畳の張替えは裏返し・表替え・新調の3つです|表替え1枚5,000〜11,000円と、賃貸で貸主負担になる条件

畳の張替えには、裏返し・表替え・新調の3つの方法があります。替える部品が違うので、かかる費用も作業日数も変わります。裏返しは今ある畳表をひっくり返して使い、表替えは畳表と畳縁を新しくし、新調は畳床まで含めて全部を入れ替えます(全日本畳事業協同組合・2026年9月22日取得)。
いちばん多く頼まれる表替えについては、ユアマイスターが料金の相場を公開しています。畳1枚あたり標準畳で5,000〜7,000円、国産高級畳で9,000〜11,000円(いずれも税込・2026年9月22日取得)です。
そして賃貸に住んでいるなら、請求書を見る前に確かめてほしいことがあります。国土交通省のガイドラインは、特に破損していない畳の裏返しと表替えを貸主の負担としています。
この記事では、3つの工法の違いと張り替える周期の目安、1枚あたりの費用、賃貸での負担区分を、業界団体・メーカー・国の公表資料だけで並べます。
※ 畳の料金には地域差があり、全国一律の相場額を公表している団体はありません。ここに書けるのは、公開されている個別の金額と、その条件までです。

畳の張替えは3種類あり、名前で替える部品が決まります

畳は、い草などを織った「畳表」、土台になる「畳床」、側面に縫い付けられた「畳縁」の3つの部品でできています。この3つのうちどこまで替えるかで、工事の名前が変わります。
工事の名前新しくする部品そのまま使う部品作業日数
裏返し畳縁(畳表は裏返して再利用)畳表・畳床半日〜1日
表替え畳表・畳縁畳床半日〜1日
新調畳表・畳縁・畳床のすべてなし2日〜10日
※ 工事の中身は全日本畳事業協同組合「畳工事の発注と注意点」、作業日数は大建工業(DAIKEN)のコラム(2025年6月23日時点の情報と明記)。いずれも2026年9月22日に取得。
裏返しと表替えは、畳を業者の工場へ持ち帰って作業するのが一般的です。新調は古い畳を敷いたまま採寸して新しい畳を作り、できあがったものと入れ替えます。だから日数が桁で違います。

「張替え」は、この3つのどれかに読み替えられます

検索するときは「畳の張替え」「畳替え」と打ちますが、畳店の見積書には裏返し・表替え・新調のどれかで書かれます。同じ「張替え」という言葉で、畳表だけの工事と畳ごと作り直す工事の両方が呼ばれています。見積もりを比べるときは、まず工事の名前が同じかどうかを見てください。

何年で張り替えるのが目安ですか

周期の目安は、業界団体とメーカーがそれぞれ公表しています。数字は近いのですが、起点の取り方が違います。
工事全日本畳事業協同組合大建工業(DAIKEN)
裏返し新畳を買ったとき、または表替えをしたときから3〜5年新調から約4〜5年
表替え裏返しのあと4〜5年裏返しのあと約4〜7年
新調長期間使った場合や、畳の表面に凸凹・凹み・段差などの不具合があるとき表替えのあと約10〜15年
※ 全日本畳事業協同組合「畳工事の発注と注意点」、大建工業のコラム(2025年6月23日時点)。いずれも2026年9月22日に取得。
全日本畳事業協同組合は、経済産業省の認可を受けた協同組合で、全国45道府県の2,200余りの畳店が加入していると公表しています。
2つの資料には、年数だけでは決まらないという注意も書かれています。全日本畳事業協同組合は、畳床に凸凹・部分的な薄さや厚み・ふわふわする感じといった異状がなければ畳床は使えるとしたうえで、20年以上使っている場合は畳店に相談してほしいとしています。さらに、使用年数が少なくても畳表の傷み具合やグレードによっては裏返しを勧められない場合があるとしています。大建工業も、畳の寿命を10〜15年ほどとしながら、手入れ次第で40〜50年使えるともいわれると書いています。
つまり周期は目安であって、実際に決まるのは畳表の傷み方と畳床の状態です。

表替えの費用は1枚いくらですか

ユアマイスターが公開している表替えの料金相場は、次のとおりです。
畳の種類1枚あたりの料金相場(税込)
標準畳5,000〜7,000円
国産高級畳9,000〜11,000円
※ ユアマイスターの畳の張替え(表替え)のページ。2026年9月22日に取得した税込表示です。
同じページには、表示価格に含まれる作業範囲も書かれています。作業についての説明、畳縁のサンプル用意(3種類以上)、畳の取り外し、畳下の清掃、畳表の張り替え、畳の設置の6つです。取り外しと清掃、設置まで含んだ金額だという点を覚えておいてください。
この単価を部屋に当てはめると、6畳間(6枚)は標準畳で30,000〜42,000円、国産高級畳で54,000〜66,000円になります。8畳間(8枚)なら標準畳で40,000〜56,000円、国産高級畳で72,000〜88,000円です。
※ 部屋の畳数と畳の枚数は一致しないことがあります。半畳を組み合わせた部屋や琉球畳の部屋では枚数が増えます。見積もりは枚数で出るので、先に数えてください。
料金には地域差があります。全日本畳事業協同組合も、裏返しの料金は地方によって違いがあると明記しています。上の金額は一つの事業者の公開値であって、全国の相場ではありません。

チラシの「表替3,000円」は、そのままでは終わらないことがあります

全日本畳事業協同組合は、各地の消費生活センターと組合員に届いた相談事例を公開しています。畳の張替えの金額をめぐるものが2件あります。
1件目は、新潟市秋葉区の畳店から寄せられた情報です。半額セールのチラシを見て裏返しを頼んだところ、裏返しの料金は半額で2,000円でした。ところが畳縁が1本3,000円で、2本分の6,000円が加算され、裏返し1枚で8,000円になったという内容です。組合は、裏返しの料金は地方によって違いがあるものの、特殊な畳を除けば材料費を含んだ仕上げ価格であるのが一般的だとコメントしています。
2件目は、新潟市消費生活センターへの相談です。新聞のチラシで畳表替3,000円という広告を見て業者を呼んだところ、現地で「軽量畳なので広告の表は使えない」と言われ、11,000円の畳を勧められました。壁紙の張り替えも合わせて依頼し、総額は11万円になっています。契約書にクーリング・オフの記載はなかったとのことです。組合は、軽量畳だから広告の表が使えないという説明はよく理解できないとしたうえで、軽量タイプの場合に上質な畳表が使えないケースはあるとコメントしています。
※ 全日本畳事業協同組合「畳のクレーム事例」を2026年9月22日に取得。
この2件に共通しているのは、広告に出ている金額が工事一式の金額ではなかったことです。畳縁のぶんが別で積み上がる、あるいは広告の畳表は使えないと現地で言われる、という形になっています。見積書をもらう前に、その金額に畳縁と工賃が含まれているかを口に出して聞いてください。
自宅に業者を呼んで契約した場合は、訪問販売としてクーリング・オフの対象になることがあります。

賃貸なら、払う前に国土交通省のガイドラインを見てください

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)は、貸主と借主のどちらが費用を負担するかを部位ごとに示しています。床の項目には、畳がはっきり書かれています。
貸主の負担となるものとして挙げられているのは、次の2つです。
  • 畳の裏返し、表替え(特に破損していないが、次の入居者確保のために行うもの)
  • 畳の変色(日照、建物構造欠陥による雨漏りなどで発生したもの)
つまり、普通に住んでいて日焼けした、けばだってきた、という理由の表替えは、借主が払うものではありません。
一方で、借主の故意・過失や通常の使用を超える使い方で畳を傷めた場合は、借主の負担になります。
※ 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)第1章の別表3。2026年9月22日に同省サイトのPDFを取得。

畳表には、経過年数が効きません

ここが畳のいちばん特殊なところです。同じガイドラインの別表2は、負担単位と経過年数の扱いを次のように定めています。
部位借主の負担単位経過年数の考慮
畳表原則1枚単位。毀損部分が複数枚の場合はその枚数分(裏返しか表替えかは毀損の程度による)経過年数は考慮しない
畳床・カーペット・クッションフロア毀損等が複数箇所の場合は居室全体6年で残存価値1円となるような負担割合を算定する
※ 同ガイドライン第1章の別表2。2026年9月22日取得。
ガイドラインは、経過年数を考慮しない理由も書いています。襖紙や障子紙、畳表といったものは消耗品としての性格が強く、毀損の軽重にかかわらず価値の減少が大きいため、減価償却資産の考え方を取り入れることにはなじまない、という説明です。
クロスやエアコンは6年住めば残存価値が1円になりますが、畳表はそうなりません。借主の過失で畳を傷めた場合、入居から何年たっていても負担は減らない、というのがガイドラインの立て付けです。
もう1点、別表2には「いわゆる模様あわせ、色あわせについては、賃借人の負担とはしない」とも書かれています。6畳のうち1枚だけ傷めたときに、色を揃えるため6枚とも替えたとしても、借主が負担するのは傷めた1枚分です。

契約書に特約が書かれていることがあります

賃貸借契約書に、畳の表替え費用を借主の負担とする特約が入っていることがあります。大建工業のコラムは、本来は貸主がすべきことを借主負担として特約に盛り込んだ場合は裁判で無効になることが多いとしたうえで、認められた例として平成7年の仙台簡易裁判所で畳の表替え費用請求の特約が認められたケースを挙げています。
特約が成立するには貸主と借主の合意が要ります。契約のときに契約書を読んでおいてください、というのが同社の結びです。

畳表はい草だけではありません

畳表の素材は、表替えの金額を動かす部分です。
大建工業は、畳表は綿や麻の経糸にい草の茎を織り込んで作られるとしたうえで、い草の色沢・色調・長さなどさまざまな規定項目によって品質が等級化されていると説明しています。同じ表替えでも、どの等級の畳表を選ぶかで金額が変わるということです。
さらに近年は、和紙や樹脂を原料としてダニやカビに強く、撥水性や耐変色を強化した製品も多く開発されているとしています。同社の畳おもては機械すき和紙を使ったもので、コウゾやミツマタを使った手すき和紙ではないと明記されています。
畳床のほうも変わっています。本来は稲わらを何層にも重ねて圧縮したもので、厚みは5〜6cmあり、床下からの熱気や冷気を遮る役割を担っています。近年は木質繊維板やポリスチレンフォームを挟んだものが主流だと同社は説明しています。
なお全日本畳事業協同組合は、日本建材・住宅設備産業協会に委託して2004年5月に稲わら本畳(JCMS-I D5810-2004)、2008年3月に住宅畳(JCMS-II D5811-2007)という団体規格を制定したと公表しています。JIS A 5902にはなかった畳の定義を明確にし、84通りあった畳床と畳表の組み合わせを11通りにまとめたものだという説明です。
※ 大建工業のコラム(2025年6月23日時点)と全日本畳事業協同組合「団体規格紹介」を2026年9月22日に取得。

見積もりで確認する7点

全日本畳事業協同組合は、発注時のチェックポイントを7つ挙げています。
  1. 全日本畳事業協同組合の組合員かどうかを確認する
  1. 資格を確認する(資格証で1級・2級の畳技能士、品質管理責任者を確認する)
  1. 品物は必ず見本で確認する
  1. 契約書(見積書など約束の内容が分かるもの)を受け取る
  1. 組合の責任表示をしているか
  1. 保険の有無
  1. アフターサービスの確認
※ 全日本畳事業協同組合「畳工事の発注と注意点」を2026年9月22日に取得。
2番目の畳技能士は、国の技能検定の職種です。厚生労働省の技能振興ポータルサイトには畳製作技能士のページがあり、畳の製作、敷込み及び修理に必要な技能・知識を対象としていると書かれています(2026年9月22日取得)。資格証の提示を求めてよい、という意味です。
3番目の見本の確認は、先に挙げた相談事例と直結します。畳縁は金額が動く部分なので、実物を見てから決めてください。

火災保険で畳が直せることがあります

大建工業のコラムに、見落とされやすい指摘があります。火災保険は建物と家財に分けて補償対象を区別しますが、畳は家財ではなく建物のカテゴリーで補償される、というものです。
洪水や台風による水災、給水設備の事故や上の階からの水漏れによる水濡れの補償を契約に含めていれば、損傷の程度が補償基準に達したときに畳の交換・張替え費用に保険が下りる可能性があるとしています。ただし経年劣化やカビなど、自然に発生する損害は補償されません。家財補償を付けていないから対象外だと思い込む前に、契約内容を一度見てください。

よくある質問

裏返しは何回でもできますか

畳表は両面を使うので、裏返しは1枚につき1回だけです。全日本畳事業協同組合は裏返しの目安を、新畳を買ったときまたは表替えをしたときから3〜5年としており、両面を使い終わった次は表替えになると説明しています。ただし使用年数が少なくても、畳表の傷み具合やグレードによっては裏返しを勧められない場合があるとしています。

6畳間の表替えはいくらですか

畳1枚あたりの料金に枚数を掛けた金額です。ユアマイスターの公開相場(標準畳5,000〜7,000円・税込)で6枚なら30,000〜42,000円、国産高級畳(9,000〜11,000円・税込)なら54,000〜66,000円になります。これは一つの事業者が公開している相場で、料金には地域差があります。

張替えに向いている季節はありますか

大建工業は、空気が乾燥している冬を勧めています。年末年始を避けた2月は畳店の閑散期でもあるため発注しやすいとしています。また新しいい草は3年目くらいまで栄養分が多くカビが発生しやすいため、新調は湿気の多い時期を過ぎてから行うほうがよいとも書いています。

退去のときに畳代を請求されました。払うべきですか

破損していない畳の裏返し・表替えは、国土交通省のガイドラインでは貸主の負担です。借主が負担するのは、故意・過失や通常の使用を超える使い方で傷めた場合に限られます。ただし畳表には経過年数が効かないので、負担することになれば入居年数にかかわらず全額です。負担単位は原則1枚で、色合わせのために他の畳まで替えた分は借主の負担になりません。まず請求書の項目が、どちらに当たるのかを確かめてください。

畳にカビや虫が出ているときも張替えですか

カビや虫が出ている原因が畳表の表面だけなのか、畳床まで及んでいるのかで工事が変わります。全日本畳事業協同組合は、畳床に凸凹・部分的な薄さや厚み・ふわふわする感じといった異状がなければ畳床は使えるとしています。判断は畳店に任せてください。

まとめ

  • 畳の張替えは裏返し・表替え・新調の3つ。替える部品が違うので、金額も作業日数も違う
  • 表替えの公開相場は1枚あたり標準畳5,000〜7,000円、国産高級畳9,000〜11,000円(税込・ユアマイスター・2026年9月22日取得)。6畳間なら30,000〜66,000円の幅になる
  • 周期の目安は、裏返しが3〜5年、表替えが裏返しの4〜5年後、新調は畳床に不具合が出たとき。年数ではなく状態で決まる
  • 広告の安い金額は工事一式ではないことがある。畳縁と工賃が含まれているかを先に聞く
  • 賃貸で破損していない畳の裏返し・表替えは、国土交通省のガイドラインでは貸主の負担
  • 畳表には経過年数が効かない。借主負担になれば入居年数にかかわらず全額。負担単位は原則1枚で、色合わせ分は借主の負担にしない
金額を比べる前に、まず自分の畳がどの工事に当たるのかを決めてください。裏返しと新調では、同じ部屋でも金額の桁が変わります。

畳の張替えを頼めるサービス

ユアマイスター

ユアマイスター株式会社が運営する、家事や修理のプロを探せるサイトです。畳の張替え(表替え)はリフォーム・家の修繕のカテゴリーにあり、47都道府県から業者を絞り込めます。
表示価格に含まれる作業範囲(作業についての説明、畳縁のサンプル用意3種類以上、畳の取り外し、畳下の清掃、畳表の張り替え、畳の設置)がサイト上に明記されているので、見積もりを比べる前に何が入っている金額なのかを確かめられます。
※ 掲載されている料金相場は2026年9月22日時点のものです。実際の金額は業者ごと、畳の種類ごとに変わるので、見積もりで確認してください。