住宅ローンを50年で組めるのは29歳までです|民間4行の完済時年齢の決まり方と、35年との差額350万円

★「住宅ローンは50年で組める」という話を見かけます。ただ、条件を読むと、50年をそのまま選べる人は思ったより限られます。
この記事では、50年を扱う民間4行とフラット50の公表条件だけを並べます。判断に効くのは金利よりも、完済時の年齢の決まり方です。
  • 民間4行はどこも完済時の年齢が80歳未満。つまり50年フルで組めるのは借入時29歳までです
  • イオン銀行は計算式まで公開していて、最長期間=79歳−融資日時点の年齢。35歳なら44年です
  • 35年を50年にすると、同行の公表値で毎月19,643円下がり、総支払額は3,507,900円増えます
  • 50年にすると金利が上乗せされます(イオン・ドコモSMTB・auじぶん・SBI新生の4行で年0.10〜0.15%)。イオン銀行は繰上返済で35年以内に縮めても戻りません
  • 名前の似たフラット50は別の商品で、長期優良住宅などの認定が条件です

住宅ローンを50年で組めるのは何歳までですか

50年をそのまま選べるのは、借入時の年齢が29歳までの人です。50年を扱う民間の銀行のうち、年齢の条件を公表している4行はいずれも「完済時の年齢が80歳未満」を条件にしているため、30歳で借りると完済時がちょうど80歳になり、条件から外れます。
イオン銀行はこの関係を計算式として公開しています。「お借入最長期間=完済時ご年齢(79歳)−ご融資日時点の年齢」で、同行は「ご融資日時点のご年齢が35歳のお客さまは、最長44年までのお借入れとなります」と例示しています。
銀行公表されている年齢の条件50年を選べる借入時年齢
イオン銀行最長期間=79歳−融資日時点の年齢(完済時79歳まで/80歳未満)29歳まで
楽天銀行(50年住宅ローン)借入時満65歳未満、完済時満80歳未満29歳まで
ドコモSMTBネット銀行返済期間は最長50年、完済時の年齢は80歳未満29歳まで
SBI新生銀行最長50年以内、完済時の年齢が満80歳未満であることが条件29歳まで
※ 各行の公式サイト(イオン銀行「50年ローンをご検討の方に」/楽天銀行「50年住宅ローン(無理なく返済プラン)」商品詳細説明書 基準日2025年9月25日/ドコモSMTBネット銀行「はじめての住宅ローン 返済期間」/SBI新生銀行 2025年10月30日ニュースリリース)より。2026年9月19日取得・編集部調べ。
なお、auじぶん銀行も借入期間を最長50年としていますが、完済時の年齢の条件は公式サイトの商品ページでは確認できませんでした(2026年9月19日取得・編集部調べ)。上の表に入れていないのはそのためで、「条件が無い」という意味ではありません。 つまり「50年ローン」という名前でも、40代で申し込む人にとっては40年未満のローンです。年齢が1歳上がるごとに、選べる期間の上限が1年ずつ縮んでいきます。
なお、いくらまで借りられるかは期間だけでは決まりません。年収に対する返済の割合のほうが先に効きます。その基準と実際の集計値は住宅ローンは年収の何倍かでは決まりませんにまとめています。

35年を50年に延ばすと、毎月と総額はどう動きますか

イオン銀行が3,000万円のケースで期間別の試算を公表しています。35年と50年を比べると、毎月の返済額は19,643円下がり、総支払額は3,507,900円増えます
返済期間金利毎月の返済額総支払額
25年年1.02%113,333円33,999,900円
30年年1.02%96,767円34,836,120円
35年年1.02%84,965円35,685,300円
40年年1.12%77,570円37,233,600円
45年年1.12%70,751円38,205,540円
50年年1.12%65,322円39,193,200円
※ イオン銀行「50年ローンをご検討の方に」の掲載値。借入金額3,000万円、元利均等返済、ボーナス返済なし、手数料定率型、借入期間中に金利が変動しない想定。2026年9月19日取得・編集部調べ。差額は編集部が同表から引き算したものです。
金利が35年の1.02%から50年の1.12%に上がっているのは、同行が「お借入期間が35年を超える場合、お借入利率が年0.10%高くなります」としているためです。期間を延ばすと、元本を返すのが遅くなるうえに、適用される金利そのものも上がります。

50年にすると金利が上乗せされます

上乗せを公表しているのは、イオン銀行・ドコモSMTBネット銀行・auじぶん銀行・SBI新生銀行の4行です。幅は年0.10〜0.15%で、上乗せが始まる境目は行によって違います。**年齢の条件を公表している4行とは顔ぶれが違います**ので、下の表で銀行名を確かめてください。
銀行上乗せが始まる期間上乗せ幅
イオン銀行35年超0.10%
ドコモSMTBネット銀行35年超〜40年以内は上乗せなし。40年超〜50年以内から0.15%
auじぶん銀行35年1か月以上(長期返済)0.10%
SBI新生銀行50年返済(変動金利・半年型)0.10%
楽天銀行期間の長さによる上乗せの記載は、商品詳細説明書では確認できませんでした(返済用口座を他行にした場合の年0.3%など、別の条件による上乗せは記載があります)記載なし
※ イオン銀行「50年ローンをご検討の方に」/ドコモSMTBネット銀行「はじめての住宅ローン 返済期間」/auじぶん銀行 2025年1月14日お知らせ/SBI新生銀行 2025年10月30日ニュースリリース/楽天銀行 商品詳細説明書(基準日2025年9月25日)より。2026年9月19日取得・編集部調べ。
auじぶん銀行は2025年1月14日受付分から、35年以内・上乗せなしだった条件を、50年以内・年0.10%の上乗せありに改めました。

短くし直しても、上乗せは戻りません

ここが見落としやすいところです。イオン銀行は「お借入期間35年超で借入れ後、一部繰上返済によってお借入期間を35年以内に短縮しても、年0.1%の金利上乗せに変更はありません」と明記しています。
「とりあえず50年で借りて、あとで繰上返済して短くすればいい」という組み立ては、少なくとも同行では金利の面で元に戻りません。毎月の返済額を下げておく効果は残りますが、上乗せ分は最後まで付いてきます。他行の扱いは各行の商品概要説明書で確認してください。

フラット50は名前が似ていますが、別の商品です

住宅金融支援機構のフラット50は、民間銀行の50年ローンとは条件がまったく違います。長期優良住宅、予備認定マンション、管理計画認定マンションのいずれかを取得する場合にだけ使える、最長50年の全期間固定金利住宅ローンです。
主な条件は次のとおりです。
  • 申込時の年齢が満44歳未満(親子リレー返済を使う場合は満44歳以上も申込み可)
  • 借入期間は36年以上で、「80歳−申込時の年齢(1年未満切上げ)」と50年のいずれか短い年数が上限
  • 借入額は100万円以上1億2,000万円以下で、建設費または購入価額の9割以内
  • 総返済負担率は年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下
  • 第三者に賃貸する目的の物件など、投資用物件の取得資金には利用できない
※ 【フラット50】ご利用条件(2026年4月1日現在の表示)より。2026年9月19日取得・編集部調べ。
申込要件の「満44歳未満」と、期間の下限「36年以上」はつながっています。80歳から44歳を引くと36年で、年齢の上限と期間の下限がちょうど接するように設計されているためです。
居住用と投資用の線引きについては、不動産投資ローンと住宅ローンの違いでも触れています。

期間が長いほど、金利は高くなります

機構が公表している2026年9月の金利水準を並べると、期間の長さと金利の関係がそのまま出ています。
商品借入期間最も多い金利(融資率9割以下)
【フラット20】20年以下3.140%
【フラット35】21年以上35年以下3.460%
【フラット50】36年以上50年以下3.700%
※ 住宅金融支援機構「新機構団信付きの【フラット35】等の借入金利水準(2026年9月)」の「最も多い金利」。取扱金融機関により金利は異なります。2026年9月19日取得・編集部調べ。
フラット50には、民間にはない特徴もあります。返済中に物件を売却する場合、買う人にフラット50の債務を引き継げる金利引継特約が使えます。一方で機構自身が注意事項として、フラット35と比べて完済時年齢が高くなり、総返済額が増加する可能性があると書いています。
もうひとつ、扱っている窓口が限られます。機構は「フラット35またはフラット20のお申込みができる金融機関のうち、フラット50を取り扱っていない金融機関があります」としています。使えるかどうかは、申し込む金融機関に先に確かめてください。

借り換えで期間を延ばすときは、経過期間が引かれます

いま返済中のローンを50年に組み替えれば毎月が下がる、とは限りません。借り換えには期間の数え方の決まりがあります。
楽天銀行は「借り換えの場合は当初借入から経過期間を含め50年以内」とし、当初の金融機関で10年間返済したあとに借り換えるなら、最長は40年と例示しています。
イオン銀行は金利の側で差を付けています。借り換えで借入期間が既存ローンの残存期間を超える場合は年0.20%高くなり、35年超による年0.10%と両方に当てはまる場合は年0.20%のみが適用されます。
※ 楽天銀行 商品詳細説明書(基準日2025年9月25日)/イオン銀行「50年ローンをご検討の方に」より。2026年9月19日取得・編集部調べ。

返済額が5年変わらない仕組みと、125%の上限

変動金利で50年を選ぶなら、金利が動いたときに返済額がどう変わるかも見ておく必要があります。楽天銀行は商品詳細説明書に次のように書いています。
  • 元利均等返済は、借入利率に変更があっても5年間は返済額を変更しない
  • 返済額の見直しは5年ごとで、新返済額は旧返済額の1.25倍が上限
  • 当初の借入期間が満了しても未返済残高がある場合は、原則として一括返済。一括返済が困難な場合は期日までに申し出る
※ 楽天銀行「50年住宅ローン(無理なく返済プラン)」商品詳細説明書(基準日2025年9月25日)より。2026年9月19日取得・編集部調べ。
3つ目が、期間を延ばすことの本当の重さです。返済額が据え置かれている間に金利が上がると、返しきれなかった分は最後に残ります。50年で組むと、その「最後」が80歳の直前に来ます。
ただし、これは1行の商品詳細説明書に書かれている内容です。見直しの頻度や上限の決まりは銀行・商品によって違うので、自分が申し込む先の説明書で同じ項目を探してください。探す場所は「金利」「ご返済方法」の欄です。

予算の立て方から整理したいときは

ここまで見てきたとおり、50年ローンで動くのは毎月の返済額だけで、総額は増え、金利は上乗せされ、完済は80歳の手前まで延びます。期間を先に決めるのではなく、家計側でいくらまで出せるかを固めてから期間を選ぶほうが、判断の順番としては無理がありません。
家計の全体から順に整理したい方には、ファイナンシャルアカデミーのお金の教養講座(無料体験セミナー)があります。
同校のお金の教養スクールは全15回・22時間半のカリキュラムで、家計管理、ライフプラン、保険、住まい、税金、年金、定年後設計などを扱います。住まいの回(vol.10)には「後悔しないマイホーム購入の判断基準」として、マイホーム予算の計算方法、住宅ローンの組み方・返し方という項目が置かれています。運営は株式会社FinancialAcademyで、創立は2002年6月、累計受講生数は2025年に80万人を突破したと公式の沿革に記載されています。
※ ファイナンシャルアカデミー公式サイトのお金の教養スクール紹介ページおよび会社概要より。2026年9月18日確認・編集部調べ。体験セミナーの受講料は無料と記載されています。
金利タイプそのものを比べたい方は、預金残高に応じて利息が減るタイプを扱った預金連動型スターワン住宅ローンは誰が得かもあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 40歳で申し込むと、最長何年になりますか。
イオン銀行の式に当てはめると、79歳から40歳を引いて39年です。完済時80歳未満を条件にしている他の3行も同じ考え方なので、40歳なら39年前後が上限になります。「50年ローン」という商品名でも、40歳の人が50年を選べるわけではありません。
Q. 50年で借りて、あとから期間を短くすれば上乗せ金利は消えますか。
イオン銀行は消えないと明記しています。一部繰上返済で期間を35年以内に縮めても、年0.1%の上乗せは変わらないという注記です。他行については各行の商品概要説明書で確認してください。
Q. いま返済中のローンを借り換えて50年に延ばせますか。
楽天銀行は、当初の借入からの経過期間を含めて50年以内としています。10年返済したあとなら最長40年です。イオン銀行は、借り換えで期間が既存ローンの残存期間を超える場合に年0.20%の上乗せがあります。
Q. フラット50なら誰でも50年で組めますか。
組めません。長期優良住宅、予備認定マンション、管理計画認定マンションのいずれかを取得する場合に限られ、申込時の年齢は満44歳未満、借入期間は36年以上、借入額は建設費または購入価額の9割以内です。扱っていない金融機関もあります。
Q. フラット50は民間の50年ローンより金利が高いのですか。
2026年9月の水準では、フラット50の最も多い金利は年3.700%で、フラット35の年3.460%より高くなっています。ただしフラット50は全期間固定で、資金の受取時に完済までの金利と返済額が確定します。民間の変動金利とは仕組みが違うため、数字だけを並べても比較にはなりません。

まとめ

  • 50年をそのまま選べるのは借入時29歳まで。民間4行はいずれも完済時の年齢が80歳未満です
  • イオン銀行は最長期間=79歳−融資日時点の年齢と式で公開しており、35歳なら44年です
  • 同行の公表値では、3,000万円を35年から50年に延ばすと毎月19,643円下がり、総支払額は3,507,900円増えます
  • 期間を延ばすと金利も上乗せされます(イオン・ドコモSMTB・auじぶん・SBI新生の4行で年0.10〜0.15%)。イオン銀行は繰上返済で短縮しても戻りません
  • フラット50は別の商品で、長期優良住宅などの認定が条件。申込時44歳未満、36年以上、購入価額の9割以内です。2026年9月の最も多い金利は年3.700%(フラット35は年3.460%)でした
  • 借り換えで延ばす場合、楽天銀行は経過期間を含めて50年以内。10年返済後なら最長40年です
  • 民間各行の審査基準そのものは公表されていないため、この記事では確認できませんでした