脱毛サロンの倒産が過去最多|ローンだけ残るリスクと、契約前に確認すべき5つのこと

脱毛の契約を検討しているとき、料金や効果は調べても、その会社が最後まで施術をしてくれるかを確かめる人は少ないと思います。
しかしここ数年、脱毛業界では倒産が相次いでいます。しかも契約者の多くは、施術を受けられなくなったのにローンの支払いだけが残るという状態に置かれました。
この記事では、実際に何が起きているのか、なぜこの業界で倒産が多いのか、そして契約前に何を確認すれば良いのかをまとめます。特定の事業者を危険視する目的ではなく、業界の構造を知っておくための内容です。

実際に何が起きているか

帝国データバンクと東京商工リサーチの集計によると、近年の主な破産事例は次のとおりです。
時期サービス名(運営会社)負債額
2022年8月脱毛ラボ(セドナエンタープライズ)約60億円
2023年9月全身脱毛C3(ビューティスリー)約80億円
2023年12月銀座カラー(エム・シーネットワークスジャパン)約58億5,700万円
2024年12月アリシアクリニック(美実会・八桜会)約124億7,133万円
東京商工リサーチによれば、2024年の脱毛サロンの倒産は16件で2年連続で過去最多を更新し、被害者は2年超で少なくとも約27万人に達しています。
特に大きかったのが2024年12月のアリシアクリニックです。運営する医療法人社団美実会と一般社団法人八桜会が東京地裁へ自己破産を申請し、債権者は約9万2千人にのぼりました。ピーク時の2021年4月期には年収入高約163億円を計上していた規模です。
つまり大手だから安心、とは言い切れないのがこの業界の現状です。

なぜ脱毛業界は倒産が多いのか

偶然ではなく、ビジネスモデルに構造的な理由があります。

理由1:完了した顧客は戻ってこない

飲食店や美容室と違い、脱毛は施術が完了するとリピートが発生しません。だから常に新規客を獲得し続けなければ売上が維持できない。

理由2:新規獲得のコストが高騰した

結果として広告宣伝費が膨らみます。広告を打ち続けないと新規が止まり、止まれば売上が止まるという構造です。

理由3:前払い・長期ローンで稼ぐ仕組み

ここが最も重要です。「月額数千円」「通い放題」といったプランは、施術を提供する前に代金を受け取る形になります。
受け取ったお金は、本来なら将来の施術のために取っておくべきものです。しかし実際には目の前の広告費や出店費用に回されることが多い。新規が鉱った瞬間に、既存契約者への施術を提供する原資がなくなります。
これが役務提供前のキャッシュフローショートと呼ばれる倒産パターンです。

倒産すると利用者はどうなるか

ここが一番知っておいてほしいところです。

既に支払ったお金は戻りにくい

破産手続きになると、利用者は多数いる債権者の一人として扱われます。アリシアのケースでは債権者が約9万2千人。実際に戻ってくる額は、残っている資産を分けあうことになります。

ローンは自動では消えない

クリニックがなくなっても、信販会社とのローン契約は別です。 何もしなければ引き落としは続きます。施術を受けられないのに支払いだけが残る、というのはこのことです。

ただし「支払停止の抗弁」という制度があります

割賦販売法には、分割払いのクレジット契約について役務が提供されないことを理由に、信販会社への支払いを拒める場合があるという仕組みがあります。
適用には支払回数や金額などの条件があり、すべてのケースで使えるわけではありません。ただ「仕方ない」と諦める前に相談する価値はあります。相談先は消費者ホットライン(全国共通番号 188)や、契約した信販会社です。
現金一括で前払いしている場合は、この制度を使えません。 これは支払い方法を選ぶときの判断材料になります。

契約前に確認すべき5つのこと

1. 支払い方法の選択肢があるか

前払い一括しかないのか、都度払いや回数ごとの支払いが選べるのか。前払い額が小さいほど、万が一のときの損失は小さくなります。

2. 途中解約時の返金規定

回数が多いコースほど重要です。未消化分がどう扱われるかを、契約前に書面で確認してください。

3. 運営主体がどこか

クリニック名と運営法人は別です。契約書に記載されるのは法人名で、倒産するのも法人です。どこが運営しているのかは見ておいて損はありません。

4. 急拡大していないか

短期間で店舗を増やし、広告を大量に打っているサービスは、その分の固定費を背負っています。成長そのものは悪いことではありませんが、新規が止まったときに耐えられるかという視点は持っておくべきです。

5. 「今だけ半額」の圧力に負けていないか

その場での即決を迫る割引は、キャッシュを急いでいる兆候である可能性もあります。持ち帰って検討すると言って嬉しそうな対応をするところのほうが、結果的に安全だと思います。

過度に恐れる必要はありません

ここまでリスクを書きましたが、「脱毛は危険だからやめておけ」という話ではありません。
倒産の多くは前払い・長期ローンを前提にしたビジネスモデルで起きています。つまり、支払い方法と契約形態を選べば、リスクは相当に下げられます。
私自身は4年かけて20回通いましたが、途中で不安になったことはありません。長く通うことになる契約だからこそ、料金と同じくらい、契約の中身を見ておくというだけの話です。

よくある質問

倒産したら支払いは止まりますか?

自動では止まりません。分割払いのクレジット契約なら「支払停止の抗弁」を信販会社に申し出ることで支払いを止められる場合があります。条件があるので、まず消費者ホットライン(188)に相談してください。

大手なら安心ですか?

アリシアクリニックはピーク時に年収入高約163億円を計上していました。規模だけでは判断できません。規模よりも、前払いをどれだけ抱えているビジネスモデルかを見るほうが実態に合います。

医療脱毛とエステ脱毛で違いはありますか?

倒産はどちらでも起きています。ただし医療脱毛は医療機関としての規制を受ける分、開業・運営のハードルは高めです。とはいえアリシアは医療法人でしたので、これも保証にはなりません。

契約前に経営状態を調べられますか?

個人が詳細な財務情報を見るのは難しいです。現実的には支払い方法と返金規定で自分のリスクを下げるのが最も確実です。

まとめ

  • 2024年の脱毛サロン倒産は16件で過去最多。被害者は2年超で約27万人
  • 倒産の原因は前払い・長期ローンを前提にしたビジネスモデル
  • クリニックがなくなってもローンは自動では消えない
  • ただし分割払いなら支払停止の抗弁を使える場合がある(相談先:188)
  • 規模ではなく支払い方法と返金規定でリスクを下げる
出典:東京商工リサーチ「2024年脱毛サロン倒産状況」、帝国データバンク「倒産速報:医療法人社団美実会など2社」ほか

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実際に4年20回通った経験から、予約の取りやすさや痛みの実際をまとめています。
料金プランと、回数ごとの総額の目安はこちらです。契約回数の決め方は総額に直結します。
契約前に見ておきたい落とし穴は、経営リスク以外にもあります。
部位ごとに必要な回数が違うので、コース選びの前に把握しておくと無駄が減ります。

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この記事で挙げた5つのチェックポイントは、いずれも無料カウンセリングで確認できることです。支払い方法の選択肢、途中解約時の返金規定、コース終了後の追加照射の条件。この3つを聞いたうえで判断すれば、契約後に困る場面はかなり減らせます。