ダック引越センターは今も頼めるのか|2017年9月に引越し事業から撤退しています
この記事を読むと分かること
- ダック引越センターは2017年9月に引越し事業から撤退していること
- そこに至るまでの資本の動き(SBS→アート→合併)
- いま検索で出てくる情報をどう扱えばよいか
「ダック引越センター」は、いまも毎月検索されています。料金相場や口コミをまとめたページもたくさん残っています。
ですが、この会社はすでに引越し事業をやめています。見積もりを取ろうとして時間を使う前に、そこを先にお伝えします。
何が起きたか
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 1968年8月 | 「原口運輸」として創業 |
| 1974年6月 | 株式会社ダック 設立(本社:東京都府中市) |
| 2005年1月 | SBSホールディングスの傘下に入る |
| 2007年10月 | アートコーポレーションがSBSホールディングスから発行済株式の90%を取得し子会社化 |
| 2011年9月 | アートバンラインと合併。アートバンラインが存続会社となり、ダックの法人格は消滅 |
| 2017年9月 | 引越し事業から撤退 |
※ 物流業界紙の報道および公開されている企業情報に基づく(2026年8月30日確認。2007年10月の株式取得については、2026年9月19日に物流ウィークリーの当時の報道で再確認・編集部調べ)。
注目してほしいのは、2011年の段階ですでに法人格が消えているという点です。そのあとの「ダック引越センター」は、アートグループのなかのブランド名として残っていた形です。そのブランドが2017年9月に終わった、という順番になります。
では、いま検索で出てくる情報は何なのか
| 見かけるもの | どう扱うか |
|---|---|
| 料金相場・プランの解説 | 営業していた当時の内容。金額は消費税8%時代のものも混ざる |
| 口コミサイトの掲載 | サイトによっては「終了」の表示が付いている |
| 電話帳・企業情報サイトの記載 | 同名・類似名の別の事業者の情報が混在することがある |
同じ名前でも同じ会社とは限りません
引っ越し業界では、有名な屋号が別の事業者に使われることが実際に起きています。松本引越センターは公式サイトで「当社の『松本引越センター』名が流用され、当社と関係のない業者がかなり増えております」と注意喚起しています。
屋号ではなく、契約の相手となる事業者名で確かめてください。見積書や契約書に書かれている会社名が本体です。
屋号と会社名は、公的な名簿でも別の欄になっています
屋号と契約の相手が違うことがある、というのは当ブログの言い分ではありません。制度の側が、最初からそう作られています。
全日本トラック協会の「引越事業者優良認定制度(引越安心マーク)」は2014年度に創設された制度です。同協会のプレスリリースには、認定の単位が「引越事業者が使用する引越サービス名称」であると書かれています。認定されるのは会社そのものではなく、看板に出ている名前のほうです。
そのため認定事業者の名簿は、「引越サービス名称」と「事業者名」が別の列になっています。実際に並んでいるものを見ると、その2つがずれているほうがむしろ普通です。
| 引越サービス名称(看板の名前) | 事業者名(契約の相手) | 事業所数 | 本社所在地 |
|---|---|---|---|
| アリさんマークの引越社 | 株式会社引越社 | 54 | 東京都 |
| トナミ引越センター | トナミ運輸株式会社 | 8 | 富山県 |
| スター引越センター | 株式会社スタームービング | 4 | 神奈川県 |
| セイコー引越センター | 清興運輸株式会社 | 1 | 東京都 |
| アイラブ引越センター | 株式会社CLライン | 2 | 福岡県 |
※ 全日本トラック協会のプレスリリース「引越事業者優良認定制度(引越安心マーク)2025年度認定事業者を発表」(2025年12月19日付)に付いている認定事業者一覧から抜粋(2026年9月19日確認)。
ダックの場合は、このずれが最後まで残った形です。2011年9月に法人格が消え、看板の名前だけがアートグループのなかに残り、2017年9月にその看板も下りました。
その看板が「いまも動いているか」を名簿で確かめる
引越安心マークの認定には期限があります。2025年度に認定された分の有効期間は、2026年1月1日から2028年12月31日までの3年間です。期限があるということは、名簿に載り続けるには更新の手続きが要るということです。だから「いまも引越しの仕事を続けているか」を見るときの目安になります。
2026年1月1日からの認定事業者は、2023年度・2024年度に認定された分と合わせて349事業者(1,674事業所)です。2025年度は申請が43事業者、そのうち取下げが1件、不受理が0件で、審査に進んだのは42件。不認定は0件で、42事業者が認定されました。内訳は新規が7、更新が35です。
申請できる条件も公表されています。
- 引越しに関わるすべての事業所に、2022年度以降の引越管理者講習を修了した人が1名以上いること
- 引越しに関わるすべての事業所が「安全性優良事業所」(Gマーク認定事業所)であること、または別途定める同等の審査基準を満たしていること
※ 同じプレスリリースの記載に基づく(2026年9月19日確認)。
ただし、これは任意の申請制度です。349事業者という数は、日本の引越し事業者の全部ではありません。だから「名簿に無いから営業していない」とは言えません。名簿は、載っていたときにだけ根拠として使えるものです。実在するかどうかは、見積書と契約書に書かれた事業者名で確かめてください。
残っている口コミを、そのまま読まないでください
「ダック引越センター 口コミ」は、いまも検索されています。読むこと自体を止めはしませんが、書かれた時期を先に見てください。
- 引越し事業が終わったのは2017年9月です。2026年9月の時点で9年が経っています
- 2011年9月より後は、ダックは法人としては存在していません。そのころの口コミは、アートグループのなかのブランドとして動いていた時期のものです
- 金額が書かれている口コミには、消費税が8%だった時期のものが混ざります(8%だったのは2014年4月1日から2019年9月30日まで)
- 作業をしていた人も、使っていたトラックも、いまは別の会社のものです
口コミを読む目的は、これから自分が受けるサービスを見当づけることのはずです。すでに終わったサービスの口コミは、良い内容でも悪い内容でも、その役に立ちません。
この件が教えてくれること
ダックの話は、単独の例外ではありません。引っ越し業界は、いまも再編が続いています。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2007年10月 | ダック→アートコーポレーション傘下 |
| 2025年1月1日 | ヤマトホームコンビニエンス(「わたしの引越」)→アートグループ |
| 2026年4月28日 | ファミリー引越センターほか2社→サカイの完全子会社 |
※ 各社の公表および業界紙の報道に基づく(2026年8月30日時点・編集部調べ)。
これが相見積もりに直接効いてきます。
3社から4社の見積もりを並べたつもりでも、実際には2つのグループしか比べていないということが起きます。同じグループ内では、値引きの余地も似通ったものになります。
では、どこに頼めばよいのか
ダックを探していた方は、「大手より安く、でもちゃんとした会社」を探していたのだと思います。同じ位置にある会社を、当ブログで個別に取り上げています。
| 探していたもの | 見てほしい会社 |
|---|---|
| 首都圏で、満足度の高い中堅 | カルガモ引越センター(2026年オリコン顧客満足度 首都圏2位・76.5点) |
| 東京23区で、丁寧さ重視 | たかくら引越センター(全員非喫煙・カード可) |
| タワーマンションや長距離 | スター引越センター(タワマン専用プラン・混載便) |
| 関西で、金額の根拠が知りたい | ミツバチ引越センター(料金の計算式を公開) |
中堅を探すときの現実的な進め方
中堅は対応エリアが限られ、日程もすぐ埋まります。名前を指定して探すより、条件を出して当てはまる会社を拾うほうが早く済みます。
引っ越し料金に定価はありません。時期・荷物量・距離・作業条件で倍以上変わり、同じ条件でも業者の空き状況で動きます。
| 優先したいこと | 向いている方法 | 受け入れること |
|---|---|---|
| 手間を減らして、厳選された数社で比べたい | HALESEE(ハレシー) | 比較できる社数は少なめ |
| とにかく多く比べて、できるだけ安くしたい | 引越し侍の一括見積もり | 電話とメールの本数 |
まとめ
- ダック引越センターは2017年9月に引越し事業から撤退している
- 法人格は2011年9月のアートバンラインとの合併で消滅している
- その前は2005年SBSホールディングス傘下→2007年アートコーポレーションが株式90%を取得
- いま残っている料金情報は営業当時のもの。消費税8%時代の金額も混ざる
- 屋号ではなく、契約の相手となる事業者名で確かめる
- 引っ越し業界の再編は続いている。相見積もりで3社取っても2グループしか比べていないことが起きる
- 引越安心マークは「引越サービス名称」を単位に認定される。名簿は看板の名前と事業者名が別の列になっている
- 認定の有効期間は3年(2025年度の認定分は2026年1月1日から2028年12月31日まで)。ただし任意の制度なので、載っていないことは営業していない証拠にはならない
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※ 本記事の沿革は物流業界紙の報道および公開されている企業情報に基づきます(2026年8月30日確認)。屋号の使用状況は変わることがあるため、実際に依頼する際は見積書・契約書に記載された事業者名をご確認ください。