ポイ活の税金は、もらった年ではなく使った年で数えます|会社員の20万円ラインと、住民税にその20万円が無い理由
この記事で分かること
- ポイントが課税の対象になるかどうかは、もらい方で分かれること
- 数えるのは「もらった年」ではなく「使った年」だと国税庁が書いていること
- 会社員の20万円ラインと、住民税にはその20万円のしくみが無いこと
ポイ活で確定申告が要るかどうかを調べると、「20万円を超えたら必要」という一文にすぐ行き当たります。これは国税庁が書いているとおりで、間違いではありません。ただし、この一文だけでは足りない部分が3つあります。
1つめは、そもそも数える対象になるポイントとならないポイントがあることです。2つめは、数えるのがポイントをもらった年ではなく、使った年だと国税庁が明記していることです。3つめは、所得税の確定申告が要らない場合でも、住民税の申告は別に必要になることです。
この記事は、国税庁のタックスアンサー No.1907・No.1900・No.1490・No.1490 Q&A・No.2024 と、名古屋市・芦屋市・横浜市の各公式ページを2026年9月24日に読んで書いています。数字と言い回しはすべてその日に確認したものです。
ポイ活で確定申告が必要になるのは、どういうときですか
給与を1か所から受けていて、その全部が源泉徴収の対象になっている会社員の場合、給与所得と退職所得を除いた各種の所得金額の合計が20万円を超えると確定申告が必要です(国税庁 タックスアンサー No.1900)。
No.1900 は、給与所得者で確定申告が必要になる人を7つ挙げています。ポイ活に関係するのは、このうち2番目と3番目です。
| 当てはまる人 | 国税庁の記載 |
|---|---|
| 1 | 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人 |
| 2 | 給与を1か所から受けていて、かつその給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得・退職所得を除く)の合計額が20万円を超える人 |
| 3 | 給与を2か所以上から受けていて、かつ給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得・退職所得を除く)との合計額が20万円を超える人 |
※ 国税庁 タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」(令和8年4月1日現在法令等)より。2026年9月24日に確認。同ページは4から7として、同族会社の役員などで貸付金の利子や資産の賃貸料を受け取っている人、災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人、源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人なども挙げています。
つまり「20万円」は給与所得者向けの目安であって、すべての人に当てはまる数字ではありません。給与をもらっていない人にはこの規定がそのまま使えないので、後述の一時所得の考え方で見ることになります。
ポイントが課税の対象になるかどうかは、もらい方で分かれます
国税庁は No.1907「個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い」というページで、ポイントの扱いを直接説明しています。結論は、買い物の決済代金に応じて付いたポイントは課税対象にならず、抽選で当たったポイントなどは課税対象になる、という分かれ方です。
| ポイントのもらい方 | 国税庁の扱い |
|---|---|
| 商品購入の決済代金に応じて、その企業から付与されたポイント | 通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたものと考えられるため、課税対象となる経済的利益には該当しない |
| ポイント付与の抽選キャンペーンに当選するなどして、臨時・偶発的に取得したポイント | 値引きと同様の行為とは考えられないため、使用したポイント相当額を、使用の目的に応じて一時所得や事業所得などの総収入金額に算入する |
| 共通ポイント制度により、その制度を運営する企業から付与されたポイント | 同上 |
※ 国税庁 タックスアンサー No.1907(令和8年4月1日現在法令等)より。2026年9月24日に確認。根拠法令等として所得税法27条・34条・36条が挙げられています。
No.1907 の問は、ドラッグストアで買い物をしてポイントをもらい、次の買い物でそれを使った場合を例にしています。答えは「通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたものとして、確定申告をする必要はありません」でした。
ポイントサイトのポイントが、この3つのどれに当たるかは書かれていません。国税庁の資料の中で、ポイントサイトを名指しした所得区分は今回も確認できませんでした。「確認できなかった」であって「無い」ということではありません。金額が大きくなりそうなら、税務署か税理士に確認してください。
数えるのは「もらった年」ではなく「使った年」です
課税対象になるポイントについて、No.1907 は「その使用したポイント相当額を、使用の目的に応じ、使用した日の属する年分の一時所得や事業所得など、各種所得金額の計算上、総収入金額に算入します」と書いています。
基準になっているのは付与された日ではなく、使った日です。この一文は短いのですが、ポイ活をしている人にとっては意味が大きく変わります。たとえば2025年にポイントを貯めて2026年に交換して使ったなら、数えるのは2026年分ということになります。
No.1907 はもう1つ、証券口座の例も挙げています。共通ポイント制度によって付与されたポイントを使って株式等を購入した場合、一般的にはその株式等の取得価額はポイント使用前の支払金額(ポイント使用相当額を含めた金額)を基に計算し、ポイント使用相当額は一時所得の総収入金額に算入する、という書き方です。
「ポイントを現金や電子マネーに交換したとき」が、ここでいう使用に当たるかどうかは No.1907 に書かれていません。この記事で言えるのは、国税庁が基準にしているのが付与日ではなく使用日だという点までです。自分の場合にどの日で数えるのかは、税務署か税理士に確認してください。
一時所得なら、50万円まで引けます
一時所得は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の、労務や資産の譲渡の対価にあたらない一時の所得です(国税庁 No.1490)。懸賞や福引きの賞金品が例として挙げられています。
一時所得には特別控除があります。総収入金額から、その収入を得るために支出した金額と特別控除額(最高50万円)を引き、残った金額の2分の1を他の所得と合計して税額を計算します。
国税庁は No.1490 Q&A で、この計算が確定申告の要否にどう効くかを具体的に書いています。
| どういう人か | 確定申告が不要になるライン(一時所得の合計額) |
|---|---|
| 一般的な人 | 年間50万円を超えない限り不要 |
| 一般的な給与所得者 | 年間90万円を超えない限り不要 |
※ 国税庁 タックスアンサー No.1490「一時所得」および No.1490 Q&A(いずれも令和8年4月1日現在法令等)より。2026年9月24日に確認。
90万円という数字は、50万円の特別控除を引いた残りに2分の1を乗じる計算と、給与所得者の20万円ラインを組み合わせた結果です。一時所得が90万円なら、50万円を引いた40万円の2分の1で20万円になり、20万円を超えないので申告が不要という筋道になります(この引き算と割り算は当サイトの計算です)。
この90万円は「一時所得だけがある場合」の数字です。ほかに副収入があれば、それらと合計して20万円を超えるかどうかで判断することになります。そして、ポイ活のポイントが一時所得に当たるかどうか自体が、前の章のとおり国税庁の資料では確認できていません。
確定申告が要らなくても、住民税の申告は要ります
所得税の確定申告が不要でも、住民税(市民税・県民税)の申告は別に必要になる場合があります。所得税にある20万円の省略のしくみが、住民税には無いためです。
自治体の公式ページは、この点をはっきり書いています。
| 自治体 | 公式ページの記載 |
|---|---|
| 名古屋市 | 市民税・県民税には、所得税のような申告の省略範囲はなく、原則としてすべての所得を申告する必要があります。したがって、給与所得者で給与所得以外の所得が20万円以下の場合にも、市民税・県民税の申告を行う必要があります |
| 芦屋市 | 住民税においては、他の所得と合算して税額を計算するため、給与以外の収入がある場合は、収入の多少に関わらず申告が必要です |
| 横浜市 | 合計額が20万円以下の場合には、原則確定申告は不要ですが、市民税・県民税の申告は必要となります |
※ 名古屋市「給与所得者で副収入がある場合、市民税・県民税の申告は?」(2026年1月13日更新)、芦屋市「FAQ)給与所得以外の所得が20万円以下の場合、住民税の申告は必要ですか。」(2025年1月28日更新)、横浜市「市民税・県民税の申告について」より。いずれも2026年9月24日に確認。
一方で、所得税の確定申告をした場合は、改めて住民税の申告をする必要はありません。名古屋市は「なお、所得税の確定申告を行う場合には、改めて市民税・県民税の申告を行っていただく必要はありません」と書いています。確定申告のデータが市区町村へ回るためです。
住民税の申告先は、お住まいの市区町村です。書式も提出先も自治体ごとに違い、案内の表現も同じではありません。上の3市の記載は考え方として一致していますが、実際に出すときは自分の市区町村のページで確認してください。
申告を忘れたときは、いくら増えますか
期限後の申告になると、納める税金のほかに無申告加算税がかかります。割合は、気づいた順番によって変わります。
| いつ申告したか | 無申告加算税の割合(令和5年分以降) |
|---|---|
| 税務署からの調査の事前通知の前に、自主的に期限後申告をした | 納付すべき税金の5パーセント |
| 事前通知の後、調査による決定を予知する前に期限後申告をした | 50万円までの部分は10パーセント、50万円を超え300万円までの部分は15パーセント、300万円を超える部分は25パーセント |
| 調査を受けた後に期限後申告をした、または税務署から決定を受けた | 50万円までの部分は15パーセント、50万円を超え300万円までの部分は20パーセント、300万円を超える部分は30パーセント |
※ 国税庁 タックスアンサー No.2024「確定申告を忘れたとき」(令和8年4月1日現在法令等)より。2026年9月24日に確認。表の割合は、令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来するもの(令和5年分以降)についての記載です。このほか、前年および前々年に無申告加算税などが課されたことがある場合は10パーセントが加算されます。期限後申告で納める税金には、納付の日までの延滞税も併せて納める必要があります。
ただし、無申告加算税がかからない場合もあります。No.2024 は、期限後申告が法定申告期限から1か月以内に自主的に行われていて、かつ期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当するときは、無申告加算税はかからないとしています。その一定の場合とは、納めるべき税金の全額を法定納期限までに納めていること、そして申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に無申告加算税や重加算税を課されたことがないことの両方を満たす場合です。
この記事で使った公的ページ
| ページ | 何が書いてあるか |
|---|---|
| 国税庁 No.1907 | 企業発行ポイントを取得または使用した場合の扱い。値引きに当たるかどうかの分かれ方と、使用した日の属する年分という基準 |
| 国税庁 No.1900 | 給与所得者で確定申告が必要な人。20万円ラインの出どころ |
| 国税庁 No.1490 および No.1490 Q&A | 一時所得の定義、特別控除50万円、給与所得者の90万円のライン |
| 国税庁 No.2024 | 確定申告を忘れたときの無申告加算税の割合と、かからない場合の条件 |
| 名古屋市・芦屋市・横浜市 | 所得税の確定申告が不要でも住民税の申告は必要になること |
よくある質問
ポイントサイトのポイントは一時所得ですか、雑所得ですか
国税庁の資料の中で、ポイントサイトのポイントを名指しした所得区分は確認できませんでした。No.1907 は、値引きに当たらないポイントについて「使用の目的に応じ、一時所得や事業所得など」と書いているだけです。一時所得なら特別控除50万円が使えるので、区分の違いは手取りに大きく効きます。断定せず、税務署か税理士に確認してください。
20万円を超えていなければ、何もしなくてよいですか
所得税の確定申告については、給与を1か所から受けている会社員なら不要です。ただし住民税の申告は別で、名古屋市・芦屋市・横浜市はいずれも「20万円以下でも市民税・県民税の申告は必要」と書いています。何もしなくてよい、ということにはなりません。
交換せずに貯めているポイントも申告するのですか
No.1907 が基準にしているのは「使用した日の属する年分」です。付与された日ではありません。ただし、交換が使用に当たるかどうかまでは書かれていないため、この記事で言い切れるのはここまでです。
買い物で付いた楽天ポイントやTポイントも申告するのですか
決済代金に応じてその企業から付与されたポイントは、通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたものとして、課税対象となる経済的利益には該当しないと No.1907 が書いています。一方で、共通ポイント制度によりその制度を運営する企業から付与されたポイントは、値引きとは考えられないとされています。同じ名前のポイントでも、もらい方で扱いが変わるということです。
期限を過ぎたことに自分で気づいた場合はどうなりますか
税務署からの調査の事前通知の前に自主的に期限後申告をした場合、無申告加算税は納付すべき税金の5パーセントです。さらに、法定申告期限から1か月以内に自主的に申告し、税金の全額を法定納期限までに納めているなど一定の条件を満たす場合は、無申告加算税はかかりません(No.2024)。
これから始める人が、先に決めておくとよいこと
ポイ活を始めるときに、あとから困りやすいのは記録です。いつ、どのポイントを、いくら分使ったかが分からなくなると、この記事の考え方をそのまま当てはめられなくなります。使ったときの履歴が残る形で貯めておくと、必要になったときに数えられます。
サイトの選び方そのものは、還元率よりも交換の出口で決まります。貯まったポイントをどこへ、いくらの手数料で、どのくらいの日数で出せるかが実際の手取りを決めるためです。その比較はポイントサイトの比較は、還元率より「交換の出口」で決まりますにまとめています。
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