auじぶん銀行の不動産投資ローンの融資とメリット・デメリット(一棟アパート・マンション)

本記事では、auじぶん銀行の一棟アパート・マンション向け不動産投資ローンについて解説します。金利、融資条件、メリット・デメリットを詳しく説明し、投資家にとっての選択肢としての可能性を探ります。融資ハードルが低い一方で、手数料が高めであることや他銀行での評価に注意が必要です。不動産投資を始めたい人や、融資の選択肢を増やしたい投資家の方は最後まで読んでください。
※本記事は2024年11月時点の執筆者の体験に基づく内容です。市況の変化や投資家の収益・資産属性によって変動しますのでご了承ください。

auじぶん銀行とは

auじぶん銀行は、KDDIと三菱UFJ銀行が共同出資して設立された新しい銀行です。
従来は区分マンションの投資家向けの融資のみを取り扱っていました。2024年に入って一棟アパート・マンションを購入する投資家に対しても融資を始めました。個人からの問い合わせでは融資できず、提携している不動産業者を介して紹介してもらう必要があります。

auじぶん銀行の金利・年数・手数料

金利:1.90%
融資比率:95%まで
年数:35年
融資手数料:融資金額の2.2%

auじぶん銀行の融資可否

auじぶん銀行は返済比率を重視して融資可否を判断しているとお聞きしました。返済比率が40%未満であることが融資の条件です。
 
返済比率 = (ローン返済額)÷(不動産収入+本業収入) < 40%
 
例えば、本業収入1,000万円として、年間家賃収入1,000万円・年間返済額600万円(返済比率60%)の物件を買い進めていった場合、
1棟目 = 600÷2,000 = 30% < 40%
2棟目 = 1,200÷3,000 = 40% = 40%
3棟目 = 1,800÷4,000 = 45% > 40%
となり、2棟目で打ち止めになりそうです。
 
もし、本業収入1,000万円として、年間家賃収入1,000万円・年間返済額500万円(返済比率50%)の物件を買い進めていった場合でも、
1棟目 = 500÷2,000 = 25% < 40%
2棟目 = 1,000÷3,000 = 33% < 40%
3棟目 = 1,500÷4,000 = 37.5% < 40%
となります。3棟目で打ち止めになりそうです。
 
さらに、本業収入2,000万円として、年間家賃収入1,000万円・年間返済額500万円(返済比率50%)の物件を買い進めていった場合、
1棟目 = 500÷3,000 = 15% < 40%
2棟目 = 1,000÷4,000 = 25% < 40%
3棟目 = 1,500÷5,000 = 30% < 40%
となります。高年収属性の人であれば、4~5棟は買い進めていけるのではないでしょうか。
また、1物件での融資額は1億円未満のようです。

auじぶん銀行を使うメリット

融資ハードルが低い

auじぶん銀行は、他銀行ではNGが出た物件でも融資が出ることがあります。例えば、ハザードマップでイエローゾーン・レッドゾーンに属するエリアにおいても利回り等の状況が良ければ融資してくれます。

比較的低金利・長い年数のためキャッシュフローが出やすい

上記のようにリスクが高い物件の場合、相場に比べて利回りが高く設定されることが多いでしょう。融資を引けずに購入することが難しいためです。そのような物件に対しても金利2%程度・35年間という長期間で融資してくれるため、運用期間中のキャッシュフローが出やすいです。

auじぶん銀行を使うデメリット

融資手数料が高めである

融資手数料は融資金額の2.2%と高いです。これはオリックス銀行と同水準です。スルガ銀行の融資手数料が1%未満、静岡銀行の融資手数料が1.1%であることを踏まえると高いです。 また、融資比率はだいたい95%までのようです。そのため、手出し5%+融資手数料2.2%+仲介手数料3.3%の頭金(購入物件の10.5%)が必要になります。例えば、1億円の物件を購入する場合、手出し500万円+融資手数料220万円+仲介手数料330万円で、1,050万円の支出を伴います。 わたしは不動産賃貸経営において、自己資金配当率CCR(Cash on Cash Return)が最重要に考えています。CCRを重視すると、手数料が高いauじぶん銀行は最良とは言えません。

他銀行が評価していない場合、規模拡大の足枷になる

auじぶん銀行は他銀行では融資をしない物件に対しても融資をしてくれる傾向があります。その姿勢は大変うれしいのですが、2棟・3棟と購入していくことを考えた場合、auじぶん銀行頼りというわけにはいきません。他銀行を使おうとした場合に、auじぶん銀行を用いて購入した所有物件に対して評価されず、次の融資が得られない可能性がありますので注意しましょう。

まとめ

今回は一棟アパート・マンションを対象としたauじぶん銀行の融資条件について説明しました。
  • 融資条件:金利1.90%、融資比率95%まで、35年返済、融資手数料2.2%
  • 融資可否の判断基準:返済比率40%未満が条件
  • メリット:融資ハードルが低く、キャッシュフローが出やすい
  • デメリット:融資手数料が高め、他銀行での評価が低い可能性あり
auじぶん銀行は他行で断られた物件でも融資可能な場合があり、投資家にとって選択肢の一つとなりますが、長期的な投資戦略を考慮する必要があります。

不動産投資シミュレーションツール

不動産投資に興味はあるけれど、「どんな物件を選べばいいか分からない」「本当に利益が出るのか不安」という方は多いですよね。
私自身、この不安に何度も悩まされました。
そんな時役立ったのが、長期収支をシミュレーションできるExcelツールです。
これは私が事業を営む中で作り上げたもので、物件価格や融資条件、将来の家賃下落などを入力するだけで、35年分の収益やキャッシュフローを一目で把握できるので、投資判断が数字で見えるようになります。物件選びや融資交渉も、根拠を持って進めやすくなりますし、複数条件の比較も簡単。投資で大切なのは、“数字で未来を読む力”です。不動産投資の不安を、安心と自信に変えたい方は、ぜひ下記リンクからツールを手に取ってみてください。
不動産投資シミュレーションツールを提供します |長期収支を“見える化”できる。決められる。前進できる。
不動産投資に興味があるけれど「どんな物件を選べばいいの?」「本当に利益が出るの?」と悩んでいませんか?そんな方に最適なのが、長期収支シミュレーションが簡単にできるExcelツールです。❑お勧めな人このツールは次のような人にお勧めです。・不動産投資をこれから始める方・物件選びに迷っている方・将来のキャッシュフローを具体的に把握したい方・銀行に融資を相談するためにシミュレーションを作りたい方❑提供物Microsoft Excelを用いたファイルを提供します。マクロなどは使用せずに、指定のセルに必要な数値を入力するだけで35年間の長期的な収支を予測可能です。シートをコピーして、銀行を変えた想定で融資条件をいじるだけで、キャッシュフローがどうなるか、CCRがいくつで何年で自己資金回収可能かなど、推定することが可能です。主な入力可能項目:・物件価格・構造・築年数・現況賃料・推定賃料・ランニングコスト・空室コスト・不動産取得税・固定資産税等の税金・融資金利・融資年数・融資比率・家賃下落率主な出力項目:・総潜在収入(GPI)・空室損(VL)・実効総収入(EGI)・運営経費(OPEX)・営業総収入(NOI)・年間借入金返済額(ADS)・税引前収入(BTCF)・税引後収入(ATCF)・自己資本利回り(CCR)・実質利回り(FCR)・ローン定数(K%)・現在価値(NPV)・内部収益率(IRR)・P/L・B/S・Cash Flow❑最後に「数字で未来を見通す力」は不動産投資で失敗しないために必要です。エクセルで完結するこのツールを日常的に活用することで、あなたの資産形成の一助になることを期待しています。

不動産投資を考えている人向け

わたしも日々学びながら不動産投資に取り組んでいます。ちゃんと勉強せずにいきなり物件探しをしてしまう人が意外と多いのですが、何千万円・何億円というお金を動かす投資方法です。誤った方法で取り組むと、ご自身の貴重な属性を消耗して拡大できなくなるだけでなく、多額の負債を背負ってしまう可能性もあります。まずは落ち着いて基礎的な知識から習得してみてください。
Financial Academyが開催している不動産投資スクールはその候補の一つです。これまでに60万人超が受講していて実績も豊富で安心できる講座です。
体験セミナーは無料ですので、迷ったらまず受講してみてくださいね。早く行動した人が成功しています。