守る本能が強く、興奮すると集団で攻撃する |
※ 東京都保健医療局「スズメバチ」「アシナガバチ」、世田谷区「ハチの種類と生態について」、神戸市「アシナガバチと上手につき合おう」、大和市「アシナガバチについて」、大阪市淀川区「ハチについて」、横浜市旭区「ハチの相談」、堺市「スズメバチ」の公表内容に基づく(2026年10月12日時点で確認)。
飛び方は、横浜市旭区も同じ区別をしています。アシナガバチは「足をだらりと垂らしながらフワフワ飛ぶ」、スズメバチは「巣に向かって直線的に飛ぶ」です。近づいてハチの顔や模様を確かめる必要はありません。離れた場所から、脚と飛び方だけを見てください。
巣が見えるなら、巣の形のほうが確実です
下から見て六角形の穴がたくさん見えればアシナガバチ、外側が殻で覆われて出入口が1つならスズメバチです。巣の形での見分け方と、作り始めの時期は別の記事にまとめています。
大きさだけでは、スズメバチとは決められません
「大きいからスズメバチ」とは限りません。自治体が公表している体長を並べると、大型のアシナガバチと、スズメバチの働きバチは重なっています。
| ハチ | 体長 | 体の色 |
|---|---|---|
| セグロアシナガバチ | 21〜26ミリ | 体は黒色で、斑紋は黄褐色 |
| キアシナガバチ | 20〜26ミリ | 黒色に鮮やかな黄色の斑紋 |
| フタモンアシナガバチ | 14〜18ミリ | 黒色。腹部に2つの黄色い紋があり、脚は黄色 |
| コガタスズメバチ | 女王25〜28ミリ、働きバチ20〜27ミリ | 頭部は橙黄色、胸部と腹部は黒褐色 |
| キイロスズメバチ | 女王25〜28ミリ、働きバチ17〜24ミリ | 頭部と腹部は黄色、胸部は黒褐色。全体が黄色に見える |
※ セグロアシナガバチ・フタモンアシナガバチ・コガタスズメバチ・キイロスズメバチは大阪市淀川区「ハチについて」(資料の一部は名古屋市衛生研究所「身の回りの「むし」たち」より引用と記載)、キアシナガバチは神戸市「アシナガバチと上手につき合おう」(最終更新日2026年3月18日)の公表内容に基づく(2026年10月12日時点で確認)。神戸市はセグロアシナガバチを20〜26ミリとしています。
セグロアシナガバチやキアシナガバチは、コガタスズメバチの働きバチと同じくらいの大きさです。キイロスズメバチの働きバチ(17〜24ミリ)より大きいこともあります。黄色と黒のしま模様も、どちらにもあります。神戸市はアシナガバチの体色を「黄色と黒色」と書いています。
だから、大きさと色ではなく、脚と体の形で見てください。大きいハチが脚を垂らしてフラフラ飛んでいるなら、大型のアシナガバチの可能性があります。
家の周りでよく見かけるのは、この5種類です
東京で見られるスズメバチは、主にコガタスズメバチとキイロスズメバチです(東京都保健医療局)。アシナガバチは「フタモン、セグロ、コアシナガバチなど」が普通に見られます。堺市で相談が圧倒的に多いのもコガタスズメバチです。
| ハチ | 巣を作る場所 | 性質 |
|---|---|---|
| コガタスズメバチ | 低木の枝、生垣、庭木。まれに軒下 | 働きバチは最盛期でも50〜100匹で、性質は比較的温順。生垣の剪定や草刈りのときに刺されることが多い |
| キイロスズメバチ | 軒下、屋根裏、崖、枝の茂み。土の中や木の洞にも作る | 性質はかなり攻撃的。最盛期の働きバチは1,000匹以上になることもまれではない |
| セグロアシナガバチ | 軒下、庭木、室外機の中、人家のすきま | 大型のアシナガバチ |
| キアシナガバチ | 軒下、庭木、換気扇フードの中 | 大型のアシナガバチ |
| フタモンアシナガバチ | 木の枝、軒先、草むら | 比較的おとなしいが、巣に近づくと攻撃することもある |
※ 大阪市淀川区「ハチについて」、神戸市「アシナガバチと上手につき合おう」、東京都保健医療局「スズメバチ」「アシナガバチ」、堺市「スズメバチ」の公表内容に基づく(2026年10月12日時点で確認)。
キイロスズメバチは屋根裏にも巣を作ります。屋根裏や壁の中の巣は外から形が見えないので、通気口や隙間からハチが出入りしているのを見たら、近づかずに相談してください。横浜市旭区の資料にも、天井裏の通気口から出入りするスズメバチの写真が載っています。
スズメバチかどうかで、市役所の対応が変わります
見分けが大事なのは、刺される危険だけが理由ではありません。スズメバチとそれ以外で対応を分けている市区町村があります。
| 市区町村 | スズメバチの巣 | アシナガバチの巣 |
|---|---|---|
| 市川市 | 市が委託する専門業者が駆除(職員が立ち会って確認。平日のみ) | 原則として市は駆除しない。自分で業者に依頼する |
| 世田谷区 | キイロスズメバチ・コガタスズメバチの露出した巣は、条件を満たせば区の委託業者が無料で除去 | 同じ条件で無料除去の対象 |
| 大和市 | 市の駆除事業は令和7年度で終了(2026年7月27日更新)。業者を紹介する団体を案内 | 自分で駆除するか、自己負担で業者に依頼。防護服の貸し出しあり |
| 堺市 | 原則として市は駆除しない | 原則として市は駆除しない |
※ 市川市「ハチの巣に関する相談・問い合わせ」(更新日2026年6月1日)、世田谷区「ハチの巣の除去について」、大和市「アシナガバチについて」(更新日2026年4月1日)・「スズメバチの巣の駆除について」(更新日2026年7月27日)、堺市「スズメバチ」「アシナガバチ」の公表内容に基づく(2026年10月12日時点で確認)。
市川市は、スズメバチ以外のハチは「攻撃性が低く、人に及ぼす危険性も低いとされます」として、市では駆除していません。逆に言えば、スズメバチなら市に頼める可能性があるということです。ただし大和市のように、スズメバチの駆除事業を終えた市もあります。去年やっていた対応が今年もあるとは限らないので、必ず最新の案内を見てください。スズメバチの駆除費用に補助金を出す市もあります。
見分けがつかないときは、そのまま市区町村に聞いてかまいません。市川市は「ハチの巣の種類が分からない場合も」相談するよう案内し、横浜市旭区も「ハチの種類が分からない場合は、お問い合わせください」としています。ただし市川市は「ハチが飛んでいる」というだけでは対応できないとしています。巣の場所が分かってから連絡してください。
見分けようとして刺されないために
ハチが人を攻撃するのは、巣を守るためです。世田谷区は「飛んでいるハチがむやみやたらに人に向かって、攻撃をすることはありません」としつつ、巣に近づいたり、手で振り払ったりすると刺されることがあると書いています。
- 手で払わない、急に向きを変えない。大阪市淀川区は「スズメバチは、横の動きに反応しやすい」として、近寄ってきたら姿勢を低くして飛び去るのを待つよう案内しています
- カチカチという音は警告です。世田谷区は、スズメバチが「カチカチと警戒音を出しているときは相手を威嚇しており危険です」としています。すぐに離れてください
- 黒い服を避ける。大阪市淀川区は、スズメバチは「黒色に対して激しく攻撃する性質があります」としています
- 洗濯物を取り込むときに見る。東京都は、アシナガバチは夏から初秋にかけて数が増え、洗濯物と一緒に取り込まれることがあるとしています
秋のスズメバチには、特に近づかないでください
堺市は、スズメバチは「9月から10月頃にかけては特にスズメバチの活動が活発になる」としています。大阪市淀川区も、9月以降は越冬の準備のため攻撃性が増すことがあると書いています。秋に大きなハチがまっすぐ飛んでいる場所の近くには、巣があると考えて離れてください。
スズメバチの巣なら、業者の見積もりを取って比べる
スズメバチの巣、屋根裏や壁の中の巣、高い所の巣は、専門の業者に見てもらうのが確実です。東京都も「初期の小さな巣以外は自分で行うのは危険なので専門家に頼むのがよいでしょう」としています。金額は巣の場所・高さ・大きさで変わるので、電話の段階で確定させようとせず、現地で見積もりを出してもらって比べてください。
| 聞くこと | なぜ |
|---|---|
| ハチの種類を見てもらえるか | スズメバチなら、市区町村の駆除や補助金の対象になることがある |
| 巣の撤去まで含むか | 薬をかけるだけで巣を残すと、繭から新しいハチが出てくることがある |
| 高い所や屋根裏の追加費用が出るか | 2階の軒下や屋根裏では、はしごや作業の分が乗る |
害虫駆除110番は、上場企業シェアリングテクノロジー株式会社(証券コード3989)が運営する紹介サービスです。公式サイトにハチ駆除のサービスがあり、日本全国・24時間365日受付とされています。
現地で無料の見積もりを作成し、作業日が確定するまではいつでもキャンセルできるとされています。ただし公式サイトには、対応エリア・加盟店・現場状況によっては、事前に確認したうえで調査・見積りに費用がかかる場合があるとも書かれています。「必ず無料」ではありません。保証は加盟店によるものです。
※ 対応範囲・受付時間・見積もりの条件は害虫駆除110番の公式サイトの公表内容に基づきます(2026年8月31日時点・編集部調べ)。
賃貸に住んでいる人は、業者を呼ぶ前に管理会社か大家さんに連絡してください。堺市は、駆除は「巣がある場所の管理者が対処する」としています。
よくある質問
スズメバチとアシナガバチは、どこを見れば見分けられますか?
飛んでいるときの後ろ脚と体の形です。長い後ろ脚をだらりと垂らしてフラフラ飛び、体がスリムならアシナガバチ。脚を垂らさず、ずんどうな体で巣に向かってまっすぐ飛ぶならスズメバチです。巣が見えるなら、六角形の穴が見えるかどうかがいちばん確実です。
大きいハチなら、スズメバチですか?
大きさだけでは決められません。セグロアシナガバチは体長21〜26ミリで、コガタスズメバチの働きバチ(20〜27ミリ)と同じくらいあります。黄色と黒のしま模様もどちらにもあります。
アシナガバチは刺しませんか?
刺します。神戸市や大和市は「基本的におとなしいハチ」としていますが、巣にさわったり刺激したりすると攻撃してきます。東京都は、夏から初秋にかけてアシナガバチが洗濯物と一緒に取り込まれることがあると書いています。
市役所はスズメバチの巣を取ってくれますか?
市区町村によって違います。市川市はスズメバチの巣だけを委託業者で駆除し、アシナガバチは原則として駆除しません。世田谷区は条件を満たす露出した巣を無料で除去しています。堺市は原則として駆除していません。住んでいる市区町村のサイトで確認してください。
ハチの種類が分からないときは、どこに聞けばいいですか?
住んでいる市区町村の担当課に聞けます。市川市や横浜市旭区は、種類が分からない場合も相談するよう案内しています。ただし、ハチが飛んでいるだけでは対応できない市もあるので、巣の場所を確かめてから連絡してください。
まとめ
- 長い後ろ脚をだらりと垂らしてフラフラ飛ぶのがアシナガバチ。ずんどうな体でまっすぐ飛ぶのがスズメバチ
- 大きさでは決められない。セグロアシナガバチ(21〜26ミリ)はコガタスズメバチの働きバチ(20〜27ミリ)と同じくらい
- 黄色と黒のしま模様は、どちらにもある
- 東京で多いのはコガタスズメバチとキイロスズメバチ。キイロスズメバチは屋根裏にも巣を作る
- スズメバチなら市区町村が駆除する、または補助金を出すことがある。アシナガバチは自分で対処か自費で業者、という市が多い
- 種類が分からなければ、巣の場所を確かめてから市区町村に相談できる
- 手で払わない、カチカチ音がしたら離れる、黒い服を避ける
- 業者に頼むなら、種類を見てもらえるか・巣の撤去まで含むか・高所や屋根裏の追加費用を見積もりで確認する
あわせて読みたい
巣が見えるなら、巣の形で見分けるほうが確実です。作り始めの時期と、自分で対処してよい巣の線引きもまとめています。
自治体のどこに聞けばいいのかは、こちらにまとめています。
家の中で夜に刺されるなら、巣を作るハチではなく小さなハチかもしれません。
※ 本記事のハチの特徴・体長・自治体の対応の記述は、東京都保健医療局「スズメバチ」「アシナガバチ」、世田谷区「ハチの種類と生態について」(最終更新日2026年8月12日)・「ハチの巣の除去について」(最終更新日2023年7月10日)、神戸市「アシナガバチと上手につき合おう」(最終更新日2026年3月18日)、大和市「アシナガバチについて」(更新日2026年4月1日)・「スズメバチの巣の駆除について」(更新日2026年7月27日)、大阪市淀川区「ハチについて」、横浜市旭区「ハチの相談」(最終更新日2026年8月7日)、堺市「スズメバチ」(更新日2025年5月1日)・「アシナガバチ」(更新日2025年4月1日)、市川市「ハチの巣に関する相談・問い合わせ」(更新日2026年6月1日)の公表内容に基づきます(いずれも2026年10月12日時点で確認)。体長は資料によって幅があります。自治体の対応は変わることがあるため、必ずお住まいの市区町村の最新の案内をご確認ください。