給湯器業者が「指定給水装置工事事業者」かを確かめる|指定は地域ごとに必要です
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給湯器の交換はガスの工事だけではありません。給水管にも手を入れるので、水道の側にもルールがあります。その中心が指定給水装置工事事業者です。しかもこの指定は全国共通ではなく、水道局ごとに取る必要があります。
給湯器業者を比べるとき、価格と保証はどの記事でも比較されています。一方で、水道側の資格に触れている記事はほとんどありません。
ここは知っておいて損のないところなので、制度の仕組みと確かめ方をまとめます。
なぜ給湯器で水道の話になるのか
厚生労働省の資料では、給水装置はこう定義されています。
給水装置とは
「配水管から分岐して設けられた給水管及びこれに直結する給水用具」
つまり給水管に直結される給湯器は、給水装置に含まれます。交換の際に給水管をつなぎ直すなら、それは水道の工事でもあるということです。
東京都水道局は、指定を受けた事業者が行う工事を次の4つとしています。
- 新設工事…新たに給水装置を設置する工事
- 改造工事…給水管の増径、管種変更、水栓の増設など給水装置の原形を変える工事
- 撤去工事…分岐部から取り外す工事
- 修繕工事…原形を変えずに部分的な破損箇所を修理する工事
指定給水装置工事事業者とは
水道法第16条の2に基づく制度です。水道事業者(水道局)が、給水装置工事を適正に施工できると認められる事業者を指定します。
指定の要件は3つです(同法第25条の3)。
- 事業所ごとに給水装置工事主任技術者を選任する
- 省令で定める機械器具を保有する(管の切断用器具、水圧テストポンプなど)
- 欠格要件に該当しない
そして各水道局は条例で、給水装置工事は指定給水装置工事事業者が行う旨を定めています。
なお水道法第16条には、給水装置が基準に適合していないときに給水契約の申込を拒む、または給水を停止できる旨の規定もあります。
★指定は「水道局ごと」です
ここが一番見落とされている点です。
指定は国が一括で出すものではなく、その地域の水道事業者がそれぞれ出します。東京都なら東京都水道局、横浜市なら横浜市水道局が別々に指定します。
厚生労働省の資料にも、「複数の水道事業者から指定を受けている工事事業者は、それぞれの講習会を受講する負担が大きい」という記述があります。複数の指定を取るのが前提だということです。
「全国対応」と「全国で指定を持つ」は別の話
全国対応をうたう業者でも、指定は営業する地域ごとに必要です。
だから確かめるべきなのは「その会社が指定を持っているか」ではなく、「自分の地域の指定を持っているか」です。
個人の資格と事業者の指定は別物
会社概要を見るときに混同しやすいので、先に分けておきます。
| 中身 | |
|---|---|
| 給水装置工事主任技術者 | 個人の国家資格。社員が持っているという話 |
| 指定給水装置工事事業者 | 会社が水道局から受ける指定 |
主任技術者の選任は指定の要件の一つですが、資格を持つ社員がいることと、会社が指定を受けていることはイコールではありません。会社概要に「給水装置主任技術者」と書いてあっても、それは保有資格の話です。
実際に調べてみました
主な給湯器業者について、東京都水道局の名簿と各社の会社概要を見てみました。
| 確認できたこと | |
|---|---|
| 交換できるくん | 会社概要で東京都第10796号ほか17自治体分の指定番号を公表。名簿にも子会社の株式会社KDサービスとして掲載あり |
| キンライサー | 東京都の名簿に掲載あり(港区虎ノ門) |
| 東京ガス系列各社 | 東京都の名簿に多数掲載(ライフバルを運営する各社、東京ガスリックリビング、東京ガスイズミエナジーなど) |
| ほっとハウス | 名簿に掲載あり(横浜市都筑区) |
| 湯ドクター(運営=斎木ガス) | 名簿に掲載あり(ふじみ野市) |
| ガスペック | 会社概要の許認可欄に記載なし。東京都の名簿にも見当たらなかった |
※ 2026年8月29日に確認(編集部調べ)。東京都水道局「水道工事のお申込先一覧(令和8年7月31日現在)」および各社公式サイトによる。
なお「東京ガスの機器交換」は東京ガスのサービスで、実際の工事はライフバルや認定を受けた工事店が担います。名簿に並んでいるのはその施工側の会社です。
★名簿はブランド名では引けないことがあります
ここは大事なので丁寧に書きます。
名簿で「交換できるくん」を探しても出てきません。登録されているのは株式会社KDサービスという名前だからです。KDサービスは交換できるくんの100%子会社で、本社も同じビルにあります。
名簿での掲載
株式会社KDサービス/渋谷区東一丁目26番20号 東京建物東渋谷ビル7F/指定の有効期限2029年6月24日
つまりブランド名で名簿を引いても見つからないことがあります。実際に施工を担う法人が別にあり、そちらで指定を取っている場合があるからです。
同じことは東京ガスでも起きています。名簿に「東京ガス」本体の名前はありません。登録されているのはライフバルを運営する各社と、実際に工事を担う工事店です。
受注する会社と、指定を持つ会社は別です
・東京ガス…申込は東京ガス。施工と指定はライフバル各社や認定を受けた工事店
・交換できるくん…申込は交換できるくん。施工と指定は100%子会社の株式会社KDサービス
大手ほどこの形です。ブランド名で名簿に出てこないのは、それ自体では異常ではありません。
これはこのあとの「実際に工事する会社を確かめる」という話とつながります。「名簿にない」と思ったら、まず施工会社の名前を聞いてからもう一度探してください。
なおガスペックについては、社名でも本社住所(中央区新富一丁目3番9号)でも、名簿に該当がありませんでした。ただし別名の施工会社がある可能性もありますので、この記事では「指定を持っていない」とは断定しません。気になる方は直接確かめてください。
自分の地域で確かめる方法
一番確実なのは、自分の地域の水道局で調べることです。
- 「(自治体名) 指定給水装置工事事業者 一覧」で検索する。多くの水道局がPDFや検索ページを公開しています
- 見当たらなければ、業者に直接聞く。「当地の指定給水装置工事事業者ですか。指定番号を教えてください」
- 下請けに出す場合は、実際に工事する会社が指定を持っているかを確かめる
3つ目は大事です。受注する会社と施工する会社が違うことは普通にあります。
過剰に心配する必要はありません
誤解のないように書きたいのですが、指定の有無だけで業者の良し悪しが決まるわけではありません。
工事の中身によっては給水装置工事に当たらないケースもありますし、指定を持つ協力会社に出す進め方もあります。
ただ、確かめるのはタダで、聞かれて困る業者はいないはずです。見積もりのときに一問入れておけば十分です。
まとめ
- 給水管に直結する給湯器は「給水装置」に含まれる
- 給水装置工事は水道法第16条の2に基づく指定を受けた事業者が行うことを、各水道局が条例で定めている
- 指定は水道局ごと。全国対応の業者でも営業する地域ごとに必要
- 確かめるのは「その会社が持っているか」ではなく「自分の地域の指定を持っているか」
- 給水装置工事主任技術者(個人の資格)と指定給水装置工事事業者(会社の指定)は別物
- 交換できるくんは17自治体分の指定番号を公表。キンライサー・東京ガスライフバル・ほっとハウス・斎木ガス(湯ドクター)は東京都の名簿に掲載を確認
- 名簿はブランド名では引けないことがある。交換できるくんは子会社の株式会社KDサービスとして登録されている
- 見つからないときは施工会社の名前を聞いてからもう一度探す
- 一番確実なのは見積もりのときに指定番号を聞くこと
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※ 本記事の各社の状況は2026年8月29日に確認したものです。指定の取得状況は変わることがありますので、ご契約前に必ずご自身でご確認ください。制度の記述は水道法および厚生労働省・東京都水道局の公開資料に基づきます。