給湯器のふろ機能(フルオート/オート)の違い!オートをお勧めする理由を解説!

リフォーム

※本記事にはPRが含まれています。本記事は2023年12月に作成されています。

ガス給湯器はメーカー希望小売価格で30~50万円もする設備です。ガス給湯器は外に置かれて雨風に当たりながらも10年以上使える耐久性のある設備のため、普段動いていることが当たり前で気にもしないと思います。いざ交換するとなると見慣れない機能も多く困惑するでしょう。そこで、今回はガス給湯器のふろ機能(フルオート/オート)について、リフォームの専門家が分かりやすく説明します。

しなちく
しなちく

この記事を読めば次のことがわかります。

  • 給湯器のふろ機能(フルオート/オート)が分かる
  • 自分がフルオート/オートのどちらを選べばいいか分かる

ガス給湯器の種類

ガス給湯器には大きく機能の異なる種類がありますので、その解説をします。

給湯器(給湯専用機)

給湯専用機は古い戸建てやマンション、最近では賃貸マンションでのみ見られます。蛇口からお湯を落して湯張りするタイプです。お風呂場での使い勝手の悪さ、追い炊きができないため冷めてしまった湯船は高温のお湯を足して使う必要があります。賃貸マンション・アパートを除き使用されているケースは少ないです。

ふろ給湯器

ふろ給湯器は現在最も普及しているタイプで、戸建て・マンションに広く見られます。お風呂場においては浴槽下部の循環金具から湯張りと追い炊きができ、洗い場側にも蛇口があり使い勝手が向上しています。湯張りも自動で設定した湯量まで張ってくれます。圧力センサーでお湯の高さを検知してくれているため、人が入浴していてもお湯が溢れるようなことはありません。

給湯暖房熱源機

給湯暖房熱源機はふろ給湯器に暖房機能が付いたタイプです。暖房付きふろ給湯器と言われたり、東京ガスエリアではTES(TokyoGas Eco System)とも言われます。ここで言う暖房とは、温水をフローリング内に這わせた床暖房や浴室内を乾燥させる温水式浴室乾燥機が代表的です。このような暖房設備を使用するためには給湯器は給湯暖房熱源機を選ぶ必要があります。給湯暖房熱源機は都市ガスが使用されている都心部の戸建てやマンションで広く採用されています。郊外では、プロパンガスが使用されるケースが多く、プロパンガスはガス代が高くなりやすいこともあり給湯暖房熱源機はほとんど採用されていません。

ここまで解説した種類以外にも存在するのですが、多くの戸建て・マンションではこの3つが使用されているため、他の種類については別記事で紹介予定です。
給湯専用機にはふろ機能がありませんので、この記事はふろ給湯器か給湯暖房熱源機をお使いの方向けです。

ふろ給湯器・給湯暖房熱源機の主機能

もし知っている機能があれば読み飛ばしていただいて構いません。

号数

号数とは給湯(蛇口から出るお湯や湯張り)の湯量を表しています。定義はメーカー共通で、水温+25度のお湯が1分間に出せる量(リットル)を示します。つまり、24号であれば水温+25度のお湯が1分間に24リットル出せるわけです。外気温15度・設定湯温40度の場合、24リットル出すことができるでしょう。外気温5度・設定湯温40度の場合、24リットルを出すことはできず17リットル位になります。外気温0度・設定湯温40度の場合には10リットル強しか出せないでしょう。

号数による価格の違いは次の通りです。ただし、号数は下げようと思っても下げられないケースもあります。2023年12月時点で、リンナイのメーカー希望小売価格(税込)は次のような違いがあります。

号数型番例メーカー希望小売価格ベースからの価格差
24号RUF-E2406AW(A)484,330円0円
20号RUF-E2006AW(A)457,050円-27,280円
16号RUF-E1616AW(A)422,290円-62,040円
号数の違いによるメーカー希望小売価格の違い

号数については次の記事で解説しています。

ふろ機能(フルオート/オート)

ふろ機能とはフルオート(全自動)とオート(自動)と呼ばれる機能です。自動に湯張りをするのはフルオート・オート共通です。加えて、フルオートの場合には、湯船の湯量が減ってきたら自動で足し湯をしてくれたり、入浴後に配管の簡易清掃をしてくれます

ふろ機能については、次の章で詳しく解説します。

2023年12月時点で、リンナイのメーカー希望小売価格(税込)は次のような違いがあります。

ふろ機能型番例メーカー希望小売価格ベースからの価格差
オートRUF-E2406SAW(A)428,560円0円
フルオートRUF-E2406AW(A)484,330円+55,770円
ふろ機能の違いによるメーカー希望小売価格の違い

設置場所

給湯器には設置場所毎に設置可能な機種が異なります。全体の70~80%は標準壁掛(壁掛型)であり、戸建ての場合には地面に直接設置されている据置型、マンションの場合にはパイプシャフト(PS)と呼ばれる水道管や弁類が収められているボックスの中に設置されることも多く、その中でもPS前方排気型(筒状の排気筒から排気ガスが出るタイプ)はよく見かけます。
給湯器を交換する場合には、設置場所は基本的に変更することができません。

2023年12月時点で、リンナイのメーカー希望小売価格(税込)は次のような違いがあります。多くの場合、標準壁掛タイプは割引率が大きく、その他は割引率が小さくなります

設置場所型番例メーカー希望小売価格ベースからの価格差
標準壁掛RUF-E2406AW(A)484,330円0円
据置RUF-E2405AG(B)500,390円+16,060円
PS扉内前方排気RUF-E2406AT(A)496,760円+12,430円
PS扉内後方排気RUF-E2406AB(A)496,760円+12,430円
PS扉内上方排気RUF-E2406AU(A)496,760円+12,430円
PS扉内給排気延長RUF-E2406AF(A)496,760円+12,430円
設置場所の違いによるメーカー希望小売価格の違い

エコジョーズ

エコジョーズ(高効率)は2002年に日本ガス協会と大手ガス会社によって作られました。これまでは80%台であった熱効率を90%台に改善させる画期的な商品です。エコジョーズタイプの給湯器にはエコジョーズロゴが付いています。リンナイによれば、従来型の給湯器に比べて約12%もガス使用量・ガス料金が削減できます。給湯器は10年以上使うので、エコジョーズが設置できるのであればエコジョーズを選ぶのがお勧めです。ただし、マンションのうち、特にパイプシャフト(PS)に設置されている従来型給湯器をエコジョーズに替える場合、設置が難しかったり、設置費用が高額になることが多いです。

エコジョーズについても別記事で解説予定です。

2023年12月時点で、リンナイのメーカー希望小売価格(税込)は次のような違いがあります。

効率型番例メーカー希望小売価格ベースからの価格差
非エコジョーズRUF-A2405AW(C)464,530円0円
エコジョーズRUF-E2406AW(A)484,330円+19,800円
非エコジョーズ/エコジョーズの違いによるメーカー希望小売価格の違い

リモコン

リモコンは様々な種類が出ています。リモコンの数は給湯器の機能によって大まかに分けられます。

給湯器の種類台所リモコン浴室リモコン暖房リモコン
給湯専用機
ふろ給湯器
給湯暖房熱源機
※暖房設備による
給湯器の種類と必要なリモコンの種類

リモコンには機能がシンプルなものから、インターホン機能、IoT(スマホ操作)対応など様々な種類が存在しますので、こちらも別記事で解説予定です。

ふろ機能(フルオート/オート)とは

ふろ機能とは前章で説明した通り、フルオート(全自動)とオート(自動)があります。それぞれに含まれる機能を整理すると次のようになります。

機能フルオートオート
湯張り自動自動
残り湯がある状態での湯張り一定水位水位バラつき
保温・追い炊き自動自動
入浴検知自動なし
足し湯自動手動
追い炊き管の自動洗浄自動なし
フルオートとオートの機能の違い

パロマのふろ給湯器では、オートでも追い炊き管の自動洗浄機能が付いています。お得ですね!

それぞれについて詳しく見ていくと以下の通りです。

湯張り

フルオート・オート共通で、設定した水位までボタン一つで湯張りができます。

残り湯がある状態での湯張り

リモコンの「ふろ自動」を押した場合、残り湯があっても自動で湯張りすることができます。
フルオートでは、残り湯があったとしても設定水位まで自動で湯張りすることができます。
オートでは、残り湯が循環口(循環金具、お湯が出てくる所)よりも上にある場合、水位がバラツキます。また、残り湯の温度が設定温度に近い場合は追い炊きをするのではなく約6Lのお湯が出てきます。残り湯が循環口より下にある場合は、新たに設定量の湯張りをするため、存在していた残り湯の分だけ水位が高くなります。

保温・追い炊き

フルオート・オート共通で、約30分毎にお湯の温度を計測します。浴槽のお湯の温度が下がると自動的に追い炊きを始めます。計測時間は0,1,2,4,6,8時間から選べます。

入浴検知

フルオートのみの機能で、浴槽に人が入ったことを自動で検知し、ぬるくなったお湯を追い炊きして設定温度に保ちます。大家族の場合、入浴の順番が遅い人が入る頃にお湯の温度が下がっていることがあると思います。そのような現象を防げます。

足し湯

フルオートでは、設定水位より約3cm下がるたびに設定した水位まで湯量を自動で足し湯します
オートでは、「足し湯」ボタンを押すことで、約20Lのお湯が足されます。最近の浴槽は約200Lですから、約10%分足されるイメージです。

追い炊き管の自動洗浄

フルオートのみの機能で、浴槽のお湯を捨てる際に、設定したお湯の温度で約5Lのお湯を作り、流すことで配管内を自動的に洗浄します。追い炊きは、元々浴槽に存在したお湯を循環して焚き上げるので、追い炊き管の中には汚れたお湯が存在します。それを排出してくれる機能です。リンナイによればこの機能により一般細菌が1/3以下に減少するとのことです。

※パロマのふろ給湯器では、オートでも追い炊き管の自動洗浄機能が付いています。

迷ったらオートを選ぶ

リンナイ等メーカーは迷ったらフルオートを選ぼう、と宣伝しています。
https://rinnai.jp/products/waterheater/gas/what/fullauto/

わたしは多くのご家庭はオートで十分だと考えています。
わたし自身、オートを選択しています。現在フルオートを使用していてもオートを選択することできますので検討してみてください。

オートで良いかは、追い炊きをどのくらい使用するか、それに対してどの程度のコストを許容するか、がポイントになると思っています。以下の観点で検討チェックすると良いでしょう。わたしの家ではどの項目も該当するため、オートが合っています。皆さんはどうでしょうか?

家族の生活リズムが近しいか

家族の生活リズムが近しい場合、オートがお勧めです。家族の構成メンバーの生活リズムが似ている場合、追い炊きを使わないことが多いです。19時に夕食を済ませ、20時以降に順番に入浴する場合、お湯が冷める前に全員の入浴が終わります。このような場合には追い炊きは殆ど使用されないでしょう。
逆に、塾やバイト帰りで23時頃に入浴する高校生や大学生が同居している場合、朝風呂派の家族がいる場合には、どうしても追い炊きは欠かせなくなってしまいます。ただし、このように入浴タイミングがずれている場合、ふろ自動モードにしておくと常に保温されてしまうためガス代が余計にかかってしまうので注意してください。

大家族ではないか

大家族でない場合、オートがお勧めです。お風呂の湯温は40度くらい、人の体温は36度くらいです。そのため、入浴すれば湯温が低下します。家族の人数が4人くらいまでであれば、家族の入浴が終わるまでにぬるくなってしまうことはないでしょう。
家族人数が6人以上にもなれば、入浴が終わるのも2時間はかかるでしょうし、入浴のたびに湯温が低下していきます。この場合には追い炊きが必要でしょう。また、大家族の場合には、浴槽のお湯を使う量も多いでしょうから、自動湯張りを細かにできるフルオートの方が便利だと思います。

浴室の断熱性は高いか

浴室の断熱性が高い場合、オートがお勧めです。最近のユニットバスは浴槽が断熱性の高いFRP(強化プラスチック)でできており、さらに浴槽の周りには断熱材が敷き詰められています。例えば、TOTOの最近のユニットバスに標準搭載されている魔法びん浴槽では、4時間後の湯温の低下がわずか2.5度に抑えられています。従来の浴槽では2時間で2.5度低下していたということですから、断熱性は2倍になっています。TOTOの試算では、追い炊きが減らせる分、使用エネルギーが約56%も節約できるとのことです。このような高断熱のユニットバスが登場したのは2000年中盤です。このようなユニットバスを使用しているご家庭であれば追い炊きを使用する頻度は低いと思います。
逆に、従来のタイル張りの浴室の場合には、断熱性も乏しいため、浴槽の湯温がすぐに冷めてしまいます。このような場合には追い炊きの頻度も多く、フルオートの方が良いでしょう。

イニシャルコストが抑えたいか

イニシャルコストを抑えたい場合、オートがお勧めです。前章で説明した通り、フルオートとオートの商品のメーカー希望小売価格の差は5万円以上です。実際には60~80%の値引きが行われて売られることもありますので、販売価格としては1~2万円の差となります。給湯器は10年以上使用しますので微々たる差といえば微々たる差です。特に価格差を気にならない方はフルオートを、少しでも安く交換しておきたい方はオートを選択してみてください

まとめ

今回は、ガス給湯器のふろ機能(フルオート/オート)について、リフォームの専門家が解説しました。

フルオートとオートはどちらを選んでも自動湯張りが可能、フルオートを選べば入浴を検知してくれたり、自動保温されたり、配管を自動洗浄したり、と言ったメリットがあります。

その分、フルオートはメーカー希望小売価格で5万円以上、販売価格で1~2万円高くなります。次の項目をチェックして該当する方はオートを選択するのがお勧めです。

  • 家族の生活リズムが似ている
  • 大家族ではない(4人程度)
  • 浴室の断熱性が高い(最近のユニットバスを使用している)
  • イニシャルコストを抑えたい

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  • 戸建て・マンションの持ち家にお住まいなこと(賃貸ではないこと)
  • 家庭用の用途でお使いなこと(飲食店などでの利用ではないこと)
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キンライサーについては以下の記事でも紹介していますので是非ご参考ください。

記事:キンライサーの口コミ調査

本日の記事は以上です。ありがとうございました。

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