電気温水器の寿命は8年と10年に割れます|三菱はタンク容量150L、日立は機種とBL認定で線を引き、コロナは分かれず一律10年でした

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電気温水器の「寿命」として出回っている年数は、機器が壊れるまでの年数ではありません。修理に使う部品がメーカーから無くなるまでの年数です。この記事では、その年数がメーカー3社でどう違うのか、同じ会社の中でも機種で分かれること、保証期間との違い、そして税務の「耐用年数」が別物であることを、公式資料から並べます。

電気温水器の寿命は何年ですか

電気温水器の補修用性能部品の保有期間は、製造打ち切り後8年または10年です(三菱電機・日立・コロナの公表資料・2026年9月15日取得)。
この年数は「壊れる年数」ではありません。直せる年数です。部品が無くなれば、動いていても次の故障で修理を断られます。
そして8年と10年のどちらになるかは、メーカーによって線の引き方が違います。容量で分かれる会社もあれば、機種で分かれる会社も、そもそも分かれない会社もあります。

メーカー3社を並べると、線の引き方が違います

メーカー対象保有期間分かれ方
三菱電機電気温水器(150L以上)10年タンク容量
三菱電機電気温水器(150L未満)8年タンク容量
日立ふろ自動給湯型(BE-A37C など)8年機種と認定
日立同・BL認定品(型式末尾が BL)10年機種と認定
日立スタンダードマイコンタイプ(BE-Z37FWU など)10年機種と認定
コロナ電気温水器10年分かれない
※ 三菱電機は「補修用性能部品の保有期間」一覧(2024年4月12日 第8版)、日立は各機種の取扱説明書、コロナは電気温水器カタログ(記載内容は2024年3月現在)。いずれも2026年9月15日に各社の公式サイトで取得。
同じ「電気温水器」でも、根拠になっている区切りが3社で違います。
容量で調べれば分かるのは三菱電機だけです。日立は容量ではなく機種と認定で決まり、コロナは何も調べなくても10年です。
だから「電気温水器の寿命は10年」という一般論は、自分の機種には当てはまらないことがあります。確かめるには、型番をメーカーに伝えて聞くのがいちばん早い。

起算点は、買った日ではありません

三菱電機の一覧には、次の注記が付いています。
補修用性能部品の保有期間の始期は製造を打切った時です。
製造打ち切りが起点です。設置した日ではありません。
つまり、在庫として長く置かれていた機種や、モデルチェンジ直前の機種を買った家は、設置した時点で保有期間が何年か減っています。この差は、カタログにも見積書にも出ません。
型落ち品が安く出ていても、残り年数まで安くなっているわけではない、ということです。

日立は、同じ電気温水器でも説明書ごとに年数が違います

ここがいちばん間違えやすいところです。日立の電気温水器は、取扱説明書によって書いてある年数が違います。
ふろ自動給湯型(BE-A37C、BE-A46C、BE-A56C ほか)の取扱説明書には、こうあります。
補修用性能部品の保有期間は製造打切後8年です。ただし、BL認定品(型式末尾が“BL”)のものは10年です。
一方、スタンダードマイコンタイプ(BE-Z37FWU、BE-Z46FWU、BE-Z56FWU)の取扱説明書には、こうあります。
補修用性能部品の保有期間は製造打切後10年です。
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BL認定品は、一般財団法人ベターリビングの認定を受けた住宅設備です。日立の取扱説明書は「型式末尾にBLのつく機種はBL認定品です」と説明しています。型式の最後の2文字を見れば分かります。
保証期間も同じように分かれています。ふろ自動給湯型は本体1年・タンク5年ですが、BL認定品は本体2年・タンク5年・ヒータ3年です(2026年9月15日取得)。
つまり、同じ日立の電気温水器を使っていても、型式末尾にBLが付いているかどうかで、無償で直せる期間も部品が残る期間も違います。

保証期間と部品保有期間は別ものです

混同されやすいので分けておきます。
  • 保証期間 … 無償で直してもらえる期間
  • 部品保有期間 … 有償でも直せる部品が残っている期間
部品保有期間のほうが長いのが普通です。保証が切れた=もう直せない、ではありません。
コロナは電気温水器のメーカー保証を2年としたうえで、有償の延長修理保証を用意しています(電気温水器カタログ・記載内容は2024年3月現在)。
延長修理保証費用(税込)
5年延長修理保証5,500円
8年延長修理保証11,000円
10年延長修理保証22,000円
※ 申し込みは、お買い上げ日(メーカー保証開始日)から6か月以内。延長保証はメーカー保証(2年間)の終了後からのスタートで、契約期間はメーカー保証を含む年数です。内容と価格は変更されることがあるとカタログに注記があります(2026年9月15日取得)。
延長保証の10年と、部品保有期間の10年は別の10年です。延長保証は自分の機器を無償で直してもらう契約、部品保有期間はメーカーが部品を持っている期間です。片方だけ長くしても、部品が無くなれば直せません。

水質によって、タンクの寿命は短くなります

年数の話とは別に、コロナの電気温水器カタログには次の注記があります。
注)水質によっては、タンク、減圧弁、逃がし弁等の寿命が通常より短くなることがあります。水質基準に適合した水道水を使用してください。(井戸水は使用不可)
井戸水は使えません。温泉水も同様に不可とされています。
電気温水器はタンクにお湯をためる機器なので、水の質がそのままタンクと弁の傷み方に効きます。同じ機種を同じ年数使っても、地域や水源で結果が変わるということです。
部品保有期間の8年・10年は、あくまでメーカーが部品を持っている年数であって、その年数もつことを約束した数字ではありません。

法定耐用年数は、壊れるまでの年数ではありません

「電気温水器 耐用年数」で調べると、税務の年数が混ざって出てきます。これは別の数字です。
国税庁は、減価償却資産についてこう説明しています。
事業などの業務のために用いられる建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの資産は、一般的には時の経過等によってその価値が減っていきます。このような資産を減価償却資産といいます。
(国税庁タックスアンサー No.2100 減価償却のあらまし・2026年9月15日取得)
法定耐用年数は、この資産の区分ごとに決められた、費用を配分するための年数です。何年で壊れるかを測ったものではありません。賃貸経営などで経費に落とす計算に使います。
電気温水器をどの区分に当てはめるかは税務の判断になるため、この記事では年数を示しません。確定申告で使う数字は、税務署か税理士に確認してください。自宅で使っているだけなら、そもそも関係のない数字です。
ガス給湯器側の「6年」と「10年」の整理は、給湯器の寿命は10年が目安にまとめてあります。

買い替えるとき、電気温水器のままにするか、エコキュートにするか

部品が無くなる時期が見えてきたら、次の2択になります。
  • 電気温水器をもう一度入れる … 工事が軽く、設置スペースの条件も今と同じです
  • エコキュートに替える … 空気の熱を使うため、同じお湯を作るのに使う電気が少なくて済みます。ただしヒートポンプユニットの置き場所が新たに要ります
電気温水器は電熱ヒーターで水を直接あたためる方式なので、効率は原理上1.0を超えません。エコキュートは大気の熱を汲み上げる方式です。この差は方式の違いによるもので、機種の優劣ではありません。
金額は書きません。電力プランと使い方で動くので、年いくら得という数字はご家庭ごとに違います。
エコキュートに替える場合は、補助金の条件を先に見ておいてください。電気温水器からの交換には撤去の加算が用意されています。条件と金額は電気温水器からエコキュートに交換すると補助金はいくら?にまとめてあります。
工事費の相場は電気温水器の交換費用はいくら?を見てください。

よくある質問

10年経ちましたが、まだ普通に使えています。替えるべきですか

壊れていないなら、慌てて替える必要はありません。ただし、部品が無くなったあとの故障は修理できないということは知っておいてください。壊れてから探すと、選ぶ時間も相見積もりを取る時間も無くなります。

自分の機種の保有期間を調べる方法はありますか

型番をメーカーに伝えて聞くのが確実です。三菱電機なら容量が150L以上か未満か、日立なら型式末尾にBLが付くかどうかが分かれ目になります(2026年9月15日取得)。カタログやWebの一覧だけでは、自分の機種がどちらに入るか判断できないことがあります。

エコキュートも同じ年数ですか

エコキュートの補修用性能部品の保有期間は、製造打ち切り後おおむね10年です。詳しくはエコキュートの寿命10年は、修理部品が無くなるまでの年数ですで書きました。

本体に寿命が書いてありますか

書いてありません。電気温水器は、設計上の標準使用期間の表示が義務づけられている品目ではないためです。本体のラベルに年数が書いてある機器もあります(換気扇の寿命が何年かは、本体のラベルに書いてあります)。

タンクからお湯が出なくなりました。寿命ですか

寿命と決めつける前に、水が出るかどうかを確かめてください。お湯だけ出ないのか、水も出ないのかで、見る場所が変わります。貯湯式の切り分けはエコキュートのお湯が出ないときは、先に水が出るかを見てくださいが近い内容です。

まとめ

  • 電気温水器の補修用性能部品の保有期間は、製造打ち切り後8年または10年(三菱電機・日立・コロナの公表資料・2026年9月15日取得)
  • 8年と10年の分かれ方が、3社でそれぞれ違います。三菱電機はタンク容量150L、日立は機種と BL認定、コロナは分かれず一律10年
  • この年数は直せる年数であって、壊れる年数ではありません
  • 起算点は製造打ち切りです。設置した日ではありません
  • 日立は同じ電気温水器でも取扱説明書ごとに年数が違います。型式末尾の BL が分かれ目です
  • 保証期間と部品保有期間は別ものです。コロナのメーカー保証は2年で、延長修理保証は別契約です
  • 井戸水は使えません。水質によってタンクと弁の寿命は短くなるとカタログが注記しています
  • 法定耐用年数は税務の年数です。壊れるまでの年数ではありません

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