キンライサーと正直屋を比べる|工事費を公開しているのは片方だけ。10年保証の背負い方も違います

この記事を読むと分かること
  • 2社のうち、標準工事費を金額で公開しているのはどちらか
  • 同じ「10年保証」でも、保証を背負う相手が違うこと
  • どちらも「自社の職人が来るとは限らない」という共通点
  • 正直屋の店舗網とエディオン・ヤマダHDの動きが、10年保証の話に効いてくる理由
キンライサーと正直屋は、どちらも「10年保証」「全国対応」を掲げる給湯器交換の会社です。並べて調べている方が多いのですが、比較記事の多くは正直屋がエディオン傘下に入る前の枠組みのまま書かれています。
この記事では、2026年8月から9月にかけて各社の公式サイトで確認できた内容だけを並べます。推測は書きません。確認できなかったことは「確認できなかった」と書きます。
先に結論だけ
  • 標準工事費を金額で公開しているのはキンライサーだけ。正直屋は割引率のみ
  • キンライサーは追加工事の単価まで公開している。見積もり前に総額の見当がつく
  • どちらも10年保証だが、正直屋は「工事保証」と「製品保証」で背負う相手が違う
  • どちらも自社の職人が来るとは限らない。キンライサーは外注、正直屋はフランチャイズ
  • 関東にお住まいなら、この2社の前に東京ガスの機器交換を見積もりに入れて構いません

1. 工事費:金額を出しているのは片方だけ

2社でいちばんはっきり分かれるのがここです。
項目キンライサー正直屋
運営会社(株)キンライサージャパンネクストリテイリング(エディオン子会社)
標準工事費機器の種類別に金額を公開非公開(割引率のみ)
追加工事の単価公開している公開なし
保証(商品/工事)10年/10年(上限なし)10年/10年
対応エリア全国(拠点21箇所)店舗網を縮小中
受付24時間365日店舗ごと
※ 2026年8月時点で各社の公式サイトから確認できた内容(編集部調べ)。保証の詳細条件は各社で異なります。

キンライサーが公開している標準工事費

機器の種類標準工事費
給湯専用機(従来型/エコジョーズとも)48,300円
風呂給湯器(従来型)53,800円
風呂給湯器(エコジョーズ)59,300円
給湯暖房熱源機(従来型)75,800円
給湯暖房熱源機(エコジョーズ)78,000円
風呂釜35,200円
バランス釜41,800円
壁貫通型ふろ給湯器(パックイン)49,500円
※ 2026年8月時点のキンライサー公式サイト掲載額(編集部調べ)。撤去処分費を含む標準工事費で、機器本体の代金は含みません。
古いタイプ(風呂釜・バランス釜・壁貫通型)の金額まで出している業者はほとんどありません。古い集合住宅にお住まいの方には、この点だけでも見る価値があります。
「割引率」では安さを判断できません
正直屋のように割引率だけを掲げる場合、比べる相手はメーカー希望小売価格です。定価の高い商品ほど割引率は大きく見えます。
実際、別の業者の商品で見ると「62%OFFで116,220円」と「79%OFFで150,700円」が並んでいます。割引率が低いほうが安いという結果です。
比べるときは、同じ型番の工事費込み総額で並べてください。

追加工事の単価まで出しているのは強い

給湯器の見積もりが想定より高くなるのには、ほぼ決まった理由があります。キンライサーはその単価を公開しています。
最も大きいのが三方弁タイプへの交換で+17,160〜21,560円。マンションのパイプシャフト(PS)に給湯器があり、エコジョーズにする場合に発生します。エコジョーズ加算の数千円がかすむ規模です。
事前に自分の型番を伝えれば、この金額が乗るかどうかを見積もり前に確認できます。金額が公開されていない会社では、この確認自体ができません。

2. 同じ「10年保証」でも、背負う相手が違う

どちらも商品10年・工事10年をうたっています。ただし中身の作りが違います。
正直屋の保証は二層構造です。
  • 工事保証……正直屋(施工した店舗)が背負う
  • 製品保証……保証会社が背負う
この違いは、平常時には表に出てきません。効いてくるのは施工した店舗が無くなったときです。実際、「10年保証のはずが、フランチャイズ契約の終了で対応してもらえなかった」という事例が起きています。製品保証は保証会社に残っても、工事保証は施工店に紐づいているからです。
キンライサーは商品・工事とも10年で、保証金額の上限を設けていない点を公開しています。
保証は「内容」より「10年後に相手がいるか」で見てください
給湯器が実際に壊れるのは、使い始めてから12〜13年目以降が多い設備です。10年保証は、壊れる少し手前で切れる設計になっています。
さらに、製造終了からおよそ10年で部品供給が終わります。保証期間内でも、部品が無ければ直せません。
だからこそ、保証の条文よりも保証する会社が10年後に存続しているかのほうが実質的な差になります。

3. どちらも「自社の職人が来る」とは限らない

ここは2社の共通点です。差にはなりません。
  • キンライサー……施工は外注が中心です。Webサイトに出てくる「自社施工」という表現は、そのまま「自社の社員が工事に来る」という意味には受け取らないでください
  • 正直屋……フランチャイズ方式です。実際に工事をするのは加盟店です
これ自体は珍しいことでも、悪いことでもありません。給湯器交換は全国で件数をこなす仕事なので、大半の会社が協力会社の網を使っています。問題は、その事実を知らないまま「自社施工だから安心」と読んでしまうことです。
代わりに確認すべきなのは、実際に来る人が資格を持っているかです。
  • 簡易内管施工士……ガス配管の工事に必要
  • 指定給水装置工事事業者……水道工事に必要。水道局ごとに取る必要があるので、全国対応の会社でもあなたの地域の指定を持っているとは限りません

4. 正直屋を見るときは、会社の枠組みが動いている前提で

正直屋について書かれた記事の多くは、枠組みが古いままです。
2026年8月時点で確認できる事実は次のとおりです。
  • 正直屋を運営するジャパンネクストリテイリングは、エディオンの子会社
  • エディオンはヤマダホールディングスと経営統合の基本合意をしている
  • 正直屋の店舗網は100店舗規模から20店舗規模へ縮小している
これは「危ない」という話ではありません
大手家電量販店グループの傘下に入ること自体は、会社の存続という意味ではむしろ安定側の材料です。
ただし前の章で見たとおり、正直屋の工事保証は施工した店舗に紐づいています。店舗網が縮んでいる局面では、「10年後にその店舗があるか」を確かめる意味が普通より大きくなります。
見積もりのときに、どの店舗が施工するのか、その店舗は直営か加盟店かを聞いておいてください。
👉 正直屋そのものについては正直屋はエディオン傘下でどうなった?ヤマダHD統合と10年保証の実態で詳しく書いています。

5. 結局どちらを選ぶか

こういう方向いているのは
見積もり前に総額の見当をつけたいキンライサー(種類別+追加単価を公開)
お湯が出ず、今すぐ動いてほしいキンライサー(24時間365日受付)
風呂釜・バランス釜からの交換キンライサー(この区分の工事費を公開)
近所に店舗があり、対面で相談したい正直屋(ただし施工店を確認)
金額の比較という一点では、キンライサーのほうが判断材料が多いというのが実際のところです。正直屋は総額が見積もりを取るまで分かりません。
ただし、2社に絞る前に、もう1社入れてほしいのが正直な結論です。

関東にお住まいなら、まず東京ガスの機器交換を

東京ガスの供給エリア(一都六県が中心)にお住まいなら、東京ガスの機器交換を見積もりに入れてください。
この会社も標準工事費を機器の種類別に公開しています。金額を出している数少ない選択肢のひとつで、そのうえで東証プライム上場のインフラ企業です。この記事で見てきた「10年後に相手がいるか」という論点に対して、最も強い答えを持っています。
工事を担当するのも、東京ガスの認定基準を満たした施工会社に限られます。見積もりは無料で、立ち会いが必要なのは工事当日だけです。

エリア外なら、キンライサーで金額を確かめる

東京ガスのエリア外の方は、キンライサーで構いません。種類別の標準工事費と追加工事の単価が公開されているので、電話の前に自分の総額をおおよそ組み立てられます。24時間365日の受付なので、急なお湯切れにも動けます。
エコキュートへの交換を考えている方は、こちらの窓口です。

まとめ

  • 標準工事費を金額で公開しているのはキンライサーだけ。正直屋は割引率のみ
  • キンライサーは追加工事の単価も公開。三方弁タイプの+17,160〜21,560円を事前に確認できる
  • 同じ10年保証でも、正直屋は工事保証と製品保証で背負う相手が違う
  • どちらも自社の職人が来るとは限らない。見るべきは会社の看板ではなく、来る人の資格
  • 正直屋は店舗網が縮小中。工事保証が店舗に紐づくので、施工店を確認しておく
  • 関東圏なら、この2社の前に東京ガスの機器交換を候補に入れてよい

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※ 本記事は2026年8月〜9月時点で各社の公式サイトから確認できた内容をもとにしています。金額・保証条件・対応エリアは改定されることがあるため、申し込み前に必ず公式サイトでご確認ください。また当サイトはアフィリエイトリンクを含む媒体です。本記事は各社の公開情報をそのまま並べる方針で作成しています。