コウモリを追い出せるのは春と秋だけです|夏にやると飛べない子が取り残されます

この記事を読むと分かること
  • ★追い出せる時期は限られていること。自治体が「それ以外の時期に」と書いていること
  • 夏に追い出すと、飛べない子が中に取り残されること
  • 追い出したあと塞がないと意味がないこと。順番が決まっていること
屋根裏や換気扇からコウモリが出入りしている。今すぐ追い出したい。
ただ、時期を間違えると事態が悪くなります。北九州市は「冬眠時期及び夏の出産時期は追い出しが難しいため、それ以外の時期に対策を行う方が効果的です」としています。この記事では、自治体と国立環境研究所の資料をもとに、いつなら動けるのかと、追い出したあとに何をするのかを整理します。

★動ける時期は、年に2回しかありません

アブラコウモリ(イエコウモリ)の1年は、繁殖と冬眠でほぼ埋まっています。
時期状態追い出し
12月〜3月頃冬眠難しい(動かないので出ていかない)
★4月〜5月頃冬眠明け。4月末に受精★動ける
6月〜8月頃出産・子育て★やってはいけない
★9月〜11月頃子が巣立ち、10月に交尾★動ける
※ 追い出しの可否は北九州市の公表内容、繁殖のサイクルは国立環境研究所「侵入生物データベース」、出産シーズンは福岡県の公表内容に基づく(いずれも2026年9月3日時点で確認)。月の区切りは地域と年によって前後します。
春と秋しかありません。しかも冬眠明けの春は、すでに受精が始まっています。

★夏に追い出してはいけない理由

飛べない子が、中に取り残されるからです。
国立環境研究所の資料によると、アブラコウモリの繁殖はこうなっています。
「繁殖期:10月に交尾」「交尾後、冬眠中は精子は卵管と子宮に貯精される」「冬眠終了後、4月末に排卵されて受精。妊娠期間は70日程度」「産仔数2〜4(平均2.6〜3)」「新生児の体重は0.86g程度
※ 国立環境研究所「侵入生物データベース」アブラコウモリの項に基づく(2026年9月3日時点で確認)。
福岡県は「6〜7月が出産シーズンです」としています。
★取り残されると、後始末はもっと厄介になります
親だけが逃げ出し、まだ飛べない子が屋根裏に残る0.86gで生まれた子は、しばらく飛べません。
そのまま死ねば、死骸と、そこに湧く虫の処理が必要になります。天井を開けることにもなりかねません。
「今すぐ追い出したい」が、いちばん高くつく季節が夏です。
6〜8月に気づいたら、秋まで待つという判断があります。

追い出しの方法は3つ挙げられています

つくばみらい市が、具体的に書いています。
方法内容
煙による追い出し(火を使わずに)煙の出るタイプの害虫駆除剤を屋根裏に置く
忌避剤による追い出しナフタリン等の固形忌避剤を置く、またはスプレータイプを噴射する
ネット等による侵入防止コウモリがいない時に(または追い払ってから)ネット・パテ・シーリング材ですき間をふさぐ
※ つくばみらい市の公表内容に基づく(2026年9月3日時点で確認)。
北九州市も、忌避剤のほかに「ライトアップをする等棲み心地を悪くすることで追い出す方法」を挙げています。
コウモリは暗く狭いところを好むので、明るくすると居づらくなるという理屈です。

★★順番を間違えると、閉じ込めます

これが最も大事なところです。
北九州市は、こう書いています。
(2)棲み付かれる前または、(1)で追い出した後に侵入口をふさいでください
つくばみらい市も「侵入口や住み着いている場所にコウモリがいない時に(または追い払ってから)、その場所に…すき間をふさぐ」としています。
※ 北九州市・つくばみらい市の公表内容に基づく(2026年9月3日時点で確認)。
やること
1時期を確認する(春か秋か)
2追い出す(煙・忌避剤・明るくする)
3いないことを確かめる
4侵入口をふさぐ(ネット・パテ・シーリング材)
5糞を掃除する
先に塞ぐと、中に閉じ込めます。そして閉じ込められたコウモリは、出口を探して室内側へ出てくることがあります。

侵入口は、思っているより小さい場所です

相談が多いのは、次のような場所です。
場所なぜ入られるか
換気扇・通気口外側にフードがあり、内側に隙間がある
軒下・破風板の合わせ目にわずかな開きがある
シャッターボックス箱の内部が空洞で、暗く雨がかからない
屋根と壁の取り合い構造上、隙間ができやすい
コウモリの巣は壁に作られるとされています(福岡県・国立環境研究所)。「壁の中に入られる」という発想がないと、侵入口を見落とします。
高所の作業は無理をしないでください
つくばみらい市も「高所である場合には危険ですので、専門業者への依頼についてもご検討ください」としています。
軒下や屋根まわりは、脚立から落ちる事故のほうが被害として大きいです。

糞の掃除は、乾かして掃かない

コウモリの糞には、吸い込むと感染する病気の懸念があります。手順は鳥のフンと同じで、乾いた状態で掃かない・掃除機で吸わないが基本です。
詳しい手順と、法律上の扱い(捕獲には許可が要ります)は、こちらにまとめています。
そもそもコウモリの糞かどうかを確かめるなら、こちらです。

コウモリは、害だけの動物ではありません

福岡県は、アブラコウモリについてこう書いています。
「市街地周辺や里山などの身近な環境でもっともよく見られるコウモリ」「家屋内に入りこんで衛生面の問題を起こすこともありますが、カやウンカなどの害虫を捕食するため、益獣としての側面もあります
※ 福岡県の公表内容に基づく(2026年9月3日時点で確認)。
だから、殺す必要はありません。出ていってもらって、入れないようにする。それで解決します。

業者に頼む目安

状況判断
春か秋で、侵入口が手の届く場所自分で対応できる可能性があります
★夏(6〜8月)に気づいた急がない。子がいる前提で相談する
侵入口が屋根まわり・高所業者へ。落下事故のほうが危険
どこから入っているか分からない業者の現地調査。塞ぐ場所が特定できないと終わりません
糞が大量にたまっている清掃・消毒の装備が要ります

相談先

害獣駆除110番は、上場企業シェアリングテクノロジー株式会社(証券コード3989)が運営する紹介サービスです。日本全国・24時間365日受付で、公式サイトの料金は22,000円〜(税込)から、現地調査・お見積りは無料とされています。
※ 料金・対応範囲・受付時間は害獣駆除110番の公式サイトの記載に基づきます(2026年9月3日時点・編集部調べ)。公式サイトには「対応エリア・加盟店により記載価格や条件では対応できない場合がございます」との注記があります。
時期の話は、業者に相談するときにも効きます。「今すぐやりましょう」と言われたときに、それが夏なら、子がいないかを確認してください。

まとめ

  • ★北九州市:「冬眠時期及び夏の出産時期は追い出しが難しいため、それ以外の時期に対策を行う方が効果的です」
  • 動けるのは春(4〜5月頃)と秋(9〜11月頃)
  • ★夏に追い出すと、飛べない子が取り残される。新生児は0.86gで、しばらく飛べません
  • 繁殖は10月に交尾→冬眠中に貯精→4月末に受精→妊娠70日程度→産仔2〜4(国立環境研究所)
  • 出産シーズンは6〜7月(福岡県)
  • 追い出し方は煙タイプの駆除剤・ナフタリン等の忌避剤・ライトアップ
  • ★★順番は「追い出す→いないことを確かめる→ふさぐ」。先に塞ぐと閉じ込めます
  • 侵入口は換気扇・通気口・軒下・シャッターボックス・屋根と壁の取り合い
  • 巣は壁に作られる。壁の中という発想がないと見落とす
  • 高所は業者へ(つくばみらい市も注意喚起)
  • カやウンカを食べる益獣としての側面もある(福岡県)。殺す必要はありません

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法律上の扱いと、糞の掃除の手順はこちらです。
天井裏の音がコウモリとは限りません。時間帯と音で絞れます。
どこに相談すればいいか分からない場合は、こちらです。
※ 本記事の追い出し時期と手順は北九州市・つくばみらい市、繁殖生態と食性は国立環境研究所「侵入生物データベース」、出産シーズンと益獣としての側面は福岡県の公表内容に基づきます(いずれも2026年9月3日時点で確認)。月の区切りは地域と年によって前後します。判断に迷う場合は、お住まいの自治体の窓口にご相談ください。