税金と国民年金の滞納は、信用情報機関の登録項目にありません|住宅ローンの審査に残るのは3機関の記録で、消えるまでの年数が違います
この記事を読むと分かること
- 住宅ローンの審査で照会されるのは信用情報機関の記録で、税金・国民年金・公共料金の支払い状況は3機関の登録項目に挙げられていないこと
- 同じ滞納でも、CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターで残る年数の数え方が違うこと
- CICが「異動」と表示するのは、返済日より61日以上または3か月以上の支払遅延、保証履行、破産手続開始の決定の3つだと公表されていること
- 税金の滞納は、信用情報ではなく提出書類のほうで表に出ること
住宅ローンの審査を前に、過去の支払いの遅れが気になる方に向けた記事です。クレジットカードを1回落とした、住民税をうっかり滞納した、国民年金をしばらく払っていなかった。どれも「滞納」と呼ばれますが、審査での扱いは同じではありません。
この記事は、信用情報機関3社と住宅金融支援機構が公表している資料だけを2026年9月22日に読み、どの滞納がどこに何年残るのかを並べたものです。個別の審査に通るかどうかは金融機関が決めることなので、ここでは判定ではなく、公表されている登録のルールだけを置きます。
住宅ローンの審査で照会されるのは、信用情報機関に登録された取引の記録です
日本の個人信用情報機関は3つあります。株式会社シー・アイ・シー(CIC)、株式会社日本信用情報機構(JICC)、そして一般社団法人全国銀行協会が設置・運営する全国銀行個人信用情報センター(以下、全銀協のセンター)です。銀行の住宅ローンで照会されるのは、主に全銀協のセンターです。
全銀協のセンターは、自分が登録している情報を次のように公表しています。
ローンやクレジットカード等の契約内容とその返済状況(入金の有無、延滞・代位弁済・強制回収手続等の事実を含む)の履歴
登録されるのは、ローンとクレジットカードの契約と、その返済がどうなったかです。CICとJICCの公表している登録項目も、対象は加盟している会社との契約に限られています。
3機関が公表している登録情報の一覧に、税金・社会保険料・公共料金・家賃の支払い状況は挙げられていません。住民税を滞納しても、国民年金を払っていなくても、その事実そのものが信用情報機関に送られる仕組みにはなっていないということです。ただしこれは「審査に関係がない」という意味ではありません。別の経路で表に出ます。後の章で扱います。
※ 全国銀行個人信用情報センター「センターの概要」、CIC「CICが保有する信用情報」、JICC「信用情報の内容と登録期間」の記載に基づく(いずれも2026年9月22日確認・編集部調べ)。
滞納の記録は、3つの機関で残る年数の数え方が違います
「5年で消える」とよく言われますが、3機関の公表している登録期間を並べると、数え始めの点が揃っていません。
| 登録される情報 | CIC | JICC | 全銀協のセンター |
|---|---|---|---|
| 契約内容と返済状況 | 契約期間中および契約終了後5年以内 | 契約継続中および完済日から5年を超えない期間 | 契約期間中および契約終了日(完済されていない場合は完済日)から5年を超えない期間 |
| 延滞そのものの扱い | 返済状況の欄に「異動」として表示 | 延滞情報は延滞継続中。延滞解消の事実は発生日から1年を超えない期間 | 返済状況の履歴に含めて登録 |
| 申し込んだ事実 | 照会日より6か月間 | 照会日から6か月以内 | 利用日から、会員への提供は6か月を超えない期間(本人開示は1年) |
| 官報に載った破産・民事再生 | 返済状況の「異動」に破産を含む | 取引事実(破産申立・保証履行・債務整理等)として登録。契約日2019年10月1日以降は契約継続中および契約終了後5年以内 | 決定日から7年を超えない期間 |
※ CIC「CICが保有する信用情報」、JICC「信用情報の内容と登録期間」、全国銀行個人信用情報センター「センターの概要」の記載に基づく(2026年9月22日確認・編集部調べ)。表は各機関の公表している登録期間をそのまま並べたもので、審査での評価のされ方を示すものではありません。
目を引くのは、官報に公告された破産と民事再生の扱いです。全銀協のセンターだけが、決定日から7年を超えない期間という別枠を設けています。銀行のローンでは、ここが他の2機関より長く残ります。
完済していないと、5年の数え始めが来ません
3機関とも、返済状況の履歴は「契約が終わってから5年」という形で期間を定めています。全銀協のセンターは、このかっこ書きを明示しています。
契約期間中および契約終了日(完済されていない場合は完済日)から5年を超えない期間
滞納したまま放置している間は、5年のカウントが始まりません。「時間が経てば消える」と考えて連絡を絶つと、消えるどころか、契約が続いている限り記録も続きます。数え始めを動かせるのは、完済するか、契約を終わらせるかのどちらかです。
JICCはもう一段細かく、延滞情報については「延滞継続中」、延滞が解消した事実については「当該事実の発生日から1年を超えない期間」と分けています。払い終えたという記録のほうが先に消える設計です。
返済そのものが苦しくて連絡できないでいる場合は、条件を組み直す手続きが用意されています。借入先での条件変更と住宅金融支援機構の返済方法変更メニューについては、住宅ローンの月々10万円は、全国の中央値11.6万円より軽い返済額ですにまとめました。どちらも「返し続けられる見込みがあること」が条件なので、動くのが遅いほど選べる手が減ります。
何日遅れると、記録に残りますか
CICは、開示報告書の「返済状況」の欄に「異動」と表示する条件を、資料の中で3つ挙げています。
| 「異動」と表示されるもの | CICの説明 |
|---|---|
| 支払いの遅れ | 返済日より61日以上または3か月以上の支払遅延(延滞)があるものまたはあったもの |
| 保証履行 | 返済ができなくなり保証契約における保証履行が行われたもの |
| 破産 | 裁判所が破産を宣告したもの(破産手続開始の決定がされたもの) |
※ CIC「開示報告書の各項目の説明(表示項目の詳細説明)」2ページの《お支払の状況》26. 返済状況より(2026年9月22日確認)。同資料は画像で読み、記載を確認しています。
「うっかり1日遅れた」と「61日以上または3か月以上の遅れ」は、CICの資料の上では別のものです。前者はこの3つに当たりません。ただし、遅れた月の入金の有無そのものは返済状況の履歴として登録されるので、記録に何も残らないわけではありません。
払い終えたあとの扱いも決まっています。CICは「補足内容」の欄に「解消」(支払が遅れていた未払い金を解消したもの)を表示し、延滞解消日を記録します。遅れを解消した事実は、遅れた事実とセットで残ります。
もうひとつ、読者が自分の状況と結びつけにくい言葉が「保証履行」です。CICは契約の終了状況に「本人以外弁済」という区分を置き、本人以外(保証会社など)から支払がされたものと説明しています。住宅ローンで保証会社が代わりに払った状態は、全銀協のセンターでは「代位弁済」として登録の対象に挙げられています。滞納の記録の中で、これがいちばん重い側です。この先で家がどう扱われるかは、不動産の競売とは、裁判所が差し押さえて売る手続きですで整理しています。
税金や国民年金の滞納は、信用情報ではなく提出書類のほうで表に出ます
前の章のとおり、税金と社会保険料の支払い状況は3機関の登録項目に入っていません。それでも審査と無関係にはなりません。収入を証明する書類が、税の書類だからです。
フラット35の必要書類は、所得を証明する書類を次のように定めています。
| 申込者 | 所得を証明する書類 |
|---|---|
| 給与所得のみの方 | 特別徴収税額の通知書、住民税納税通知書、住民税課税証明書等の公的収入証明書(借入申込年の前年および前々年) |
| 給与所得のみ以外の方 | 納税証明書(所得金額用)および確定申告書(写)等 |
※ 住宅金融支援機構「【フラット35】融資手続・必要書類」(新築住宅)の記載に基づく(2026年9月22日確認・編集部調べ)。必要な書類は取扱金融機関によって異なります。
同じページには、こう書かれています。
借入れのお申込み後、審査上の理由で、住民税納税証明書、直近時における給与明細の写しや給与振込通帳の写しなどの追加の書類提出をお願いする場合があります
納税証明書は、納めたことを証明する書類です。未納があれば、そこに出ます。信用情報機関を経由しないだけで、書類の提出という形で審査の場に出てくるということです。民間の住宅ローンで何を求められるかは金融機関ごとに違うので、借入先に確認してください。
なお、フラット35は収入の基準として総返済負担率を定めており、年収400万円未満で30パーセント以下、400万円以上で35パーセント以下とされています。この分子には住宅ローン以外の借入れも入ります。借入額と年収の関係は住宅ローンは年収の何倍かでは決まりませんにまとめました。
※ フラット35「ご利用条件」(2026年9月22日確認)。
短い期間に何社も申し込むと、その事実も6か月残ります
3機関とも、申し込みを受けた会社が照会した事実を登録します。CICは照会日より6か月間、JICCは照会日から6か月以内、全銀協のセンターは会員への提供を6か月を超えない期間としています。
登録されるのは「審査に落ちた」という結果ではなく、「申し込んで照会された」という事実です。落ちたかどうかは登録項目に挙げられていません。それでも、同じ時期に複数の会社から照会が入っていれば、申し込みが重なっていることは分かります。
自分の記録は、審査を受ける前に自分で取り寄せられます
3機関とも、本人が自分の登録情報を開示請求できる仕組みを用意しています。全銀協のセンターのインターネット開示は、マイナンバーカードを使い、次の5段階で進みます。
- 手続きに使うメールアドレスを登録する
- 氏名・住所・電話番号などを入力する(SMS認証あり)
- 公的個人認証で本人確認を行う
- 案内されたURLから手数料を支払う
- 案内されたURLから開示報告書をダウンロードする
開示報告書は、URLの案内を受信してから10日以内にダウンロードする必要があります。申込日から1か月が経つと、10日以内であってもダウンロードできなくなります。
※ 全国銀行個人信用情報センター「本人開示の手続き」の記載に基づく(2026年9月22日確認・編集部調べ)。手数料と手続きは変更されることがあります。
センターは、自分たちが審査業務を一切行っておらず、審査結果の理由は分からないとも案内しています。開示で分かるのは登録されている事実だけで、その事実をどう評価するかは金融機関の側にあります。
家計の側から組み直したい方へ
信用情報は過去の記録なので、書き換えられません。動かせるのは、これから何を借りて、どう返すかのほうです。
ファイナンシャルアカデミーの「お金の教養スクール」は、家計管理、ライフプラン、保険、住まい、税金、年金、定年後設計を全15回・22時間半で学ぶスクールです。住まいの回(vol.10「住まいと暮らしのマネープラン」)に、マイホーム予算の計算方法や住宅ローンの組み方・返し方が含まれています。中身を先に見たい場合は、無料体験セミナーから受けられます。特定の物件や金融機関を勧めるものではありません。
※ ファイナンシャルアカデミー公式サイト「お金の教養スクール」のカリキュラムより(2026年9月22日確認)。運営は株式会社FinancialAcademyです。
よくある質問
住民税を滞納したことは、信用情報機関に登録されますか
CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターが公表している登録情報の一覧に、税金の支払い状況は挙げられていません(2026年9月22日確認)。3機関が登録するのは、加盟している会社とのローン・クレジットカードの契約と、その返済状況です。ただしフラット35の必要書類には住民税課税証明書等の公的収入証明書が含まれ、審査上の理由で住民税納税証明書の追加提出を求める場合があるとされています。
クレジットカードを1回落としただけでも記録に残りますか
CICが「異動」と表示するのは、返済日より61日以上または3か月以上の支払遅延、保証履行、破産手続開始の決定の3つです。1回の遅れはこれに当たりません。ただし毎月の入金の有無そのものは履歴として登録されるので、記録に何も残らないわけではありません。
滞納の記録は何年で消えますか
3機関とも契約が終わってから5年が上限です。数え始めが契約終了日なので、滞納したまま放置している間はカウントが始まりません。官報に公告された破産・民事再生手続開始決定だけは、全国銀行個人信用情報センターが決定日から7年を超えない期間としています。
ブラックリストという名簿はあるのですか
3機関が公表している登録情報の一覧に、そのような名簿はありません。登録されているのは、延滞・代位弁済・強制回収手続といった事実と、その発生日です。俗に言われる「ブラックリストに載る」は、これらの事実が記録に残っている状態を指した言い方です。
奨学金や携帯電話の分割払いはどう扱われますか
登録の対象になるかどうかは、その貸し手や販売会社が3機関のどれに加盟しているかで決まります。加盟していれば契約と返済状況が登録され、していなければ登録されません。自分の契約がどうなっているかは、開示請求で実際の登録内容を見るのが確実です。
まとめ
住宅ローンの審査で照会されるのは、信用情報機関に登録された取引の記録です。税金・国民年金・公共料金の支払い状況は3機関の登録項目に入っておらず、代わりに住民税課税証明書や納税証明書といった提出書類のほうで審査の場に出てきます。
記録が残る期間は3機関とも契約が終わってから5年が上限ですが、数え始めは契約終了日です。滞納したまま放置している間は、5年のカウントが始まりません。官報の破産・民事再生だけは、全国銀行個人信用情報センターで7年を超えない期間とされています。
CICが「異動」と表示するのは、61日以上または3か月以上の支払遅延、保証履行、破産手続開始の決定の3つで、1日の遅れとは区別されています。気になるなら、審査を受ける前に開示請求をして、実際に何が登録されているかを見てください。
出典:CIC「CICが保有する信用情報」「開示報告書の各項目の説明(表示項目の詳細説明)」、日本信用情報機構「信用情報の内容と登録期間」、全国銀行個人信用情報センター「センターの概要」「本人開示の手続き」、住宅金融支援機構「【フラット35】融資手続・必要書類」「ご利用条件」。いずれも2026年9月22日に確認しました。ファイナンシャルアカデミーのカリキュラムは同社公式サイト(2026年9月22日確認)。