市街地価格指数の最新値は、全国95.7・東京区部153.8です|2026年3月末の第170回、全国はまだ2010年の水準を下回っています

市街地価格指数は、日本不動産研究所が全国の市街地の土地の値動きを年2回まとめている指数です。最新の第170回(2026年3月末現在・2026年5月27日公表)は、2010年3月末を100として、全国の全用途平均が95.7、東京区部が153.8でした。全国ではいまも2010年の水準を4%ほど下回り、東京区部は5割以上高いという開き方です。
この記事では、日本不動産研究所の公表資料をもとに、最新の数字、用途別・地方別の違い、どこで見られるか、過去の土地価格の推計にどう使うかを順に並べます。数字はすべて2026年9月26日に同研究所の公式サイトで確かめたものです。

市街地価格指数とは何ですか

市街地価格指数は、一般財団法人日本不動産研究所が、全国主要198都市のおよそ1,300地点の土地の価格を毎年3月末と9月末に評価し、指数にしたものです。評価は同研究所の本社・支社・支所の不動産鑑定士などが、鑑定評価の手法に基づいて行っています。
始まりは1936年9月末の旧日本勧業銀行の調査で、2026年3月末が170回目です。1959年3月以降は日本不動産研究所がとりまとめています。
調査地点の選び方は、同研究所の「市街地価格指数の調査方法の概要」で次のように説明されています。
  • 各都市の市街地を、実際の使われ方で商業地域・住宅地域・工業地域の3つに分ける
  • それぞれを上・中・下の3つの品等に分け、その中位にある標準的な宅地を調査地点にする
  • このほかに各都市の最高価格地を1地点調べる。調査地点は原則として1都市10地点
価格は更地としての1平方メートルあたりの価格です。各用途の前期比の平均変動率を前の回の指数に掛けて、今回の指数を出しています。

最新の市街地価格指数はいくつですか

2026年3月末現在の市街地価格指数(全用途平均)は、全国95.7、六大都市138.0、東京区部153.8です。半年前の2025年9月末からの上昇率は、全国1.1%、東京区部4.6%でした。
地域指数(全用途平均)前期比(半年)前年同期比(1年)
全国95.71.1%2.2%
六大都市138.02.6%4.9%
六大都市を除く94.71.1%2.2%
東京圏126.12.6%5.1%
東京区部153.84.6%8.8%
大阪圏111.21.8%3.5%
名古屋圏110.31.0%1.9%
※ 日本不動産研究所「第170回 市街地価格指数(2026年3月末現在)」の指数表から抜き出しました。指数は2010年3月末を100とした値です。六大都市は東京区部・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸です。
全国の95.7は、2010年3月末より4.3%低い水準です。一方で東京区部は、同じ期間に5割以上上がっています。同じ「地価が上がっている」という報道でも、どの地域の数字かで意味がまったく違います。

住宅地・商業地・工業地では、どう違いますか

全国では、上昇率がいちばん高いのは工業地(前期比1.6%)、いちばん低いのは住宅地(同0.8%)です。指数そのものは住宅地95.9、商業地94.3、工業地97.8で、どれも2010年3月末の100を下回っています。
用途全国の指数全国の前期比全国の前年同期比東京区部の指数東京区部の前期比
商業地94.31.2%2.4%165.75.2%
住宅地95.90.8%1.6%141.44.5%
工業地97.81.6%3.1%153.62.4%
最高価格地102.01.7%3.2%215.15.5%
※ 同資料の指数表から抜き出しました。最高価格地は、各調査都市で最も価格の高い地点の変動率の平均です。
同研究所は、工業地の上昇を物流施設用地への需要の強さで、商業地の上昇を観光需要による店舗需要や再開発の進展で説明しています。住宅地は、住環境や交通の便がよい地域を中心に需要が底堅いとしています。
東京区部の住宅地について、同研究所は「マンションを主として需要が好調」と書いています。東京区部の住宅地の前期比は、2024年3月末の2.2%から、2.6%、3.3%、3.9%、4.5%と、4回続けて大きくなりました。

地方別では、下がっているところはありますか

地方別の全用途平均は、9つの地方すべてで前期比がプラスでした。ただし用途別に見ると、北陸地方の住宅地だけが前期比マイナス0.1%で、同研究所は「地方別の用途のなかで唯一の下落」としています。
地方全用途平均の指数全用途平均の前期比住宅地の指数住宅地の前期比
北海道95.40.7%103.10.4%
東北86.90.7%94.10.6%
関東108.51.8%103.61.4%
北陸81.30.3%81.3マイナス0.1%
中部・東海93.70.7%93.50.4%
近畿102.61.6%97.70.8%
中国84.90.7%88.10.6%
四国75.60.1%78.40.0%
九州・沖縄100.41.6%102.51.4%
※ 同資料の指数表から抜き出しました。
北陸地方の住宅地について、同研究所は、利便性の劣る地域や能登半島地震の影響で需要が減っている地域で下落が続いていると説明しています。四国地方の住宅地は横ばいです。
全用途平均で2010年3月末の100を上回っているのは、関東、近畿、九州・沖縄の3地方だけです。

今後半年の見通しはどうなっていますか

日本不動産研究所は、2026年4月から9月までの半年について「概ね今期と同程度の地価の上昇が続く見通し」としています。景気の緩やかな回復傾向が続くとの見方のもとで、観光需要と住宅需要が安定していることを理由に挙げています。
地域全用途平均の実績(2025年10月から2026年3月)今後半年の見通し(2026年4月から9月)
全国1.1%1.1%
東京圏2.6%2.6%
大阪圏1.8%2.0%
名古屋圏1.0%0.8%
※ 同資料「今後半年間の見通し」の値です。見通しは各用途区分の代表地点の予測値を集計したもので、将来を保証するものではないと同研究所は注記しています。
次の第171回(2026年9月末現在)は、例年どおりなら11月下旬に公表されます。

市街地価格指数は、どこで見られますか

最新の回の概要は、日本不動産研究所の公式サイトに「公表資料」のPDFとして無料で載っています。過去から最新までの全ての指数は、有償の冊子に載っています。
入手先見られる範囲費用
公式サイトの公表資料(PDF)最新の回の概要と指数表無料
WEB会員サイト過去10回分の全国・六大都市を除く全国・六大都市の指数(PDFの閲覧)無料(会員登録が必要)
冊子「市街地価格指数・全国木造建築費指数」過去から最新までの全ての指数1冊600円+税
※ 同研究所「よくあるご質問」(2026年9月26日確認)。冊子は全国官報販売協同組合の販売サイト、全国の官報販売所、書店での取り寄せで買えます。同研究所の事業所では売っていません。
Excelなどのデータでのダウンロード販売はしておらず、冊子のPDF版は維持会員(年会費あり)でなければダウンロードできません。

市区町村ごとの市街地価格指数はありますか

ありません。同研究所は、特定の市を対象にした市街地価格指数は作っておらず、全国・六大都市・地方別・三大都市圏などの地域単位までだとしています。調査対象の198都市の一覧も公表していません。
ただし、六大都市、三大都市圏を除く政令指定都市(札幌・仙台・新潟・静岡・浜松・岡山・広島・北九州・福岡・熊本)、県庁所在都市は、すべて調査対象に入っています。
用途の分け方も、土地の使われ方の実態によるものです。都市計画法の用途地域や、相続税路線価の地区とは必ずしも一致しないとされています。

市街地価格指数で、過去の土地の価格は推計できますか

推計はできます。日本不動産研究所は、「過去の土地価格 ≒ 現在の土地価格 ×(過去の指数 ÷ 現在の指数)」という式を示しています。
たとえば、東京区部の住宅地にいま5,000万円の土地があるとします。2026年3月末の東京区部・住宅地の指数は141.4なので、2010年3月末(指数100)の価格は、5,000万円 × 100 ÷ 141.4 で、およそ3,536万円と推計できます(編集部試算)。
ただし、指数は地域の平均の動きです。個別の土地は、駅からの距離や形、周りの開発によって、指数と違う動きをします。推計はあくまで目安です。

相続した土地を売るときの取得費に使えますか

使えるかどうかは税務署の判断です。日本不動産研究所は、譲渡所得の申告のための取得費の算定は「税務署の判断事項」とし、どの指数を使うとよいかを言う立場にはないと書いています。
国税庁は、先祖から受け継いだ土地や買った時期が古い土地などで取得費が分からない場合、売った金額の5%相当額を取得費にできるとしています(タックスアンサーNo.3258)。3,000万円で売った土地なら、取得費は150万円です。
市街地価格指数で推計した額を取得費にしたい場合は、申告の前に管轄の税務署か税理士に確かめてください。

地代や家賃の値上げと、市街地価格指数は関係がありますか

法律の上では、土地の価格の動きが地代や家賃を見直す理由の一つになっています。借地借家法は、地代の増減を請求できる理由として「土地の価格の上昇若しくは低下」を挙げています(第11条)。建物の家賃も「土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下」が理由の一つです(第32条)。
土地の価格がどれだけ動いたかを数字で見る手がかりとして、市街地価格指数の地域別・用途別の変動率を見ることができます。ただし指数は地域の平均で、個別の土地や建物の事情は入っていません。
同じ条文は、一定の期間増額しない特約がある場合はそれに従うとしています。また、増額について話し合いがまとまらないときは、請求を受けた側は、裁判が確定するまで自分が相当と考える額を払えばよいとされています。
※ 借地借家法(e-Gov法令検索・2026年5月21日施行の版)第11条・第32条。

国の不動産価格指数や、不動研住宅価格指数とは何が違いますか

市街地価格指数は土地の価格を鑑定評価で測る指数で、国の不動産価格指数や不動研住宅価格指数は、実際に取引された価格から作る指数です。何を測っているかが違うので、数字をそのまま比べることはできません。
指数作っているところ測るもの頻度
市街地価格指数日本不動産研究所全国198都市の市街地の土地(鑑定評価)年2回(3月末・9月末)
不動産価格指数(住宅)国土交通省住宅地・戸建住宅・マンションの取引価格月次(2026年分は公表延期中)
不動研住宅価格指数日本不動産研究所首都圏の中古マンションの成約価格(同じ物件の価格の変化)月次(毎月最終水曜日)
※ 各機関の公表資料(2026年9月26日確認)。国土交通省は、2026年8月27日付で、算出時のプログラムの不具合を理由に不動産価格指数の公表を延期すると告知しています。
国の指数が止まっている間も、市街地価格指数は予定どおり2026年5月に第170回が公表されています。国の指数でマンション価格がどう動いてきたかは、次の記事にまとめています。
東京23区の中古マンションの最近の値動きは、次の記事で扱っています。

よくある質問

市街地価格指数は、いつ公表されますか

3月末時点の調査は5月下旬、9月末時点の調査は11月下旬に、日本不動産研究所の公式サイトで公表されます。最新の結果を収録した冊子は、3月末分が6月中旬、9月末分が12月中旬に発売されます。

市街地価格指数の基準はいつですか

2010年3月末を100とした指数です。1936年からの戦前基準の指数もあり、同研究所はリンク係数を掛けて2010年基準の指数につなぐ式を示しています。

全国の指数が100を下回っているのは、地価が下がっているということですか

2010年3月末と比べて低いという意味で、いま下がっているという意味ではありません。全国の全用途平均は95.7ですが、前期比は1.1%のプラスで、上昇が続いています。

市街地価格指数と全国木造建築費指数は、同じ資料ですか

同じ日に公表されています。第168回の全国木造建築費指数(2026年3月末現在)は132.9で、前期比1.8%、前年同期比3.6%の上昇でした。同研究所は、木造建築費は2012年9月末の調査から上がり続けているとしています。

地価の数字を、自分のお金の判断につなげるために

市街地価格指数を見ると、同じ「地価の上昇」でも、全国と東京区部、住宅地と商業地で、動きがまったく違うことが分かります。土地や住宅を買う・売る・持ち続けるの判断は、こうした地域の数字と、自分の家計の状況の両方から組み立てることになります。
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出典(2026年9月26日に取得):日本不動産研究所「第170回 市街地価格指数(2026年3月末現在)」(2026年5月27日公表)・「市街地価格指数の調査方法の概要」・「よくあるご質問」・「不動研住宅価格指数について」/国土交通省「不動産価格指数」掲載ページ(2026年8月27日のお知らせ)/国税庁 タックスアンサーNo.3258「取得費が分からないとき」/借地借家法(e-Gov法令検索)。過去の土地価格の推計は、日本不動産研究所が示す式に公表値を当てはめて編集部が計算したものです。
※ この記事は一般的な仕組みの説明です。個別の土地の価格や税務の扱いは、不動産鑑定士・税理士・税務署などに確かめてください。