預金連動型スターワン住宅ローンは誰が得か|実質金利0%の条件と3つの落とし穴
この記事で分かること
- 預金連動型スターワン住宅ローンの仕組みと、実質金利0%になる2つの条件
- 借入3,000万円以上・年収1,000万円以上という、意外に狭い入口
- 「預金を寝かせる」ことの機会費用を、どう計算して判断するか
- 不動産投資を考えている人が、自宅の住宅ローンを先に組むときの注意
※ 本記事の金利・条件は2026年9月3日に東京スター銀行の公式サイトで確認した値です(金利は2026年9月1日現在)。変動金利型のため、実際の適用金利は必ず公式のローン金利一覧でご確認ください。
預金連動型スターワン住宅ローンは、東京スター銀行の住宅ローンです。対象の預金残高と同額のローン残高には金利がかからない、という他行にない仕組みを持っています。預金残高が借入額を上回り、かつ団体信用生命保険に加入しない場合は、実質金利が年0%になります。ただし条件を読むと入口は狭く、0%を狙うと別のものを差し出すことになります。この記事では商品の中身を条件のまま並べたうえで、手元資金を厚く持っておきたい人にとって得なのかどうかを整理します。
預金連動の仕組み
通常の住宅ローンは、借入残高の全額に金利がかかります。この商品は対象預金の残高と同額のローン残高だけ、金利の計算から外れます。
公式サイトの例では、基本金利が年1%の場合、ローン残高に対する対象預金の割合が0%なら実質1%、50%なら実質0.5%相当、100%なら実質0%になります。
重要なのは、預金は引き出せるという点です。繰上返済は元本が減る代わりに現金が手元から消えますが、この商品は預金を置いておくだけで同じ利息軽減効果が得られ、必要になれば引き出せます。引き出した分だけ効果は減ります。
預金連動の対象になるのは次の5つです。
- スターワン円普通預金
- スターワン積立円定期
- スターワン外貨普通預金
- 外国為替レート参照型オフセット定期預金(仕組み預金)
- 外国為替レート参照型円定期預金(仕組み預金)「円活」
商品条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 融資金額 | 3,000万円以上3億円以内(10万円単位) |
| 融資期間 | 1年以上35年以内(1年単位) |
| 基本金利(変動・6ヵ月) | 年1.650%(基準金利3.250%) |
| 基本金利(固定3年/5年/10年) | 年2.800%/3.100%/3.700% |
| 特約金利(団信) | ワイド団信0.204%/がん団信0.504%/連生団信0.408%。任意加入 |
| 事務手数料 | 融資実行日に融資金額の2.2%(税込) |
| 年収条件 | 税込年収1,000万円以上(合算する場合は各500万円以上かつ合算1,000万円以上) |
| 勤続年数 | 1年以上(会社役員・自営業は2年以上の安定収入を公的書類で確認) |
| 担保 | 対象の自宅の土地・建物に第一順位の抵当権 |
| 返済方法 | 元利均等月賦返済 |
※ 2026年9月3日に東京スター銀行公式サイトで確認(編集部調べ)。金利は2026年9月1日現在。
団信を付ける場合の合計金利は、変動金利型でワイド団信なら年1.854%、がん団信なら年2.154%です。
実質金利0%にする条件は2つ
公式サイトの注記は明確です。対象預金の残高が借入額を上回っていること、かつ団体信用生命保険に加入しないこと。この2つが揃って初めて借入金利が年0%になります。手数料は別途かかります。
1つ目の条件は重い話です。借入は3,000万円以上なので、実質0%を狙うなら3,000万円以上の預金を置いたまま、3,000万円以上を借りることになります。手元資金がそれだけあるなら、そもそも借りずに買えばいいのでは、という疑問が当然出てきます。ここが、この商品を理解する分かれ目です。
答えは「借りたほうが現金を手元に残せるから」です。現金で買えば手元資金はゼロになりますが、この商品なら3,000万円を預金に置いたまま自宅を持てて、しかも利息はかからない。使わない現金を担保のように使って、流動性を落とさずに自宅を買うのが、この商品の本来の使い方です。
落とし穴① 事務手数料2.2%は消えない
実質金利0%という言葉は強いのですが、事務手数料は融資実行日に融資金額の2.2%がかかります。3,000万円なら66万円、1億円なら220万円です。金利0%でも初期費用はゼロではありません。
借入額に対する一括の費用なので、短期で完済・借り換えするほど負担が重くなります。数年で売る前提の家に使う商品ではありません。
落とし穴② 預金を「寝かせる」機会費用
ここが投資家にとって一番効く論点です。公式サイトにも書かれているとおり、スターワン円普通預金は、ローン残高と同額までの預金残高に金利がつきません。
つまり預金連動で得られるのは「借入金利を払わなくて済む」という利益だけで、その預金から利息は生まれません。変動金利型の基本金利が年1.650%なら、預金連動は税引後で年1.650%の確定リターンと同じです。預金利息には約20.315%の税金がかかるので、これを他の運用で追い抜くには税引前でおよそ2.07%が必要になります。
判断はこうなります。
- 手元資金を税引前2%程度でしか回せない、あるいは現金のまま置いておくつもり → 預金連動させたほうが得
- その資金を不動産や事業に回して、それ以上の利回りを狙える → 連動させずに投資へ回したほうが得
一棟アパートで自己資金配当率(CCR)を見ている人なら、2%という水準がどのくらいかはすぐ判断できるはずです。寝かせる金額が大きいほど、この比較は無視できなくなります。
なお、対象預金にはスターワン外貨普通預金も含まれ、こちらには金利がつきます。公式には住宅ローン残高のあるお客さま向けの特別金利として、米ドル年1.000%(2025年6月1日適用開始)と記載されています。ただし外貨預金には為替変動リスクがあり、往復の為替手数料もかかります。預金保険の対象外です。
落とし穴③ 0%を狙うと団信が外れる
実質0%の2つ目の条件は団信に加入しないことです。団信を外すと特約金利はかかりませんが、法定相続人1名(ローン完済時に84歳以下)を連帯保証人にする必要があります。
団信は、契約者が亡くなったときにローン残高が消える保険です。これを外すということは、その保障を自分の生命保険で用意するか、残された家族が返済を引き継ぐ前提にするか、どちらかを選ぶということです。すでに十分な生命保険がある人には合理的ですが、「0%だからお得」とだけ考えて外す判断ではありません。公式サイトも、万一に備えて団信付きの特約金利5または6を勧めると明記しています。
不動産投資を考えている人への注意
自宅の住宅ローンは、投資用ローンの審査では個人の返済負担として見られます。返済比率を条件にしている銀行では、自宅のローンを先に組むことで、あとから引ける投資用ローンの枠が小さくなることがあります。
どちらを先に組むかは、金額と時期の組み合わせで変わります。順番の整理は別記事にまとめています。
- auじぶん銀行の不動産投資ローン(一棟アパート・マンション)|返済比率40%未満が条件
- 不動産投資で東京スター銀行の融資を使う際の条件・金利・審査|同じ銀行の投資用ローンはこちら
ポイントサイト経由なら12万P(成果条件は融資実行)
この住宅ローンは、ポイントサイトのモッピーに広告として掲載されています。2026年9月3日時点で120,000P(1P=1円なので12万円相当)でした。
ただし成果条件は新規住宅ローンの融資実行です。申し込みでも仮審査通過でもなく、契約して実際に借りるところまで到達して初めてポイントになります。審査否決で契約に至らなかった場合、過去に同じ商品を契約したことがある場合、広告ページ以外から申し込んだ場合は対象外です。
※ 経由できるのは、まだ申し込んでいない場合だけです。先に銀行のサイトから直接申し込むと、あとからポイントサイトを経由し直すことはできません。
手続きの中身も、審査の基準も、直接申し込む場合と変わりません。自宅の購入や借り換えを具体的に進めていて、この商品で借りると決めているなら、経由しない理由はありません。逆に、12万Pのために年収条件や金額条件を無理に合わせにいく話ではありません。3,000万円以上の借入に対する12万Pは、事務手数料66万円の2割にも届きません。
モッピーの案件の見方と、融資を控えている人が触ってはいけない案件については、こちらにまとめています。
向く人・向かない人
| 向く人 | 向かない人 |
|---|---|
| 手元に数千万円の現金があり、当面それを積極運用する予定がない | 手元資金を不動産や事業に回して、2%を超える利回りを狙っている |
| 現金で買えるが、流動性を落としたくない | 借入が3,000万円に届かない(対象外) |
| 税込年収1,000万円以上(または合算で1,000万円以上) | 年収条件を満たさない(対象外) |
| 生命保険がすでに十分で、団信を外す判断ができる | 団信の保障を住宅ローンで確保したい |
| 長く住む前提の家を買う | 数年で売る前提(事務手数料2.2%の負担が重い) |
まとめ
- 対象預金の残高と同額のローン残高には金利がかからない。実質0%の条件は「預金残高が借入額以上」かつ「団信に加入しない」の2つ
- 融資金額は3,000万円以上3億円以内、税込年収1,000万円以上、勤続1年以上。入口は狭い
- 事務手数料2.2%は金利0%でも消えない。3,000万円なら66万円
- 連動させた預金には金利がつかない。預金連動は税引後で年1.650%相当の確定リターンと考え、他の運用と比べて判断する
- 団信を外すと法定相続人1名の連帯保証が必要。0%は保障と引き換え
- 自宅のローンは投資用ローンの審査で返済負担として見られる。順番を先に決める
- モッピー経由で12万P(2026年9月3日時点)。ただし成果条件は融資実行で、ポイントのために条件を合わせにいく金額ではない
※ 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・投資手法・不動産の購入を推奨するものではありません。金利・手数料・条件は変更されることがあります。実際の条件は必ず東京スター銀行の公式サイトおよび商品説明書でご確認ください。変動金利型のため、金利上昇により返済額が増える可能性があります。外貨預金には為替変動リスクがあり、預金保険の対象外です。ポイント数・獲得条件はモッピーの各広告ページでご確認ください。