屋内に置いてあるガス給湯器は何が違うのか|型式の末尾F・FF・FFAで分かる設置形と、排気筒が別に替わる理由

給湯器が家の外ではなく中に置いてある場合、交換工事の中身が屋外設置とは変わります。本体のほかに排気筒が付いていて、その筒も一緒に新品へ替わるからです。ここでは、自分の給湯器が屋内設置形かどうかを型式の末尾で見分ける方法と、費用と資格の話、そして屋内設置形にだけ出ている無償点検を、メーカーとガス会社の公開情報から並べます。

屋内に置いてあるガス給湯器は、何が違うのですか

屋内設置形のガス給湯器は、燃えたあとのガスを外へ出すための排気筒が本体とセットになっている給湯器です。屋外の壁に掛かっているものは本体の正面から排気して終わりですが、家の中に置くものは外壁や屋根まで筒を伸ばします。
ガス給湯器は、置かれている場所でおおむね4つに分かれます。
設置場所どこにあるか呼び方の例
屋外壁掛戸建の外壁、マンションのベランダの壁壁掛型
パイプシャフトマンションの玄関横にある扉の中PS設置型、PS前方排気型
屋内洗面所、台所、床下の機械室など屋内設置形、屋内壁掛形
浴室内浴槽の横に立っているバランス形ふろがま
屋内設置形は、いまも現行のラインアップにあります。ノーリツは自社のガスふろ給湯器(GT・GRQ)のページで「屋外壁掛け設置や屋内設置、PS(パイプシャフト)設置など、設置バリエーションも豊富です」と書いており、同じページのシリーズ一覧には「GT-34・70シリーズ【屋内壁掛形】」が並んでいます。
※ 出典:ノーリツ公式「ガスふろ給湯器(GT、GRQ)」および「ガス給湯機器」ページ(2026年9月23日取得)。

自分の給湯器が屋内設置形かどうかは、どこで分かりますか

型式の末尾で分かります。ノーリツのカタログは、屋内設置形にあたる記号をF・FFA・FFBと名指しして、次のように注記しています。
F・FFA・FFBなどの屋内設置形の給湯機器の工事は「ガス消費機器設置監督者」または「液化石油ガス設備士」の監督のもとおこなってください
型式は本体の前面で確認できます。ノーリツは無償点検の告知文で「製品名・製造年月は器具本体前面にシールにて表示されています」と書いています。給湯器の前に立って、シールの型式の末尾を読むのがいちばん早い方法です。
型式の末尾ノーリツが使っている呼び方実例
FF、FFA、FFB屋内設置形強制給排気式GT-165W-FFA、GT-165AW-FFA、GT-165AWX-FFA
F強制排気式(設置場所は屋内)GQ-1622WD-F
ノーリツの告知一覧は、この2つを別の行として書き分けています。GT-165シリーズの設置場所は「屋内(強制給排気式)」、GQ-1622シリーズは「屋内(強制排気式)」です。パロマは自社の回収告知で、対象を「半密閉式ガス瞬間湯沸器」と呼んでいます。
※ 燃焼に使う空気をどこから取り込むかという仕組みの違いまでは、3社の一般公開ページでは確認できませんでした。ここでは各社が実際に使っている呼び方だけを並べています。

交換するとき、排気筒はどうなりますか

排気筒は本体と一緒に新品へ替わり、その費用が本体の工事費とは別に乗ります。交換できるくんは石油給湯器の工事費表で、屋内設置の3タイプすべてに排気筒交換費12,100円を加算したうえで、破損や老朽化の有無にかかわらず本体交換時に必ず新しい排気筒へ交換すると明記しています。
設置タイプまるごとサービスパック費用(税込)
屋外給湯専用(一般型・エコフィール)39,800円
屋外ふろ給湯器(一般型)46,800円
屋外ふろ給湯器(エコフィール)50,800円
屋内給湯専用47,800円+排気筒交換費12,100円
屋内ふろ給湯器(一般型)55,800円+排気筒交換費12,100円
屋内ふろ給湯器(エコフィール)58,800円+排気筒交換費12,100円
屋外の見積もりと並べると屋内が高く見えますが、工事の中身が違うだけです。屋外設置には、そもそも替えるべき筒がありません。
※ これは石油給湯器の表です。同社のガス給湯器の基本工事費の表には屋内設置の行がなく、ガスでも同額になるとは書けないため、石油の表として示しています(2026年9月23日確認)。
※ 石油給湯器の工事対応エリアは札幌・仙台・関東・愛媛の4つで、ガス給湯器の7大都市圏とは範囲が違います。
本体の周りに付く部材と金額の全体像は、給湯器の配管カバー・排気カバー・据置台は何のための部材かにまとめています。

屋内設置形の工事に、資格は要りますか

要ります。ふろがまとその排気筒・排気扇は法律上の「特定ガス消費機器」にあたり、特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律(昭和54年法律第33号)第3条が、特定工事をするときはガス消費機器設置工事監督者の資格を持つ者に実地に監督させること、またはその資格を持つ事業者が自ら実地に監督することを求めています。
資格の取り方は同法第4条に3つ定められています。経済産業大臣またはその指定する者が行う講習を修了した者、液化石油ガス設備士、これらと同等以上の知識と技能を有すると認定された者です。
対象の範囲は同法施行令(昭和54年政令第231号)第1条第1号が定めており、「ガスバーナー付ふろがま及びその他のふろがまでガスバーナーを使用することができる構造のもの並びにこれらの排気筒及び当該排気筒に接続される排気扇」となっています。屋内設置に限った規定ではなく、浴室内に立っているバランス形ふろがまも同じ枠に入ります。
浴室内に立っているタイプの費用は、バランス釜の交換費用は本体価格では決まりませんで扱っています。

給湯器交換サービスの商品一覧に、屋内設置形が出てこないのはなぜですか

大手2社の商品一覧が、屋内設置形を掲載していないためです(いずれも2026年9月23日に公式サイトで確認)。
東京ガスの機器交換は、給湯器の設置タイプを壁掛型・据置型・パイプシャフト前排気型の3つとして案内しています。このうち壁掛型の説明は「戸建住宅では屋外の壁に設置されています。マンションや集合住宅では、ベランダなどの壁に設置されています」で、同じページに「屋内」という語は一度も出てきません。同ページは「設置タイプは変更できないため、現在設置されている給湯器の場所をよくご確認ください」とも書いています。
交換できるくんの商品一覧も、掲載されている機種の表示は「壁掛PS標準設置型」か「浴槽隣接型」で、屋内設置型の表示はありません。
つまり、屋内設置形だと分かっている人がそのまま商品を選んで申し込める窓口は、この2社のWebサービスには用意されていません。その場合は、地域のガス会社の窓口かメーカーのサービス店に相談する流れになります。
一方で、自分の給湯器がどのタイプなのかが分からない段階の人は、写真を送れば設置適合の確認までやってもらえます。壁掛型なのか、パイプシャフトの中なのか、屋内設置形なのかを先に判定してもらうところから始めるのが早い進め方です。
マンションで玄関横の扉の中にある場合は、マンションでお湯が出ないときは、先に玄関横のパイプシャフトを見てくださいも参考にしてください。

写真で設置タイプを確認してもらう

首都圏に都市ガスを供給する東京ガスのサービスで、申し込みから工事まで一社で完結します。Web専用のオンライン販売に絞って価格を抑えており、工事は東京ガスが委託する施工パートナーが担当します。設置タイプは壁掛型・据置型・パイプシャフト前排気型の3つで、写真を送ると設置適合の確認まで行われます。
※ 屋内設置形は上記3タイプの一覧に含まれていません。対応の可否は見積もりの段階で確認してください。

屋内設置形には、いまも続いている無償点検があります

古い屋内設置形には、メーカーが期限を切らずに続けている無償点検・回収があります。2026年9月23日時点で各社の公式サイトに掲載されているものは次のとおりです。
メーカー対象製造・販売期間内容
ノーリツ屋内設置形強制給排気式ガスふろ給湯器 GT-165W-FFA、GT-165AW-FFA、GT-165AWX-FFA1993年2月〜1996年10月排気通路部に穴あきが発生する不具合。無償点検・回収
ノーリツ強制排気式ガス給湯器 GQ-1622WD-F(都市ガス用L1・6B、6C、7C用)1996年12月〜2000年8月燃焼室から排気ガスが漏れ、背面の外装が加熱し変色するおそれ。無償点検
パロマ半密閉式ガス瞬間湯沸器1980年〜1989年使用中止の呼びかけと無償点検・回収
ノーリツのGT-165シリーズは、販売ブランドが同社だけではありません。ハウステック(当時の発売元は日立化成工業)のWZ-162AT-FFが1993年6月〜1996年10月、北海道ガスのKNR-671FFが1994年5月〜1997年11月も同じ告知の対象です。ノーリツは告知文で「これまで穴あきによる事故は発生しておりません」と書き添えています。
パロマの回収は、2006年7月19日の「謹告」から20年続いています。同社は該当製品について、現行の同等製品への無償交換、または1台あたり本体価格の半額を支払っての引き取りを案内しています。対象の製造年は同じページのポルトガル語版に「1980年から1989年に製造された機器」と書かれています。
同社は「アパートの空室や集会所・学校等、ご自宅以外の場所でも見つかっております」とも書いています。自分の家だけでなく、管理している空室や地域の施設に古い湯沸器が残っていないかを見る価値があります。点検に来るのはパロマの社員か、「パロマ半密閉式湯沸器再点検業務委託証明書」を持った委託会社の社員で、訪問の際は社員証か委託証明書を確認するよう案内されています。
壁を貫通して浴室と外をつないでいるタイプについては、壁貫通型給湯器の現行品は2社11機種ですで現行機種を整理しています。

よくある質問

Q. 屋内設置形を、屋外設置に変えられますか。
東京ガスは機器交換のページで「設置タイプは変更できないため、現在設置されている給湯器の場所をよくご確認ください」と案内しています。給水・給湯の配管、ガス管、排気の経路がすべて変わるため、通常の交換工事の枠には入りません。変更できるかどうかは、現地を見た事業者の判断になります。
Q. 排気筒だけを交換することはできますか。
交換できるくんは、本体を交換するときには破損や老朽化の有無にかかわらず必ず新しい排気筒へ替えると書いています。本体をそのままに排気筒だけを替えられるかどうかについては、同社の公開ページでは確認できませんでした。
Q. 屋内設置の給湯器は、法律で決まった点検の対象ですか。
現在は対象外です。屋内式ガス瞬間湯沸器と屋内式ガスふろがまは、令和3年8月1日施行の消費生活用製品安全法の政令改正で、法定点検が義務づけられる特定保守製品から削除されました。同時に外れたのは、FF式石油温風暖房機、浴室用電気乾燥機、ビルトイン式電気食器洗機です。義務ではなくなっただけで、危険がなくなったわけではありません。ノーリツは任意の「あんしん点検」を案内しています。
Q. 製造年月はどこを見れば分かりますか。
本体の前面です。ノーリツは告知文で「製品名・製造年月は器具本体前面にシールにて表示されています」と明記しています。無償点検の対象かどうかは、この製造年月と型式の2つがそろって初めて判断できます。
Q. 型式の末尾がFやFFでなければ、屋内設置形ではないと考えてよいですか。
そう言い切ることはできません。メーカーが3社あり、記号の付け方も年代で変わります。上の表はノーリツのカタログと告知文で確認できた範囲です。実際にどこに置かれているかを目で見るほうが確実で、家の中にあれば屋内設置形です。

出典

  • ノーリツ「ガスふろ給湯器(GT、GRQ)」「ガス給湯機器」(2026年9月23日取得)
  • ノーリツ「屋内設置形強制給排気式『ガスふろ給湯器』の無償点検・回収について」(2026年9月23日取得)
  • ノーリツ「強制排気式ガス給湯器の無償点検について」(2026年9月23日取得)
  • ノーリツ「無償点検・修理・回収のお知らせ一覧」(2026年9月23日取得)
  • パロマ「重要なお知らせ(半密閉式ガス瞬間湯沸器の点検・回収)」(2026年9月23日取得)
  • 東京ガス「東京ガスの給湯器交換」(2026年9月23日取得)
  • 交換できるくん 公式ショップ(ガス給湯器の基本工事費は2026年9月23日取得、石油給湯器の工事費表は2026年9月11日取得)
  • 特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律(昭和54年法律第33号)第3条・第4条、同法施行令(昭和54年政令第231号)第1条第1号
  • 消費生活用製品安全法施行令の改正(令和3年8月1日施行)