一人暮らし向けの電気プランは本当に安いのか|同じ会社の3プランを並べたら逆でした
この記事を読むと分かること
- 世帯人数の名前が付いたプランは、名前どおりとは限らないこと
- 同じ会社の中で、1人暮らし向けが2人〜3人向けより高くなる区間があること
- 選ぶ基準は世帯人数ではなく、自分の使用量だということ
電気のプランには「シングル」「ファミリー」のように、世帯人数の名前が付いていることがあります。
一人暮らしなら一人暮らし向けを選ぶ。自然な選び方に見えます。ところが同じ会社の中で単価表を並べると、そうならない場合があります。
CDエナジーダイレクトの3プランを並べます
公式サイトに載っている料金表です。
| プラン | 対象 | 基本料金(30A) | 120kWhまで | 120〜300kWh | 300kWh超 |
|---|---|---|---|---|---|
| ベーシックでんき | 2人〜3人暮らし向け | 830.70円 | 29.90円 | 35.59円 | 36.50円 |
| シングルでんき | 1人暮らし向け | 885.72円 | 30.00円 | 36.60円 | 40.69円 |
| ファミリーでんき | 4人暮らし以上向け | 830.70円 | 300kWhまで定額10,085.20円 | 300kWh超は35.59円 | 同左 |
※ いずれも税込。CDエナジーダイレクト公式サイトの記載に基づく(2026年9月3日確認)。
1人暮らし向けのシングルでんきが、4つの項目すべてで2人〜3人向けを上回っています。
| 項目 | 差 |
|---|---|
| 基本料金(30A) | +55.02円 |
| 120kWhまで | +0.10円 |
| 120〜300kWh | +1.01円 |
| 300kWh超 | +4.19円 |
見返りはひとつあります。公式の注記です。
「※ シングルでんきは基本料金+電力量料金から1月につき100円割引となります。電気の使用量が0kWhだった場合は、100円割引は対象外となります。」
— CDエナジーダイレクト「シングルでんき」より原文引用(2026年9月3日確認)
毎月100円引きです。
100円引きが効くのは、月153kWhまでです
割引を入れて計算しました。30アンペア、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金は除いています。
| 月の使用量 | シングルでんき | ベーシックでんき | 安いほう |
|---|---|---|---|
| 120kWh | 4,385.72円 | 4,418.70円 | シングルが33円安い |
| 200kWh | 7,313.72円 | 7,265.90円 | ベーシックが48円安い |
| 300kWh | 10,973.72円 | 10,824.90円 | ベーシックが149円安い |
分岐点は月153kWhあたりです。そこを超えると、2人〜3人暮らし向けのほうが安くなります。
一人暮らしの平均は、その分岐点を超えています
では一人暮らしは月に何kWh使うのか。オクトパスエナジーが見積もりで使っている想定値がこうです。
| 世帯 | 想定使用量 |
|---|---|
| 一人暮らし | 約200kWh/月 |
| 二人から三人暮らし | 約290kWh/月 |
| 四人以上 | 約410kWh/月 |
※ オクトパスエナジーの見積もり画面に表示される当社推定値(2026年9月3日確認)。
一人暮らしの想定は約200kWh。さきほどの表でいうと、すでに逆転している側です。
もちろん200kWhは平均的な想定で、人によって違います。だからこそ、名前ではなく自分の数字で決めることになります。
もうひとつ、契約できるアンペアが違います
公式の注記です。
「※ シングルでんきは10~20Aのご契約はできません。」
— CDエナジーダイレクト「シングルでんき」より原文引用(2026年9月3日確認)
シングルでんきは30アンペアからです。
一方でベーシックでんきとファミリーでんきは10アンペアから契約できて、10アンペアなら基本料金は276.90円です。
使わない人ほど、名前の合うプランを選べません
20アンペアで足りる一人暮らしがシングルでんきを選ぶと、30アンペアぶんの基本料金を払うことになります。
差は月に331.92円。年にすると4,000円近くです。
自分に必要なアンペアは、いま使っているものから逆算できます。
名前が合っているプランもあります
同じ3プランのうち、名前と中身がずれているのはシングルでんきだけです。4人暮らし以上向けのファミリーでんきは、名前のとおり、使う量が多いほど安くなります。
ファミリーでんきの電力量料金は、300kWhまでが定額10,085.20円で、300kWhを超えた分が1kWhあたり35.59円です。30アンペアの基本料金830.70円を足すと、300kWhまではいくら使っても10,915.90円になります。
| 月の使用量 | シングルでんき | ベーシックでんき | ファミリーでんき |
|---|---|---|---|
| 120kWh | 4,385.72円 | 4,418.70円 | 10,915.90円 |
| 200kWh | 7,313.72円 | 7,265.90円 | 10,915.90円 |
| 300kWh | 10,973.72円 | 10,824.90円 | 10,915.90円 |
| 350kWh | 13,008.22円 | 12,649.90円 | 12,695.40円 |
| 400kWh | 15,042.72円 | 14,474.90円 | 14,474.90円 |
| 500kWh | 19,111.72円 | 18,124.90円 | 18,033.90円 |
※ 30アンペア契約。燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金は含みません。シングルでんきは毎月100円割引を適用した後の金額です。単価はCDエナジーダイレクト公式サイトで2026年9月6日に確認しました。
境目は月400kWhです。ここでベーシックでんきとファミリーでんきがちょうど同額になり、これを超えるとファミリーでんきのほうが安くなります。オクトパスエナジーが見積もりで使う4人以上の想定使用量は約410kWhですから、ファミリーでんきは名前と中身が合っています。
ずれているのはシングルでんきだけ、ということになります。しかも400kWhの時点でシングルでんきは他の2つより567.82円高く、使うほど差が開きます。
アンペアを上げるほど、差は広がりますか
広がります。シングルでんきの基本料金は、どのアンペアでもベーシックでんき・ファミリーでんきの約1.07倍で、アンペアが上がるほど差額が大きくなります。
| 契約アンペア | シングルでんき | ベーシック・ファミリー | 差(1ヶ月) |
|---|---|---|---|
| 10A | 契約できません | 276.90円 | — |
| 15A | 契約できません | 415.35円 | — |
| 20A | 契約できません | 553.80円 | — |
| 30A | 885.72円 | 830.70円 | +55.02円 |
| 40A | 1,180.96円 | 1,107.60円 | +73.36円 |
| 50A | 1,476.20円 | 1,384.50円 | +91.70円 |
| 60A | 1,771.44円 | 1,661.40円 | +110.04円 |
※ いずれも税込。CDエナジーダイレクト公式サイトで2026年9月6日に確認。
年額にすると、30アンペアで660.24円、60アンペアで1,320.48円です。基本料金だけを見ると、シングルでんきに安い区間はひとつもありません。それでも120kWh前後まではシングルでんきのほうが安く済みます。毎月100円の割引があるからです。
20アンペアで足りる一人暮らしは、どれくらいありますか
多くはありません。CDエナジーダイレクト自身が、1人暮らしの契約容量の目安を30アンペアとしています。
同社が公式サイトに載せている、家電のアンペアの目安です。
| 家電 | アンペアの目安 |
|---|---|
| 電子レンジ | 15A |
| アイロン | 14A |
| 炊飯器 | 13A |
| 乾燥機 | 13A |
| ドライヤー | 12A |
| エアコン | 6.6A |
| 液晶テレビ(42型) | 4.9A |
| 冷蔵庫(450L) | 2.5A |
※ CDエナジーダイレクト公式サイトの記載(2026年9月6日確認)。実際の数値は機種によって変わります。
冷蔵庫とエアコンをつけたまま電子レンジを回すと、それだけで24.1アンペアです。ここにドライヤーが加われば36.1アンペアになります。20アンペアでは、電子レンジとエアコンが重なった時点でブレーカーが落ちます。
さきほどの「20アンペアで足りるなら」は、条件がそろったときの話です
自炊も乾燥機も使わず、エアコンは夏と冬だけという暮らしなら20アンペアで足ります。その場合はシングルでんきを選べないので、ベーシックでんきの20アンペア(553.80円)が候補になります。
逆に、電子レンジと乾燥機を日常的に使うなら、一人暮らしでも30アンペアが要ります。アンペアを落として基本料金を下げる話は、落としても暮らしが回る人にだけ当てはまります。
では、どう選ぶか
順番はこうなります。
- いまの使用量を調べる(検針票か、電力会社のマイページに月ごとのkWhが出ています)
- 必要なアンペアを決める(引っ越しなら、ここで決まってしまいます)
- その2つを入れて、各社のシミュレーターで見積もりを取る
世帯人数から選ぶ機能を用意している会社もありますが、それは使用量が分からない人向けの代用です。検針票が手元にあるなら、そちらを使ってください。
単価表だけでは決まらない部分もあります
ここまでは同じ会社の中での比較なので、単価表を並べれば足ります。
会社をまたいで比べるときは、単価表だけでは決まりません。燃料費調整額が会社ごとに違い、符号まで逆になることがあるからです。
CDエナジーの料金ページにも、こう書かれています。
「※ 別途、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金が追加されます。」
「※ 燃料費調整額の上限設定はありません。」
— CDエナジーダイレクト「シングルでんき」より原文引用(2026年9月3日確認)
引っ越しのときは、順番があります
電気は立会いが要らない代わりに、申し込みをしないと使えません。
まとめ
- 世帯人数の名前が付いたプランは、名前どおりに安いとは限らない
- CDエナジーでは、1人暮らし向けが4項目すべてで2人〜3人向けより高い
- 見返りは毎月100円引き。効くのは月153kWhまで
- 一人暮らしの想定使用量は約200kWh。すでに逆転している側
- シングルでんきは10〜20アンペアが選べない。使わない人ほど選べない
- 選ぶ基準は世帯人数ではなく、検針票に出ている自分のkWh
- 3プランのうち、名前と中身がずれているのはシングルでんきだけ。ファミリーでんきは月400kWhから本当に安くなる
- 基本料金の差はアンペアが上がるほど広がる(30アンペアで月55.02円、60アンペアで月110.04円)
- 会社をまたぐ比較では、単価表に燃料費調整が入っていないことにも注意
基本料金が無いプランを選ぶときも、基準は同じです
基本料金が0円のプランにも同じことが言えます。こちらは世帯人数ではなく、契約アンペアで損得が逆になります。
よくある質問
Q. シングルでんきからベーシックでんきへ変更できますか
A. プラン変更の可否について、公式サイトに記載を見つけられませんでした。契約容量(アンペア)の変更については「原則1年に1回まで」と書かれています(2026年9月6日確認)。プランを変えたい場合は、お客さまセンターに確認してください。
Q. 毎月100円の割引は必ずもらえますか
A. いいえ。公式の注記に「電気の使用量が0kWhだった場合は、100円割引は対象外となります」とあります。長期の不在で使用量が0になった月には付きません。
Q. 使用量が月によって上下します。どの月の数字で見ればいいですか
A. 1年でいちばん使う月の数字で見てください。エアコンを使う夏と冬に増えるのが普通で、少ない月の数字で選ぶと、実際に多く払う月がプランの想定から外れます。
Q. 長期で家を空けるとき、基本料金はどうなりますか
A. 公式の注記に「全く電気をお使いにならない場合の基本料金は半額となります」とあります(2026年9月6日確認)。ただし使用量が0kWhになるので、シングルでんきの100円割引はなくなります。
Q. 15アンペアで契約すると基本料金はいくらですか
A. ベーシックでんきとファミリーでんきは415.35円です。公式の注記に「シングルでんき以外のプランを15Aでご契約の場合、各プランの10Aの月額基本料金の1.5倍の金額となります」とあります。シングルでんきは15アンペアでは契約できません。
Q. この記事の金額に燃料費調整額は入っていますか
A. 入っていません。燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金は、この記事の金額とは別に加算されます。CDエナジーダイレクトは「燃料費調整額の上限設定はありません」と明記しています。
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契約アンペアは引っ越しのときに決まります。
引っ越しで期限があるものだけをまとめました。
※ 料金は2026年9月3日および9月6日に各社公式サイトで確認したものです。アンペア別の基本料金、ファミリーでんきの定額料金、家電のアンペアの目安は9月6日の確認分です。単価は改定されることがあるため、お申し込み前に必ず公式サイトでご確認ください。