引っ越し業者はペットを断れます|約款で「動植物」はピアノや美術品と同じ扱いです
この記事を読むと分かること
- 約款で「動植物」は引受けを拒絶できると決まっていること
- 同じ条文にピアノ・美術品・骨董品が並んでいること
- 2社とも自社のトラックでは運ばず、提携するペット輸送の専門業者へ取り次いでいること
引っ越しでペットをどうするかは、荷物とは別に考える必要があります。理由は約款にあります。
約款では、動植物は断ることができます
標準引越運送約款の第4条第2項に、こう書かれています。
- 「荷物が次に掲げるものであるときは、当該荷物に限り引越運送の引受けを拒絶することがあります。」
その第3号がこれです。
- 「動植物、ピアノ、美術品、骨董品等運送に当たって特殊な管理を要するため、他の荷物と同時に運送することに適さないもの」
※ 標準引越運送約款(全日本トラック協会が公開する全文)の記載を原文のまま引用(2026年9月2日確認)。
つまり、ペットは「荷物と一緒にトラックへ」という形が想定されていません。
★同じ枠にピアノと美術品が並んでいます
ここが分かりやすいところです。動植物は、ピアノ・美術品・骨董品と同じ号に入っています。
理由も条文に書かれています。特殊な管理を要するため、他の荷物と同時に運送することに適さない、という理由です。
ピアノを専門業者が運ぶのと同じ構造で、ペットも別の手当てが要ります。
★オプション一覧に載っているかどうかは、会社で違います
サカイ引越センターは、オプションに各種輸送サービスを置いています。車両輸送・ペット輸送・ピアノの3つです。
公式には「大切な車両、ペット、ピアノを、新居まで安全にお届けいたします。」とあり、ペット輸送の申し込みは商品販売部が窓口だと書かれています。
※ サカイ引越センター公式「便利な引越しオプションサービス」の記載に基づく(2026年9月2日確認・編集部調べ)。
一方、アート引越センターのオプションサービス一覧には、「ピアノ・特殊品の移動・搬送」と「車両陸送」はありますが、ペット輸送の項目はありません。ただし、一覧に無いことと「頼めない」ことは別です。次の節で見るとおり、アートは公式のよくあるご質問でペット輸送の取り次ぎを明記しています。
※ アート引越センター公式「アートならではの豊富なオプションサービス」の掲載内容に基づく(2026年9月2日確認・編集部調べ)。
一覧で判断せず、見積もりのときに聞いてください
約款はどちらも同じで、どちらも断ることができます。違うのは、オプション一覧という商品の棚に並べているかどうかです。
逆に「一覧に無いから断られる」とも考えないでください。両社とも、窓口の形は違っても受け付けています。ただし料金は種類・大きさ・年齢・距離・輸送手段で変わるので、一覧を見ても金額は分かりません。見積もりのときに申し出るのが、結局いちばん早いです。
★では、誰が運ぶのか。2社とも自社のトラックでは運びません
サカイもアートも、ペットを荷物から外したうえで、別の形で受け付けています。運ぶのは引越業者ではなく、ペット輸送の専門業者です。
サカイ引越センターの公式のよくあるご質問には、「当社では、専門性と安全性を考慮し、提携しているペット輸送専門業者に輸送を依頼しています。」と書かれています。
アート引越センターの公式のよくあるご質問にも、「当社では専門業者によるペット輸送の取り次ぎも承っております。輸送手段は陸路(トラック輸送)と空路(航空便)がございます。」とあります。
※ サカイ引越センター公式「引越し作業」のよくあるご質問、およびアート引越センター公式「輸送に関するご質問:ペットの引越しは?」の記載を原文のまま引用(2026年9月19日確認)。
つまり、オプション一覧に載っているかどうかは、窓口の見せ方の違いです。運ぶ主体はどちらも専門業者で、そこは変わりません。
料金が一覧に出てこないのも同じ理由です。アートは「ペットの種類や、大きさ、年齢、移動の距離、輸送手段によって料金が異なります」と書いています。定額の表があるサービスではありません。
★長距離は飛行機になることがあります。夏は乗れない犬種があります
ここが、見積もりの前に知っておきたいところです。サカイの公式のよくあるご質問には、次の3つが書かれています。
- 長距離の場合は、航空輸送を行うことがあります。その際、飛行機搭乗用のケージはお客様ご自身でご用意ください。
- 原則は「当日お預かり・当日お届け」となります。ご希望により、ペットホテルを利用し、翌日以降にお届けすることも可能です。
- 夏期は安全上の理由から、ブルドッグなどマズル(鼻)の短い犬種(短頭種)は、航空輸送をご利用いただけない場合があります。
※ サカイ引越センター公式「引越し作業」のよくあるご質問の記載を原文のまま引用(2026年9月19日確認)。
ケージを自分で用意する点は見落としやすいところです。飛行機に乗せられる規格のものが要ります。引っ越し当日に間に合わせるものではありません。
夏の長距離で短頭種を飼っている場合は、航空便が使えない前提で日程を考えておくほうが安全です。陸路になれば時間がかかり、当日お届けにならないこともあります。
★水の中の生き物は、ペットとも別の扱いです
熱帯魚は、ペット輸送の枠にも入らないことがあります。
サカイの公式のよくあるご質問は、対応できないペットとして「熱帯魚などの水中生物はお運びできません。」と書いています。
アートの公式のよくあるご質問は、水槽と魚を分けて説明しています。「水を取り去った水槽は運ぶことができますが、熱帯魚は引越しご家財と同時にお運びすることができません。」とあり、「ペットショップなどから運搬方法のアドバイスを受けられて、お客さまご自身でお運びされることをおすすめします。」と続きます。長距離の航空便についても「魚の種類によっては運搬できないものもありますのでご注意ください。」と書かれています。
※ サカイ引越センター公式「引越し作業」のよくあるご質問、およびアート引越センター公式「輸送に関するご質問:熱帯魚と水槽の運搬は?」の記載を原文のまま引用(2026年9月19日確認)。
水を抜いた水槽は荷物です。中の魚は荷物ではありません。ここが分かれ目になります。
★観葉植物も同じ扱いです
条文は動植物です。動物だけではありません。
大きな観葉植物を持っている場合も、同じ枠に入ります。見積もりのときに申し出てください。
段取り
| 順 | やること |
|---|---|
| 1 | 見積もりでペットと大きな植物があると伝える |
| 2 | その会社に輸送サービスがあるか確認する |
| 3 | なければ、専門業者か自分で運ぶかを決める |
| 4 | 移動当日の預け先を決める |
4を入れているのは、搬出と搬入の作業中に家の中を自由に動けると危ないからです。玄関も窓も開いた状態が続きます。
見積もりのとき
ペットや大きな植物は、申告していないと当日に判明します。ピアノと同じで、その場では対応できません。
| 優先したいこと | 向いている方法 | 受け入れること |
|---|---|---|
| 手間を減らして、厳選された数社で比べたい | HALESEE(ハレシー) | 比較できる社数は少なめ |
まとめ
- 約款で「動植物」は引受けを拒絶できる
- 理由は特殊な管理を要するため、他の荷物と同時に運送することに適さないから
- 同じ号にピアノ・美術品・骨董品が並んでいる
- サカイにはペット輸送のオプションがある(窓口は商品販売部)。ただし運ぶのは提携のペット輸送専門業者
- アートは一覧に項目が無いが、公式のよくあるご質問で専門業者の取り次ぎを明記している(陸路と空路)
- 「動植物」なので、大きな観葉植物も同じ枠
- 申告は見積もりの段階で。当日には対応できない
- 長距離は航空輸送になることがある。搭乗用のケージは自分で用意する
- 夏期は短頭種(ブルドッグなど)が航空輸送を使えないことがある
- 預かりと届けは原則として当日。ペットホテルを挟んで翌日以降にすることもできる
- 熱帯魚などの水中生物は、サカイは運べない。アートは水を抜いた水槽だけ運ぶ
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※ 本記事の約款の記載は標準引越運送約款(全日本トラック協会が公開する全文)に基づき、各社の取り扱いは公式サイトの掲載内容に基づきます(2026年9月2日および9月19日時点)。実際の可否・料金は会社と条件によって異なります。見積もりの際に必ずご確認ください。