アパートローンの団信は、入るか入らないかを選べる商品があります|5行で確かめた任意と必須の別と、上乗せを公表している2行の実数
アパートローンや不動産投資ローンの団体信用生命保険(団信)は、住宅ローンのように「借りるなら必ず入るもの」とは限りません。入るかどうかを選べる商品があり、入ると金利が上がる商品があり、逆に入っても金利が変わらない商品があります。2026年9月24日に5行の公式ページを読み、任意か必須か、上乗せ金利はいくらか、年齢の条件はどう変わるかを並べました。
アパートローンの団信は、任意の商品と必須の商品があります
投資用のローンでは、団信に入るかどうかを借り手が選べる商品があります。2026年9月24日に公式ページで確かめた5行では、オリックス銀行だけが加入を必須としており、三井住友銀行・りそな銀行・東京スター銀行は任意でした。
住宅ローンの感覚で「団信は付いてくるもの」と考えていると、ここで前提が崩れます。投資用では、団信は商品の一部ではなく、付けるかどうかを決める条件のひとつです。
| 商品 | 団信に入るか | 金利の上乗せ | 加入金額の上限 |
|---|---|---|---|
| オリックス銀行 不動産投資ローン | 必須(必ず加入) | 一般の団信は上乗せなし。ほかに年0.10%と年0.30%のプラン | 1億円 |
| 三井住友銀行 アパートローン | 任意 | 加入すると年0.3% | 1億円 |
| りそなアパート・マンションローン(保証会社非保証) | 任意 | ページに記載なし(窓口へ) | ページに記載なし |
| スルガ銀行 投資用不動産ローン | 付けるかどうかで融資の上限が変わる | ページに記載なし | 団信付きは融資最高3億円、付けないなら最高10億円 |
| 東京スター銀行 スター不動産担保ローン | 任意(希望により加入) | 上乗せするとあるが、率の記載なし | ページに記載なし |
※ 5行とも2026年9月24日に各社の公式ページから取得しました。東京スター銀行のスター不動産担保ローンは資金使途が自由な不動産担保ローンで、投資用物件の借り換えにも使われる商品です。ほかの4つはアパート・マンションの取得や建築を資金使途とする商品です。
上乗せの数字を公表しているのは、5行のうち2行だけです
上乗せ金利を具体的な数字でページに書いているのは、オリックス銀行と三井住友銀行の2行でした。りそな銀行と東京スター銀行は「窓口へ」「上乗せいたします」までで、率は出ていません。
つまり、団信の負担を事前に比べられる相手は限られます。残りは申し込んでみないと分かりません。
オリックス銀行は3つのプランから選ぶ形です
オリックス銀行の不動産投資ローンは、3つの団信プランから1つを選びます。同時に加入することはできません。
| プラン | 保障の範囲 | 金利の上乗せ | 加入時の年齢 | 終了時の年齢 |
|---|---|---|---|---|
| プラン1 団体信用生命保険 | 死亡・所定の高度障害 | 上乗せなし | 満20歳以上70歳以下 | 満85歳未満 |
| プラン2 生活習慣病団信〈入院プラス〉 | 死亡・高度障害に、がんと生活習慣病の保障を追加 | 年0.10% | 満20歳以上50歳以下 | 満85歳未満 |
| プラン3 ワイド団信 | 死亡・所定の高度障害(健康上の理由でプラン1・2に入れない方向け) | 年0.30% | 満20歳以上50歳以下 | 満81歳未満 |
引受保険会社はプラン1が太陽生命保険、プラン2とプラン3がクレディ・アグリコル生命保険です。なお「団体信用介護保障保険」は2026年5月31日をもって新規申込受付を停止したと明記されています。
三井住友銀行は年0.3%の1本です
三井住友銀行のアパートローンは「当行指定の団体信用生命保険にご加入いただくことも可能です」という書き方で、加入する場合は融資利率が年0.3%上乗せになります。加入金額の上限は1億円です。
保険料を銀行が負担する商品では、団信を外しても金利は下がりません
ここが、住宅ローンから来た人がいちばん取り違えやすい点です。
オリックス銀行は団信のページに「保険料は保険契約者である当社が負担します」と書いています。スルガ銀行も投資用不動産ローンの案内で団信を用意しており、借り手が保険料を別に払う形ではありません。
保険料を銀行が負担している商品では、団信を外して金利を下げるという交渉が、そもそも成立しません。下げる対象の上乗せが存在しないからです。オリックス銀行の場合、上乗せが発生するのはプラン2とプラン3を選んだときだけで、一般の団信を選ぶ限り上乗せはありません。
逆に三井住友銀行は年0.3%の上乗せなので、入らなければその分だけ利率が下がります。同じ「団信」という言葉でも、外したときに金利が動く商品と動かない商品があります。
団信に入ると、年齢の上限が生まれる商品があります
りそなアパート・マンションローン(保証会社非保証)の商品概要には、こう書かれています。
お借入時の年齢が満20歳以上の方。ただし、団体信用生命保険に加入される場合は、お借入時の年齢が満20歳以上70歳未満の方で、最終ご返済時の年齢が満80歳未満の方
団信に入らなければ年齢の上限が書かれておらず、入ると借入時70歳未満・最終返済時80歳未満という枠が付きます。団信は借り手を守る仕組みですが、同時に借りられる年齢を狭める条件でもあります。
三井住友銀行のアパートローンも、借入時は満18歳以上満70歳の誕生日まで、完済時は満80歳の誕生日までという条件が団信の欄に書かれています。スルガ銀行の投資用不動産ローンは、借入時点の年齢が満20歳以上70歳未満で、最終返済時の年齢が満85歳未満です。
※ 年齢の条件は、団信の欄に書かれているものと、ローンそのものの申込条件として書かれているものがあります。上の引用はいずれも2026年9月24日時点の公式ページの記載です。
健康上の理由で入れないとき、残る道は3つです
一般の団信に通らなかった場合に何が残るのかは、商品によって違います。2026年9月24日時点で確かめられたのは次の3つでした。
- ワイド団信を選ぶ。オリックス銀行のプラン3が該当し、上乗せは年0.30%です
- 連帯債務者を被保険者にする。オリックス銀行は融資事例のページで、申し込んだ本人が団信に加入できない場合でも連帯債務者が被保険者として加入できると説明しています
- 団信が任意の商品を選ぶ。三井住友銀行・りそな銀行・東京スター銀行は任意なので、入らずに借りる形が取れます
ワイド団信は、年齢の条件がむしろ厳しくなります
見落としやすいのはここです。オリックス銀行の一般の団信は加入時年齢が満20歳以上70歳以下ですが、ワイド団信は満20歳以上50歳以下で、終了時年齢も満85歳未満ではなく満81歳未満です。
健康上の理由で一般の団信に入れない人に向けた選択肢なのに、年齢の枠は一般の団信より20歳ぶん狭くなっています。「入れなければワイド団信がある」と考えていると、51歳以上では選択肢になりません。
法人で借りると、団信を付けられない銀行があります
資産管理会社などの法人名義で借りる場合、団信の扱いは銀行によってはっきり分かれます。
スルガ銀行は投資用不動産ローンのよくある質問で、次のように書いています。
Q.法人向け融資の場合、団体信用生命保険に加入することは可能ですか
A.法人向け融資の場合、団体信用生命保険にはご加入いただけません。
同じページの商品の特長にも「団体信用生命保険付きのお申込みは、個人のお客さまに限ります」とあります。
一方でオリックス銀行は、融資事例のページで「当社の不動産投資ローンは、資産管理会社も、融資期間や団体信用生命保険への加入を含め、個人と同等の借入条件で利用いただけます」と説明しています。
法人化してから借りるか、個人で借りてから法人へ移すかを考えている段階なら、ここは先に確かめる価値があります。団信を前提にした返済計画が、名義を変えた瞬間に成り立たなくなることがあるためです。
加入金額の上限は1億円で、住宅ローンの団信と合算されます
オリックス銀行は団信の加入金額の上限を1億円とし、さらにこう書いています。
既に当社でご利用いただいている投資用不動産ローン・住宅ローンで団信にご加入済みの場合は、団信加入済みの借入残高を合算して1億円以内の加入となります。
三井住友銀行のアパートローンも、加入金額の上限は1億円です。
自宅の住宅ローンで団信に入っている人は、その残高が枠を食います。同じ銀行で自宅と投資用の両方を借りるときは、団信の枠が足りるかを先に見ておくことになります。
スルガ銀行は、団信を付けるかどうかで融資の上限が3分の1以下になります
スルガ銀行の投資用不動産ローンは、商品の特長の1つ目にこう書かれています。
最高10億円まで、団体信用生命保険付きは最高3億円まで
団信を付けた瞬間に、借りられる上限が10億円から3億円へ下がります。規模を追う段階の借り手にとっては、団信の有無が金利の話ではなく調達枠の話になります。
「スルガは10億円まで借りられる」とだけ覚えていると、団信を付ける個人の場合に3.3倍の開きが出ます。
住宅ローンの団信とは、切れる場面も違います
住宅ローンの団信は、返済が滞って期限の利益を失うと保障が終わる場合があります。この点は住宅ローンの滞納で最初に失うものにまとめました。投資用のローンでも、団信は「借入れが続いている間の保障」であることに変わりはありません。
よくある質問
アパートローンでは団信に必ず入らないといけませんか
商品によります。2026年9月24日に公式ページで確かめた5行では、オリックス銀行の不動産投資ローンだけが「必ず加入していただきます」と明記していました。三井住友銀行・りそな銀行・東京スター銀行は任意です。
団信に入らなければ金利は下がりますか
下がる商品と下がらない商品があります。三井住友銀行は加入すると年0.3%の上乗せなので、入らなければその分が乗りません。一方でオリックス銀行は保険料を銀行が負担しており、一般の団信では上乗せ自体が発生しないため、外しても下がる金利がありません。
上乗せ分の金利は経費になりますか
上乗せ型の場合、借り手が払うのは保険料ではなく利息です。ただし個別の申告で経費として扱えるかどうかは、契約の形と申告の内容で変わります。この記事では判断できませんので、税務署か税理士に確認してください。
ワイド団信なら年齢が高くても入れますか
オリックス銀行の場合は逆です。一般の団信が加入時年齢満20歳以上70歳以下なのに対し、ワイド団信は満20歳以上50歳以下で、終了時年齢も満81歳未満と短くなります。健康上の理由をカバーする代わりに、年齢の枠は狭くなっています。
法人名義で借りても団信は付けられますか
銀行によります。スルガ銀行は法人向け融資では団信に加入できないと公式のよくある質問で回答しています。オリックス銀行は融資事例のページで、資産管理会社も団信への加入を含め個人と同等の条件で利用できると説明しています。
自宅の住宅ローンで団信に入っていても、アパートローンで別に入れますか
オリックス銀行では、同じ銀行で加入済みの住宅ローン・投資用不動産ローンの残高を合算して1億円以内という枠になります。銀行をまたいだ場合の扱いは各行のページに書かれていませんでした。
※ 出典:オリックス銀行「不動産投資ローン」「団体信用生命保険」「商品説明書」/三井住友銀行「アパートローン」/りそな銀行「りそなアパート・マンションローン(保証会社非保証)」/スルガ銀行「投資用不動産ローン」/東京スター銀行「スター不動産担保ローン」。いずれも2026年9月24日に取得しました。金利・年齢・上限の条件は改定されることがあるため、申し込みの前に各行の最新の表示をご確認ください。