住宅ローンの融資手数料は「借入額の2.2%」と「定額+保証料」の2つの型があります|3,000万円・30年なら66万円と60.7万円、差を決めるのは金利と繰り上げ返済
住宅ローンの融資手数料は、お金を借りるときに銀行へ払う手続きの費用です。金額の決め方には大きく2つの型があり、借入額の2.2%(税込)を払う「定率型」と、3万〜5万円程度の定額を払う代わりに保証料が別にかかる「定額型」に分かれます。3,000万円を30年で借りる例では、三井住友信託銀行の公表値で、定率型が66万円、定額型が保証料込みで60万7,050円です。
この記事では、銀行が自社サイトに載せている手数料表をもとに、2つの型の違い、実際の金額、繰り上げ返済をしたときに戻るお金、住宅ローンに組み込めるかどうかを順に並べます。金額はすべて2026年9月26日に各行の公式サイトで確かめたものです。
住宅ローンの融資手数料とは何ですか
住宅ローンの融資手数料は、ローンの契約手続きの対価として、借入時に金融機関へ払う費用です。三菱UFJ銀行は、同じ費用が「事務手数料」「融資手数料」「取扱手数料」と呼ばれることもあると説明しています(2026年9月25日付の同行コラム)。
名前が違っても、見るべきところは同じです。借入額に比例する定率か、借入額に関係のない定額か、そして保証料が別にかかるかどうかです。
住宅ローンの諸費用の中では、登記費用や火災保険料と並んで大きな項目です。ほかの諸費用の全体像は、次の記事にまとめています。
融資手数料の「定率型」と「定額型」は何が違いますか
定率型は借入額の2.2%(税込)前後を払う代わりに保証料が要らない型、定額型は数万円の手数料に加えて保証会社への保証料を払う型です。三菱UFJ銀行のコラムは、目安を次のように示しています。
| 型 | 融資手数料の目安 | 保証料 |
|---|---|---|
| 定率型(事務手数料型) | 借入額×2.2%(税込) | 不要なケースが多い |
| 定額型(保証料型) | 3万〜5万円程度 | 別に必要なケースが多い |
※ 三菱UFJ銀行「住宅ローンの事務手数料とは?保証料との違いや相場を解説!」(2026年9月25日付)の目安です。個別の金融機関の金額ではありません。
同じコラムは、三菱UFJ銀行の住宅ローンが定率型(事務手数料型)を採用していることも明記しています。ドコモSMTBネット銀行(2026年8月3日に住信SBIネット銀行から社名変更)のWEB申込コースは、事務取扱手数料を「融資金額の2.2%」としています。
一方、三井住友信託銀行は、定率型の「融資手数料型」と、定額型の「保証料型」の両方を用意しています。1つの銀行の中で2つの型を選べるので、差を比べる材料としてはこの銀行の公表値がいちばん使いやすい形です。
定額型でかかる保証料は、どう払いますか
定額型の保証料は、借入時にまとめて払う「一括前払い方式(外枠方式)」と、金利に上乗せして毎月の返済に含める「金利上乗せ方式(内枠方式)」のどちらかで払います。
| 払い方 | 払うとき | 金額の決まり方 |
|---|---|---|
| 一括前払い方式(外枠方式) | 借入時にまとめて | 借入額・借入期間・返済方法で変わる |
| 金利上乗せ方式(内枠方式) | 毎月の返済に含めて | 金利に年0.2%上乗せ(目安) |
三井住友信託銀行の手数料一覧では、保証料型を選んだ場合、保証会社宛ての保証取扱手数料が1件33,000円(税込)かかり、保証料は金利上乗せ方式なら「一括前払い方式のお借入利率に年0.2%上乗せ」とされています。
一括前払い方式の保証料は、借入額3,000万円・借入期間30年の場合で、元利均等返済が574,050円、元金均等返済が458,130円です(同行の計算例)。
なお、融資手数料型を選んだ場合の保証料について、同行は「保証料(保証会社宛て)は当社が負担します」と書いています。保証料が無くなるのではなく、銀行が払っている形です。
3,000万円を30年で借りると、手数料はいくら違いますか
借入額3,000万円・借入期間30年・元利均等返済で、三井住友信託銀行の公表値を並べると、借入時に払う額は定率型が66万円、定額型(一括前払い)が60万7,050円で、定額型のほうが5万2,950円少なくなります。
| 型 | 借入時に払う額 | 内訳 |
|---|---|---|
| 融資手数料型(定率) | 660,000円 | 3,000万円×2.2%(税込) |
| 保証料型・一括前払い方式 | 607,050円 | 保証取扱手数料33,000円+保証料574,050円 |
| 保証料型・金利上乗せ方式 | 33,000円 | 保証取扱手数料のみ(保証料は金利に年0.2%上乗せ) |
※ 三井住友信託銀行「ローン手数料一覧(住宅ローン、アパートローン)」の金額から編集部が合計しました。保証料は同行の計算例(3,000万円・30年・元利均等返済)の値です。
ただし、借入時に払う額だけでは比べられません。三井住友信託銀行のよくある質問では、借入利率は保証料型が「高い」、融資手数料型が「低い」とされています。この差の幅は、同じページには書かれていません。
金利の差がどのくらいで、初期費用の5万2,950円が逆転するかを試算しました。3,000万円・30年・元利均等返済で、金利が年0.01%違うと、30年間の返済総額の差は、金利1.0%で約4万9,600円、1.5%で約5万1,800円、2.0%で約5万4,000円です(編集部試算)。
つまり、定額型の金利が定率型より年0.01%高いだけで、30年借り続けた場合の差はほぼ埋まります。金利差がそれより大きければ、最後まで返す前提では定率型のほうが総額で安くなる計算です。
金利上乗せ方式は、さらに差が大きくなります。同じ3,000万円・30年・元利均等返済で金利が年0.2%上がると、毎月の返済額は金利1.0%で約2,780円増え、30年間で約100万円多く払うことになります(金利2.0%なら約109万円。編集部試算)。一括前払い方式の保証料574,050円より、およそ43万〜51万円多い計算です。
※ 試算は、金利が30年間変わらず、繰り上げ返済をしない場合の単純な計算です。実際の返済額は、金利の種類や変動によって変わります。
繰り上げ返済をすると、融資手数料や保証料は戻りますか
定率型の融資手数料は、繰り上げ返済をしても戻りません。三菱UFJ銀行のコラムは、事務手数料は「早期返済による返金はない」と明記しています。
一方、一括前払い方式で払った保証料は、繰り上げ返済で返済期間が短くなると、残りの期間に応じて一部が「戻し保証料」として返ってきます。三井住友銀行の手数料ページも、保証料外枠方式(融資時に一括で払う方式)の場合は、未経過分の保証料を保証会社所定の方法で計算して口座へ返すとしています。
金利上乗せ方式では、戻る保証料はありません。三井住友銀行は、保証料内枠方式(保証料が金利に含まれている場合)は「返戻する未経過分の保証料は発生いたしません」としています。
| 型 | 繰り上げ返済で戻るお金 |
|---|---|
| 融資手数料型(定率) | なし |
| 保証料型・一括前払い方式 | 未経過分の保証料が戻る(手数料が差し引かれることがある) |
| 保証料型・金利上乗せ方式 | なし |
戻し保証料からは、保証会社の手数料が差し引かれることがあります。三菱UFJ銀行は期限前に完済する場合の保証会社事務手数料を11,000円(税込)とし、戻し保証料の範囲内で差し引くとしています。三井住友信託銀行も、全額繰り上げ返済のときは保証料返戻事務取扱手数料(三井住友トラスト保証の場合1件11,000円・税込)と保証解約料がかかり、戻す保証料の範囲内で差し引くとしています。
早めに多く返す予定がある人ほど、一括前払い方式の保証料が戻る分だけ、定額型が有利に動きます。繰り上げ返済で気をつけたい住宅ローン控除との関係は、次の記事で扱っています。
融資手数料は、住宅ローンに組み込めますか
融資手数料は、多くの住宅ローンで借入額に含めることができます。ドコモSMTBネット銀行は、事務取扱手数料や諸費用(印紙代、登記費用、火災保険料)も合わせて借り入れられるとし、仮審査の申込時に手数料・諸費用分を上乗せした借入金額を入力するよう案内しています。
同行の事務取扱手数料は、口座を経由せず、融資金額から直接差し引かれます。3,000万円を借りた場合、手数料66万円を引いた残りが入金されるので、物件の代金と諸費用を払う日の資金計画は、差し引かれる前提で組む必要があります。
フラット35でも、住宅金融支援機構のよくある質問(Q&A487「借入対象となる諸費用」)が、借入対象となる諸費用の一つに融資手数料を挙げています。
ただし、組み込んだ手数料にも金利がかかります。借入額が増えれば、定率型の手数料そのものも増えます。頭金と借入額の関係は、次の記事にまとめています。
フラット35の融資手数料はいくらですか
フラット35の融資手数料は、取扱金融機関によって違います。住宅金融支援機構のフラット35の「ご利用条件」(2026年4月1日現在)は、融資手数料は取扱金融機関により異なり、取扱金融機関と金利情報ページで案内しているとしています。
同じページで、フラット35は保証料と繰上返済手数料が「必要ありません」、保証人も「必要ありません」とされています。民間の住宅ローンのように、保証料型と融資手数料型を選ぶ仕組みそのものがありません。
そのため、フラット35どうしを比べるときは、取扱金融機関ごとの金利と融資手数料の組み合わせを見ることになります。
定率型と定額型は、どちらを選べばよいですか
どちらが得かは、2つの型の金利差と、繰り上げ返済をする予定で決まります。借入時に払う額の大小だけで選ぶと、結果が逆になることがあります。
- 最後まで返す予定で、定率型の金利のほうが低い:30年借りる場合、金利差が年0.01%程度で初期費用の差は埋まる(3,000万円の試算)
- 早めに繰り上げ返済をする予定がある:一括前払い方式の保証料は未経過分が戻るので、定額型が有利に動く
- 借入時の現金を減らしたい:金利上乗せ方式は初期費用が数万円で済むが、30年間の支払いは一括前払いより多くなる
- フラット35を使う:保証料は無いので、取扱金融機関ごとの金利と融資手数料を並べて比べる
比べるときは、同じ借入額・同じ期間で、各行のシミュレーションに手数料込みの総返済額を出してもらうのが確実です。金利の仕組みそのものは、次の記事で整理しています。
よくある質問
融資手数料の2.2%には、消費税が含まれていますか
含まれています。三井住友信託銀行は「お借入金額の2.2%(税込み)」、ドコモSMTBネット銀行も手数料を消費税込みで表記しています。税抜にすると借入額の2%です。
融資手数料は、繰り上げ返済で戻ってきますか
定率型の融資手数料は戻りません。戻る可能性があるのは、定額型で一括前払いした保証料の未経過分だけです。その場合も、保証会社の手数料(三菱UFJ銀行・三井住友信託銀行とも11,000円・税込)が差し引かれることがあります。
融資手数料と保証料は、両方払うことがありますか
定額型を選ぶと、数万円の手数料と保証料の両方を払います。三井住友信託銀行の保証料型なら、保証取扱手数料33,000円(税込)に加えて保証料がかかります。定率型では、三菱UFJ銀行のコラムが示すとおり、保証料が不要なケースが多くなっています。
手数料の仕組みが分かったら、お金の順番を決めるために
融資手数料の2つの型が分かると、銀行から出てきた見積もりのどこを比べればよいかが見えてきます。そのうえで、いくら借りるか、手元にいくら残すかは、家計の側から決めることになります。
住宅購入の費用だけでなく、家計の組み立てや資産の置き方まで一続きで学び直したい場合は、ファイナンシャルアカデミーの「お金の教養講座」に無料体験セミナーがあります。特定の金融商品の販売ではなく、お金の扱い方を体系立てて教える講座です。
出典(2026年9月26日に取得):三菱UFJ銀行「住宅ローンの事務手数料とは?保証料との違いや相場を解説!」(2026年9月25日付)・「借入後に必要な住宅ローン手数料」(2025年8月1日現在)/三井住友信託銀行「ローン手数料一覧(住宅ローン、アパートローン)」・よくあるご質問No.7035「住宅ローンの保証料型と融資手数料型の違いはなんですか」/三井住友銀行「ローン手数料(住宅ローン等)」(2025年10月1日現在)/ドコモSMTBネット銀行「手数料・諸費用|WEB申込コース」・「ドコモSMTBネット銀行への社名変更について」/住宅金融支援機構「フラット35 ご利用条件」(2026年4月1日現在)・「借入対象となる諸費用とはどのようなものですか?」。表の合計額と、金利差・金利上乗せの試算は、公表値をもとに編集部が計算したものです。
※ この記事は一般的な仕組みの説明です。手数料と金利は金融機関や商品、時期によって変わるので、申し込む前に各金融機関の最新の条件を確かめてください。