引っ越しでピアノを運ぶとき|専門業者が要る理由と、新居で置ける場所の条件

この記事を読むと分かること
  • メーカー自身が「運搬・処理には許可が必要」と書いていること
  • 新居で置ける場所には温度・湿度・壁からの距離の条件があること
  • 電子ピアノは横にしたり立てたままにしてはいけないこと
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ピアノがあると、引っ越しの見積もりで「別途になります」「対応できません」と言われることがあります。
重いから、という単純な話ではありません。メーカー自身が運搬について特別な扱いを求めています。そこから確認します。

メーカーは「許可が必要」と書いている

河合楽器製作所(KAWAI)の公式FAQ「引っ越しや買い替え、廃棄などピアノが家を移動する場合はどこに相談すればよいか?」には、次のように書かれています。
  • カワイは運搬・処分といったサービスをしていない
  • 運搬・処理には許可が必要
  • 古いピアノや破損品については、取引先の運送・処分業者を紹介する形で対応する
  • 相談先は最寄りの直営店
※ 河合楽器製作所 公式FAQの記載に基づく(2026年8月時点・編集部調べ)。
メーカーが自分で運ばず、業者を紹介する形をとっているという事実が、この荷物の性質を表しています。引っ越し業者がオプション扱いにしたり、専門業者に振ったりするのは、そういう理由です。

引っ越し業者に頼めるのか

大手各社の公式サイトを見ると、ピアノ輸送はオプションとして用意されています。
会社公式に記載のあるオプション
日本通運ピアノの輸送/乗用車・オートバイの輸送
アート引越センターピアノ輸送/マイカー輸送/ペット輸送
ハート引越センターピアノ輸送/マイカー輸送/ペット輸送
アリさんマークの引越社ピアノ輸送ほか
※ 各社公式サイトの記載に基づく(2026年8月時点・編集部調べ)。実際の作業は提携する専門業者が行う場合があります。
つまり「頼める」のですが、通常の運送料金とは別枠です。見積もりの段階でピアノの有無を伝えないと、当日に金額が変わります。

金額が動くのは「建物の条件」

ピアノの運送費は、ピアノそのものより建物で決まります。
条件なぜ効くか
アップライトかグランドか重量と大きさが大きく違い、料金も倍近く変わるとされています
階数階段作業は1階ごとに加算されるのが一般的です
エレベーターに乗るか奥行きが足りないと階段作業になります
クレーンが要るか階段も通らない場合、窓やベランダから吊り上げます
搬入経路の幅と曲がり角通らなければ手段が変わります
※ 複数の運送業者が公開している料金体系をもとにした一般的な整理です(2026年8月時点・編集部調べ)。金額は業者・地域・現地の状況によって異なります。
見るのは新居だけではありません
旧居から出せるか新居に入れられるかの両方です。いま置けているからといって、同じ経路で出せるとは限りません(入居時にクレーンを使っていた場合など)。
購入したときにどうやって入れたかを思い出してください。それが一番の手がかりです。

新居で置ける場所には条件がある

運び込めても、置き場所が悪いと楽器が傷みます。メーカーが具体的な数値を出しています。
項目KAWAI公式の記載
室温(夏季)20〜30℃ /(冬季)15〜20℃
湿度(夏季)40〜70% /(冬季)35〜65%
壁からの距離10〜15cmくらい離して設置
インシュレーターや敷板を使うと床面を守れる
※ 河合楽器製作所 公式「ピアノはどこに置けばいいの?」の記載に基づく(2026年8月時点・編集部調べ)。
そして、避けるべき場所も具体的です。
  • 直射日光が当たる場所
  • 窓際や、隣家に直接面している場所
  • エアコン・暖房機器・除湿機の近く(風を直接当てると内部の木材が割れる可能性)

ここが住まい選びの話になります

上の3つは、部屋の条件そのものです。
条件内見で見るところ
窓際・外壁側を避けられるかピアノを置ける壁が内壁側にあるか。結露しやすいのは外壁側です
エアコンの位置と風向き設置済みのエアコンの真下・正面は避けたい
壁から10〜15cm引けるかその分だけ部屋が狭くなります。ぴったり付けられません
風通しちりやほこりが少なく風通しの良い場所だと、結露やカビを防げます
「入る」と「置ける」は別です。間取り図で寸法だけ見て決めると、置ける壁が窓際しかなかった、ということが起こります。
なお、湿度の管理はエアコンの使い方とも関わります。新居の設備が変わると電気の契約アンペアにも影響するので、そちらもあわせて確認してください。

電子ピアノは扱いが違う

電子ピアノもデリケートです。KAWAI公式には、保管・運搬時の注意として次の点が挙げられています。
  • ハンマー付アクション鍵盤を搭載しているため、長期間横にしたり立てたまま保管しない
  • 高温の環境下(夏の車内など)に放置しない
  • 強い振動や衝撃を与えない
  • ペダルの下にアジャスターがある場合は、移動後に高さ調整を行う
  • 重量があるため、無理をせず作業する
※ 河合楽器製作所 公式「保管/運搬の際に注意する点は?」の記載に基づく(2026年8月時点・編集部調べ)。
「横にしない」が重要です。電子ピアノは軽く見えるので、車に積むときに寝かせたくなります。鍵盤の機構に負担がかかります。
また、移動後のアジャスター調整は忘れがちです。ペダルがぐらつく原因になります。

移動したあとにやること

ピアノは環境が変わると狂います。移動後の調律を前提に予定を組んでください。
ただしタイミングには考え方があります。すぐに演奏の予定がある場合を除けば、新しい環境に少し馴染んでからのほうがよいとされています。運んだ直後は温湿度がまだ落ち着いていないためです。
急な環境変化がいちばん危険です
湿気を含んだ状態から、いきなり乾燥した部屋に入れると、木材から一気に水分が抜けて割れや故障につながることがあります。
新居が乾燥しているなら、加湿して環境を整えてから馴染ませてください。運び込んだその日に完璧な音を求めないほうが、楽器のためになります。

見積もりのときに伝えること

  • アップライトかグランドか(メーカー・型番が分かればなお良い)
  • 旧居と新居の階数、エレベーターの有無
  • 搬入時にクレーンを使ったかどうか
  • 電子ピアノの場合はその旨(扱いが変わります)
引っ越し料金には定価がありません。時期・荷物量・距離・作業条件で倍以上変わり、同じ条件でも業者の空き状況で動きます。ピアノの作業費を含めた総額で比べないと、どこが安いのか分かりません。
優先したいこと向いている方法受け入れること
手間を減らして、厳選された数社で比べたいHALESEE(ハレシー)比較できる社数は少なめ
とにかく多く比べて、できるだけ安くしたい引越し侍の一括見積もり電話とメールの本数

まとめ

  • メーカー(KAWAI)は運搬・処分のサービスをしておらず、「運搬・処理には許可が必要」と明記している
  • 大手引っ越し会社はピアノ輸送をオプションで用意。ただし通常の運送料金とは別枠
  • 金額を決めるのはアップライトかグランドか、階数、エレベーター、クレーンの要否
  • 旧居から出せるかも確認する。購入時にどう入れたかが手がかり
  • 置き場所の条件は室温(夏)20〜30℃・(冬)15〜20℃/湿度(夏)40〜70%・(冬)35〜65%
  • 壁から10〜15cm離す。ぴったり付けられない
  • 直射日光・窓際・隣家に面した場所・エアコンの風を避ける
  • 電子ピアノは長期間横にしたり立てたままにしない。移動後はアジャスターの高さ調整
  • 移動後は調律が要る。急な環境変化を避け、馴染ませてから

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※ 本記事の設置条件・運搬の注意は河合楽器製作所の公式サイトの記載に基づきます(2026年8月時点)。料金は複数の運送業者が公開している一般的な目安であり、業者・地域・現地の状況によって異なります。