住宅ローンを変動から固定に変える道は2つあります|フラット35の全期間固定は年3.460%、変動の実勢は1%台です
この記事を読むと分かること
- 変動から固定へ変える道は「同じ銀行で固定金利特約に切り替える」「他の金融機関へ借り換える」の2つで、手続きも費用も別物であること
- 全期間固定の実勢はフラット35で年3.460%、変動の実勢は1%台で、差は2ポイント前後あること
- 固定に変えると、変動にあった125%ルールの上限がなくなること
- 同じ銀行の住宅ローンからフラット35へ借り換えられるかは、金融機関ごとに取扱いが違うこと
変動金利で借りている人が「そろそろ固定にしたほうがよいのでは」と考えたとき、まず分かれ道になるのは金利の損得ではなく、手続きが2通りあることです。この記事では、その2通りの違いと、公表されている金利の水準、そして固定に変えたときに何が変わるのかを、住宅金融支援機構と銀行の公表資料だけで並べます(2026年9月24日確認)。どちらを選ぶべきかは借入残高・残り期間・家計の状況で変わるため、ここでは判定ではなく、公表されている決まりと数字だけを置きます。
変動から固定に変える方法は2つありますか
変動から固定に変える方法は、同じ銀行のなかで固定金利特約に切り替える方法と、別の金融機関へ借り換える方法の2つです。前者は契約を結び直さず、銀行の窓口やアプリで金利タイプを変更します。後者は新しいローンを借りて今のローンを全額返し、抵当権も設定し直します。
| 比べるところ | 同じ銀行で固定金利特約に切り替える | 他の金融機関へ借り換える |
|---|---|---|
| 契約 | いまの契約のまま、金利タイプだけ変える | 新しい契約を結び、いまのローンは全額返す |
| 固定できる期間 | 2年・3年・5年・10年などの特約期間 | 全期間固定を選べる(フラット35など) |
| 審査 | 原則として新たな審査はない | 新規の借入れとして審査がある |
| 期間が明けたあと | 変動に戻るか、再び固定を選び直す | 全期間固定なら完済まで変わらない |
ここを混ぜて考えると、話が噛み合わなくなります。「固定にすると10年で終わってしまう」という説明は前者のこと、「固定にすると完済まで金利が変わらない」という説明は後者のことです。
全期間固定の金利は年何%ですか
住宅金融支援機構のフラット35は、2026年9月資金受取分で年3.460%です。これは借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下で、取扱金融機関のなかで最も多い金利です。
| 商品 | 借入期間 | 融資率9割以下の金利の範囲 | 最も多い金利 |
|---|---|---|---|
| フラット20 | 20年以下 | 年3.140%〜年5.370% | 年3.140% |
| フラット35 | 21年以上35年以下 | 年3.460%〜年5.690% | 年3.460% |
| フラット50 | 36年以上50年以下 | 年3.700%〜年5.620% | 年3.700% |
※ 出典:住宅金融支援機構「金利情報」(2026年9月分・新機構団信付き)。2026年9月24日に確認。融資率9割超は、フラット35で年3.570%〜年5.800%(最も多い金利は年3.570%)です。
団信の種類でも上乗せがあります。デュエット(ペア連生団信)は掲載金利に年0.18%、新3大疾病付機構団信は年0.24%が加わります。夫婦で加入する予定があるなら、比べるときの数字は3.460%ではなく3.640%です。
変動の金利はいまどのくらいですか
変動の適用金利は、2026年9月時点で1%台が中心です。次の表は、当ブログが2026年9月21日に各行の公表ページで確認した値です。
| 銀行 | 基準金利(店頭表示金利) | 適用される変動金利 |
|---|---|---|
| 三菱UFJ銀行 | 年3.375% | 公表なし |
| 三井住友銀行 | 年3.375% | 年1.525%〜年3.375% |
| みずほ銀行 | 年3.125%(当ブログの逆算) | 年1.025%〜年1.475% |
| auじぶん銀行 | 年3.141% | 年1.134% |
| ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行) | 年3.775% | 年1.20% |
※ 出典:各行の公表ページ。2026年9月21日に確認。三井住友はアカウント開設と給与振込口座の指定が前提、auじぶんは全期間引下げプランで借入金額割合80%以下の場合、ドコモSMTBネット銀行は対面申込コースの通期引下げプランで2026年9月実行分です。みずほの基準金利は公表値ではなく、引下幅と適用金利からの逆算です。
基準金利そのものも銀行ごとに違います。同じ「変動」でも、基準金利が年3.125%の銀行と年3.775%の銀行があり、引下幅の大きさだけを見ても比べられません。
全期間固定の3.460%と並べると、差はおおむね2ポイント前後です。ただしこの差は「いま」のものです。変動の適用金利は基準金利が動けば動きます。みずほ銀行は公表ページで「2026年9月30日までに年1.025%〜でお借り入れした場合、2027年1月返済分から年1.275%〜が適用されます」と予告しています。日本銀行は2026年9月18日に政策金利を年1.25%程度へ引き上げました。
固定に変えると、125%ルールはどうなりますか
固定に変えると、125%ルールの上限はなくなります。三井住友銀行は125%ルールの適用の有無を表で公開していて、固定金利特約型と超長期固定金利型(全期間固定)はどちらも対象外です。同じ表には「固定金利特約型から変動金利型への切替時は適用されません」という注記も付いています。
見落とされやすいのは、特約期間が明けて変動に戻る瞬間です。イオン銀行も「固定金利特約期間終了日の翌日以降は(略)その際には、前回のご返済額の1.25倍の制限は適用されません」と書いています。2行が独立して同じことを書いているので、固定を挟むと、戻ったときに上限のない再計算が一度入ると考えるのが安全です。
もっとも、125%ルールは返済額を減らす仕組みではありません。上限を超えた分は先送りされるだけです。仕組みそのものは次の記事で扱っています。
同じ銀行のローンからフラット35へ借り換えられますか
金融機関によって取扱いが違います。住宅金融支援機構は借換えの説明ページで、民間金融機関からの借換えもフラット35や機構の住宅ローンからの借換えも可能としたうえで、次のように書いています。
同一金融機関内において、当該金融機関の住宅ローンから【フラット35】へ借換えできるかについては、金融機関によって取扱いが異なります。
※ 出典:住宅金融支援機構「借換融資の検討」。2026年9月24日に確認。
つまり「いまの銀行でフラット35を扱っているから、そのまま乗り換えられる」とは限りません。借換えを前提に比べる前に、いまの借入先がその取扱いをしているかを先に聞くほうが早道です。
同じページは、比べるときに諸費用を含めた総費用で見るよう求めています。借換えは新しいローンを組み直す手続きなので、事務手数料や登記の費用が別にかかります。金利差だけで判断すると、その分を数えそこねます。なお、借換えのときの抵当権設定に住宅取得時と同じ軽減税率が使えるかどうかは、今回は確認できませんでした。金額を見積もる段階で、司法書士か借入先に確かめてください。
金利タイプの前に、家計の側から考えるなら
金利タイプは自分で選べますが、基準金利は選べません。自分で決められるのは借入額、返済期間、そして繰上返済の計画のほうです。
ただし繰上返済は、方式を選び間違えると住宅ローン控除が使えなくなります。返済期間を縮める方式で償還期間が10年未満になると、その年から対象外です。
お金の流れ全体を学び直したい場合は、ファイナンシャルアカデミーの「お金の教養講座」に無料体験セミナーがあります。住宅ローンだけでなく、家計の組み立てや資産運用までを一続きで扱う講座です。
よくある質問
変動から固定への切り替えは、いつでもできますか
固定金利特約への切り替えは、銀行が定める手続きに沿って行います。受付の方法や必要な日数は銀行ごとに違い、切り替え後の適用金利は手続き時点のものになります。いまの銀行の商品説明書か窓口で、受付の締め日と適用日を先に確かめてください。
固定にすれば、返済額はもう変わりませんか
全期間固定なら完済まで変わりません。固定金利特約型は特約期間のあいだだけで、期間が明けたら変動に戻るか、その時点の金利で固定を選び直します。同じ「固定」でも意味が違います。
2ポイントの差があるなら、変動のままでよいのではありませんか
いまの差はそのとおりですが、変動の金利は基準金利が動けば動きます。当ブログの試算では、借入3,000万円・35年・元利均等・当初年1.0%の条件で、5年後の再計算額が125%ルールの上限に届くのは年2.63%のときでした。どちらが有利かは、この先の金利と自分の残り期間で決まるため、断定できません。
借換えの費用はいくらかかりますか
金融機関と物件によって変わるため、一律の金額は示せません。住宅金融支援機構も「諸費用を含めた総費用を考慮する」とだけ書いており、金額は示していません。事務手数料は借入金額に対する割合で決める金融機関が多く、これに登記の費用が加わります。見積もりは借入先から取ってください。
まとめ
- 変動から固定に変える方法は、同じ銀行で固定金利特約に切り替えるか、他の金融機関へ借り換えるかの2つです
- 全期間固定の実勢は、フラット35(21年以上35年以下・融資率9割以下)で年3.460%です(2026年9月分・最も多い金利)
- 変動の適用金利は1%台が中心で、差はおおむね2ポイント前後です(2026年9月21日確認)
- 固定に変えると125%ルールの上限はなくなり、特約が明けて変動に戻るときは上限のない再計算が一度入ります
- 同じ銀行の住宅ローンからフラット35へ借り換えられるかは、金融機関ごとに取扱いが違います
- 比べるときは金利差だけでなく、諸費用を含めた総費用で見ます