琉球畳は表替えができないことがあります|DAIKENの公式価格で縁なし6帖は283,200円、縁付きより108,000円高くなります

琉球畳の表替えは、受けてもらえないことがあります。DAIKEN(旧・大建工業)の公式通販サイトは、縁無し畳の一覧ページに「サイズは半畳サイズとなります。また仕様上、表替え作業は出来ませんのでご注意ください」と明記しています(2026年9月24日取得)。傷んだら畳ごと新調する、という前提で売られているということです。
そして費用の出方も、縁のある畳とは違います。同じ清流シリーズの6帖で比べると、縁付きの新調が175,200円、縁無しの新調が283,200円です(いずれも税込・同社の売れ筋ランキング掲載価格・2026年9月24日取得)。差は108,000円、約1.6倍になります。
高くなる理由は、畳1枚が高いからではありません。むしろ1枚あたりは縁無しのほうが安く、枚数が2倍になるから総額が上がります。
この記事では、琉球畳という言葉が指しているものを農林水産省の資料で確かめたうえで、メーカーが公開している実際の金額で、縁付きとの差がどこから出るのかを並べます。
※ 畳の料金には地域差があり、全国一律の相場額を公表している団体はありません。ここに書けるのは、公開されている個別の金額と、その条件までです。

琉球畳の表替えはいくらですか

はじめに結論を書きます。和紙や樹脂の畳表を使った縁無し畳は、メーカーの通販では表替えという選択肢そのものが用意されていないことがあり、その場合は新調の金額になります。DAIKENの清流シリーズなら6帖で283,200円、4.5帖で212,400円です(税込・2026年9月24日取得)。
一方で、町の畳店は縁無し畳の表替えを受けているところがあります。ユアマイスターに出店している畳店は、依頼の仕上がり日数についての質問に「縁付畳の場合は1日(午前9時頃お引取、午後17時から19時のご納品)」「縁無畳(琉球畳)の場合は基本一泊二日をお願いしております」と回答しています(2026年9月24日取得)。表替えの工期として答えているので、受けているという意味です。
つまり「琉球畳は表替えできない」と一般化はできません。できるかどうかは、どの畳表を使っているかと、どこに頼むかで変わります。見積もりを取る前に、まず表替えができる畳なのかを聞いてください。

琉球畳は、もともと七島藺を使った縁のない畳を指す言葉でした

農林水産省が「七島藺(しちとうい)」のページを公開しています。そこに、言葉の出どころがはっきり書かれています。
七島藺は、いぐさと同じく畳表の材料になる植物ですが、いぐさはイグサ科、七島藺はカヤツリグサ科で、別の植物です。同省は「人気の琉球畳は、元はこの七島藺の畳表を使用した畳のことを指していました」としています。
項目七島藺(しちとうい)いぐさ
分類カヤツリグサ科イグサ科
茎の断面三角形。刈り取り後に二つに割く「分割」という作業がある丸い
生産数軒の農家。栽培も製織も機械化が進んでいない機械化されている
制度上の位置づけ2016年12月に地理的表示保護制度へ「くにさき七島藺表」として登録
※ 農林水産省「七島藺(しちとうい)」を2026年9月24日に取得。年の表記は原文では平成28年12月です。
同省は、七島藺が昔は柔道畳としても全国各地で使われ、1964年に行われた東京オリンピックの柔道会場でも使用されたと書いています。丈夫だから縁を付けずに使えた、という順番です。商家の店先や農家の作業場でも縁なしで使われていました。
栽培の工程も公開されています。苗床の枯れた七島藺を焼いて雑草と害虫を駆除するところから始まり、4月末頃から昔ながらの手植えで植え付け、7月から8月頃に先端を刈り払う梢切り(うらぎり)を行い、7月末頃から手刈りで刈り取ります。刈り取った後、三角形の茎を二つに割く分割という作業を経て乾燥させ、各農家が製織まで行います。
また、2013年5月に国連食糧農業機関の世界農業遺産に認定された大分県国東半島宇佐地域の農林水産業システムを構成する要素の一つに、七島藺が含まれています。

「沖縄産」と書かれた説明を見かけたときは

ここで一つ、記述が割れている点を書いておきます。
DAIKENの建築用語集は、琉球畳を「沖縄のシチトウの茎を使った琉球表を用いた畳縁がない畳」と説明しています。同じ会社の公式通販サイトは「現在は大分県国東半島でのみ生産されています」としています。どちらも2026年9月24日に取得したものです。
農林水産省の資料は産地として大分県国東半島を挙げており、地理的表示の登録名も「くにさき七島藺表」です。琉球という名前は残っていますが、いま国内で生産されている七島藺の産地は沖縄ではない、と読むのが資料に沿った理解になります。
なぜ同じ会社の2ページで書き方が違うのかは、公開されている情報からは分かりませんでした。判断できないので、両方の記述をそのまま並べておきます。

いま売られている琉球畳は、ほとんどが半畳の縁無し畳です

DAIKENの公式通販サイトは、この言葉の使われ方の変化も書いています。「元々、琉球畳は上記のことを指しますが、近年は畳表に使用されている素材に関係なく、半畳サイズ(正方形)の縁無し畳を”琉球畳”と呼ぶこともあります」という説明です(2026年9月24日取得)。
つまり、店頭やカタログで琉球畳と呼ばれているものの多くは、七島藺ではありません。い草・和紙・樹脂の畳表を、半畳の正方形で縁を付けずに仕立てたものです。
同社の縁無し畳は、目積(めせき)織りという織り方の畳表を使っています。細目に織り込んだもので、縁がなくても切り口がほつれにくい織りです。畳表そのものは機械すき和紙をこよりにして樹脂コーティングしたもので、コウゾやミツマタを使った手すき和紙ではないと明記されています。
検索して出てくる価格を比べるときは、その琉球畳が七島藺なのか、い草なのか、和紙や樹脂なのかを先に確かめてください。同じ名前で別の商品が並んでいます。

高くなるのは1枚の単価ではなく、枚数が2倍になるからです

ここがこの記事の本題です。DAIKENの公式通販サイトが公開している金額を、同じ清流シリーズでそろえて並べます。
工事と仕様4.5帖6帖
表替え(縁付き)91,180円
新調・縁付き137,240円175,200円
新調・縁無し(琉球畳)212,400円283,200円
※ DAIKENの公式通販サイトの清流シリーズ。税込・2026年9月24日取得。4.5帖は各一覧ページの当店通常価格、6帖は同サイトの売れ筋商品ランキングに掲載されている金額です。いずれも「〜」付きの下限価格として表示されています。
差額は4.5帖で75,160円、6帖で108,000円です。倍率にすると約1.55倍と約1.6倍になります(引き算と割り算は当サイトの計算です)。
次に、1枚あたりに割り戻します。
仕様1枚あたり6帖に必要な枚数合計
縁付き(1帖もの)29,200円6枚175,200円
縁無し(半畳もの)23,600円12枚283,200円
※ 1枚あたりの金額は、上の公表価格を枚数で割った当サイトの計算です。縁無しは公表価格の4.5帖212,400円を9枚で割っても、6帖283,200円を12枚で割っても23,600円になり、一致します。
1枚あたりで見ると、縁無しのほうが5,600円安いのです。それでも部屋の合計が108,000円高くなるのは、半畳サイズだから枚数が2倍必要になるからです。6帖の部屋なら、縁付きは6枚、縁無しは12枚です。
この読み替えを知らないと、見積書の単価だけを見て安いと判断してしまいます。畳の見積もりは枚数で出ます。部屋の帖数ではなく、敷く枚数を先に数えてください。
なお、同社の縁付き畳には半帖ものもあり、清流シリーズの新調は半帖・1帖で20,440円です。4.5帖の137,240円は、1帖もの4枚(116,800円)に半帖もの1枚(20,440円)を足した金額と一致します。

縁無しにすると、表替えで回していく選び方ができなくなります

金額の差は初回だけの話ではありません。畳は普通、新調してから何度か表替えを挟んで使います。ところが表替えができない仕様だと、その回し方が使えなくなります。
DAIKENの公開価格で見ると、縁付きの清流シリーズは新調が4.5帖で137,240円、表替えが91,180円です。傷んだときに表替えを選べば、新調の3分の2ほどの金額で表面を入れ替えられます。縁無しにはこの選択肢が用意されていません。
※ いずれもDAIKENの公式通販サイトの清流シリーズ。税込・2026年9月24日取得。
繰り返しになりますが、これは同社の通販サービスの仕様であって、すべての畳店に当てはまる話ではありません。上に挙げたとおり、縁無し畳の表替えを受けている畳店はあります。ただ、縁無し畳を検討するときに「あとで表替えできますか」を聞いておく価値はある、ということです。
工期も違います。ユアマイスターに出店している畳店の回答では、縁付き畳が当日納品なのに対し、縁無し畳は基本的に一泊二日です。その間その部屋は使えません。

賃貸の和室を琉球畳にしたいとき

賃貸で畳を入れ替える場合、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)の考え方が関わってきます。ここは畳の扱いが独特です。
同ガイドラインの別表2は、畳表について負担単位を原則1枚とし、経過年数は考慮しないとしています。一方で畳床は、カーペットやクッションフロアと同じく6年で残存価値1円になるよう負担割合を算定するとしています。同じ畳でも、表と床で扱いが逆です。
また別表3は、特に破損していない畳の裏返しと表替えを、貸主の負担として挙げています。
そのうえで、自分の好みで縁無し畳に替える場合は話が別です。借主の都合による模様替えなので、退去時に元の状態へ戻すよう求められる可能性があります。枚数が2倍になる工事なので、戻す費用も小さくありません。貸主の承諾を書面でもらってから進めてください。

よくある質問

琉球畳に半畳サイズしかないのはなぜですか

七島藺を使った本来の琉球畳が正方形で縁のない形だったことに由来します。農林水産省の資料でも、柔道畳や商家の店先、農家の作業場で縁を付けずに使われていたと説明されています。現在メーカーが販売している縁無し畳も半畳サイズで、DAIKENの公式通販サイトは縁無し畳の一覧ページで「サイズは半畳サイズとなります」と明記しています。

6畳の部屋を琉球畳にすると何枚必要ですか

半畳サイズなので12枚です。縁付きの1帖ものなら6枚で済みます。見積もりは枚数で出るため、同じ6畳の部屋でも請求の土台になる数が2倍違います。

和紙や樹脂の琉球畳は、い草より高いですか

DAIKENが公開している価格で比べられるのは、同じ和紙畳の中での縁付きと縁無しの差までです。い草の琉球畳との価格差を示した公表資料は、今回見つけられませんでした。素材による差は、畳店の見積もりで確かめてください。

縁無し畳は裏返しができますか

DAIKENの公式通販サイトは、縁無し畳について表替え作業ができないことは明記していますが、裏返しについての記載は見当たりませんでした。できないという確認も、できるという確認も取れていません。畳店に直接聞いてください。

琉球畳はカビや虫に強いですか

素材によります。DAIKENは自社の機械すき和紙の畳表について、い草に比べてダニ・カビの発生がわずかだとしています。ただし、これは和紙畳表についての説明であって、い草や七島藺の琉球畳に当てはまる話ではありません。

まとめ

  • 琉球畳は、もともと七島藺(カヤツリグサ科)の畳表を使った縁のない畳を指す言葉。いまは素材に関係なく、半畳の縁無し畳をそう呼ぶことがある(農林水産省・DAIKEN、2026年9月24日取得)
  • 七島藺は現在、数軒の農家が生産。2016年12月に地理的表示保護制度へ「くにさき七島藺表」として登録されている
  • メーカーの通販では、和紙の縁無し畳は表替えができない仕様のことがある。その場合は新調の金額になる
  • 費用が高くなるのは単価ではなく枚数。同じ清流シリーズの6帖で、縁付き175,200円に対し縁無しは283,200円。1枚あたりは縁無しのほうが5,600円安いのに、枚数が2倍だから総額は108,000円高い
  • 見積もりは帖数ではなく枚数で出る。先に敷く枚数を数える
  • 縁無し畳の表替えを受けている畳店はある。検討段階で「あとで表替えできますか」を聞いておく
畳そのものの3つの工法と、表替えの一般的な相場は別の記事にまとめています。

畳の張替えを頼めるサービス

ユアマイスター

ユアマイスター株式会社が運営する、家事や修理のプロを探せるサイトです。畳の張替え(表替え)はリフォーム・家の修繕のカテゴリーにあり、47都道府県から業者を絞り込めます。
表替えの料金相場として、1枚あたり標準畳5,000〜7,000円、国産高級畳9,000〜11,000円(いずれも税込・2026年9月24日取得)が公開されています。表示価格に含まれる作業範囲(作業についての説明、畳縁のサンプル用意3種類以上、畳の取り外し、畳下の清掃、畳表の張り替え、畳の設置)も明記されています。
出店している畳店に質問できる仕組みがあるので、縁無し畳の表替えを受けているか、工期は何日かを、依頼する前に確かめられます。
※ 掲載されている料金相場は2026年9月24日時点のものです。実際の金額は業者ごと、畳の種類ごとに変わるので、見積もりで確認してください。