エコキュートの凍結防止で浴槽に残す湯は5センチか10センチか|5社の公式は測る場所も通水量も違いました

この記事で分かること
  • 浴槽に残す水位は、日立が約5センチ以上、ほかの4社が10センチ以上と違います
  • しかも測る場所が「循環口の中心から」と「アダプターの上端から」で分かれています
  • 通水の量は4社が1分間に200ミリリットル、コロナだけが約400ミリリットルです
  • ふろ配管の凍結予防は、追いだき機能のある機種にしかありません
  • 蛇口やシャワーで浴槽に水をためると、配管に空気が入って予防が働きません
  • 長期の留守で必要な水抜きは、取扱説明書の手順では足りないと日立が書いています
  • 凍結予防運転が働くのは外気温0度以下。寒いのに表示が出ないのは正常です
エコキュートの凍結対策を調べると、「浴槽にお湯を残す」「少し水を流す」の2つが必ず出てきます。ところがどのくらい残すのか、どのくらい流すのかは、メーカーによって違います。
この記事は、三菱電機・パナソニック・ダイキン・日立・コロナの5社が公開している凍結予防の案内(いずれも2026年9月14日に取得)を突き合わせたものです。自分の家のメーカーがどれかで、やることが変わります。
ガス給湯器とは凍る場所も対策も違うので、ガスの方は給湯器の凍結防止機能は、つながっている配管までは守りませんをご覧ください。

エコキュートの凍結防止で、まずやることは何ですか

ブレーカーを落とさないことです。コロナは「エコキュート、ネオキュート、電気温水器はブレーカーをOFFにしないでください」と、名指しで書いています。
エコキュートは外気温が下がると自動で凍結防止運転に入りますが、それは電気が来ていることが前提です。長期の旅行でブレーカーを落としていく家は、この時点で機能を全部失っています。
そのうえで、各社が共通して挙げているのは次の3つです。
  1. 浴槽に水を残しておく(ふろ配管の凍結予防運転を働かせるため)
  1. 蛇口から少量の水を流し続ける(給水・給湯配管の凍結予防)
  1. 凍結防止ヒーターがあれば、プラグを差してスイッチを入れる
日立は3のあとに一言添えています。「凍結しない季節になったときは、凍結防止ヒーターのプラグをコンセントから抜いてください」。入れっぱなしにしない、という指示です。

浴槽に残すお湯は5センチですか、10センチですか

日立だけが約5センチ以上で、ほかの4社は10センチ以上です。しかも測る場所が社によって違います。
メーカー浴槽に残す水位どこから測るか
三菱電機10センチ以上浴槽アダプターの中心から
パナソニック10センチ以上循環口の中心から
ダイキン10センチ以上風呂接続アダプターの上から
日立約5センチ以上ふろ循環アダプターの上端より
コロナ10センチ以上浴槽の循環口より
「中心から10センチ」と「上端から5センチ」は、同じ高さを指していません。基準点が違うので、数字だけを並べて比べることはできません。中心は上端より半径のぶん下にあるので、同じ「10センチ以上」でも、中心から測るほうが実際の水位は低くなります。だから上端基準で入れておけば、中心基準の指示も自動的に満たせます。
迷ったときは上端から10センチを入れておけば、5社のどの指示も満たします。

ふろ配管の予防は、追いだき機能がある機種だけです

パナソニックは、この予防を「(フルオートのみ)」と限定しています。フルオートは浴室リモコンに追いだきスイッチがあるタイプです、という見分け方まで書かれています。
三菱電機も同じで、「追いだきや保温機能のない機種には、凍結予防運転はありません」としています。給湯専用タイプの家は、浴槽にお湯を残しても意味がありません。通水とヒーターで備えることになります。

通水は、どのくらい出せばいいですか

4社が1分間に200ミリリットル、コロナだけが約400ミリリットルです。コップ1杯分が目安、という言い方も3社で共通しています。
メーカー通水量リモコンの設定
三菱電機糸引き状態(量の指定なし)給湯温度を「水」に設定
パナソニック1分間に200ミリリットル程度給湯温度を「水」に設定
ダイキン1分間に200cc程度記載なし(蛇口側の指示のみ)
日立1分間に200cc給湯温度を「低温」に設定
コロナ1分間に約400cc(太さ5ミリ)記載なし(蛇口側の指示のみ)
パナソニックは「水」設定がない機種への補足も書いています。「設定できる下限温度まで下げてください。その際は、お湯を使用します」。下限までしか下げられない機種では、通水している間ずっとお湯が沸くということです。

リモコンの設定と蛇口のレバーは、別の操作です

混同しやすいところなので分けて書きます。
  • 蛇口のレバーは、最高温度側いっぱいに回す。ダイキンとコロナが明記しています。中途半端な位置だと水側からも流れてしまい、肝心の給湯配管に水が通りません
  • リモコンの給湯温度は「水」や下限まで下げる。三菱電機・パナソニック・日立が書いています。これはお湯を沸かさないための操作です
ダイキンはもう1つ、約30分後にもう一度流量を確かめるよう求めています。「流量が不安定になっている場合があります」という理由です。あわせて「設置状況等により、最後にお湯を使用してから1時間ほどお湯が出る場合があります」とも書かれているので、出ているのが水であることを確認してください。
日立は、通水を全部の蛇口でやる必要はないとしています。「すべての混合栓から水を出す必要はありません」。ただし外気温がマイナス10度以下になる場合や、長時間氷点下が続く場合は、補助として1か所から水を出すよう求めています。

蛇口やシャワーで浴槽に水をためてはいけません

これがいちばん見落とされる注意です。日立は理由まで書いています。
「蛇口やシャワーで水を浴そうにためないでください。ふろ配管内に空気が残るため、循環ポンプがエアがみして、ふろ配管の凍結防止ができない場合があります」
三菱電機は別の言い方で同じことを指摘しています。凍結予防運転は「ふろ自動(湯はり)」が正常に完了したときにしか働きません。蛇口から落とし込みで湯はりした場合や、湯はりが終わる前に「ふろ自動」を押して解除した場合は、10センチ以上お湯を残していても働かないと明記されています。
つまり、水位を守っていても、ためかたを間違えると無効になります。
日立は正しいためかたも公開しています。2019年発売以降のモデル(BHP-F○○S○、BHP-F○○T○、BHP-F○○U○、BHP-F○○W○)は「凍結防止注水実行」を使います。2016年発売以前は、ふろ温度を「低温(水温)」・ふろ水位を「1」に設定して「ふろ自動」を行うか、「さし水」を複数回行います。すでに蛇口でためてしまった場合は、「さし水」をして配管内の空気を浴槽へ出してください。
★冬の夜、浴槽から「ゴボゴボ」と音がすることがあります。日立は、浴槽にお湯がない状態で循環ポンプが回り、配管に残っていた水がアダプターから出る音だと説明しています。故障ではありませんが、その状態では凍結防止ができていません。水を足してください。

凍結防止運転は、いつ働きますか

給湯機の周囲の外気温が0度以下になったときです。日立はリモコンに「凍結防止中」と表示されるとしており、薄型エコキュート(BHP-FS○○RH1、BHP-FS○○SH、BHP-FS○○TH)だけは「凍結予防」と表示されると補足しています。
同じページに、逆向きの質問への答えもあります。「寒いのにリモコンに『凍結防止中』の表示が出ません」に対して、「給湯機周囲の外気温度が0℃以下になる必要があります」。体感で寒くても、機器のまわりが0度を割っていなければ表示は出ません。故障ではありません。
表示が出ているときの扱いも決まっています。お湯はりはしてよい。残り湯は排水してはいけない。残り湯を循環させて凍結を防いでいるためです。
三菱電機は、残り湯がないときの挙動まで書いています。「浴槽に残り湯が無い状態でも、外気温が下がると一度凍結予防運転に入ります。その後、ふろ配管に循環させる残り湯がないことが確認されると、それ以降は動作しません」。一度動いた音がしたからといって、守られているとは限りません。

長期の留守は、水抜きを工事店に頼んでください

ここだけは自分で完結しません。日立の記述がはっきりしています。
「給湯機を運転停止し、水抜きを行います。凍結のおそれがある時期となる場合は、水抜き作業はお買い上げの販売店または工事店に依頼してください(工事説明書に記載の水抜き作業となり、作業は有料となります)」
そのうえで、取扱説明書に載っている水抜きでは足りないと続けています。「取扱説明書の記載の水抜きでは、配管の一部に水が残り、凍結を完全に防ぐことはできず、部品故障のおそれがあります」。
三菱電機も、機器の周囲温度が0度を下回る地域については「給水・給湯配管の凍結防止のために凍結防止ヒーターを設置するなど、適切な凍結対策が必要です。お買上げの販売店(据付工事店)へご相談ください」としています。ヒーターの設置は工事です。
寒波の予報を見てから動いても、できるのは通水と残り湯までです。ヒーターや水抜きを頼むなら、冬が来る前に相談しておくほうが確実になります。

凍ってしまったら、何をすればいいですか

自然解凍を待ちます。コロナは「気温の上昇により自然に解凍するまでお待ちください」としたうえで、熱湯をかけることを明確に止めています。「給湯配管にお湯をかけて解凍をすることは、配管やバルブの破損の原因になる恐れがありますので、おすすめしません」。
日立は、その前にやることを指定しています。「配管が凍結した場合は、タンク専用止水栓を閉じて、お買い上げの販売店または工事店へ連絡してください」。止水栓の位置は工事のときに決まるので家ごとに違い、分からなければ販売店に聞く、とも書かれています。
解凍したあとの確認も忘れないでください。コロナは「給湯栓から水が出るようになったら、機器や配管から水漏れなどがないか確認してからご使用ください」としています。割れていても、氷が栓の代わりをしている間は漏れません。溶けてから漏れ出します。
エラー表示が出ている場合、コロナはE:14、E:28、U:2、U:3などを凍結の可能性として挙げています。お湯が出ない原因は凍結だけではないので、切り分けはエコキュートのお湯が出ないときは、先に水が出るかを見てくださいで確認してください。

凍結で壊れたときは、保証で直せますか

今回調べた5社の公開ページには、「凍結による破損は保証対象外」と明記したものは見つけられませんでした。免責事項があること自体は書かれていますが、内容は保証書やサービス規定の側にあります。加入している延長保証も含めて、書面で確かめてください。
参考までに、コロナは保証期間を公開しています。本体2年、コンプレッサーと熱交換器は3年、缶体は5年です(2026年9月14日取得)。
なお、ガス給湯器ではリンナイとノーリツが「凍結による破損は保証期間内でも有料修理」と明記しています。同じ扱いだと決めつけることはできませんが、無償だと期待して備えを省くのは危険です。

よくある質問

給湯専用タイプです。浴槽にお湯を残す意味はありますか

ありません。ふろ配管の凍結予防運転は、浴槽と機器の間で水を循環させる機能なので、追いだき機能のない機種には搭載されていません。三菱電機とパナソニックが、それぞれ「追いだきや保温機能のない機種にはない」「フルオートのみ」と書いています。通水と、必要ならヒーターで備えてください。

ふろ自動の保温中でも、凍結予防運転は働いていますか

働きません。三菱電機は「『ふろ自動』運転が継続している間(保温や足し湯中)は、凍結予防運転ははたらきません」としています。「ふろ自動」が終わっていれば、外気温が下がったときに自動で働きます。そのときふろ配管の冷たい水が浴槽アダプターから出てくることがあるので、「ふろ自動」終了後に入浴するなら、凍結予防運転を「切」にするか、もう一度「ふろ自動」を行うよう案内されています。

暖かい地域なので凍らないと思っています

日立は「寒冷地だけでなく、暖かい地域でも凍結することがあります」と書いています。コロナも「暖かい地域でも、冬期など外気温が0℃以下になると、給水・給湯配管に保温工事がしてあっても配管内の水が凍結し、お湯や水が出なくなる場合があります」としています。判断の基準は地域ではなく、機器のまわりが0度を下回るかどうかです。

まとめ

  • ブレーカーは落とさない。電気が来ていないと凍結防止運転そのものが動きません(コロナ)
  • 浴槽の水位は、上端から10センチ入れておけば5社すべての指示を満たします
  • ためかたは「ふろ自動」か「凍結防止注水実行」。蛇口やシャワーでためると空気が入って無効になります(日立・三菱電機)
  • 通水は1分間に200ミリリットル。コロナだけ約400ミリリットル(太さ5ミリ)
  • 蛇口のレバーは最高温度側、リモコンの給湯温度は「水」。別々の操作です
  • 追いだき機能のない機種に、ふろ配管の凍結予防はありません
  • 長期の留守の水抜きは有料の工事。取扱説明書の手順では水が残ります(日立)
  • 凍ったら自然解凍。熱湯は配管とバルブを壊します(コロナ)

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