東京電力の「電化プラス」は昼も夜も1kWh30.63円です|エコキュートを夜に沸かす家は、スマートライフと単価を比べてから

東京電力エナジーパートナーは2026年9月29日、電化住宅向けの電気料金プラン「くらし上手」を、2026年11月1日に「電化プラス」へリニューアルすると発表しました。
電化プラスの電力量料金は、時間帯を問わず1kWhあたり30円63銭です(税込・燃料費調整額を含まない単価)。夜間が安いスマートライフとは、単価のつくりがまったく違います。
この記事では、東京電力エナジーパートナーが同じ日に公表した料金単価表だけを使って、電化プラスとスマートライフのどちらが安い単価になるかの分かれ目を整理します。月々の電気代がいくら変わるかは、使い方と燃料費調整額で動くので書きません。
※ 単価・条件はすべて2026年9月29日に東京電力エナジーパートナーの公式発表と公式サイトで確認したものです。東京電力エリア(関東)の話で、他の電力会社のプランには当てはまりません。

電化プラスとは、どんなプランですか

電化プラスは、エコキュートなどの蓄熱式機器か、電気自動車(EV・PHEV)の充電設備を使う家が入れる、東京電力エナジーパートナーの電気料金プランです(2026年11月1日開始)。
これまでの「くらし上手」は、太陽光発電設備とおひさまエコキュートの両方を使っていることが加入条件でした。電化プラスでは、太陽光発電の有無やエコキュートの種類を問わず、次のどちらかを満たせば入れます。
  • 総容量(入力)が1kVA以上のエコキュート・おひさまエコキュートなどの蓄熱式機器を使っていること
  • EV・PHEV用の充電設備を使っていること
公式サイトでは「時間帯を気にせず電気を使えるプラン」と説明されています。見直しの中身は次のとおりです。
項目くらし上手(10月31日まで)電化プラス(11月1日から)
基本料金一定の契約容量まで定額、それを超えると契約容量に応じた料金契約容量に応じた料金
電力量料金120kWhまでは定額、それを超えると従量1kWhから従量(定額なし)
加入条件太陽光発電設備とおひさまエコキュートの両方蓄熱式機器(1kVA以上)またはEV・PHEVの充電設備のどちらか
付帯サービス住宅設備修理サービス住宅設備修理サービスプラス(EV充電安心パック付き)、生活かけつけサービス
ポイントなしおひさまエコキュートポイント(申込要)、エネカリプラスポイント
※ 東京電力エナジーパートナー「電気料金プラン『くらし上手』を『電化プラス』へリニューアル」(2026年9月29日)の表をもとに作成。

くらし上手を契約している家は、手続きが要りますか

くらし上手を契約している家は、2026年11月1日に自動で電化プラスへ切り替わるので、手続きは要りません。くらし上手Sは電化プラスS、くらし上手Lは電化プラスL、くらし上手Xは電化プラスXになります。
対象の家には、2026年10月中旬からメール・RCS(リッチコミュニケーションサービス)・封書のいずれかでお知らせが届くと発表されています。

電化プラスの料金単価はいくらですか

電化プラスSの基本料金は10Aにつき506円06銭、電力量料金は時間帯に関係なく1kWhあたり30円63銭です(2026年11月1日から・税込)。
プラン基本料金電力量料金(1kWh)最低月額料金
電化プラスS10Aにつき506円06銭(15Aは759円10銭)30円63銭368円64銭
電化プラスL1kVAにつき506円06銭30円63銭記載なし
電化プラスX1kWにつき762円69銭30円63銭368円64銭
※ 東京電力エナジーパートナーの別紙「料金単価表」(2026年9月29日)より。燃料費調整単価を含みません。2026年11月1日の託送料金見直しを反映した単価です。
S・L・Xのどれになるかは、設備の情報にもとづいて東京電力エナジーパートナーが決めると公式サイトに書かれています。

スマートライフと電化プラスは、何が違いますか

スマートライフは夜(午前1時から午前6時)の電力量料金が安く、電化プラスは1日を通して同じ単価です。11月1日以降の単価で並べると、昼は電化プラスが安く、夜はスマートライフが安くなります。
比べるところスマートライフS電化プラスS
基本料金(10Aにつき)392円06銭506円06銭
基本料金(30Aの場合)1,176円18銭1,518円18銭
電力量料金(午前6時から翌午前1時)35円81銭30円63銭
電力量料金(午前1時から午前6時)27円91銭30円63銭
最低月額料金368円64銭368円64銭
加入できる家総容量1kVA以上の夜間蓄熱式機器またはオフピーク蓄熱式電気温水器を使う家総容量1kVA以上の蓄熱式機器、またはEV・PHEVの充電設備を使う家
※ いずれも2026年11月1日からの税込単価で、燃料費調整額を含みません。スマートライフSは東京電力エナジーパートナー「託送料金見直しの当社電気料金への反映」別紙2(2026年9月29日)、電化プラスSは同日の料金単価表より。電化プラスSの30Aは、10Aにつきの単価を3倍して計算しました。
比べるときは、必ず11月1日以降の単価どうしで並べてください。スマートライフの公式ページには、2026年9月29日の時点でまだ10月31日までの単価(基本料金10Aにつき311円75銭、昼35円76銭、夜27円86銭)が載っています。これと電化プラスを並べると、条件がずれます。

付帯サービスはどう違いますか

スマートライフにも電化プラスにも、設置から10年以内の住宅設備が自然故障したときの修理サービスが付いています。電化プラスで増えるのは、EV充電設備の修理と代替充電費用の補償(EV充電安心パック)、電気・水まわり・カギ・窓ガラスのトラブルに応急処置で駆けつける生活かけつけサービス、それにくらしTEPCOポイントが毎月50ポイントずつたまる2つのポイントサービスです。
生活かけつけサービスは、公式サイトに作業費・出張費が無料、応急処置の部品代は上限2万円(税込)までと書かれています。上限金額・対象エリア・対象プランには条件があります。ポイントも、おひさまエコキュートポイントは申し込みが必要で、エネカリプラスポイントはエネカリプラスを使っている家が対象です。
あわせて、EVを持つ家向けの「eチャージポイント」は、2026年9月30日で新規受付を停止し、2027年1月の進呈で終了すると発表されています。

夜の使用量がどのくらいなら、スマートライフのほうが安い単価になりますか

電力量料金だけで比べると、1か月の使用量のうち午前1時から午前6時に使う割合がおよそ66%を超えれば、スマートライフのほうが電化プラスより安い単価になります。
計算は単純です。スマートライフの昼と電化プラスの差は5円18銭(35円81銭と30円63銭)、スマートライフの昼と夜の差は7円90銭(35円81銭と27円91銭)です。夜に使う割合をxとすると、スマートライフの1kWhあたりの平均は「35円81銭から7円90銭×xを引いた額」になり、これが30円63銭を下回るのはxが5.18÷7.90=約65.6%を超えたときです。
ただし、基本料金はスマートライフのほうが10Aにつき114円安いので、基本料金まで入れると分かれ目はもっと下がります。同じ契約アンペアで比べた分かれ目は次のとおりです。
契約アンペア月300kWh月500kWh月800kWh
30A約51%約57%約60%
40A約46%約54%約58%
60A約37%約48%約55%
※ 数字は「午前1時から午前6時に使う割合がこれを超えると、スマートライフSのほうが基本料金+電力量料金の合計で安くなる」境目です。2026年11月1日からの単価で計算し、燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金・割引やポイントは含めていません。
表の読み方は、使用量が少ないほど・契約アンペアが大きいほど、基本料金の差が効いてスマートライフが有利になる、ということです。

エコキュートを夜に沸かす家は、スマートライフと比べてください

ふつうのエコキュートは、主に夜間の電気でお湯を沸かす給湯機です(東京電力エナジーパートナーの電化プラスのページでもそう説明されています)。夜の使用量が多い家は、電化プラスの「時間帯を気にしなくていい」単価より、スマートライフの夜の単価のほうが合っている可能性があります。
電化住宅向けの新しいプランだからといって、エコキュートの家が必ず得をするとは単価の上では言えません。自分の家の時間帯別の使用量を確かめてから決めるのが確実です。

電化プラスが合いやすいのは、昼に電気を使う家です

逆に、電化プラスの単価が合いやすいのは、夜にまとめて電気を使わない家です。たとえば次のような家です。
  • 太陽光発電でつくった電気で昼にお湯を沸かす、おひさまエコキュートの家
  • 在宅時間が長く、昼から夜にかけての使用量が多い家
  • EV・PHEVを昼や夕方に充電することが多い家
なお、おひさまエコキュートがスマートライフの加入条件(夜間蓄熱式機器またはオフピーク蓄熱式電気温水器)に当たるかどうかは、2026年9月29日時点の公式サイトからは読み取れませんでした。スマートライフも、どのプランが適用されるかは設備の状況で東京電力エナジーパートナーが決めるとしています。気になる場合は、カスタマーセンターに確かめてください。

くらし上手から自動で切り替わる家は、何が変わりますか

くらし上手から電化プラスへの切り替えで大きく変わるのは、基本料金と、120kWhまでの定額部分がなくなることです。影響は契約の大きさと使用量で変わるので、一律に上がる・下がるとは言えません。
料金単価表では、くらし上手Sの基本料金は「1契約 2,654円50銭」の1行だけで、電化プラスSは10Aにつき506円06銭です。基本料金の部分だけで比べると、50Aなら2,530円30銭で下がり、60Aなら3,036円36銭で上がります。
電力量料金は、くらし上手が最初の120kWhまで定額3,670円40銭、それを超えた分が1kWhあたり30円72銭でした。電化プラスは1kWhから30円63銭なので、120kWhちょうど使う月は3,675円60銭とほぼ同じで、120kWhを超えた分の単価はわずかに下がります。120kWhに届かない月は、定額がなくなるぶん下がります。
※ くらし上手L・Xは基本料金の区分が違うので、この比較はくらし上手Sについてのものです。燃料費調整額は含めていません。
契約アンペアそのものの見直しを考えるなら、ブレーカーで今の契約を確かめる方法から始めてください。

プランの変更や申し込みはいつからできますか

電化プラスの受付は、電話が2026年9月29日から(カスタマーセンター・9時から17時)、Webが2026年10月14日からです。新規契約者向けのキャンペーンを予定していると発表されていますが、2026年9月29日時点では内容は公表されていません。
11月からの電気代そのものは、託送料金の見直しで東京電力エリアでも上がります。託送料金の変更で標準的な家庭の料金がどう動くかは、次の記事にまとめています。
エコキュートそのものをこれから入れる・入れ替える家は、買うかリースにするかでも毎月の支払いが変わります。

よくある質問

くらし上手のまま契約を続けることはできますか

発表では、くらし上手を契約している家は2026年11月1日に自動で電化プラスへ切り替わるとされています。くらし上手を続ける選択肢は、2026年9月29日の発表資料には書かれていません。

電化プラスに、夜が安くなる時間帯はありますか

ありません。電化プラスの電力量料金は、S・L・Xとも時間帯に関係なく1kWhあたり30円63銭です(2026年11月1日から・税込・燃料費調整額を含まない)。夜の単価を重視するなら、スマートライフと比べてください。

太陽光発電がなくても電化プラスに入れますか

入れます。総容量(入力)が1kVA以上のエコキュートなどの蓄熱式機器か、EV・PHEVの充電設備のどちらかを使っていれば、太陽光発電の有無は問われません。

電化プラスの単価に、燃料費調整額は入っていますか

入っていません。料金単価表の単価は燃料費調整単価を含まないもので、実際の請求では燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金が別に加わります。この記事の比較も、それらを含まない単価どうしで行っています。

スマートライフプラン(kW契約)にも入れますか

スマートライフプランは、公式サイトに「現在新規ご加入の受付を停止しております」と書かれています(2026年9月29日確認)。スマートライフS・Lとは別のプランなので、混同しないでください。

まとめ

  • 電化プラスは2026年11月1日に始まり、くらし上手の家は自動で切り替わる(手続き不要・10月中旬から通知)
  • 電力量料金は時間帯を問わず1kWhあたり30円63銭。スマートライフの昼(35円81銭)より安く、夜(27円91銭)より高い
  • 電力量料金だけなら、夜に使う割合が約66%を超えるとスマートライフのほうが安い単価。基本料金はスマートライフが10Aにつき114円安いので、実際の分かれ目はもっと低い
  • 夜にお湯を沸かすエコキュートの家は、スマートライフと比べてから決める。昼に使う家やEVを昼に充電する家は電化プラスが合いやすい
  • くらし上手Sからの切り替えでは、基本料金が50Aまでなら下がり、60Aなら上がる。燃料費調整額は別

出典

  • 東京電力エナジーパートナー「電気料金プラン『くらし上手』を『電化プラス』へリニューアル」(2026年9月29日)と別紙「料金単価表」
  • 東京電力エナジーパートナー「託送料金見直しの当社電気料金への反映」別紙2(2026年9月29日)
  • 東京電力エナジーパートナー 公式サイト「電化プラス」「スマートライフ(オール電化)」(2026年9月29日確認)