東京23区で20㎡台前半の新築ワンルームが少ない理由は各区の条例です|新宿区は1住戸25㎡以上、豊島区は30㎡未満1戸につき50万円
この記事を読むと分かること
- 新宿区が1住戸あたり25㎡以上を求めていること、その数字がいつ決まったか
- 豊島区で30㎡未満の住戸1戸につき50万円の税がかかる仕組みと、8戸以下は全額免除であること
- 2026年10月1日から新宿区の条例の対象が広がること(面積の基準は変わりません)
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東京23区で新築のワンルームを探すと、20㎡台前半の部屋がほとんど出てきません。理由の一つは、区が条例で1住戸あたりの最低面積を定めていることです。新宿区の条例は、対象になる建物について1住戸あたりの専用面積25㎡以上の確保を求めています(新宿区公式・2026年9月17日確認)。
ただし、これは23区すべてに共通する話ではありません。この記事で一次情報を確認したのは、新宿区と豊島区の2区だけです。
新宿区は1住戸あたり25㎡以上を求めています
新宿区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例は、地階を除く階数が3以上で、かつワンルーム形式の住戸が10戸以上ある共同住宅・寮・寄宿舎・長屋を対象にしています。
| 項目 | 条例の内容 |
|---|---|
| 対象建築物 | 地階を除く階数が3以上で、ワンルーム形式の住戸が10戸以上の共同住宅・寮・寄宿舎・長屋 |
| ワンルーム形式の住戸 | 専用面積が30㎡未満の住戸等 |
| 1住戸あたりの専用面積 | 25㎡以上を確保(寮及び寄宿舎の住室を除く) |
| 家族向け住戸 | 専用面積が40㎡以上の住戸 |
| 施行 | 平成16年(2004年)4月1日 |
※ 新宿区公式サイト「新宿区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例」の記載に基づく(2026年9月17日確認・編集部調べ)。
25㎡になったのは2008年です
同じページに改正履歴が載っています。平成20年(2008年)10月1日施行の改正で、次の3つが同時に引き上げられました。
| 項目 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 1住戸あたりの専用面積 | 18㎡以上 | 25㎡以上 |
| ワンルーム形式の住戸の定義 | 29㎡未満 | 30㎡未満 |
| 家族向け住戸の定義 | 39㎡以上 | 40㎡以上 |
※ 同上(改正履歴「平成20年10月1日施行」の新旧対照表より)。
2008年より前に建った建物には、この25㎡の基準がかかっていません。築年の古いワンルームに20㎡前後の部屋が残っているのは、そのためです。
30戸以上になると家族向け住戸が必要になります
ワンルーム形式の住戸が30戸以上になると、専用面積40㎡以上の家族向け住戸を設けることが求められます。必要な戸数は用途地域で変わります。
- 第一種低層住居専用地域:(ワンルーム形式の住戸数−29)×1/2以上
- その他の用途地域:(ワンルーム形式の住戸数−29)×1/3以上
ワンルームだけを積み上げた建物は、区内では作りにくい設計になっています。
豊島区は30㎡未満の住戸1戸につき50万円の税がかかります
豊島区には狭小住戸集合住宅税という法定外普通税があります。通称はワンルームマンション税です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 課税対象 | 区内における狭小住戸を有する集合住宅の建築等の行為 |
| 狭小住戸 | 集合住宅における1住戸の専用面積が30㎡未満のもの |
| 税率 | 狭小住戸1戸につき50万円 |
| 課税免除 | 狭小住戸の数が8戸以下の建築等の行為は全額免除 |
| 納税義務者 | 狭小住戸を有する集合住宅の建築等を行う建築主 |
| 施行 | 平成16年(2004年)6月1日 |
※ 豊島区公式サイト「(法定外普通税)狭小住戸集合住宅税」の記載に基づく(2026年9月17日確認・編集部調べ)。
気をつけたいのは免除の数え方です。公式サイトは「8戸までを控除という意味ではありません。狭小住戸が9戸の場合、課税額は450万円となります」と書いています。8戸と9戸の差が450万円になります。
面積の基準は途中で動いています。平成21年第2回豊島区議会定例会で条例の一部改正案が成立し、29㎡未満から30㎡未満へ変わりました。
この税を納めるのは建築主で、入居者ではありません。家賃に転嫁されているかどうかを示す一次情報は確認できませんでした。ここは断定できません。
2026年10月1日から、新宿区の条例の対象が広がります
新宿区は令和8年(2026年)3月に改正条例を決定・公布し、令和8年10月1日から施行します。
| 項目 | 現行 | 2026年10月1日から |
|---|---|---|
| 階数 | 地階を除く階数が3以上 | 地階を含む階数が3以上 |
| 戸数の要件 | ワンルーム形式の住戸が10戸以上 | ア)10戸以上 または イ)ワンルーム形式の住戸が総住戸の3分の1以上(階数が3の共同住宅等は総住戸10戸以上のものに限る) |
※ 新宿区公式サイト「【令和8年4月配信】大規模マンション条例ほか1条例を公布しました!」および同区の条例ページの記載に基づく(2026年9月17日確認・編集部調べ)。
基準そのものも見直されます。建築に関する基準には「再配達の削減のための設置」が追加され、管理に関する基準では「管理人による管理方法」が見直されたうえで、「廃棄物及び資源の適切な管理」「管理人用郵便受けの設置等」が加わります。区は改正の背景として、対象外のワンルームマンション等の建設が増えたことと、宅配ドライバーやマンション管理人の担い手不足を挙げています。
10月から25㎡の基準が変わるわけではありません
今回の改正で広がるのは条例の対象になる建物の範囲で、あわせて建築・管理の基準が見直されます。1住戸あたり25㎡以上という数字は、2008年の改正で決まったままです。
経過措置として、令和8年10月1日以降に標識の設置をすべきものが改正条例の対象になります。
確認できたのは2区だけです
この記事で公式サイトに当たったのは新宿区と豊島区の2区です。23区すべてを数えたわけではありません。「23区ではおおむね25㎡が下限」という書き方は、確かめていないので使っていません。
条例の有無、対象になる建物の範囲、面積の数字は区ごとに違う可能性があります。気になる区がある場合は、その区の公式サイトで「ワンルームマンション」または「集合住宅」の条例を探してください。区によって条例の名前が違うため、区名と条例名の組み合わせで探すほうが早く見つかります。
部屋探しのときに、どこを見ればよいか
面積の下限が効くのは、条例の施行後に建てられた建物です。既に建っている部屋の面積が、あとから変わることはありません。
| 探している条件 | 見るところ |
|---|---|
| 新築・築浅のワンルーム | 面積の下限が効いている可能性が高い。25㎡・30㎡の近辺に物件が集まる |
| 20㎡前後の部屋 | 条例の施行前・改正前に建った建物が中心になる。築年を先に見る |
| 区をまたいで探している | 区が変われば条例も税も変わる。「23区」でひとくくりにしない |
| 予算が合わない | 区を変えるか、築年を下げるかの判断になる |
区を変えると通勤の経路が変わり、移動距離も変わります。引っ越し料金には定価がありません。時期・荷物量・距離・作業条件で変わり、同じ条件でも業者の空き状況で動きます。候補の区を郊外まで広げるかどうかを決める前に、距離が変わったときの実額を並べておくと判断が早くなります。
| 優先したいこと | 向いている方法 | 受け入れること |
|---|---|---|
| 手間を減らして、厳選された数社で比べたい | HALESEE(ハレシー) | 比較できる社数は少なめ |
| とにかく多く比べて、できるだけ安くしたい | 引越し侍の一括見積もり | 電話とメールの本数 |
よくある質問
新宿区のワンルームは、必ず25㎡以上ですか。
いいえ。25㎡以上の確保が求められるのは、条例の対象になる建物です。対象は、地階を除く階数が3以上で、ワンルーム形式の住戸が10戸以上ある共同住宅などです。この基準は平成20年10月1日施行の改正で決まったもので、それより前に建てられた建物には適用されていません。
豊島区の50万円は、入居者が払うのですか。
いいえ。納税義務者は、狭小住戸を有する集合住宅の建築等を行う建築主です。豊島区は建築主を「建築等の工事の請負契約における注文者、請負契約によらないで自ら工事をする者」と説明しています。
狭小住戸が8戸なら、税金はかからないのですか。
豊島区の公式サイトによれば、狭小住戸の数が8戸以下の建築等の行為に対しては課税が全額免除されます。ただし控除ではないため、9戸になると9戸ぶんの450万円が課税されます。
2026年10月1日の改正で、いま住んでいる部屋に影響はありますか。
条例が定めているのは建築と管理の基準です。経過措置として、令和8年10月1日以降に標識の設置をすべきものが改正条例の対象になります。既に建っている建物の専用面積が、この改正で変わることはありません。
まとめ
- 新宿区は、条例の対象になる建物に1住戸あたりの専用面積25㎡以上を求めている(寮及び寄宿舎の住室を除く)
- この25㎡は平成20年10月1日施行の改正で、18㎡以上から引き上げられた数字。それ以前の建物には適用されていない
- 新宿区では、ワンルーム形式の住戸が30戸以上になると、専用面積40㎡以上の家族向け住戸が必要になる
- 豊島区は30㎡未満の住戸1戸につき50万円の狭小住戸集合住宅税。8戸以下は全額免除で、9戸なら450万円
- この税を納めるのは建築主。入居者ではない。家賃への転嫁を示す一次情報は確認できなかった
- 新宿区の条例は2026年10月1日から対象が広がる。ただし25㎡という面積の基準は変わらない
- 一次情報を確認したのは新宿区と豊島区の2区だけ。23区すべてを数えたわけではない
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※ 本記事の条例・税の内容は、新宿区および豊島区の公式サイトの記載に基づきます(2026年9月17日確認)。制度は改正されることがあるため、実際の計画・申告にあたっては各区の窓口で最新の内容をご確認ください。