東京23区の中古マンションが3か月連続で下がっても、下げ幅は合計172万円です|同じ日の発表で首都圏は25か月連続の上昇でした
2026年9月24日、東京カンテイが2026年8月の中古マンション70平方メートル換算価格を発表しました。東京23区は前月比マイナス0.4%の12,677万円で、3か月連続の下落です。ところが同じ発表資料の中で、首都圏は前月比プラス0.8%の7,606万円と、25か月連続で上昇しています。
東京23区の中古マンション価格が3か月続けて下がりました。ただし下げ幅は3か月合計で172万円、率にするとマイナス1.34%です。同じ日の同じ資料には「首都圏は25か月連続の上昇」も載っています。この記事は、その2つを発表元の数字のまま並べ直したものです。数値はすべて2026年9月24日公表の資料から取り、当サイトで計算した箇所はその都度書きました。
東京23区の下げ幅は、3か月で172万円です
東京23区の中古マンション70平方メートル換算価格は、2026年5月の12,849万円が直近の高値で、8月は12,677万円でした。差は172万円、率にしてマイナス1.34%です。
| 年月 | 東京23区の70平方メートル換算価格 |
|---|---|
| 2025年8月 | 10,721万円 |
| 2026年1月 | 12,123万円 |
| 2026年4月 | 12,724万円 |
| 2026年5月 | 12,849万円(直近の高値) |
| 2026年6月 | 12,741万円 |
| 2026年7月 | 12,724万円 |
| 2026年8月 | 12,677万円 |
※ 172万円という引き算と1.34%という率は、当サイトが上の表から計算したものです。
同じ日の発表で、首都圏は25か月連続の上昇です
下がったのは23区です。都県単位で見ると、上がっているほうが多数派でした。
| エリア | 2026年8月の価格 | 前月比 | 前年同月比 |
|---|---|---|---|
| 首都圏 | 7,606万円 | プラス0.8% | プラス29.2% |
| 東京都 | 11,274万円 | マイナス0.2% | プラス24.1% |
| 神奈川県 | 4,400万円 | プラス0.7% | プラス10.5% |
| 埼玉県 | 3,329万円 | プラス1.4% | プラス10.2% |
| 千葉県 | 3,058万円 | プラス2.3% | プラス8.7% |
東京都のマイナス0.2%は、発表元の表現で「28か月ぶりのマイナス」です。神奈川県と埼玉県は5月から連続でプラスが続いており、発表元は前年同月比の上昇率が10%の大台に達したと書いています。
23区の中で下がっているのは、都心6区です
23区をさらに3つに分けた数字も、同じ資料に載っています。下落しているのは都心6区だけでした。
| 区分 | 2026年8月の価格 | 前月比 | 発表元の記述 |
|---|---|---|---|
| 都心6区 | 18,068万円 | マイナス0.7% | 4か月連続で下落 |
| 城南・城西6区 | 10,891万円 | プラス0.2% | 上昇率は縮小しつつある |
| 城北・城東11区 | 8,541万円 | プラス0.5% | 上昇率は縮小しつつある |
区分は発表元の定義です。都心6区は千代田区・中央区・港区・新宿区・文京区・渋谷区、城南城西6区は品川区・目黒区・大田区・世田谷区・中野区・杉並区、残りが城北城東11区です。市単位では横浜市がプラス0.1%の4,750万円、さいたま市がプラス3.1%の4,536万円、千葉市がプラス1.8%の2,941万円で、いずれも4か月連続のプラスでした。
この12,677万円は「売り希望価格」で、成約価格ではありません
数字を読む前に、何を測った数字かを押さえてください。発表元は集計方法をこう書いています。
| 項目 | 発表元の記載(2026年9月24日公表) |
|---|---|
| 価格の中身 | データベースに登録された中古マンションの売り希望価格を行政区単位に集計し、70平方メートルに換算 |
| 集計対象 | ファミリータイプのみ。専有面積30平方メートル未満の住戸と事務所・店舗用は除外 |
| 事例数 | 首都圏で2026年8月が39,383件、2026年6月から8月の合計が117,584件 |
つまりこれは「売り出すときに付けられた値段」の集計で、「実際に売れた値段」ではありません。売り出し価格から値引きして成約する取引がある以上、成約価格はこれより低く出るのが普通です。
実取引ベースの公的な指数は、いま止まっています
売れた値段を公的に確かめる手段として、国土交通省の不動産価格指数があります。年間約30万件の取引価格情報をもとに毎月公表されている指数です。ただし2026年9月24日時点で、この公表は延期されています。
国土交通省は2026年8月27日付のお知らせで、算出プログラムの不具合により2026年5月・第1四半期分の公表を延期すると告知しており、同じ理由で2026年1月から4月分の公表も延期されていると書いています。公表済みで最新のものは2026年3月31日公表の2025年12月分で、マンション(区分所有)の季節調整値は225.1でした。
※ 指数は2010年平均を100としたもの。2026年9月24日確認。
売り希望価格の集計は今月も出ているのに、実取引ベースの指数は2026年1月分以降が出ていません。いま「下がった」「上がった」と語られている数字は、ほぼ売り出し価格の話だと考えたほうが正確です。
先行指標は3つとも、同じ方向に動いています
発表元は価格そのものより、流通戸数・価格改定シェア・値下げ率の3つを先行指標と呼んでいます。東京23区の1年間の変化は次のとおりです。
| 指標 | 2025年8月 | 2026年3月 | 2026年8月 |
|---|---|---|---|
| 流通戸数(総計) | 12,145戸 | 13,264戸 | 15,218戸 |
| うち継続(売れ残り) | 9,610戸 | 10,701戸 | 12,404戸 |
| うち新規 | 2,535戸 | 2,563戸 | 2,814戸 |
| 価格改定シェア | 36.8% | 41.5% | 48.9% |
| 値下げ率 | マイナス5.5% | マイナス5.7% | マイナス6.2% |
新規に売り出される戸数はほぼ横ばいで、増えているのは継続、つまり売れ残っている住戸です。価格改定シェアは、継続して流通している住戸のうち直近3か月間に一度でも値下げした住戸の割合で、48.9%は2戸に1戸に届く水準です。値下げ率は、その住戸の期間内で最も高い売出価格と最も安い売出価格から算出されます。
同じ指標を他都市と並べると、23区の高さが分かります。2026年8月の価格改定シェアは大阪市が39.4%、名古屋市が37.9%でした。
※ 流通戸数は正味の在庫数で、同月・同一住戸の重複を除いた数字だと注記されています。
「下がり始めた」をどう読むかは、幅の比較から
3か月で172万円下がったことと、1年で大きく上がったことは、どちらも同じ表から読めます。
2025年8月の23区は10,721万円で、2026年8月は12,677万円です。差は1,956万円で、前年同月比はプラス18.2%でした。3か月の下げ幅172万円は、この1年の上げ幅のおよそ8.8%にあたります。
下げ幅172万円と上げ幅1,956万円の比較、および8.8%という割合は、当サイトが発表元の表から計算したものです。発表元がこの形で示しているわけではありません。
平均値なので、母集団が変われば数字も動きます。ただし23区の平均築年は2026年6月が25.9年、7月と8月が25.8年で、この3か月はほぼ動いていません。築年の構成が変わったから下がった、とは言いにくい数字です。平均という数字が母集団で動く仕組みそのものについては、東京23区の新築マンション平均2億6,520万円と中央値1億2,153万円の差を発表元の資料で確かめた記事で扱っています。
この先どうなるかは、この記事では書けません。発表元も「価格トレンドの先行指標は引き続きネガティブな方向に振れている」と書くにとどめています。確かめられるのは、どの数字が何を測っていて、いつ時点のものかだけです。
よくある質問
東京23区の中古マンション価格は、いま下がっているのですか
2026年6月・7月・8月は前月比でマイナスが続いており、3か月連続の下落です。一方で前年同月比はプラス18.2%です。「直近3か月では下がっているが、1年前よりは高い」が2026年8月時点の状態です。
この価格は、実際に売れた値段ですか
違います。発表元が集計しているのは売り希望価格、つまり売り出すときに付けられた値段です。成約価格ではありません。
なぜ23区が下がっているのに、首都圏の平均は上がるのですか
首都圏には東京都のほか神奈川県・埼玉県・千葉県が含まれ、この3県は2026年8月にいずれもプラスでした。発表元は、東京都の事例シェア拡大も首都圏平均を押し上げたと説明しています。
価格改定シェアが上がると、価格は下がりますか
価格改定シェアは、売れ残っている住戸のうち直近3か月に値下げした割合です。値下げが増えている事実を示す指標で、将来の価格を約束するものではありません。発表元も「先行指標」という位置づけで扱っています。
国の統計で裏を取れますか
2026年9月24日時点では取れません。国土交通省の不動産価格指数は2026年1月分以降の公表が延期されており、最新の公表値は2025年12月分です。
数字の読み方を自分で確かめたい方へ
この記事で使った数字は、すべて発表元が公開している資料から取れます。同じ資料を自分で開いて、指標の定義と集計方法から自分で読めるようになりたい方には、不動産投資スクールの無料体験セミナーという選択肢があります。
運営は株式会社FinancialAcademyで、2002年創立の非上場企業です。累計受講生数は2025年に80万人を超えたと公式の会社概要に記載があり、導入実績として官公庁・金融機関・大学が挙げられています(2026年9月6日確認)。物件の販売は行わない教育サービスの提供会社で、各スクールに無料体験セミナーが用意されています(2026年9月24日確認)。
物件そのものの選び方については、不動産投資は新築と中古のどちらが得かを収益性・リスク・出口戦略で比べた記事と、不動産投資の利回りは何%が目安かをエリア別の相場と計算方法から整理した記事も用意しています。
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