仲介手数料の上限は、400万円を超える売買なら「価格×3%+6万円」+消費税です|800万円以下は33万円まで、賃貸は家賃1か月分

不動産の仲介手数料には、法律で上限が決められています。売買価格が400万円を超える取引なら、上限は「売買価格(税抜)×3%+6万円」に消費税を足した額です。3,000万円の物件なら、税込105万6,000円が上限になります。
この記事では、上限を決めている国土交通省の告示の本文をもとに、売買と賃貸の上限の計算方法、2024年7月に変わった800万円以下の物件の特例、上限を超えて請求されたときの扱いを順に並べます。

仲介手数料の上限は、誰がどこで決めていますか

不動産会社(宅地建物取引業者)が受け取れる仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法第46条にもとづき、国土交通大臣が告示で定めています。告示の名前は「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」(昭和45年建設省告示第1552号)で、直近の改正は令和6年国土交通省告示第949号、2024年7月1日の施行です。
宅地建物取引業法第46条は、次の4つを定めています(2026年9月26日に法令の原文で確認)。
  • 報酬の額は、国土交通大臣が定める
  • 不動産会社は、その額を超えて報酬を受けてはならない
  • 国土交通大臣は、定めた額を告示しなければならない
  • 不動産会社は、事務所ごとに、見やすい場所にその額を掲示しなければならない
つまり、上限は会社ごとの料金表ではなく、全国共通のルールです。店舗に掲示されているのは、この告示の中身です。

売買の仲介手数料の上限はいくらですか

売買の仲介手数料の上限は、売買価格を3つの段階に分け、段階ごとの割合を掛けて合計した額です。割合は消費税込みで、200万円以下の部分が5.5%、200万円を超え400万円以下の部分が4.4%、400万円を超える部分が3.3%です(告示第2)。
売買価格のうち上限の割合(税込)税抜にすると
200万円以下の部分5.5%5%
200万円を超え400万円以下の部分4.4%4%
400万円を超える部分3.3%3%
※ 計算のもとになる売買価格は、消費税を含まない額です(告示第2)。土地には消費税がかからないため、建物に消費税がかかる新築などでは、建物の消費税分を除いてから計算します。
400万円を超える取引では、3段階の計算を1本にまとめた「売買価格×3.3%+6万6,000円」でも同じ額になります。大阪府の宅地建物取引業の担当課も、この式を「簡易な計算法」として示しています。税抜にすると「売買価格×3%+6万円」で、よく見かける「3%+6万円」はこの式のことです。
6万円が足される理由は、はじめの200万円に5%、次の200万円に4%がかかるためです。全部を3%で計算すると、200万円×2%と200万円×1%の合計6万円(税込6万6,000円)が足りなくなるので、それを足しています(編集部計算)。
売買価格(税抜)依頼者の一方が払う上限(税込)
200万円11万円
400万円19万8,000円
1,000万円39万6,000円
2,000万円72万6,000円
3,000万円105万6,000円
4,000万円138万6,000円
5,000万円171万6,000円
8,000万円270万6,000円
※ 800万円以下の取引には、下で説明する特例があります。表の200万円と400万円の行は、特例を使わない場合の上限です。金額は告示の割合から編集部が計算しました。4,000万円の行は、大阪府の計算例(138万6,000円)と一致します。

上限は、売主と買主それぞれに別々にかかります

売買の上限は、依頼者の一方ごとにかかります。告示は「依頼者の一方につき」と書いています。1つの不動産会社が売主と買主の両方から依頼を受けている場合は、売主も買主も、それぞれ上の表の額まで払う可能性があります。
一方で、不動産会社が何社関わっても、上限は増えません。大阪府は、1つの取引に複数の仲介業者が関わっていても、売主・買主が払う手数料の限度額は増えないと案内しています。売主側の会社と買主側の会社が別でも、あなたが払う上限は表の額のままです。

800万円以下の物件は、上限が33万円に上がりました

売買価格が800万円以下の宅地や建物は、2024年7月1日から、仲介手数料の上限が税込33万円になりました。告示はこうした物件を「低廉な空家等」と呼び、媒介に要する費用を勘案して、通常の計算を超える報酬を受けられるとしています。その場合でも、30万円の1.1倍(33万円)を超えてはならないと定めています(告示第7)。
告示の定義は、売買価格が800万円以下の宅地または建物です。空き家であることは条件に書かれていません。
売買価格(税抜)通常の上限(税込)特例を使った場合の上限(税込)
200万円11万円33万円
350万円17万6,000円33万円
500万円23万1,000円33万円
800万円33万円33万円
※ 通常の上限は告示第2の割合から編集部が計算しました。200万円と350万円の行は、大阪府の計算例と同じ条件です。
公益財団法人不動産流通推進センターの解説によると、この改正で対象の価格が800万円以下に広がり、それまで売主だけだった特例の相手に、買主も加わりました。安い物件を買う側も、33万円まで請求される可能性があるということです。
ただし、いつでも33万円になるわけではありません。国土交通省は、この特例で報酬を受けるときは、媒介契約を結ぶ際にあらかじめ、上限の範囲内で報酬額を依頼者に説明し、合意しておく必要があることを「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」に明記しました(高知県の案内による)。契約のあとから特例の金額を持ち出されたら、説明と合意があったかを確かめてください。

賃貸の仲介手数料の上限はいくらですか

賃貸の仲介手数料の上限は、貸主と借主から受け取る合計で、家賃1か月分の1.1倍(税込)です(告示第4)。住まいとして借りる部屋の場合は、依頼を受けるときに承諾を得ていない限り、貸主・借主それぞれから家賃の0.55か月分までしか受け取れません。
家賃6万5,000円の住まいの場合上限(税込)
借主の承諾がないとき、借主が払う上限3万5,750円
貸主と借主から受け取る合計の上限7万1,500円
※ 大阪府の計算例と同じ条件です。家賃には消費税を含めません(告示第4)。
借主が1か月分の1.1倍を払っている場合、不動産会社はその取引で貸主から仲介手数料を受け取れません。合計の上限が1か月分の1.1倍だからです。借主の承諾は、媒介の依頼を受けるときに得ていることが条件です。
長い期間使われていない空き家などは例外があり、貸主から受け取る分を増やして、合計で家賃1か月分の2.2倍まで受け取れます(告示第9)。ただし、借主が払う上限は変わりません。大阪府は、入居者を募集中の賃貸住宅の空き室はこの「長期の空家等」に当たらないと注記しています。

上限を超えて請求されたら、どうなりますか

上限を超えて報酬を受け取ることは、宅地建物取引業法第46条第2項で禁じられています。違反すると、100万円以下の罰金の対象です(同法第82条)。
上限を超えるかどうかとは別に、不当に高額の報酬を要求すること自体も禁止されています(同法第47条第2号)。こちらは1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその両方の対象です(同法第80条)。
告示は、定めた額のほかには報酬を受けられないとしています。例外は、依頼者の依頼で行う広告の料金に相当する額だけです(告示第11)。別の名目の費用を請求されたときは、それが何の対価なのかを確かめてください。
これらの規定に違反した不動産会社には、免許を出した国土交通大臣または都道府県知事が、指示や1年以内の業務停止を命じることができます(同法第65条)。請求書の額が上限を超えているときは、契約した会社に根拠を尋ね、答えに納得できなければ、その会社に免許を出した行政庁(国土交通大臣か都道府県知事)の宅地建物取引業の担当窓口に相談してください。

上限は「決まった料金」ではありません

告示が決めているのは上限で、この額を必ず払うという決まりではありません。大阪府は、実際に支払う金額は、この限度額以内で話し合って決めるよう案内しています。
「仲介手数料は物件価格の3%+6万円」と言い切る説明を見かけますが、それは上限の話です。値引きを頼むこと自体は、違反でも失礼でもありません。
仲介手数料は、住宅ローンの借入れに含められることがあります。フラット35は、住宅を購入する場合の借入対象の諸費用として「住宅購入に係る仲介手数料」を挙げています(住宅金融支援機構のよくある質問、2026年9月26日に確認)。
諸費用のどこまでを借入れに含められるかは、別の記事で26項目を並べています。
仲介手数料と並んで大きい、登記の費用の相場はこちらです。
契約のときに払う手付金の決まりは、こちらにまとめています。

よくある質問

仲介手数料の「3%+6万円」には消費税が含まれていますか

含まれていません。「売買価格×3%+6万円」は税抜の式で、消費税10%を含めた上限は「売買価格×3.3%+6万6,000円」です。この式が使えるのは、売買価格が400万円を超える取引です。

売主と買主の両方から仲介手数料を受け取るのは違反ですか

違反ではありません。売買の上限は依頼者の一方ごとに決められているため、1社が両方から依頼を受けていれば、それぞれから上限まで受け取れます。ただし、関わる会社の数が増えても、1人が払う上限は増えません。

800万円以下の物件なら、仲介手数料は必ず33万円ですか

必ずではありません。33万円は上限で、特例を使うには、媒介契約を結ぶ際にあらかじめ報酬額を説明し、合意しておく必要があります。特例を使わなければ、通常の計算による額が上限です。

賃貸の仲介手数料が家賃1か月分なのは違反ですか

借主の承諾があれば違反ではありません。住まいの賃貸では、承諾がない限り借主の負担は家賃0.55か月分(税込)までです。1か月分の1.1倍(税込)を払う場合は、依頼の時点で承諾したかどうかが分かれ目になります。

上限額は店舗で確かめられますか

確かめられます。宅地建物取引業法第46条第4項は、不動産会社に、事務所ごとに見やすい場所へ報酬の額を掲示するよう義務づけています。

費用の上限を知ったあと、お金の順番を決めるために

仲介手数料の上限が分かると、家を買うときの諸費用の見積もりを自分で検算できるようになります。そのうえで、いくらまでの物件にするか、手元にいくら残すかは、家計の側から決めることになります。
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出典(2026年9月26日に取得):宅地建物取引業法(法令データ、2026年4月1日施行版)第46条・第47条・第65条・第80条・第82条/大阪府「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(建設省告示)令和6年6月21日改正」「不動産取引における仲介手数料の上限額」/高知県「空き家等に係る媒介報酬規制の見直しについて(令和6年7月1日施行)」/公益財団法人不動産流通推進センター「低廉な空家等の売買等の媒介報酬の特例(改正)」/住宅金融支援機構「借入対象となる諸費用とはどのようなものですか?」。表の上限額と、6万円の内訳は、告示の割合から編集部が計算したものです。
※ この記事は一般的な制度の説明で、個別の取引についての法律相談ではありません。