足立区でハクビシンが出たら|区が屋根裏にも無料で捕獲器を置きます。塞ぐ工事は最大10万円の助成、ただし契約前の申請が条件

この記事を読むと分かること
  • 足立区は屋根裏・床下にも無料で捕獲器を置いてくれること
  • 侵入口を塞ぐ工事に最大10万円の助成があり、工事の契約前に申請しないと対象外になること
  • 区が捕まえてくれても、塞ぐ工事と掃除は自分で手配すること
足立区でハクビシンが出たら、最初の相談先は足立保健所の生活衛生課です。足立区は、ハクビシンとアライグマについて、捕獲器を置いて捕まえる事業と、屋内への侵入口を塞ぐ工事費用の助成の2つを用意しています。
隣の埼玉県草加市は「屋内(屋根裏等)での罠設置は行っておりません」と明記しています。足立区は逆で、屋根裏・天井裏・床下にも捕獲器を置きます。区境をまたぐだけで、使える制度がここまで違います。この記事では、足立区の公表内容をもとに、何を区に頼めて、何を自分で手配するのかを整理します。

足立区はハクビシンを捕まえてくれますか?

足立区は、ハクビシンとアライグマの被害がある区内の土地・建物に、無料で捕獲器(箱わな)を設置する事業を行っています。利用回数の制限はなく、その都度申請します。
項目足立区の内容
対象の動物ハクビシン・アライグマ
設置できる場所屋外(外周・ベランダ・屋上)/屋内(屋根裏・天井裏・床下)
費用無料(餌代は自己負担)
設置期間原則2週間
利用回数制限なし(その都度申請)
捕獲器の大きさおおむね幅30cm×高さ30cm×奥行き80cm
申請できる人設置したい場所の所有者または管理者
※ 足立区「ハクビシン・アライグマ対策事業」(更新日2026年9月1日)の記載に基づく(2026年10月19日時点で確認)。住宅の構造などにより、捕獲器を設置できない場合があるとされています。
対象になる「生活環境被害」として、区は次の5つを挙げています。
  • 足音・鳴き声などの騒音
  • 糞尿による異臭・汚れ・天井などのシミ
  • 物や建物の破損・汚れ
  • 庭木の果実や、魚などへの被害
  • 敷地内を何度もうろつく
屋根裏の足音だけでも対象に入ります。姿を見ていなくても、まず相談してかまいません。

申請から捕獲器の設置まで、どう進みますか?

申請は窓口・郵送・FAX・オンラインの4つの方法でできます。区が審査して可否を郵送で知らせ、承認されると区の委託事業者から連絡が来て、設置の日時を調整します。
順番やること
1申請書と同意書を提出する(窓口・郵送・FAX・オンライン)
2区が審査し、実施の可否を郵送で通知
3承認されたら、区の委託事業者から連絡が来るので設置日時を調整
4捕獲器を設置(原則2週間)。餌の替え方や連絡先は現地調査のときに説明がある
※ 足立区「ハクビシン・アライグマ対策事業」の記載に基づく(2026年10月19日時点で確認)。申請書・同意書は区のページからダウンロードでき、窓口・郵送・FAXでも配布しています。
申請してから設置までに何日かかるかは、区のページには書かれていません。急ぐ事情がある場合は、申請の時点で窓口に見込みを聞いておくのが確実です。

申請できるのは「所有者または管理者」です

区は、申請できる人を具体的に次のように示しています。
建物申請できる人
戸建て住宅お住まいの方
マンションなど管理会社・管理組合
事業所・施設法人代表者・施設代表者
マンションやアパートにお住まいなら、まず管理会社・大家に連絡してください。申請者になるのは管理する側です。建物の維持管理の問題なので、入居者が自分で業者を手配して費用を負担する話でもありません。

区の捕獲を使うと、利用者は何をしますか?

捕獲器を置くのは区の委託事業者ですが、見回りや餌の用意、近所への周知は利用者の役目です。申請前に、区が定めるルールを確認しておきましょう。
  • 作業のときは必ず立ち会う
  • 設置した捕獲器を勝手に動かさない
  • 近所に事業の実施を知らせ、区が配るちらしを人から見える場所に貼る
  • 毎日、捕獲器を見回る
  • 餌を用意する(屋外に置いた場合は週1回程度付け替える。屋内の場合は委託事業者が付け替える)
  • 捕まったら、すぐに委託事業者へ連絡する
  • 侵入口を塞ぐ工事、糞尿の撤去、清掃・消毒などの被害への対応と再発防止策をとる
※ 足立区「ハクビシン・アライグマ対策事業」の「利用者の行うこと(ルール)」に基づく(2026年10月19日時点で確認)。
餌について区は、ハクビシン・アライグマは甘いものを好む傾向があり、リンゴやドライマンゴー、キャラメル系のスナック菓子での捕獲が多いとしています。
見落としやすいのは最後の1行です。区の事業は「捕まえる」ところまでで、塞ぐ工事と掃除は利用者がやるものとして書かれています。区のページにも「侵入口を塞ぐ等の作業を別途、業者に依頼する場合、その費用は自己負担」とあります。

捕獲器を置けば、必ず捕まりますか?

必ず捕まるとは限りません。足立区が公表している年度別の実績では、令和7年度(2025年度)に捕獲器を163台設置し、捕獲頭数はハクビシン15頭・アライグマ35頭の計50頭でした。
年度捕獲器の設置数ハクビシンアライグマ
令和5年度(2023年度)117台13頭33頭
令和6年度(2024年度)151台29頭55頭
令和7年度(2025年度)163台15頭35頭
※ 足立区「年度別事業実績(捕獲器設置数・捕獲頭数)」(PDF)に基づく(2026年10月19日時点で確認)。設置数と捕獲頭数の比は、1台に1頭が対応するとは限らないため、捕獲の成功率そのものではありません。
設置数は3年で117台から163台に増えていますが、捕獲頭数は設置数よりずっと少ない数字です。捕獲器を置いた2週間のあいだに動物が入らないこともあります。
もう1つ、表から分かることがあります。足立区で捕まっているのは、ハクビシンよりアライグマのほうが多いのです。区が公開している捕獲記録(2023年4月〜2026年3月の180件)でも、ハクビシン57件に対してアライグマ123件でした。
「ハクビシンだと思っていたら、アライグマだった」ということは十分ありえます。尾に黒い縞があればアライグマ、額から鼻先に白い線があればハクビシンです。アライグマは凶暴な一面があると区も注意しているので、近づかないでください。

侵入口を塞ぐ工事の助成は、どんな条件ですか?

足立区は、ハクビシン・アライグマの屋内への侵入口を塞ぐ工事の費用を、最大10万円まで助成しています。ただし、区の捕獲事業を使って屋内への侵入口が確認されたことが前提です。
項目内容
助成額最大10万円(助成率10分の10。消費税相当額は除く)
対象の費用侵入口を塞ぐ工事の費用のみ
前提申請から6か月以内に区の捕獲事業を利用し、屋内への侵入口が確認されていること
回数年度内1回まで(年度内で初めて申請する方)
工事をする業者公益社団法人日本ペストコントロール協会の会員である事業者
申請のタイミング工事の契約を結ぶ前
申請方法窓口のみ。事前に来所日時の予約が必要
持ち物工事見積書など(予定金額と施工事業者が分かる書類)/工事前の現場写真/印鑑(朱肉を使うもの)
※ 足立区「屋内侵入口閉塞工事費用助成金」(更新日2026年4月1日)の記載に基づく(2026年10月19日時点で確認)。

★順番を間違えると、助成を受けられません

いちばん気をつけたいのは「契約の前に申請」という条件です。先に業者と契約して工事を済ませてから区に行っても、条件を満たしません。
正しい順番は次のとおりです。
順番やること
1区の捕獲事業を利用し、屋内への侵入口が確認される
2日本ペストコントロール協会の会員業者から見積もりを取る(工事前の写真も撮っておく)
3保健所に電話で来所を予約し、窓口で助成を申請する
4区が審査し、交付が決まったら委任状を区に提出
5工事の契約・施工。請求や実績報告は工事業者が区と行う
※ 足立区「屋内侵入口閉塞工事費用助成金」の「事業の流れ」に基づく(2026年10月19日時点で確認)。
助成金は区から工事業者へ直接支払われます。区のページには「申請者と区との間で直接のお金のやり取りはありません」とあります。10万円を超える部分や、消費税相当額、塞ぐ工事以外の費用(糞の撤去・清掃・消毒など)は自己負担になります。

業者は区が紹介してくれません

区は「特定の工事施工事業者を区から紹介することはできません」としていて、問い合わせ先として公益社団法人東京都ペストコントロール協会を挙げています。そのうえで、業者によって費用が違うので、複数の業者から見積もりを取ることを勧めています。
見積もりを頼むときは、最初に「日本ペストコントロール協会の会員かどうか」を聞いてください。会員でない業者の工事は、助成の対象になりません。

区の捕獲を待たずに、業者に直接頼んでもいいですか?

頼んでかまいません。ただし、区の助成は「区の捕獲事業を利用して侵入口が確認された人」が対象なので、直接頼んだ工事は助成の対象外になります。
どちらが向いているかは、状況で分かれます。
状況向いている進め方
急がない/費用をできるだけ抑えたい区の捕獲事業 → 会員業者の見積もり → 助成を申請 → 工事
天井のシミや臭いがひどく、すぐ止めたい業者の現地調査を先に受ける(区の手続きを待たない)
今年度すでに助成を使った助成は年度内1回まで。業者に直接相談
捕まえるより、追い出して塞ぎたい業者に相談(区の事業は捕獲が前提)
どちらの道でも、塞ぐ工事と掃除は業者の仕事になります。区の捕獲を使う場合でも、侵入口がどこにあって、塞ぐのにいくらかかるのかを知っておくと、助成の申請(見積書が要ります)がスムーズに進みます。

追い出しと塞ぐ順番に気をつける

足立区は、住みつかれた場合は燻煙剤で追い出し、いなくなったら清掃・消毒して隙間を塞ぐ、という順番を案内しています。順番を逆にすると、中に閉じ込めてしまいます。

自分でできる予防は何ですか?

足立区は、被害を防ぐ3つの法則として「エサ場にしない」「侵入させない」「住まいを与えない」を挙げています。
法則区が挙げている具体策
エサ場にしない生ごみは密閉容器に入れる/庭の果物は早めに収穫するか網をかける。落ちた果実を残さない/ペットの食べ残しを置いたままにしない
侵入させない床下・軒裏の穴や通風口を金網などで塞ぐ/防護柵は地面との隙間を作らない/排水溝の落ち葉をこまめに掃除する/屋根に登れる枝を剪定する
住まいを与えない家に隣接した物置や倉庫をこまめに見回る
※ 足立区「ハクビシン・アライグマによる被害を防ぐために」(更新日2026年9月1日)の記載に基づく(2026年10月19日時点で確認)。
区は「頭が入るくらいの5cm程度の隙間があれば簡単に入り込めてしまいます」と書いています。外から見て小さな穴でも、侵入口になりえます。
足立区内で寄せられている被害の例として、区は天井裏の足音や鳴き声、屋根や庭のフン、天井裏の尿による天井のシミ、庭の果樹の食害、水槽の金魚の食害、窓ガラスの足跡を挙げています。
糞が見つかっているなら、動物の種類を絞る手がかりになります。

相談先

まず足立保健所 生活衛生課 動物愛護係です。捕獲事業も助成も、窓口はここです。目撃情報は足立区のオンライン申請システムから提供できます。
そのうえで、侵入口を塞ぐ工事と、糞の撤去・清掃・消毒は民間の業者に頼むことになります。区も複数の業者から見積もりを取ることを勧めています。
状況向いている相談先
再発防止の工事まで含めて相談したい害獣プロテック
東京・埼玉で、地域密着の会社に現地調査を頼みたいペスコンpro
区の助成を使うなら、見積もりの前に確認してください
下の2社が日本ペストコントロール協会の会員かどうかは、この記事を書いた時点で確認できていません。助成を使う予定がある場合は、現地調査の申し込みのときに「日本ペストコントロール協会の会員か」を聞いてください。助成を使わない場合(急ぐ・年度内2回目など)は、この確認は要りません。
害獣プロテックは、20年以上続くリフォーム会社を母体とし、施工技術としては工務店歴50年以上を掲げる会社が対応します(駆除実績3,000件以上・2026年9月21日に公式で確認)。再発を防ぐ「害獣対策工事」まで一貫して行う立て方で、この記事で書いた「区の事業は捕まえるところまで、塞ぐのは利用者」という分担と合います。東京都は対応エリアに含まれています。調査・見積りは完全無料で、24時間365日受付。最長10年の破損保証があります(保証条件あり)。
ペスコンpro(株式会社MUSO・埼玉県戸田市)は、埼玉・東京を中心に首都圏で地域密着の害獣駆除を行う会社です。公式サイトでは現地調査・お見積りは無料、受付は9:00〜18:00の年中無休とされています。駆除のあとに侵入口を封鎖して再侵入を防ぐ施工を行い、保証期間中に破損が見つかったときの保証と、定期点検などのアフターサービスも案内しています。料金は現場ごとに必要な施工が変わるため最低料金を掲げず、無料調査のあとに案内する方針で、見積もりを依頼したあとに断ってもかまわないとしています。ネズミ・ハクビシン・アライグマの駆除に対応します(対象の害獣は提携先の掲載条件に基づきます)。
※ 各社の対応エリア・受付時間・保証内容は変わることがあります。最新の内容は各公式サイトでご確認ください(害獣プロテックは2026年8月31日時点、ペスコンproは2026年10月7日時点・編集部調べ)。ペスコンproの対応エリアは東京・埼玉・千葉・神奈川です。

よくある質問

足立区の捕獲器は無料ですか?

無料です。ただし餌(リンゴやドライマンゴーなど)は自分で用意し、その費用は自己負担です。侵入口を塞ぐ工事を業者に頼む費用も自己負担ですが、条件を満たせば最大10万円の助成があります。

賃貸のアパートでも区の捕獲を使えますか?

申請できるのは所有者または管理者です。マンションなどは管理会社・管理組合が申請者になります。入居者の方は、まず管理会社・大家に連絡してください。

屋根裏にも捕獲器を置いてもらえますか?

置いてもらえます。足立区は設置場所として屋根裏・天井裏・床下を挙げています。屋内に置いた場合、餌の付け替えは区の委託事業者が行います。ただし住宅の構造によっては設置できない場合があります。

助成金は、工事が終わってから申請できますか?

できません。足立区は「工事契約締結前に申請してください」としています。申請は窓口のみで、事前に来所日時の予約が必要です。見積書と工事前の現場写真を持っていきます。

区の捕獲を使わずに業者に頼んだ工事も、助成の対象になりますか?

対象になりません。助成は、申請から6か月以内に区の捕獲事業を利用し、屋内への侵入口が確認された人が対象です。

まとめ

  • 足立区はハクビシン・アライグマの捕獲器を無料で設置。屋外だけでなく屋根裏・天井裏・床下にも置く。原則2週間、回数制限なし
  • 申請できるのは所有者または管理者。賃貸はまず管理会社・大家へ
  • 利用者は毎日の見回り・餌の用意・近所への周知をする。塞ぐ工事と清掃・消毒も利用者が手配する
  • 令和7年度は捕獲器163台に対して捕獲50頭。置けば必ず捕まるわけではない。足立区ではアライグマの捕獲のほうが多い
  • 侵入口を塞ぐ工事に最大10万円の助成。条件は区の捕獲で侵入口が確認されていること・日本ペストコントロール協会の会員業者・契約前に窓口で申請・年度内1回
  • 区は業者を紹介しない。複数の業者から見積もりを取ることを勧めている

あわせて読みたい

隣の埼玉県では、市によって対応が正反対です。
鳴き声から正体を絞りたいならこちらです。
※ 本記事の足立区の制度は、足立区「ハクビシン・アライグマについて」「ハクビシン・アライグマ対策事業」「屋内侵入口閉塞工事費用助成金」「ハクビシン・アライグマによる被害を防ぐために」、実績は足立区「年度別事業実績(捕獲器設置数・捕獲頭数)」「ハクビシン・アライグマの捕獲記録(2023年4月から2026年3月)」に基づきます(いずれも2026年10月19日時点で確認)。草加市の対応は草加市「アライグマ・ハクビシン・タヌキについて」に基づきます(2026年8月31日時点で確認)。制度は変わることがあるため、最新の内容は足立保健所の窓口でご確認ください。